元最強魔王の手違い転生

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第49話 さよなら

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 ラリアの一撃を喰らったフルプレートの男は、膝から崩れ落ちる様にしてその場に大の字に倒れ込むと、そのままピクリとも動かなくなった。
「え、ちょっと、うそ。終わり?」
 あまりの手応えの無さに、ラリアは思わずそう呟いた。
 自身の一撃がよっぽど信用ならなかったのだろう。ラリアは倒れている男へ近づくと、かがみ込みながら、彼の顔をマジマジと覗き込んだ。
 数秒間の観察を経て、男が本当に気絶している事を確認したラリアはようやく右拳を高らかと掲げた。
「よっしゃあ!何よ、アタシって結構凄いじゃない⁈ねぇ、マオ!ソーファ!どっかで観てるんでしょ⁈ねえ、ねえ、凄くない⁈」
 掲げた右拳をグルグルと回しながら、豪快にオジサンの様な笑い声を上げるラリアを俺とソーファは安堵の笑みを浮かべながら見ていた。
「まあ、こんなもんだな」
「はい、完全な作戦勝ちでしたね。ラリアはその事に気付いてなさそうですけど」
「だな。まあいいんじゃねぇか。実際に相手を倒したのはラリアだし」
「そうですね。ここはラリアに華を持たせてあげましょうか」

「いやー!ちょっと、一体全体どうなってるんですか⁈今の一撃⁈」

 不意に背後からチャコの声が聞こえた。コイツはまた、急に現れやがって。そろそろいい加減にして欲しい。
「チャコ、お前なぁ。毎度毎度、背中から声を掛けやがって。何なんだ、教会の連中は面と向かってお喋りできないのか?恥ずかしがり屋さんの極みなのか?」
「すみませんね、つい昔の癖で。そんな事より、何ですか⁈ラリアさんの一撃⁈今の様子だと戒律結果上で〝打撃〟と判断されていた様ですが……」
「ああ。チャコが見たまんまだよ」
「ラリアの斬撃は打撃なんです」
「……はぁ?」
 当然の様にそう返答する俺達に向けて、チャコは眉をへの字にしながら首を傾げた。
「ラリアの剣は物が斬れねぇんだよ」
「そうです。ヘナチョコ勇者ですからね」
「はぁ~……。全く、マオさんといい、ラリアさんといい、想定外の方法で予選を突破してくれますねぇ。本当、面白いパーティーです」
チャコが半ば呆れ顔で呟いた。
「ちょっと!マオ!ソーファ!聞こえてるの⁈凄かったでしょ、私の一撃!さあ、讃えなさい!遠慮せずに、わたしを褒めちぎりなさい!」
 ラリアの称賛を求める声が、部屋中に響き渡る。作戦勝ちとは言え、実践した本人を放っておく訳にもいかない。あまり気は進まないが、それなりに労ってやる事にするとしよう。
「あー、はいはい。よく頑張ったなー。えらいぞー」
「ちょっと、何か誉め方雑じゃない?棒読み感が凄いんだけど」
 そう不満を口にするラリアをニヤニヤしながら見つめていた時であったーー

