人探し探偵

第六話

真相判明

俺はそっと裕貴がいる病室の扉に手を掛けた。
目を瞑り、覚悟を決めた。
扉を開け中に入った。
「あ、目黒さん。」
裕貴は微笑みながら、俺を見た。
病室の窓から夕日が射し込んでいた。
もう、夕方か。
今日は時間が経つのが早く感じる。
「どうしたんですか？」
病室に入ってきたまま一言も喋らない俺の顔を、裕貴が覗きこんだ。
俺は裕貴を見た。
夕日に照らされた裕貴はニコニコしながらこっちを見ていた。
「ゆうくん。」
俺が呟くと、裕貴の顔から笑顔が消えた。
「お前だったんだな、ゆうくんって。」
裕貴は真顔で俺の顔を見つめる。
「俺、ずっと勘違いしてたみたいだ。この物語の主人公はお前だ。裕貴。」