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第2章.妖精王
045縫.妖精王が求めたお方
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病院のお医者さんや看護婦さんは、娘さん達3人の奇跡の回復ぶりを見て全員ビックリ顔!
それを横目に、悠々と病院を出るアカリ達5人です。
そしてみんな、このまま長老さんの家に雪崩れ込みます。
「こ、コレはどういう事じゃ……?
ワシはただ、代わりにお見舞いに行ってくれとお願いしただけじゃのに……」
口があんぐり空いたままの長老さんの目の前には、ピンピンとした健康的なきぐるみ
美少女が3人。
しかも見た目がツルツルたまご肌なのに、肌がしっとりと潤っている様な……
これが本当に、「モフモフ」されたあの3人なのかの……?
激変した娘さん達3人に長老さんが順番に声を掛けると、まずイヌのきぐるみさんが穏やかな口調で長老さんに答えます。
「ノゾミ、ご苦労じゃったな。
3人とも無事でいられて良かったのじゃ。」
「お爺さま、アタシ達みんなアカリさんに治してもらったんです!」
そして、ネコのきぐるみさんが身振り手振り加えてアピールします。
「カナエ、活発なお前の事じゃ。
2人をあっちこっち振り回さなんだか?」
「爺や、アカリさんがアタシ達をどん底から救い出してくれたんだ!」
最後に、ヒツジのきぐるみさんが甘えた表情で長老さんにすり寄ります。
「タマエ、辛くなかったか?
甘えん坊だから、一番心配だったんじゃ。」
「お爺ちゃん、アカリさんはアタシ達にとっての『奇跡の女神』なの!」
「ノゾミ」「カナエ」「タマエ」ってアナタ達、3姉妹だったんですか!
しかしまた、名前さえ分かれば恐ろしくわっかりやすい3姉妹だこと……♪
そして、元気になった事で3姉妹の性格の違いも明らかになりました。
典型的な「長女型」、「次女型」、「末っ子型」の性格丸出しです♪
長老さんは両手でアカリの手を取り、深々と頭を下げて言いました。
「そなたには、すっかり借りが出来てしまったの。
もうそなたも家族じゃ、ワシらと一緒に……
この町に住んでもいいんじゃよ?」
確かに、キュルミーの人達にとって『モフモフ』の後遺症は脅威です。
だからたったひとり、後遺症を治癒出来るワタシを絶対手放したくない、と思うのは自然です。
現在は友好的でも、未来では後任の長老さん次第で一生町から出られなくなる、なんて事も有り得る訳ですから……
そんな考えが、次から次へとアカリの頭に擡げます。
でも、ワタシだって……
「ゴメンなさい、長老さんっ!
でも、ワタシもこの地上界で各地を巡って為したい事があるんです!」
アカリも必死の表情で、自分の言葉で長老さんに思いの丈をぶつけたんです!
お互い、後悔しない様に。
長老さんはアカリの言葉を、アカリの目を見つめたままずっと離さずに一言一句まで聞いてくれました。
「ならばアカリさん、そなたにお願いしたい事があるのじゃ。
各地の行商路の確保や商隊の護衛の為に、今やキュルミーはここスメルクト大陸だけで無く5大陸全域に活動範囲を広げておる。」
その上で、長老さんは現在のキュルミーの現状をアカリに説明します。
「しかし治癒の能力を持つキュルミーはまだ希少、故に戦闘などで傷を負い後遺症に今でも苦しめられておる者がたくさんおるんじゃ。」
そして長老さんはしばらく考えた後に、アカリにこう切り出したんです。
「アカリさん、これから5大陸の各地を巡るつもりなんじゃろ?
立ち寄った町や村でもし怪我に伏せておる者達がおれば、積極的に治療を施してやって欲しいんじゃ。
約束して……貰えるかの?」
本当の “ 落としどころ ” は、そこだったんですね!
アカリはニッコリと微笑んで、力強く答えました。
「はいっ、喜んで!」
するとその力強い返事に満足した長老さんは、おもむろに立ち上がり顔を上に向き両手を天に掲げました。
そして、中空に向けて大声で語りかけ始めたんです!
「今までの事、全て “ 視て ” いらしたのじゃろう?