「久しぶりだな。ラリア・バスターオーガ」

 聞き覚えのある、低い男の声がはっきりと聞こえた。
 その瞬間ラリアの顔が、まるで心の臓を鷲掴みにされた様に強張る。
 ラリアが声のした方へとゆっくり振り向こうとした時、今まで彼女を映していたスクリーンがプツリと途切れた。
「あれ?映像が切れちゃった……投影魔法の不調かな?」
 チャコが呑気に首を傾げる。
「というか今、男の人の声がしませんでしたか?ねぇ、マオ……っマオ⁈どうしたのですか⁈」
 俺の様子を見て驚いたソーファが声を上げた。
「ちょっと、大丈夫ですかマオさん?凄い汗ですけど……」
 チャコが掛けてくれた気遣いの言葉に返答する余裕もなかった。
 先程の声を聞いてから、冷や汗が止まらない。額から流れ落ちた汗が、ぽたぽたと床に染みを作った。
 あの低い男の声、間違いない。
 ラリアと同じリンカーであり、一月前に『ラリアを連れ戻す』と宣言したあの男、〝ヘイト〟の声だった。
 ちくしょう、完全に油断していた。ヘイト達が仕掛けて来るのはグランドフェスの〝本戦〟だとたかを括っていた。
 反省は後だ……切り替えろ。今なすべき事は、一刻も早くラリアと合流する事だ。
「おい!チャコ!!」
 俺はチャコへと駆け寄ると彼女の肩を力強く掴み、声を張った。
「おい!さっさとさっきの転送用魔法陣を起動しろ!ラリアが連れ去られちまう!!」
「ちょ、ちょっと!何ですか、マオさん⁈そんなに興奮して⁈」
 俺の剣幕にチャコが動揺を露わにする。
「マオ!ラリアが連れ去られるってどう言う事ですか⁈さっきの男の声は誰なんですか⁈」
 ソーファが焦りの表情を浮かべながら、俺の横へと駆け寄ってきた。
「あいつはヘイト。昔のラリアの仲間で、一月程前に『ラリアを連れ戻す』と俺に宣言しやがった野郎だ」
「『連れ戻す』?どういう事ですか⁈」
「俺にも分かんねぇよ!とりあえず、今はラリアの下に駆けつける事だけを考えろ!おい!チャコ、早くしろ!!」
「わ、分かりましたから、落ち着いてくださいよ!」
 チャコはそう言って俺から離れると、転送用魔法陣を出現させるべく、床に手を当て魔力を込めた。
「あ、あれ?何で?」
 チャコは眉をひそめて、焦りを露わにしながら床に向かって魔力を込め続けている。だが、部屋の中には何の変化も起こらず、一向に転送用に魔法陣が出現する気配が無い。
「おい!チャコ、何やってんだ⁈早くしてくれよ!」
「やってますよ!やってるけど、魔法陣が出ないんです!」
「何だと⁈」
「ラリアさんが居る空間への魔法陣だけじゃありません。他の空間に出入りする全ての魔法陣が起動しないんです!」
「それって、まさか……」
「はい……私達、この部屋に閉じ込められてしまいましたね。先程から魔法陣以外の通信系魔法も試しているのですが、それらも駄目ですね」
 チャコは眉間に皺を寄せ、悔しそうな表情を浮かべて続ける。
「マオさん……貴方が言っていたヘイトとは何者ですか?この部屋は仮にも教会がほこる精鋭魔導士達が作り上げた空間です。それを機能不全に陥れるなど、只者ではありません」
「ヘイトが何者かなんて俺も知らねぇよ。とにかく、この状況を何とかするのが先だ!チャコ、お前が言う〝機能不全〟ってのは〝こちらからの魔法陣へのアクセスが妨害されてる〟って事か?」
「いえ……おそらく違うと思います。手応え的にはこちらのアスセスが妨害されてると言うより、〝アクセスそのものが感知されない様にされている〟感覚ですね」
「つまり?」
「この空間における魔法回路自体がシャットダウンさせられている状態だと思います」
「成る程。この空間に仕掛けてある魔法そのものが寝かせ付けられちまってて、幾ら魔力を注いでも、うんともすんとも言わない状況って訳か」
「そういう事です」
「あの、マオとチャコだけで話しが進んでますが、私にも解るように説明して貰えませんか?」
 ソーファが不満げな表情で此方を睨む。
「ああ、すまん。この部屋にある魔法陣や映像を投影する魔法ってのは、言わば〝魔法を使って出入り口や窓を作っている〟様なもんなんだ。ただ、それらは普通のドアや窓とは違って、開閉には魔力が必要なんだけどな。その『魔力を用いて作動させるドアや窓の様な仕掛けを〝魔力回路〟と呼ぶんだ』」
「つまり、〝魔力回路〟とは〝あらかじめ仕込んである、魔力によって作動する仕掛け〟って認識でよいのでしょうか?」
「流石ソーファ。飲み込みが抜群だな。今の状況としてはこの部屋に仕掛けておいた魔力回路がヘイトの手によって作動しなくなってるって訳」
「成る程」
「それでチャコ。寝ちまってる魔法回路を叩き起すにはどうすればいい?」
「外部から新たに魔法回路を書き換えて貰うのが現実的だと思います」
「それは俺達では無理って事か?」
「そうですね。この空間の外に居る者に新しく魔法を書き込んでもらい、今シャットダウンしている魔法を上書きして貰うしか無いと思います」
「外部の人間が新しく魔法を掛けるまで待ってのか?それじゃあ、いつこの部屋を出られるか分からねぇじゃねぇか!」
「それは、そんうですけど……」
「おい、チャコ。お前さっき〝現実的な方法では〟って言ってたな。て事は〝現実的じゃない方法〟もあるって事か?」
「まあ、一応……」
「それでいい。教えろ」
 チャコは溜め息を吐きながら口を開く。
「かなり膨大な魔力を一気に流し込めば、その衝撃で魔力回路が復活する可能性はあります」
「なんだ早く言えよ。そんな簡単な方法があるならよ」
「い、いや。無理ですよ⁈教会所属の魔導士レベルでも百人以上が必要ですからね⁈」
「楽勝じゃねぇかよ。ちょっと退いてろ」
「はぁ~⁈」
 困惑するチャコを他所に、俺は魔力を流し込むべくその場に屈み、床に掌を置いた。
 転生後、魔法は思うように発動する事ができなくなってはいるが、魔力だけなら前世の物をそっくりそのまま受け継いでいる。人間の魔導士百人分程であれば、余裕で事足りる。
「行くぞ、オラ!!!」
 俺は部屋の床に向かって、ありったけの魔力を流し込んだ。

