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第1章.母 Ⅱ
018縫.次元の歪みを探せ!
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京子は、朱璃とニックの方に振り向いて言いました。
「朱璃、ニック、ちょっとそこで待っていてくれない?」
そう言って、京子は家の裏に回りました。
そして、京子の姿が見えなくなった途端……
……ボッ!
朱璃は何かモジモジと膝を摺り合わせ、顔どころか耳朶まで真っ赤です。
「よくよく冷静になって考えたら……
このまま街に繰り出すん……ですか?」
しばらく時間が経って、朱璃はようやく冷静さを取り戻した様です。
そして異世界に想いを馳せていた意識がいざ現実世界に引き戻された時、改めて自分の着ている衣装の “ 異常性 ” に気付いたんです。
確かに普段着ている服と比べて、デコルテ部分を始めとして背中、おみ足と露出部分が結構ありますからね♪
「このきぐるみの格好、高校の友達に見られたら……かなり恥ずかしい……です……」
「うわっお姉ちゃん、コスプレ苦手そー。」
ま、15才のうら若き乙女ですから当然の反応でしょうね。
しかしニック、『コスプレ』って言葉どこで……?
……プップップー!
突然、朱璃達の後ろでクラクションが鳴りました。
「朱璃、コレに乗って行くわよ!」
京子が、家の裏から赤い軽自動車を走らせて来たんです。
朱璃は、軽自動車の後ろの座席にスッと乗り込みます。
京子はすぐさま、朱璃がいつも使っている毛布を投げ入れます。
「さすがにその姿のままでは恥ずかしいでしょ?」
さすがお母さん、ワタシの今の気持ちを分かっています!
そう言えば、ワタシの生理が始まった中学校の頃から、その時だけはこうやってお母さんに軽自動車で学校まで連れてってもらった事を思い出すな……
その時も後ろの座席に乗って、こうやって毛布を被りながら……
京子は車を動かす前に、ニックに最終確認します。
「ニック、さっき言った “ 次元の歪み ” の場所ってココで良かったのよね?」
そう言って、京子は地図上のある一点を指差します。
「そうそう、ボクがポトッて落ちた孔は傍に “ 大きな一本松 ” があったんだよー!」
大きな……一本松……ですか?
「そして “ 巨大な岩 ” もねー!」
一本松と巨大な岩って、まさか……!
そう、京子が左手人差し指でビシぃッ!と指差した場所こそ……
朱璃が自転車登校している、高校の裏山だったんです!
「ニックは普通の人には見えないから、そのまま飛んじゃってイイわよ!」
「らじゃー!」
そして、ニックは先導する様に車の前方をすぃーと飛びます。
そのまま、軽自動車はブロロロロ……と出発したんです。
同じくきぐるみの上からいつもの毛布を被り、口から上だけ頭を出してボ……としている朱璃。
「朱璃、どうやら着いたみたいよ!」
と京子の声がかかり、キキッとブレーキの音がしました。
車のドアを開けると、パタパタ……という音と、
「ココだよー!」
とニックの声がします。
京子と朱璃は軽自動車を降りて、ニックと3人で裏山へ入って行きました。
ただひたすら、頂上へと続く山道を登って行きます。
普段から陽当たりが悪く、あまり人も立ち入りません。
ココなら恥ずかしさを感じずに済むので、朱璃もズンズン歩いて行けます。
そしてしばらく歩いた後、頂上に着きました。
確かに、中央に巨大な岩が鎮座しています。
岩の前には、不気味な石碑が1つ……
「あれ?朱璃、この岩って石碑も一緒に祀ってあったっけ?」
「もうジョークばかり咬ましていないで下さい、お母さん……
この石碑からは、さっきから悪い気しか感じられませんよ!」
「何かヤな感じー!」
朱璃は試しに巨大な岩に向かって歩いてみました。
真っ直ぐ歩いて、石碑の横を通り過ぎた、その時……
ギンッ……!
何と、石碑の目が紅く光ってギロッと朱璃を睨み付けたんです!
「やっぱり……ですっ!」
「うわっ、石碑が独りでに……動き出したのっ?」
「あれー、ガーゴイルー!」
「ええっ、ニック、アレがガーゴイルなのぉ?
それが本当なら、かなりのバケモンよっ!」
「何ですかっ、お母さん、そのガーゴイルって?」
「簡単に言っちゃうと、打撃も魔法も効かない石の怪物よ!
さっき言った『7世界の王』の中の “ 死鬼王 ” が産み出したって聞いた事があるの!」
でも、おかしいわ!
確か、ガーゴイルは石、すなわち無機物から創られているから目は澄んだ蒼色のハズよ!
なのに、目の前のガーゴイルは目が紅色って……
何者かに操られてるの?
「朱璃……もっと悪いお知らせがあるわ!
たぶんこのガーゴイル、誰かに操られてるわよ!」
「よっぽどワタシ達に、異世界に来て貰いたくないんじゃないですか?
お母さん、向こうで何か恨まれる様な事、やりませんでした?」
「そんな事、やる訳無いじゃないの!」
「キョウコ様は『白い巫女』、スゴいんだよー!」
……ニックさん、原因はたぶんそれかも。
『白い巫女』に異世界に帰って来て貰いたくない、って思ってる連中が仕組んだんですかね……
「今のニックさんのひと言で……
何故ガーゴイルほどの本気モンスターを使ってまで襲われなくちゃならないか、その理由が何となく分かっちゃいました。」
お母さん……向こうの異世界の “ 黒幕 ” 連中に、どれだけ本気で嫌われてるんですか?
