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拒まれる心
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「……俺はそんなことは望んでいない……! ただ、ロバートは、俺がお前に……ヴァランカに、酷く傷付けられたと思い込んで……」
まだ深い緑をした瞳がすっと細まる。
「あんたのアソコがなくなっちまったことを、あいつに話したのか? それとも、ヴァランカの女だってことも全部?」
「……違う、話すわけがない……っ。本当に、ロバートは何も知らないんだ……っ」
「へえ……話していないとするなら、何故あの男は、あんたの為に復讐を誓うんだ。まるで、オヒメサマに命を賭ける騎士さながらだったじゃねえか」
「……っ」
返答に詰まった。
ロバートが何故あんな態度を取ってきたのかなんて、俺自身も分からないのに答えられる訳がない。
焦る最中にも、オルファンは更に言い募ってくる。
「――あんたはすぐに裏切る人間だからな。どうせ俺がさっき入っていかなかったら、俺の正体までバラすつもりだったんだろう」
冷たく言い放たれて、必死で首を振った。
「違う……! 俺はお前のために……俺がいなくなっても、お前が無事で済むように、彼に話をしに行っ……」
叫びかけ、すぐに自分で唇を押さえた。
背中の壁一枚向こうにはロバートが居る。
こんな話を聞かれてしまったらおしまいだ。
声を抑えてもう一度言った。
「お、お前のために話をしようと思ったんだ……っ、自由に動かせてやってほしいと……っ」
「その流れで、どうしてああなる?」
「……。それは……俺のミスだ……本当にすまない……」
「ミス? 誤魔化してるようにしか聞こえねぇな」
露出した乳首を指先でつねられて、痛みと甘い快感が腹の奥に走った。
「……あっ、……う……っ」
「……その緩い服の合わせ目からこのいやらしく膨らんだピンク色の乳首をチラつかせて、あいつをたらしこんだのがあんたのミスか?」
「そ、んなことはしていない……っ」
「それとも、うっかりあの男のチンポを咥えこむところまで行ったか? よく締まる、この淫乱な下の口に」
ガウンの裾の間に手を入れられ、下着の中に冷えた指先が入ってくる。
濡れていない女の部分を指で探られて、違和感に堪えながら必死で否定した。
「いっ……違う、誤解だ……っ、あいつは以前俺の後輩だった男で……俺は、お前を裏切ったりなんかしてない……っ。もう、許してくれ……昔とは違う……」
訴えるうちに涙が溢れてしまう。
ようやく俺のそこから離した指を、オルファンが舌で舐めた。
「……ヤられてはいないな」
――しっかり洗った後でもないのに、そんなことをするなんて。
絶句していると、彼は耳元でささやいた。
「だが、これ以上妙な真似をしてみろ。――公衆の面前で下半身をひん剥いて、あの男と総督府の連中の目の前で犯してやるからな」
言葉と共に下着を腿まで掴み下され、ひっと喉から息が漏れる。
「――オルファン⁉︎ こ、ここでは無理だっ、隣にロバートがいるのに……っ」
囁き声で精一杯抵抗する俺の首筋に、彼は音を立てて吸い付き、舐りあげた。
「……男色の噂のある少佐殿が『秘書』の俺と寝ていたところで、俺の正体が疑われることはねえよ。……いつものいやらしい喘ぎ声をたっぷり上げて、お姫様が既に他の男のものだってことを、間抜けな騎士殿に分らせてやれ」
オルファンが眼鏡を取り、静かに自分の胸ポケットの中にしまい込む。
「……や、ダメだ、――ン」
顎を無理やり持ち上げられ、貪るように深く口付けられた。
驚愕しながら顔を背けようとしたが、ビクともしない――どころか、舌が深く喉奥近くまで、口蓋をこじ開けて入ってくる。
「んく……っ! ウ、ン……っ」
上顎や歯列、舌の根……敏感な部分を舐め回しながら、オルファンの両手の指先が、冷気で勃ちあがった乳首をもてあそぶ。
