きぐるみ♡女神伝

きぐるみんZ

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第2章.妖精王

034縫.きぐるみの弱点です

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 今の壁ドン♡で床の巨大な魔方陣が綺麗サッパリ消滅したので、中央の階段へ行ける様になったみたいです。
ニックは、試しにアカリに聞いてみました。

「お姉ちゃん、今の出来事でどういう事が立証出来たと思うー?」

「もしかして……
ワタシが編み出した “ 胸キュン♡流格闘術 ” は、みんな拳に光属性魔法を纏わせた……
光属性攻撃だったって事ですか?」

「そのとーりー!
さすがお姉ちゃん、カンが鋭いねー!」

「では、何で魔法なんて存在しないハズの日本から来たワタシが……
地上界で魔法が使えたんでしょう?」

「たぶん、お姉ちゃんに半分 “ 女神 ” の血が入っているからなんじゃないかなー?」

 えっ、こんな所にも “ 女神 ” の血の影響が出て来ているんでしょうか……?


 階段を降りようとして、アカリはふと立ち止まってニックに聞きます。

「ねぇニックさん、地下室には何があると思います?」

「まぁ、階段の前にあんな魔方陣を用意するくらいだからねー。
気を引き締めてかからないと、危険かもだよー!」

「ニックさん、お願いがあるんですけど……
ワタシはここで見張って様子を伺いますから、長老さん達をここへ連れて来て貰えませんか?」

 「ここで見張ってる」って言ってあげないと、ニックの事だから心配して意地でも付いて来てしまうでしょうから……
やっぱり、援軍は欲しいです。

「んー、分かったよー!
だけど、無理はしないでねー。」

 アカリとニックはお互いにコクンと頷き、ニックはくるりと回れ右して、民家から外へ飛び出して行きました。
アカリは階段を降りて、地下室へ向かう事にします。


 何か危険な気を感じながら、アカリは恐る恐る扉を開けました。
すると、目の前に広がっているのは……事務所でしょうか?

 事務所には壁一面に木棚が設けられており、色んなオブジェが処狭ましと敷き詰められています。
そして向こうにはこちらを背にしてソファーが向かい合う様に設置されています。
だいたい、この地上界で盗賊団が事務所を構えているって事自体、異質に映ります。
恐らく、強さの誇示なんでしょうか?

 ふとアカリが目線を斜め前に向けると、右向こうには磨りガラスの仕切りがあります。
磨りガラスの仕切りには誰か複数のシルエットが見えており、その向こうから何やら声が聞こえます。


……きゃん、ダメぇっ、背中なでると……
……くうぅぅんっ……
…… “ 本能 ” には……逆らえないのっ……
……にゃあぁぁんっ……
……んっ……尻尾を……触らないでぇっ……
……めえぇぇぇっ……


「……はっ!
ニックさんっ、女の子達の声が聞こえますっ!」

 そう叫んで、アカリは急いで磨りガラスの仕切りを回り込みました。
磨りガラスの仕切りの向こうで、アカリが見たものとは……

 仕切りの向こうにもソファーが置かれており、そこには盗賊団『グランプス』の野郎共が2人腰掛けていました。
彼らの足許にはイヌ、ネコ、ヒツジが……

 もとい拉致されたキュルムの町のきぐるみ少女達が、2人組にそれぞれのきぐるみをモフモフされて腰砕けにされていたんです!

「うわぁ……きぐるみを着たキュルミーの女の子達を、まるで “ 借りてきたネコ ” みたいに……」


 コレって……
絶対あーんな事やこーんな事をされて……
最終的には、身体に焼印を押されて奴隷として売られて……
ドナドナドーナードーナ……仔牛をのーせーて……


 その衝撃の光景を見て、アカリの妄想がスパークして頭の中でぼんっ!と爆発してしまった様です。
ぷしゅ……と頭から湯気を立ち昇らせて、頭をクラクラさせながらアカリはひと言呟きました。

「えっ……
きぐるみをモフモフされると、力が抜けて腰砕けになっちゃうんですか?
無敵じゃないかって思っていましたのに……コレ。」


【う・ん・ち・く♡】───────

 もともとキュルミーの闘い方は “ きぐるみ ” を媒体として、きぐるみとなったテイムモンスターの魂と憑依します。
そして憑依したテイムモンスターの魂の力を借りて攻撃する、というスタイルなんです。

 彼女たち3人のミント団の女の子達は “ 量産ぐるみ ” なので、主にテイムモンスターではなく野良の動物達が憑依します。

 憑依する以上、本来動物やモンスターが生まれつき持っている『モフモフされると力が抜ける』という “ 本能 ” まで引き継いでしまうのは、ある意味仕方無いのです。

 野性動物が異常なくらいテリトリーに入るよそ者を警戒しているのも、その為です。

────────────────


 アカリは頭をブンブン振り、頬を両手でパンパン!と叩いて2人組に言い放ちました。

「アナタ達、この子達にこんな事をして、何サマのつもりなんですか!」

 長老さん達がココに来るまで、足止めして時間稼ぎしなくっちゃ!

「おっ、またキュルムの町の女が来やがったよ。」

「わ……ワタシは通りすがりの流れ者です!
でも、人拐いの現場を見てしまったからには見過ごす訳には行きません!
何で、こんな事をしたんですか?」

「ちっ、キュルムの町の住民じゃねぇ奴がコイツらを助けに来たって訳かぁ。
だったら……教えてやるよ!」


















 盗賊団『グランプス』の2人組は、どうしてキュルムの町のきぐるみ少女達を拉致したんでしょうか……?









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