この者こそ、アナタが求めておられたお方じゃあ!
どうなさるおつもりじゃの、『妖精王』?」
……『妖精王』ですってぇ?
すると、はるか上空の方から透き通った澄んだ声が “ 降りて ” 来ました。
『今、霧の結界を解放します。
代理者よ、この結界を越えて私の神殿へ来る様に “ 選ばれし者 ” に伝えては貰えませんか?』
その声が “ 降りて ” 来た直後、今までキュルムの町を覆っていた深い霧が徐々に薄くなりスーッと視界が開けて来ました。
そして霧が完全に無くなった時、今まで見えなかったキュルムの町の向こう側に広がっていたのは……
光輝く白亜の神殿だったんです!
「 “ あの方 ” はワシらキュルミーの源流であり、守護者でもあるんじゃ。
そなたにのみ会う権利がある、と言っておるの。
向こうもそなたに会いたがっておる、行って来るがイイのじゃ……」
アカリとニックは、神殿の前に来ました。
そのあまりの荘厳さにしばし足を止め、言葉を失ってしまいました。
神殿を見上げなから、アカリはニックに聞きました。
「こんなスゴい所に住んでいる『妖精王』って……
ねぇニックさん、『7世界の王』ってどんな人達なんですか?
やはり、超常的な力を持っているんですか?」
「お姉ちゃん、“ 超常的な力 ” って言い過ぎー!
『7世界の王』って、各種族の王様なのー。
各々の世界で一番強い人たちなのだー!
エライのだー!」
ひょっとしたら、厳つい男達なのかも知れませんね……
とにかく、会って確かめない事には話は進みません。
それに、アカリは再びくらっと来ています。
ズキッ……また、あの時と同じ頭痛です。
またアカリの事を……呼んでいるのでしょうか……?
「『妖精王』がワタシ達を呼んでます……
さあニックさん、神殿の中に入りましょう。」
謎の頭痛に呼ばれる様に、アカリとニックは神殿の中に消えて行ったのでした……
アカリ達の背中を見送り、長老さんは呟きました。
「宿命は受け継がれるのじゃな……
これで良かったかの、『妖精王』……レイラ様?」
それを横目に、悠々と病院を出るアカリ達5人です。
そしてみんな、このまま長老さんの家に雪崩れ込みます。
「こ、コレはどういう事じゃ……?
ワシはただ、代わりにお見舞いに行ってくれとお願いしただけじゃのに……」
口があんぐり空いたままの長老さんの目の前には、ピンピンとした健康的なきぐるみ
美少女が3人。
しかも見た目がツルツルたまご肌なのに、肌がしっとりと潤っている様な……
これが本当に、「モフモフ」されたあの3人なのかの……?
激変した娘さん達3人に長老さんが順番に声を掛けると、まずイヌのきぐるみさんが穏やかな口調で長老さんに答えます。
「ノゾミ、ご苦労じゃったな。
3人とも無事でいられて良かったのじゃ。」
「お爺さま、アタシ達みんなアカリさんに治してもらったんです!」
そして、ネコのきぐるみさんが身振り手振り加えてアピールします。
「カナエ、活発なお前の事じゃ。
2人をあっちこっち振り回さなんだか?」
「爺や、アカリさんがアタシ達をどん底から救い出してくれたんだ!」
最後に、ヒツジのきぐるみさんが甘えた表情で長老さんにすり寄ります。
「タマエ、辛くなかったか?
甘えん坊だから、一番心配だったんじゃ。」
「お爺ちゃん、アカリさんはアタシ達にとっての『奇跡の女神』なの!」
「ノゾミ」「カナエ」「タマエ」ってアナタ達、3姉妹だったんですか!
