きぐるみ♡女神伝

きぐるみんZ

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第1章.母 Ⅰ

003縫.ダンスとシンクロ率

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 テレビの前で思わず朱璃の目が釘付けになった、番組でこの日の夜に紹介していた昔話は『天の羽衣』。
そして朱璃の目が釘付けになったのは、とあるシーン。
白龍という若い漁師が隠した羽衣を返す代わりに、天女さんがその羽衣を着て神秘的な舞いを披露して、舞いながら月へと帰るシーンです。


【う・ん・ち・く♡】───────

 ちなみに、似た様な話で『天女の羽衣』がありますが漁師の名前が違いますし、羽衣を隠されて帰れなくなった天女さんは月に帰れず漁師と結婚するらしいです。
ちなみに、舞いも披露しません。

────────────────


 朱璃が注目したのは、天女さんの舞い。
天女さんの身体から何か細い帯みたいなのがウニョウニョ出ていて、ヒラヒラと天女さんと一緒に舞っている様に……
朱璃には見えたんです!

「ねぇねぇ、ひょっとしたら……
踊る様な一連の動作からシャンパンゴールドの帯を放出させると、コントロール出来ちゃったりするんじゃないですか……?」

 興奮冷めやらぬ朱璃は居ても立ってもいられず、急いで外に飛び出して試しに公園で試してみました。
あの天女さんの舞いを、頭の中で思い出して……
見様見真似で、即席の舞いをしてみます。

 恥ずかしい話になりますが、体育が得意な朱璃ですが苦手な分野も有ります。
そのひとつが……創作ダンスです。
どうしても、ひとつひとつの動作の終わりがカクッカクッとなってしまうんです。
別に、合気道とか武道をしている時には何ら問題無いのに……

 しかし即席の舞いをしながらあの帯を放出してみると、滑らかに帯が伸びるではありませんか!


シュルシュルシュル……


 しかも、放出される帯の勢いがそのまま舞いの推進力となり、動作の終わりがカクッカクッとならずに滑らかに踊れるんです!

「うんっ、いい感じいい感じっ!
来週の創作ダンスの披露会の時にコッソリ使ってみましょう!」

 『カクカクダンス』だの、『ブレイクダンス女子』だの、散々なアダ名を付けてくれた男の子達の鼻を今度こそ明かしてやるんだから!
朱璃の鼻息は、フンフンと荒いです。

 後日、創作ダンスの披露会で無事に溜飲を下げる事が出来た朱璃は……
さっそくその次の日から新しいトレーニングとして活動の拠点、家の裏庭で色んな動作を試してみる事にしたんです。
どの動作が、この帯をコントロールしやすいのか……
相性の良さやシンクロ率を、ひとつひとつ順番に探って行くんです。
採用基準は、シンクロ率8割越えです!


「ふぅ、疲れましたぁ……」

 ヘトヘトになった朱璃は、トレーニングを中断して空を見上げます。
冷たい空気が身を引き締めるのと同時に、朱璃はある光景に目を、ココロを一瞬で奪われてしまいます。
それは巻雲の薄い層のおかげで見られた、このまばゆいばかりの大気の妙。
雲に対して太陽が直角の位置にある場合、太陽を反射してもうひとつ小さな太陽が生じる視覚現象……幻日です。

 雲の中に、鮮やかな虹が見えます。
巻雲は氷の結晶を含んでいて、これが入ってくる太陽光を反射し、まるでふたつの太陽があるように見せます。
だから、幻日は太陽の両側の雲の中に現われる、はっきりした楔形をした虹色の光に見えるんです。

 幻日は、太陽が地平線に近づいた時によく起こると言われています。
空に、まるで実際の太陽が現れた様に明るくて……大きくて……

「まぁ、何てキレイなんでしょう……」


 これはきっと、頑張っているワタシへの、神さまからのプレゼントに違いない……


 朱璃は、そう思う事にしたんです。
しばらくはトレーニングとして、ヘトヘトになるまでひたすら踊る日々が続きそうだからです。



 そして、それから更に数ヶ月後……現在に至ります。

「シンクロ率8割越えって、結構あるものなんですね!
その中で相性の良さも考慮して、実際に使えそうな技もいくつか出来ましたし……」


 あとは、それに相応しい技の名前を付けたいですよね……
そうね、出来れば女の子っぽいカワイイ名前がいいな……
名乗って、思わずポッてなっちゃう様な技の名前……

 ワタシだって15才の年頃の女子高生ですから、カワイイもの……大好きですよ♪


 そう言えば、スマホのSNSをググった時にこんな言葉を見つけたんです……

『今ドキ女子が胸キュンするオトコのモテ仕草』

 ちょうど、採用した動作とワタシとの相性の良さも、たまたまなんでしょうか?
“ コレ ” 系統に寄り集まってるのが、何となーく多い様な気がして……
じゃあ、これからカワイイ名前をパクるのも面白いかもですね……♡

 うふふ……とワタシが頭の中でいろいろと考えていると、ふとと同じ冷たい感覚を感じました!
何と、暗闇の穴からゴブリンの群れが8匹湧いて出て来たんです!


















「あっ、ゴブリンが!ヤバイですっ!」

タッタッタ……

 急いで距離を取って、ゴブリン達が気配に気付かない所まで下がった朱璃。

 ゴブリン達と、初めての闘いをどう繰り広げて行くんでしょうか?
朱璃が新しく編み出した闘い方、技の集大成とは一体……?




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