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第2章.妖精王
033縫.魔法陣の系統と判別
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盗賊団『グランプス』は、『メフィスト』よりも遥かに強い!
そっとカツアゲの現場から立ち退こうとしたんですが、後ろを向いたニックがフェアリーバードの嘴でアカリのキュイぐるみの耳をカプッと加えてクイクイと引っ張ります。
「ど……どうしたんです、ニックさん?」
「お姉ちゃん、あの民家を見てー!」
アカリがそちらの方に振り向くと、盗賊団の野郎共2人がその民家の前で、これでもかってくらい左右をキョロキョロキョロ……と見回して細心の注意を払って中へ入りました。
「お姉ちゃん、コレってあからさまに怪し過ぎるよねー?
何かドキドキするー!」
ニックはさっきまでの恐怖はどこへやら、いたずらっ子っぽくニッと笑います。
あ~ぁ、ニック…… 余計な事を……
「絶対に何かありそうですね……!」
どうやら、アカリも盗賊団『グランプス』への恐怖よりドキドキ感の方が勝ってしまっている様です。
若さゆえ……なのでしょうか。
「行っちゃおーよー!」
アカリとニックは、お互いに目と目を合わせて同時に頷きました。
そして、いつもの通り村の外でひなたぼっこをしていたオオトカゲを捕まえ、頭をナデナデしながら
「今日はアナタに偵察をお願いしますね!……髪フゥ♡」
と気で精神を支配した偵察トカゲを先に民家の中に放ちました。
キョロ……キョロ……と辺りを窺いながら、偵察トカゲは階段を降りて行きました。
目を閉じて、アカリは気の繋がった偵察トカゲの目を通して中の様子を感じ取ります。
「どうやら大丈夫そうですね……
さぁニック、中に入りましょう!」
そして偵察トカゲの目を通した映像をもとに、アカリとニックは盗賊団の野郎共2人を追いかける様に民家の中に入りました。
民家の中は薄暗く、窓から入り込む光がくっきり照らし出されます。
しかも少し……湿気臭いです。
家具も何も無い部屋ですが、床一面に巨大な魔方陣が描かれています。
どうやら、魔方陣の中心には地下室へと続く階段がある様です。
たぶん、この民家はこの巨大な魔方陣と地下室を隠す為のカムフラージュでしょう。
「だけど、何でこんな小さな漁村にこんな大掛かりな民家が……?」
そんな事を考えながら、アカリとニックは巨大な魔方陣を見つめます。
どんな魔法がかけられているか分からない以上、迂闊に踏み込む事は危険です。
試しに、アカリは偵察トカゲを使って魔方陣を跨がせてみました。
すると、偵察トカゲが魔方陣を跨いだ途端……
何と、一瞬でシュンッと姿を消してしまったんです!
「 “ 転移魔法の類い ” 、かなー?」
「どこかに飛ばされるんならまだしも、“ 異次元の狭間行き ” なんてヤですからね……」
アカリは、ぷうっと頬を膨らませます。
「お姉ちゃん、イイ事を教えてあげるねー!
実は、どんな系統の魔方陣かが分かる方法があるんでーす。」
「どんな方法ですか、ニックさん?」
「もしも転移魔法『エスケープ』なら、無属性魔法の魔方陣だよー。
もしもお姉ちゃんの言う異次元の狭間に飛ばされる魔法、『ディメンション=ホール』なら闇属性魔法の魔方陣だよー。
無属性魔法か闇属性魔法か、どちらの魔方陣かを見分ける方法はねー……」
ニックは、部屋の隅に落ちていた枯れ葉を1枚嘴でくわえてアカリに渡します。
「この枯れ葉を、魔方陣へ向けて宙を泳がせてみてー。
もしも無属性魔法なら、そのまま消えて無くなるよー。
もしも闇属性魔法なら、ボロボロの消し炭になるからねー。」
アカリはニックに促されて、枯れ葉を魔方陣へ向けてヒュッとスライドさせてみました。
ヒラヒラと舞う落ち葉が魔方陣の上を通過した途端、何といきなりボロボロに炭化して消し炭となってしまったんです!
