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第一章
[ 047 ] クルト覚醒
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「うううぅぅうう!!」
クルトさんは、唸り声をあげなら顔を上に向けて口をあけて理性と戦っている。
「あの、もう終わりましたけど」
「うぇぇ。まさか魔石を食べる日が来るなんて……」
「僕もそう思いました……。しばらくすると身体が暖かくなって、魔力の漲る感じますから少し待ってみましょうか」
「そうなんだ。わかった」
二人ともベンチに座り、魔石の効果が出るまでしばらくクルトの身の上の話を聞くことになった。
「オレにはさ、ロイエ君と同じくらいの弟がいるんだけど、ずっと寝たきりなんだ」
「病気ですか?」
「それもあるし、生まれつき足が片方しかないんだ」
この世界でも障がい者の人はいるのか……。車椅子もないこの世界でもハンデを背負って生きるのは相当大変だろう……。
「幸いうちは裕福だからさ、オレも仕事しないで遊んでられるんだけど……。弟が「夢は冒険者になって困ってる人を助けて世界を回りたい」っていうんだよ。兄としては叶えてやりてぇじゃん」
「それで冒険者に……」
「ずっとぷーたら遊んでたから、とにかく早く冒険者になりたくて、お小遣いでブルーポーションを買い込んで攻略法を探してたって……お? おおおぉおおお!?」
効果が出たか?! クルトの魔力が乱れているのがわかる。近くの砂が呪文を唱えてないのに、ざわざわと波立っている。
「おおぉぉ……すごい。力が漲るのを感じぞぉお!」
念のため、ブルーポーションを飲んで魔力を全開にさせると、飲み過ぎで少し気持ち悪くなったクルトさんは、気合い十分な顔で親指を立てた。
「ジオグランツ」
「フェルスアルトファーラー」
砂の兵士は剣を拾うと先ほどと同様に振り回し、演舞を披露した。三十秒経過……。
「クルトさんどうですか?」
「はーはははは! 全然行ける!」
すごい……最大値が低いほど効果が高いのか?! クルトさんの砂の兵士はその後五分ほど動くと、またグシャっとクルトさんと同時に倒れるという先ほどと同じ終わりを迎えた。
しかし、本人は大変満足したらしく、胃液を吐きながら、魔石はもっとないのか?! と、危ない葉っぱの中毒者みたいな言葉を吐きながら、僕にねだってきた。
「クルトさん落ち着いてください。まだ実験の結果どうなるかわからないんです。もしかしたら爆発して死ぬかもしれません」
「え……それは困る、弟にはオレが強い冒険者になって勇敢なところを見せたいんだから……」
弟がキーになるのか、クルトさんは途端に大人しくなった。今度また暴走したら使おう。
「でも魔石の提供者に結果を報告したいので、一緒に魔石買取屋まで来てもらえますか?」
「ああ、オレもそこの店主に紹介して貰えると嬉しいな。魔石を買い取りたい」
「わかりました」
「あ、待ってくれ。今日はオレが奢るからちょっと食べてから行かないか?」
辺りを見渡すと、いつのまにか日が落ちていた。確かにこのままロゼの店に行くと夕飯を食べる機会を失いそうだ。それに万年金欠の僕は、おごりという言葉に弱い……。お言葉に甘えて夕飯をご馳走になる事にした。
クルトさんは、唸り声をあげなら顔を上に向けて口をあけて理性と戦っている。
「あの、もう終わりましたけど」
「うぇぇ。まさか魔石を食べる日が来るなんて……」
「僕もそう思いました……。しばらくすると身体が暖かくなって、魔力の漲る感じますから少し待ってみましょうか」
「そうなんだ。わかった」
二人ともベンチに座り、魔石の効果が出るまでしばらくクルトの身の上の話を聞くことになった。
「オレにはさ、ロイエ君と同じくらいの弟がいるんだけど、ずっと寝たきりなんだ」
「病気ですか?」
「それもあるし、生まれつき足が片方しかないんだ」
この世界でも障がい者の人はいるのか……。車椅子もないこの世界でもハンデを背負って生きるのは相当大変だろう……。
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「それで冒険者に……」
「ずっとぷーたら遊んでたから、とにかく早く冒険者になりたくて、お小遣いでブルーポーションを買い込んで攻略法を探してたって……お? おおおぉおおお!?」
効果が出たか?! クルトの魔力が乱れているのがわかる。近くの砂が呪文を唱えてないのに、ざわざわと波立っている。
「おおぉぉ……すごい。力が漲るのを感じぞぉお!」
念のため、ブルーポーションを飲んで魔力を全開にさせると、飲み過ぎで少し気持ち悪くなったクルトさんは、気合い十分な顔で親指を立てた。
「ジオグランツ」
「フェルスアルトファーラー」
砂の兵士は剣を拾うと先ほどと同様に振り回し、演舞を披露した。三十秒経過……。
「クルトさんどうですか?」
「はーはははは! 全然行ける!」
すごい……最大値が低いほど効果が高いのか?! クルトさんの砂の兵士はその後五分ほど動くと、またグシャっとクルトさんと同時に倒れるという先ほどと同じ終わりを迎えた。
しかし、本人は大変満足したらしく、胃液を吐きながら、魔石はもっとないのか?! と、危ない葉っぱの中毒者みたいな言葉を吐きながら、僕にねだってきた。
「クルトさん落ち着いてください。まだ実験の結果どうなるかわからないんです。もしかしたら爆発して死ぬかもしれません」
「え……それは困る、弟にはオレが強い冒険者になって勇敢なところを見せたいんだから……」
弟がキーになるのか、クルトさんは途端に大人しくなった。今度また暴走したら使おう。
「でも魔石の提供者に結果を報告したいので、一緒に魔石買取屋まで来てもらえますか?」
「ああ、オレもそこの店主に紹介して貰えると嬉しいな。魔石を買い取りたい」
「わかりました」
「あ、待ってくれ。今日はオレが奢るからちょっと食べてから行かないか?」
辺りを見渡すと、いつのまにか日が落ちていた。確かにこのままロゼの店に行くと夕飯を食べる機会を失いそうだ。それに万年金欠の僕は、おごりという言葉に弱い……。お言葉に甘えて夕飯をご馳走になる事にした。
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