ーードガガガガガガガ!!!!

「うっ、うわぁ!!っちょっ、マオさん!!!」
「うっ!この揺れはっ!!立っていられない!!」
 俺が魔力を流し込むと同時にまるで巨大な地震が襲ってきたかの様に部屋が大きく揺れ始めた。
「ちょっと、マオさん!!部屋が!部屋が壊れますよ!!!もっとゆっくり魔力を流して下さい!!」
「アホ!ラリアが危ねぇんだよ!そんなチンタラとやってられるか!!」
「そ、そんな……うわぁあ!!」
 部屋全体の揺れがより一層大きくなり、ソーファとチャコがその場に座り込む。
(早く起動しろ!早く起動しろ!!)
 そう念じながら、魔力を注ぎ込んでいたその時であったーー

ーーブォンッ

 部屋の壁に、白く輝くラリアを投影するスクリーンが映し出された。
「マオ!映りましたよ!」
「そ、そんな……たった一人で魔力回路を復旧させてしまうなんて……」
「ラリア!おい!聞こえるか⁈返事しろ!!」
 スクリーンに映るラリアはこちらに背を向けており、どことなく悲壮感を漂わせながら佇んでいた。
 俺の声が聞こえているのか、いないのか。ラリアは俺の問いかけに振り向く事なく、その場に立ち尽くしている。
「ラリア!大丈夫ですか⁈」
「おい!ラリア!無事か⁈ヘイトは、あの野郎に変な事されてないか……」

「マオ、ソーファ。聞こえてる?」

 俺とソーファの声に被せるようにして、ラリアが背を向けたまま語りかけた。
「聞こえてますよ!どうしたのですか、ラリア⁈」
「おい!そっちに俺達の声は聞こえてるのかよ⁈こっち向けよ、ラリア!」
 俺とソーファの声掛けに、ラリアは一度大きな深呼吸をする様に肩を上下させると、振り向く事なくゆっくりと話しだす。
「楽しかったよね。三人で色々冒険してさ。依頼も沢山こなして、美味しいものも沢山食べた。毎日夢のように楽しかった」
「ちょっと、ラリア。急にどうしたのですか?」
「何思い出話してるんだよ?そんなの後で幾らでも聞いてやるから!とにかくこっち向けよ!」
 俺とソーファの声に応える事なく、ラリアは続ける。
「二人は私の事、仲間だって言ってくれたよね。あれね、すっごく嬉しかったんだぁ。だから……だからね……」
 消えそうで震える弱々しい声。背を向けていても、ラリアが今どんな表情をしているのか、手にとるように分かる。
 そして、彼女がこれから口にしようとしている言葉も。
「おい!ラリア!まずこっちを向いてくれ!そして、ゆっくり話をしよう!ヘイトに何か言われたのか⁈大丈夫だよ、何にも心配するな!俺もソーファも居るじゃねぇか!だから、頼むからこっちを向いてくれよ!!」
「ありがとう……でも……私、彼と行かなくちゃ……」
「そんな……」
(ヘイト……あいつ、ラリアに何を……)
 ラリアは、頼りない雫の様な儚い声を懸命に絞りだした。

「ごめんなさい……さよなら……」

 彼女がそう呟いた瞬間、スクリーンがプツリと消えた。
「おい!ラリア!!どうしたんだよ!!おい!!」
「ラリア!!ラリア、応えてください!!ラリアーー!!」

 俺とソーファの咆哮が部屋中に響き渡った。
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