人探し探偵

第六話

目覚め

裕貴の意識が戻った。
という病院からの連絡を受けて、俺は裕貴に会いに行った。
裕貴のいる病室に入ろうとした時、裕貴の担当医に声をかけられた。
別室で話をしたいとのことだった。
俺は担当医に連れられ病室を離れた。
担当医は個室に入ると自己紹介をした。
「私は裕貴さんの担当医をしている、佐藤蒼士そうしと言います。えっと、目黒さんですよね。」
「はい。そうですけど。」
「良かった。裕貴さんの親と連絡がつかなかったので、困ってたんですよ。」
「そうですか。」
「じゃあ、裕貴さんの容体について説明させていただきます。」
「あ、お願いします。」
「意識が戻る前にも説明したと思うんですが、刺し傷はあまり深くなくて、臓器も傷つけていないので、後遺症などは残らないと思われます。」
「それは良かった。」
「裕貴さんは過去に事故や事件に巻き込まれたことなどはありますか。」
「いや、わからないです。」
「そうですか。」
「なんか、気になることでもありますか？」
「はい。裕貴さんは耳が聞こえてないんですよ。」
「は？」