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第2章.妖精王
047縫.無限回廊の謎を解く
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アカリは集中して、自分が手のひらから広げた “ 神気 ” の行く先を探って見ると……
何やら、放出した大量の神気が全てある一点に向かって流れ込む様なイメージを感じ取りました。
「あっニックさん、あそこ、あの陽射しがキラキラと眩しく反射してる所にワタシの放出した神気が集結しています!
あそこに、何かがあるみたいですよ!」
さっそくアカリとニックは柱の道の一点、柱と柱の間から陽射しの反射が不自然に多いと感じたポイントに到着しました。
アカリが、その付近を念入りに注意深くキョロキョロ探してみると……
すると陽射しの反射で全く見えなかった所に、隠し部屋に繋がるレンガボタンを見つけたんです。
柱と同色になっていて、巧妙に隠されていたみたいです。
しかし、いくら見えない様に隠しても不自然な凸凹がある分だけどうしても陽射しが乱反射してしまうんです。
「でもこんなの、よく注意深く見ていても見落としてしまいますよ。」
ニックも、ほへーって驚いた顔をしてアカリに聞きます。
「この神殿、こーゆー造りばかりなのー?」
アカリが、ウンウンと頷きます。
「これじゃあ、『精霊王』を誰も見た事無いのも分かる気がします。」
でも、こんな場所のどこに隠し部屋があるんでしょう……?
試しにアカリがレンガボタンを押してみると、いきなり空間に “ 長方形の黒い四角 ” が出現したんです!
どうやら、奥へと繋がる通路みたいですね。
この黒い通路は、ニックを先頭にして入る事にしました。
なぜならニックはフェアリーバード、火の精霊を身に宿しているので常に明るく「松明」要らずだからなんです!
コツ……コツ……コツ……コツ……
どうやら、柱の道と黒い通路ではまた足音の響き方が違うみたいなんです。
音の反響は無く、ただ不気味に靴音のみが聞こえます。
このまま、アカリとニックがゆっくりと進み続けると……
「キャッ、眩しいっ!」
今まで暗かった所からいきなり光差す場所に出られたので、眩しさを感じて瞳孔が収縮して思わずアカリは手のひらを、ニックは翼を翳してしまいます。
黒い通路を抜けた先で、アカリが見たものとは……
まるで、アカリの生まれ故郷S市の中央に聳える巨大な台地から見た時の様なオレンジ色の夕空。
しかし、残念ながらこういう景色にはお馴染みのカラスも、スズメもこの空間にはいないみたいです。
「見て、ニック、懐かしい景色です……」
そしてその夕空を背景に、見える遥か先まで延々と続く赤い桟橋なんです。
ただ普通の橋と違うのは、下を眺めると雲が見えどこまでも底が見えない事……
言わば「天空の桟橋」と呼ぶべきかもしれないこの橋は、支柱として何と先程見た『円柱』が使われているんです!
……って事は、ココから落ちたら柱の道まで真っ逆さまですか?
「さっき “ 柱の道 ” から見上げた天井って、こんな感じになっていたんですか……
まるっきり、別世界じゃないですか!」
そう言いながら、ふとアカリは横を向いて欄干を見てみると……
フワ……フワ……フワ……フワ……
両側の欄干に火の玉が、これも同じ幅を保って延々と続いています。
幅は『円柱』よりも気持ち広めみたいです。
すると、再びアカリとニックの頭の中から声が聞こえて来ます。
『 “ 選ばれし者 ” の皆さん、無事に「無限廻廊」をクリア出来たみたいですね!
今度は「奈落の穴」です。
行く手を阻む仕掛けは、出口に近付くほど激しさを増しますから、そのおつもりで……』
おっ、今度の脳内アナウンスは今までよりも長めの様です。
続きがあったみたいですね。
あっ、ニックったら話を最後まで聞いていません!
行く気満々のご様子です。
『制限時間は40分、それを越えるとこの桟橋は奈落へ向けて崩落して……
あの、そこのトリさん……ちゃんと話を聞いてます?
欄干の火の玉が全て消える前までに、出口を目指して下さい。
さぁ、早く私に会いに来て下さいね……』
あ、ニックが浮足立っているのがバレバレな様です。
って事は今まさに、誰かがこの光景をリアルタイムで見ているって事ですか?
天の声が聞こえなくなった途端に、やっぱり我慢が出来なかったみたいでニックがダッと入口の踊り場から桟橋に飛び移り、タタタ……と走り出します。
その瞬間ふわっと横風が凪ぎ、ニックは煽られて尻餅を付いてしまいました。
「ニックさん、何の考えも無しにこの桟橋を走るのは危険ですよ!
ちゃんとこういう話は、最後まで聞いてあげましょうよ!
ワタシ達の為を思って、忠告してくれているんですからね。
大丈夫ですか?立てますか?
