真面目ちゃんの裏の顔

てんてこ米

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第八章 芽生え

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 幼馴染の腕の中ですやすやと寝落ちしていた呉宇軒ウーユーシュェンは、遠くから聞こえてきた扉を開ける音で目を覚ました。そのまま起きても良かったものの、李浩然リーハオランの腕の中はあまりにも心地よく、ぐずぐずしているうちに離れるのが惜しくなってくる。
 少し考えた後、彼はもう一度目を閉じると、しばらく寝たふりをすることにした。呉宇軒ウーユーシュェンをこの状態にしたのは他でもなく李浩然リーハオラン自身だ。それに、ちょっとくらいこのままでも、きっと彼は気にしないだろう。
 パタパタと廊下を歩く軽やかな足音が聞こえてきて、買い物を終えたアンおばさんがリビングに入ってくる。彼女は甥にべったりとくっついている呉宇軒ウーユーシュェンを見るなり、あら?と首を傾げた。

阿軒アーシュェンはどうしちゃったの?」

 彼女は眠る呉宇軒ウーユーシュェンを起こさないように気遣い、李浩然リーハオランに小声で尋ねる。いつも賑やかな彼がぐったりしているので心配になったらしい。

「電池が切れたみたい」

 なんてことはないと言うように、李浩然リーハオランが淡々とした声を返す。その言い草に呉宇軒ウーユーシュェンは思わず吹き出しそうになったが、ここで笑うと間違いなく起きていることに気付かれてしまうので、グッと堪えて耳を澄ませた。すると、少ししてガサガサと買い物袋を漁る音が聞こえてくる。
 アンおばさんは夕飯の献立についてあれこれ話し、幼馴染二人の夜の予定を尋ねた。

阿軒アーシュェンは今晩泊まれるのかしら」

「うん、連休中はずっとうちにいる」

 どこか嬉しそうな声が響き、寝たふりを続けている呉宇軒ウーユーシュェンはそんなに連泊が嬉しかったのかと密かに顔を綻ばせた。
 李浩然リーハオランのがっしりとした逞しい胸に体を預けていると、彼が何か言う度に触れた箇所から心地よい振動が伝わってくる。それが堪らなく愛おしくて、呉宇軒ウーユーシュェンは膝の上で身動ぎすると、彼の胸に自分の体をより密着させた。
 少々大胆な動きに気付かれたかと心配したが、彼が息を潜めて寝たふりに徹していると、二人は気付いた素振りもなく会話を続けた。

「そうなの? 良かったわ。お義父さんも喜ぶわね」

 彼らが祖父と最後に会ったのは高校の入学式だ。叔母の言葉に、李浩然リーハオランは苦笑を漏らした。
 赤ん坊の頃から李家の子どもたちと一緒に育てられてきた呉宇軒ウーユーシュェンは、幼馴染の祖父から三番目の孫と呼ばれている。一番目と二番目は幼馴染兄弟で、彼が三番目、李若汐リールオシーは四番目の孫という認識らしい。
 そういう訳で、呉宇軒ウーユーシュェンは血の繋がりが全く無いにも関わらず、幼馴染の祖父から大層可愛がられているのだ。

小然シャオランったら、せっかくおじいちゃんが来てもすぐ逃げていっちゃうから」

 アンおばさんが不貞腐れた顔をした甥っ子をからかって笑う。
 李浩然リーハオランはうるさくてしつこい祖父のことが苦手なので、彼が来るといつも臆病な野良猫のようにどこかに隠れて出てこなくなる。ただ一つ例外があり、それは幼馴染の呉宇軒ウーユーシュェンが一緒に居る時だ。
 彼は幼馴染を間に挟んで祖父と話すことで、自分への被害を最小限に抑えることに成功した。それ以降は、祖父が来ると必ず呉宇軒ウーユーシュェンを呼び出して盾にしているので、今日彼を泊まらせたのも半分は祖父対策のためだろう。

「善処する。おじいちゃんは何時に来る予定?」

「夕方になったらって言ってたけど……お義父さん気紛れだから、どうかしらね」

 それっきり二人は会話を止め、部屋に静寂が戻る。ずっと聞き耳を立てていた呉宇軒ウーユーシュェンは、そろそろ起きた方が良さそうだと思いながらも、こんな風に甘やかされるのは久しぶりで、なかなか起きる決心がつかずにいた。
 そうして厚い胸板に体を預けていると、寝る前に李浩然リーハオランがしきりに彼を休ませようとしていたことを思い出し、せっかくだから目一杯堪能してやろうという気になってくる。そして彼の気持ちを察したかのように幼馴染の手が背中をゆっくりと撫で、呉宇軒ウーユーシュェンの中に僅かにあった起きようという気持ちはたちまち霧散した。



 李浩然リーハオランは普段から口数が少ないので、叔母との会話もほとんどない。そうすると彼の内から響くような心地よい声が聞けず、呉宇軒ウーユーシュェンはだんだん物足りなくなってきて、寝たふりも忘れてうずうずしてくる。
 どうにか彼に話させる切っ掛けを作れないものかと思案していると、ちょうど良いタイミングで従姉妹の李若汐リールオシーが帰ってきた。
 声も聞かずに何故分かったのかというと、彼女の立てる音は両親二人よりも大きく、ドタバタして若さに溢れているからだ。廊下を小走りに駆けてくる音がしたかと思うと、彼女はもうリビングにやって来ていた。