「これで、この魔方陣は『ディメンション=ホール』だって事が判明したねー。」
【う・ん・ち・く♡】───────
ちなみに、枯れ葉を魔方陣へスライドさせる判別方法ですが……
もしも火属性魔法ならば、燃え尽きてしまいます。
もしも水属性魔法ならば、ビショビショになってしまいます。
もしも土属性魔法ならば、サラサラと砂に還ってしまいます。
もしも氷属性魔法ならば、カチンコチンに凍ってしまいます。
もしも光属性魔法ならば、枯れ葉から若葉へと生まれ変わります。
────────────────
「この魔方陣が闇属性魔法だって分かれば、ちゃんとそれに応じた対処方法もあるからねー。」
そして、ニックはアカリと共に魔方陣の傍にやって来ました。
「闇属性魔法なら、それに相反する光属性魔法で中和する事が出来るんだよー!
ちなみに、火属性に相反するのは氷属性、土属性に相反するのは水属性ねー。
本来なら光属性魔法をこの魔方陣に直接ぶつけるのがセオリーなんだけど、お姉ちゃんの場合はもっと簡単な方法があるのー。
お姉ちゃん、手を翳してみてー。」
そう言われて、アカリは魔方陣に向かってそ~っと手を翳してみました。
魔方陣に近付くと、何かにバチッと弾かれます。
「お姉ちゃん、その位置感を覚えてねー。
その位置で、壁ドン♡を発動してみてー!」
アカリは手のひらのバチッバチッと弾く様な感触をガマンしながら気を集中させて、
「……壁ドン♡!」
と神気を放出しました!
するとどうでしょう……
神気の放出口となった手のひらの位置を起点として、そこから拡がる様に巨大な魔方陣がスーッと消えて無くなって行くではありませんか!
アカリは日本っていう、魔法とは縁の無い世界から転移して来た女の子なのに、何で魔法が使えたの……?
そっとカツアゲの現場から立ち退こうとしたんですが、後ろを向いたニックがフェアリーバードの嘴でアカリのキュイぐるみの耳をカプッと加えてクイクイと引っ張ります。
「ど……どうしたんです、ニックさん?」
「お姉ちゃん、あの民家を見てー!」
アカリがそちらの方に振り向くと、盗賊団の野郎共2人がその民家の前で、これでもかってくらい左右をキョロキョロキョロ……と見回して細心の注意を払って中へ入りました。
「お姉ちゃん、コレってあからさまに怪し過ぎるよねー?
何かドキドキするー!」
ニックはさっきまでの恐怖はどこへやら、いたずらっ子っぽくニッと笑います。
あ~ぁ、ニック…… 余計な事を……
「絶対に何かありそうですね……!」
どうやら、アカリも盗賊団『グランプス』への恐怖よりドキドキ感の方が勝ってしまっている様です。
若さゆえ……なのでしょうか。
「行っちゃおーよー!」
アカリとニックは、お互いに目と目を合わせて同時に頷きました。
そして、いつもの通り村の外でひなたぼっこをしていたオオトカゲを捕まえ、頭をナデナデしながら
「今日はアナタに偵察をお願いしますね!……髪フゥ♡」
と気で精神を支配した偵察トカゲを先に民家の中に放ちました。
キョロ……キョロ……と辺りを窺いながら、偵察トカゲは階段を降りて行きました。
目を閉じて、アカリは気の繋がった偵察トカゲの目を通して中の様子を感じ取ります。
「どうやら大丈夫そうですね……
さぁニック、中に入りましょう!」
そして偵察トカゲの目を通した映像をもとに、アカリとニックは盗賊団の野郎共2人を追いかける様に民家の中に入りました。
民家の中は薄暗く、窓から入り込む光がくっきり照らし出されます。
しかも少し……湿気臭いです。
家具も何も無い部屋ですが、床一面に巨大な魔方陣が描かれています。
どうやら、魔方陣の中心には地下室へと続く階段がある様です。
たぶん、この民家はこの巨大な魔方陣と地下室を隠す為のカムフラージュでしょう。
「だけど、何でこんな小さな漁村にこんな大掛かりな民家が……?」
そんな事を考えながら、アカリとニックは巨大な魔方陣を見つめます。
どんな魔法がかけられているか分からない以上、迂闊に踏み込む事は危険です。
試しに、アカリは偵察トカゲを使って魔方陣を跨がせてみました。
すると、偵察トカゲが魔方陣を跨いだ途端……
何と、一瞬でシュンッと姿を消してしまったんです!