ウーン……って首、捻らないでー!
「朱璃、ニック、ちょっとそこで待っていてくれない?」
そう言って、京子は家の裏に回りました。
そして、京子の姿が見えなくなった途端……
……ボッ!
朱璃は何かモジモジと膝を摺り合わせ、顔どころか耳朶まで真っ赤です。
「よくよく冷静になって考えたら……
このまま街に繰り出すん……ですか?」
しばらく時間が経って、朱璃はようやく冷静さを取り戻した様です。
そして異世界に想いを馳せていた意識がいざ現実世界に引き戻された時、改めて自分の着ている衣装の “ 異常性 ” に気付いたんです。
確かに普段着ている服と比べて、デコルテ部分を始めとして背中、おみ足と露出部分が結構ありますからね♪
「このきぐるみの格好、高校の友達に見られたら……かなり恥ずかしい……です……」
「うわっお姉ちゃん、コスプレ苦手そー。」
ま、15才のうら若き乙女ですから当然の反応でしょうね。
しかしニック、『コスプレ』って言葉どこで……?
……プップップー!
突然、朱璃達の後ろでクラクションが鳴りました。
「朱璃、コレに乗って行くわよ!」
京子が、家の裏から赤い軽自動車を走らせて来たんです。
朱璃は、軽自動車の後ろの座席にスッと乗り込みます。
京子はすぐさま、朱璃がいつも使っている毛布を投げ入れます。
「さすがにその姿のままでは恥ずかしいでしょ?」
さすがお母さん、ワタシの今の気持ちを分かっています!
そう言えば、ワタシの生理が始まった中学校の頃から、その時だけはこうやってお母さんに軽自動車で学校まで連れてってもらった事を思い出すな……
その時も後ろの座席に乗って、こうやって毛布を被りながら……
京子は車を動かす前に、ニックに最終確認します。
「ニック、さっき言った “ 次元の歪み ” の場所ってココで良かったのよね?」
そう言って、京子は地図上のある一点を指差します。
「そうそう、ボクがポトッて落ちた孔は傍に “ 大きな一本松 ” があったんだよー!」
大きな……一本松……ですか?
「そして “ 巨大な岩 ” もねー!」
一本松と巨大な岩って、まさか……!
そう、京子が左手人差し指でビシぃッ!と指差した場所こそ……
朱璃が自転車登校している、高校の裏山だったんです!
「ニックは普通の人には見えないから、そのまま飛んじゃってイイわよ!」
「らじゃー!」
そして、ニックは先導する様に車の前方をすぃーと飛びます。
そのまま、軽自動車はブロロロロ……と出発したんです。
同じくきぐるみの上からいつもの毛布を被り、口から上だけ頭を出してボ……としている朱璃。
「朱璃、どうやら着いたみたいよ!」
と京子の声がかかり、キキッとブレーキの音がしました。
車のドアを開けると、パタパタ……という音と、
「ココだよー!」
とニックの声がします。
京子と朱璃は軽自動車を降りて、ニックと3人で裏山へ入って行きました。
ただひたすら、頂上へと続く山道を登って行きます。
普段から陽当たりが悪く、あまり人も立ち入りません。
ココなら恥ずかしさを感じずに済むので、朱璃もズンズン歩いて行けます。
そしてしばらく歩いた後、頂上に着きました。
確かに、中央に巨大な岩が鎮座しています。
岩の前には、不気味な石碑が1つ……
「あれ?朱璃、この岩って石碑も一緒に祀ってあったっけ?」
「もうジョークばかり咬ましていないで下さい、お母さん……
この石碑からは、さっきから悪い気しか感じられませんよ!」
「何かヤな感じー!」
朱璃は試しに巨大な岩に向かって歩いてみました。
真っ直ぐ歩いて、石碑の横を通り過ぎた、その時……
ギンッ……!
何と、石碑の目が紅く光ってギロッと朱璃を睨み付けたんです!
「やっぱり……ですっ!」
「うわっ、石碑が独りでに……動き出したのっ?」
「あれー、ガーゴイルー!」
「ええっ、ニック、アレがガーゴイルなのぉ?
それが本当なら、かなりのバケモンよっ!」
「何ですかっ、お母さん、そのガーゴイルって?」
「簡単に言っちゃうと、打撃も魔法も効かない石の怪物よ!
さっき言った『7世界の王』の中の “ 死鬼王 ” が産み出したって聞いた事があるの!」
でも、おかしいわ!
確か、ガーゴイルは石、すなわち無機物から創られているから目は澄んだ蒼色のハズよ!
なのに、目の前のガーゴイルは目が紅色って……
何者かに操られてるの?
「朱璃……もっと悪いお知らせがあるわ!
たぶんこのガーゴイル、誰かに操られてるわよ!」
「よっぽどワタシ達に、異世界に来て貰いたくないんじゃないですか?
お母さん、向こうで何か恨まれる様な事、やりませんでした?」
「そんな事、やる訳無いじゃないの!」
「キョウコ様は『白い巫女』、スゴいんだよー!」
……ニックさん、原因はたぶんそれかも。
『白い巫女』に異世界に帰って来て貰いたくない、って思ってる連中が仕組んだんですかね……
「今のニックさんのひと言で……
何故ガーゴイルほどの本気モンスターを使ってまで襲われなくちゃならないか、その理由が何となく分かっちゃいました。」
お母さん……向こうの異世界の “ 黒幕 ” 連中に、どれだけ本気で嫌われてるんですか?
ウーン……って首、捻らないでー!
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