「あれっ? ラン兄何してんの?」

 部屋に入るなり、李若汐リールオシーはすぐにソファの二人に気付いたようだ。遠慮のない大きな声に、李浩然リーハオランが静かに、と手で合図を送る。そして叔母に答えた時と変わらない平然とした口調で言葉を続けた。

「英気を養っているところ」

 彼の言葉を聞いた従姉妹はぷっと吹き出し、耳障りな音を立てて椅子を引くとドスンと腰を下ろす。その音は、とても女子が立てているとは思えないほど煩かった。彼女が帰ってきた途端に、さっきまで静かだった部屋の中が騒がしくなった気さえする。

「猫カフェ……いや、ドッグカフェかな?」

 クスクスと忍び笑いながら、李若汐リールオシーが失礼なことを言う。人が寝ているのをいいことに言いたい放題だ。
 寝たふりを続けていた呉宇軒ウーユーシュェンは、彼女に一泡吹かせてやろうと考えた。どうせ寝顔を拝みに来るだろうと思って待っていると、案の定、忍び足で近付いてくる気配を感じる。彼は神経を研ぎ澄ませてその僅かな足音と気配を感じ取ると、これだ!というタイミングでカッと目を見開いた。

「わっ!」

「ひゃあっ!?」

 思いの外可愛らしい悲鳴を上げて、李若汐リールオシーの姿がソファの下に消える。
 まんまと驚かせることに成功した呉宇軒ウーユーシュェンは、ニヤニヤしながらソファの後ろを覗き込んだ。すると、尻餅をついて悔しそうな顔をした李若汐リールオシーと目が合う。

「誰が犬だって?」

 聞いていたぞ、とニヤリと笑うと、彼女はムッとして頬を膨らませた。それからヨロヨロしながらなんとか起き上がり、悪戯っ子の笑みを浮かべた呉宇軒ウーユーシュェンに向かってびしりと人差し指を向ける。

「もおぉぉぉぉっ! シュェン兄のバカ! ラン兄も気付いてたなら教えてよね!」

 彼女の怒りが幼馴染に飛び火したので、呉宇軒ウーユーシュェンは眉をひそめて注意した。

浩然ハオランを責めるなよ! 気付いてなかったろ?」

「そんな訳ないじゃん! その状態のラン兄が気付かないとかあり得ないし」

 絶対にないと言い張る彼女に、呉宇軒ウーユーシュェンは恐る恐る幼馴染を窺い見る。すると李浩然リーハオランは仄かに口元を綻ばせ、楽しげな目で彼を見返した。

「嘘だろお前……いつから気付いてたんだよ!」

 彼は長いこと、心ゆくまで幼馴染の温もりを堪能していたので、場合によっては恥ずかしいどころの騒ぎではない。答えを待つ呉宇軒ウーユーシュェンの背中を嫌な汗が伝った。

「叔母さんが帰ってきてから……」

「初めからじゃねぇか!」

 李浩然リーハオランの答えに彼は愕然としたものの、思えばこれだけ密着しているのだから気付くのも当然だ。
 そうと分かると、たちまち恥ずかしさが込み上げてくる。何故なら、彼には呉宇軒ウーユーシュェンがより居心地が良くなるように体勢を変えたことも、まだ起きたくないと甘えたことも全て筒抜けだったのだ。
 驚きのあまり絶句する彼を見て、李若汐リールオシーが先ほどの仕返しとばかりにニヤニヤしながら言った。

シュェン兄、顔赤いよ?」

「赤くねぇっ!」

 生意気にもからかってきた妹分に、呉宇軒ウーユーシュェンはすぐに捕まえてとっちめてやろうと腰を浮かす。ところが、背中に回された李浩然リーハオランの手が彼の体を引き寄せ、呉宇軒ウーユーシュェンは再び幼馴染の腕の中に舞い戻ってしまった。

「……浩然ハオラン?」

 吐息がかかるほどの距離に顔があり、彼は身を強張らせた。最近この距離感で彼にされたことと言ったら、砂糖を吐いてしまうほど甘ったるい恋人同士のあれこればかりだ。

阿軒アーシュェン、気分はどう? 少しは休めた?」

 心配しているはずなのに、その声はどこか人の心を蕩けさせるような響きを帯びていて、呉宇軒ウーユーシュェンは長いまつ毛に縁取られた彼の瞳からさり気なく目を逸らした。動揺しすぎて、視界の端でニヤニヤしている李若汐リールオシーに構っている余裕すらない。

「お、おう……スッキリした。本当、もう充分だから」

 そう言って逃げようとしたものの、腰に回された手がそれを阻む。穴が開くほど熱っぽい眼差しに射抜かれて、呉宇軒ウーユーシュェンは恥ずかしさのあまり魂がどこかへ飛んでいきそうな気がした。
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