何度も抱かれる内に、そこは以前からは考えられないほど、甘く強く感じるようになっていた。
「……っ、ぅウ……っ! はあっ、アッ」
くちづけの角度を変えられる度に、唇の間から淫らな喘ぎ声が漏れてしまう。
ぬめる唾液を絡ませながら、頭がボンヤリし始めた。
オルファンの男らしく上がった眉尻と、閉じられた瞼の長い睫毛にうっとりと見入る。
こんなにも近くで彼を感じられるのは、もしかしたらこれが最後かもしれない……。
――そう思うと、ダメだと思うのに、強く抵抗出来ない。
彼と離れたくない……キスがもっと欲しい……抱きしめられたい……それどころじゃないのに。
「オルファン……っ」
唇が外れた途端に思いが溢れ出して、自分からも両腕を相手の肩に縋り付かせてしまった。
オルファンが性急に俺の腰を抱き寄せる。
密着した股間に、熱く硬くなった怒張の熱が布越しに伝わった。
俺に、欲情してくれている……。
意識が白く痺れるほどそれが、嬉しい……。
甘く低い声が、冷たい部屋の空気を震わせる。
「大した小悪魔だな、あんたは……。あの男には俺を殺すようけしかけて、俺に対してはまるでうぶな恋人のように振る舞う」
「けしかけてなんかいない……」
「言い訳は聞き飽きた。……あんたが俺に従順だと言うなら、下着を脱いで、自分で膝を持ち上げて脚を開け」
「……っ」
心臓の鼓動が跳ね上がる。
腰を曲げ、膝に引っかかっていた下着を足元まで下ろして捨てた。
羞恥にクラクラしながら姿勢を戻し、着崩れた丈の長いガウンをまくり、下に手を入れる。
躊躇いの後、自分の右の膝裏を掴み、左脚を支えに徐々に片足を持ち上げた。
ガウンの裾がめくれ、薄く毛の生えた柔らかな女の性器が間から剥き出しになる。
「……も、もう……これで、許してくれ……」
「……ああ。それでいい……」
オルファンの手が、割れたガウンの裾の間に入ってきた。
「……!」
敏感な割れ目を指でなぞられて、脚を掴んだまま下半身がブルブルと震える。
「ひっ……う……っ、触るな……っ」
「もうすでにビチョビチョだ……隣に人がいても、あんたの淫乱マンコはお構いなしだな……。それとも、人がいるから悦んでるのか?」
まだ深い緑をした瞳がすっと細まる。
「あんたのアソコがなくなっちまったことを、あいつに話したのか? それとも、ヴァランカの女だってことも全部?」
「……違う、話すわけがない……っ。本当に、ロバートは何も知らないんだ……っ」
「へえ……話していないとするなら、何故あの男は、あんたの為に復讐を誓うんだ。まるで、オヒメサマに命を賭ける騎士さながらだったじゃねえか」
「……っ」
返答に詰まった。
ロバートが何故あんな態度を取ってきたのかなんて、俺自身も分からないのに答えられる訳がない。
焦る最中にも、オルファンは更に言い募ってくる。
「――あんたはすぐに裏切る人間だからな。どうせ俺がさっき入っていかなかったら、俺の正体までバラすつもりだったんだろう」
冷たく言い放たれて、必死で首を振った。
「違う……! 俺はお前のために……俺がいなくなっても、お前が無事で済むように、彼に話をしに行っ……」
叫びかけ、すぐに自分で唇を押さえた。
背中の壁一枚向こうにはロバートが居る。
こんな話を聞かれてしまったらおしまいだ。
声を抑えてもう一度言った。
「お、お前のために話をしようと思ったんだ……っ、自由に動かせてやってほしいと……っ」
「その流れで、どうしてああなる?」
「……。それは……俺のミスだ……本当にすまない……」
「ミス? 誤魔化してるようにしか聞こえねぇな」
露出した乳首を指先でつねられて、痛みと甘い快感が腹の奥に走った。
「……あっ、……う……っ」
「……その緩い服の合わせ目からこのいやらしく膨らんだピンク色の乳首をチラつかせて、あいつをたらしこんだのがあんたのミスか?」
「そ、んなことはしていない……っ」