……うんっ、問題は無さそうですね。
さぁ、歩いて桟橋を渡りますよ!」
桟橋から見る空は夕日に染まり、アカリとニックの影を前に長く伸ばしています。
右前に伸びているので、まるでアカリの影がニックの影をなでなでしてあげているみたいですね。
ニックがスッと立てたので、アカリは安心して歩いて桟橋を移動する事にしたんです。
何やら、放出した大量の神気が全てある一点に向かって流れ込む様なイメージを感じ取りました。
「あっニックさん、あそこ、あの陽射しがキラキラと眩しく反射してる所にワタシの放出した神気が集結しています!
あそこに、何かがあるみたいですよ!」
さっそくアカリとニックは柱の道の一点、柱と柱の間から陽射しの反射が不自然に多いと感じたポイントに到着しました。
アカリが、その付近を念入りに注意深くキョロキョロ探してみると……
すると陽射しの反射で全く見えなかった所に、隠し部屋に繋がるレンガボタンを見つけたんです。
柱と同色になっていて、巧妙に隠されていたみたいです。
しかし、いくら見えない様に隠しても不自然な凸凹がある分だけどうしても陽射しが乱反射してしまうんです。
「でもこんなの、よく注意深く見ていても見落としてしまいますよ。」
ニックも、ほへーって驚いた顔をしてアカリに聞きます。
「この神殿、こーゆー造りばかりなのー?」
アカリが、ウンウンと頷きます。
「これじゃあ、『精霊王』を誰も見た事無いのも分かる気がします。」
でも、こんな場所のどこに隠し部屋があるんでしょう……?
試しにアカリがレンガボタンを押してみると、いきなり空間に “ 長方形の黒い四角 ” が出現したんです!
どうやら、奥へと繋がる通路みたいですね。
この黒い通路は、ニックを先頭にして入る事にしました。
なぜならニックはフェアリーバード、火の精霊を身に宿しているので常に明るく「松明」要らずだからなんです!
コツ……コツ……コツ……コツ……
どうやら、柱の道と黒い通路ではまた足音の響き方が違うみたいなんです。
音の反響は無く、ただ不気味に靴音のみが聞こえます。
このまま、アカリとニックがゆっくりと進み続けると……
「キャッ、眩しいっ!」
今まで暗かった所からいきなり光差す場所に出られたので、眩しさを感じて瞳孔が収縮して思わずアカリは手のひらを、ニックは翼を翳してしまいます。
黒い通路を抜けた先で、アカリが見たものとは……
まるで、アカリの生まれ故郷S市の中央に聳える巨大な台地から見た時の様なオレンジ色の夕空。
しかし、残念ながらこういう景色にはお馴染みのカラスも、スズメもこの空間にはいないみたいです。
「見て、ニック、懐かしい景色です……」
そしてその夕空を背景に、見える遥か先まで延々と続く赤い桟橋なんです。
ただ普通の橋と違うのは、下を眺めると雲が見えどこまでも底が見えない事……
言わば「天空の桟橋」と呼ぶべきかもしれないこの橋は、支柱として何と先程見た『円柱』が使われているんです!
……って事は、ココから落ちたら柱の道まで真っ逆さまですか?
「さっき “ 柱の道 ” から見上げた天井って、こんな感じになっていたんですか……
まるっきり、別世界じゃないですか!」
そう言いながら、ふとアカリは横を向いて欄干を見てみると……
フワ……フワ……フワ……フワ……
両側の欄干に火の玉が、これも同じ幅を保って延々と続いています。
幅は『円柱』よりも気持ち広めみたいです。
すると、再びアカリとニックの頭の中から声が聞こえて来ます。
『 “ 選ばれし者 ” の皆さん、無事に「無限廻廊」をクリア出来たみたいですね!
今度は「奈落の穴」です。
行く手を阻む仕掛けは、出口に近付くほど激しさを増しますから、そのおつもりで……』
おっ、今度の脳内アナウンスは今までよりも長めの様です。
続きがあったみたいですね。
あっ、ニックったら話を最後まで聞いていません!
行く気満々のご様子です。
『制限時間は40分、それを越えるとこの桟橋は奈落へ向けて崩落して……
あの、そこのトリさん……ちゃんと話を聞いてます?
欄干の火の玉が全て消える前までに、出口を目指して下さい。
さぁ、早く私に会いに来て下さいね……』
あ、ニックが浮足立っているのがバレバレな様です。
って事は今まさに、誰かがこの光景をリアルタイムで見ているって事ですか?
天の声が聞こえなくなった途端に、やっぱり我慢が出来なかったみたいでニックがダッと入口の踊り場から桟橋に飛び移り、タタタ……と走り出します。
その瞬間ふわっと横風が凪ぎ、ニックは煽られて尻餅を付いてしまいました。
「ニックさん、何の考えも無しにこの桟橋を走るのは危険ですよ!
ちゃんとこういう話は、最後まで聞いてあげましょうよ!
ワタシ達の為を思って、忠告してくれているんですからね。
大丈夫ですか?立てますか?
……うんっ、問題は無さそうですね。
さぁ、歩いて桟橋を渡りますよ!」
桟橋から見る空は夕日に染まり、アカリとニックの影を前に長く伸ばしています。
右前に伸びているので、まるでアカリの影がニックの影をなでなでしてあげているみたいですね。
ニックがスッと立てたので、アカリは安心して歩いて桟橋を移動する事にしたんです。
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