「 “ 転移魔法の類い ” 、かなー?」
「どこかに飛ばされるんならまだしも、“ 異次元の狭間行き ” なんてヤですからね……」
アカリは、ぷうっと頬を膨らませます。
「お姉ちゃん、イイ事を教えてあげるねー!
実は、どんな系統の魔方陣かが分かる方法があるんでーす。」
「どんな方法ですか、ニックさん?」
「もしも転移魔法『エスケープ』なら、無属性魔法の魔方陣だよー。
もしもお姉ちゃんの言う異次元の狭間に飛ばされる魔法、『ディメンション=ホール』なら闇属性魔法の魔方陣だよー。
無属性魔法か闇属性魔法か、どちらの魔方陣かを見分ける方法はねー……」
ニックは、部屋の隅に落ちていた枯れ葉を1枚嘴でくわえてアカリに渡します。
「この枯れ葉を、魔方陣へ向けて宙を泳がせてみてー。
もしも無属性魔法なら、そのまま消えて無くなるよー。
もしも闇属性魔法なら、ボロボロの消し炭になるからねー。」
アカリはニックに促されて、枯れ葉を魔方陣へ向けてヒュッとスライドさせてみました。
ヒラヒラと舞う落ち葉が魔方陣の上を通過した途端、何といきなりボロボロに炭化して消し炭となってしまったんです!
「これで、この魔方陣は『ディメンション=ホール』だって事が判明したねー。」
【う・ん・ち・く♡】───────
ちなみに、枯れ葉を魔方陣へスライドさせる判別方法ですが……
もしも火属性魔法ならば、燃え尽きてしまいます。
もしも水属性魔法ならば、ビショビショになってしまいます。
もしも土属性魔法ならば、サラサラと砂に還ってしまいます。
もしも氷属性魔法ならば、カチンコチンに凍ってしまいます。
もしも光属性魔法ならば、枯れ葉から若葉へと生まれ変わります。
────────────────
「この魔方陣が闇属性魔法だって分かれば、ちゃんとそれに応じた対処方法もあるからねー。」
そして、ニックはアカリと共に魔方陣の傍にやって来ました。
「闇属性魔法なら、それに相反する光属性魔法で中和する事が出来るんだよー!
ちなみに、火属性に相反するのは氷属性、土属性に相反するのは水属性ねー。
本来なら光属性魔法をこの魔方陣に直接ぶつけるのがセオリーなんだけど、お姉ちゃんの場合はもっと簡単な方法があるのー。
お姉ちゃん、手を翳してみてー。」
そう言われて、アカリは魔方陣に向かってそ~っと手を翳してみました。
魔方陣に近付くと、何かにバチッと弾かれます。
「お姉ちゃん、その位置感を覚えてねー。
その位置で、壁ドン♡を発動してみてー!」
アカリは手のひらのバチッバチッと弾く様な感触をガマンしながら気を集中させて、
「……壁ドン♡!」
と神気を放出しました!
するとどうでしょう……
神気の放出口となった手のひらの位置を起点として、そこから拡がる様に巨大な魔方陣がスーッと消えて無くなって行くではありませんか!
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