「それとも、うっかりあの男のチンポを咥えこむところまで行ったか? よく締まる、この淫乱な下の口に」
ガウンの裾の間に手を入れられ、下着の中に冷えた指先が入ってくる。
濡れていない女の部分を指で探られて、違和感に堪えながら必死で否定した。
「いっ……違う、誤解だ……っ、あいつは以前俺の後輩だった男で……俺は、お前を裏切ったりなんかしてない……っ。もう、許してくれ……昔とは違う……」
訴えるうちに涙が溢れてしまう。
ようやく俺のそこから離した指を、オルファンが舌で舐めた。
「……ヤられてはいないな」
――しっかり洗った後でもないのに、そんなことをするなんて。
絶句していると、彼は耳元でささやいた。
「だが、これ以上妙な真似をしてみろ。――公衆の面前で下半身をひん剥いて、あの男と総督府の連中の目の前で犯してやるからな」
言葉と共に下着を腿まで掴み下され、ひっと喉から息が漏れる。
「――オルファン⁉︎ こ、ここでは無理だっ、隣にロバートがいるのに……っ」
囁き声で精一杯抵抗する俺の首筋に、彼は音を立てて吸い付き、舐りあげた。
「……男色の噂のある少佐殿が『秘書』の俺と寝ていたところで、俺の正体が疑われることはねえよ。……いつものいやらしい喘ぎ声をたっぷり上げて、お姫様が既に他の男のものだってことを、間抜けな騎士殿に分らせてやれ」
オルファンが眼鏡を取り、静かに自分の胸ポケットの中にしまい込む。
「……や、ダメだ、――ン」
顎を無理やり持ち上げられ、貪るように深く口付けられた。
驚愕しながら顔を背けようとしたが、ビクともしない――どころか、舌が深く喉奥近くまで、口蓋をこじ開けて入ってくる。
「んく……っ! ウ、ン……っ」
上顎や歯列、舌の根……敏感な部分を舐め回しながら、オルファンの両手の指先が、冷気で勃ちあがった乳首をもてあそぶ。
何度も抱かれる内に、そこは以前からは考えられないほど、甘く強く感じるようになっていた。
「……っ、ぅウ……っ! はあっ、アッ」
くちづけの角度を変えられる度に、唇の間から淫らな喘ぎ声が漏れてしまう。
ぬめる唾液を絡ませながら、頭がボンヤリし始めた。
オルファンの男らしく上がった眉尻と、閉じられた瞼の長い睫毛にうっとりと見入る。
こんなにも近くで彼を感じられるのは、もしかしたらこれが最後かもしれない……。
――そう思うと、ダメだと思うのに、強く抵抗出来ない。
彼と離れたくない……キスがもっと欲しい……抱きしめられたい……それどころじゃないのに。
「オルファン……っ」
唇が外れた途端に思いが溢れ出して、自分からも両腕を相手の肩に縋り付かせてしまった。
オルファンが性急に俺の腰を抱き寄せる。
密着した股間に、熱く硬くなった怒張の熱が布越しに伝わった。
俺に、欲情してくれている……。
意識が白く痺れるほどそれが、嬉しい……。
甘く低い声が、冷たい部屋の空気を震わせる。
「大した小悪魔だな、あんたは……。あの男には俺を殺すようけしかけて、俺に対してはまるでうぶな恋人のように振る舞う」
「けしかけてなんかいない……」
「言い訳は聞き飽きた。……あんたが俺に従順だと言うなら、下着を脱いで、自分で膝を持ち上げて脚を開け」
「……っ」
心臓の鼓動が跳ね上がる。
腰を曲げ、膝に引っかかっていた下着を足元まで下ろして捨てた。
羞恥にクラクラしながら姿勢を戻し、着崩れた丈の長いガウンをまくり、下に手を入れる。
躊躇いの後、自分の右の膝裏を掴み、左脚を支えに徐々に片足を持ち上げた。
ガウンの裾がめくれ、薄く毛の生えた柔らかな女の性器が間から剥き出しになる。
「……も、もう……これで、許してくれ……」
「……ああ。それでいい……」
オルファンの手が、割れたガウンの裾の間に入ってきた。
「……!」
敏感な割れ目を指でなぞられて、脚を掴んだまま下半身がブルブルと震える。
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