しかしまた、名前さえ分かれば恐ろしくわっかりやすい3姉妹だこと……♪
そして、元気になった事で3姉妹の性格の違いも明らかになりました。
典型的な「長女型」、「次女型」、「末っ子型」の性格丸出しです♪
長老さんは両手でアカリの手を取り、深々と頭を下げて言いました。
「そなたには、すっかり借りが出来てしまったの。
もうそなたも家族じゃ、ワシらと一緒に……
この町に住んでもいいんじゃよ?」
確かに、キュルミーの人達にとって『モフモフ』の後遺症は脅威です。
だからたったひとり、後遺症を治癒出来るワタシを絶対手放したくない、と思うのは自然です。
現在は友好的でも、未来では後任の長老さん次第で一生町から出られなくなる、なんて事も有り得る訳ですから……
そんな考えが、次から次へとアカリの頭に擡げます。
でも、ワタシだって……
「ゴメンなさい、長老さんっ!
でも、ワタシもこの地上界で各地を巡って為したい事があるんです!」
アカリも必死の表情で、自分の言葉で長老さんに思いの丈をぶつけたんです!
お互い、後悔しない様に。
長老さんはアカリの言葉を、アカリの目を見つめたままずっと離さずに一言一句まで聞いてくれました。
「ならばアカリさん、そなたにお願いしたい事があるのじゃ。
各地の行商路の確保や商隊の護衛の為に、今やキュルミーはここスメルクト大陸だけで無く5大陸全域に活動範囲を広げておる。」
その上で、長老さんは現在のキュルミーの現状をアカリに説明します。
「しかし治癒の能力を持つキュルミーはまだ希少、故に戦闘などで傷を負い後遺症に今でも苦しめられておる者がたくさんおるんじゃ。」
そして長老さんはしばらく考えた後に、アカリにこう切り出したんです。
「アカリさん、これから5大陸の各地を巡るつもりなんじゃろ?
立ち寄った町や村でもし怪我に伏せておる者達がおれば、積極的に治療を施してやって欲しいんじゃ。
約束して……貰えるかの?」
本当の “ 落としどころ ” は、そこだったんですね!
アカリはニッコリと微笑んで、力強く答えました。
「はいっ、喜んで!」
するとその力強い返事に満足した長老さんは、おもむろに立ち上がり顔を上に向き両手を天に掲げました。
そして、中空に向けて大声で語りかけ始めたんです!
「今までの事、全て “ 視て ” いらしたのじゃろう?
この者こそ、アナタが求めておられたお方じゃあ!
どうなさるおつもりじゃの、『妖精王』?」
……『妖精王』ですってぇ?
すると、はるか上空の方から透き通った澄んだ声が “ 降りて ” 来ました。
『今、霧の結界を解放します。
代理者よ、この結界を越えて私の神殿へ来る様に “ 選ばれし者 ” に伝えては貰えませんか?』
その声が “ 降りて ” 来た直後、今までキュルムの町を覆っていた深い霧が徐々に薄くなりスーッと視界が開けて来ました。
そして霧が完全に無くなった時、今まで見えなかったキュルムの町の向こう側に広がっていたのは……
光輝く白亜の神殿だったんです!
「 “ あの方 ” はワシらキュルミーの源流であり、守護者でもあるんじゃ。
そなたにのみ会う権利がある、と言っておるの。
向こうもそなたに会いたがっておる、行って来るがイイのじゃ……」
アカリとニックは、神殿の前に来ました。
そのあまりの荘厳さにしばし足を止め、言葉を失ってしまいました。
神殿を見上げなから、アカリはニックに聞きました。
「こんなスゴい所に住んでいる『妖精王』って……
ねぇニックさん、『7世界の王』ってどんな人達なんですか?
やはり、超常的な力を持っているんですか?」
「お姉ちゃん、“ 超常的な力 ” って言い過ぎー!
『7世界の王』って、各種族の王様なのー。
各々の世界で一番強い人たちなのだー!
エライのだー!」
ひょっとしたら、厳つい男達なのかも知れませんね……
とにかく、会って確かめない事には話は進みません。
それに、アカリは再びくらっと来ています。
ズキッ……また、あの時と同じ頭痛です。
またアカリの事を……呼んでいるのでしょうか……?
「『妖精王』がワタシ達を呼んでます……
さあニックさん、神殿の中に入りましょう。」
謎の頭痛に呼ばれる様に、アカリとニックは神殿の中に消えて行ったのでした……
アカリ達の背中を見送り、長老さんは呟きました。
「宿命は受け継がれるのじゃな……
これで良かったかの、『妖精王』……レイラ様?」
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