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34話
しおりを挟む「ジン君が第3級冒険者になることを認めよう」
ギルドに戻るとギルドマスターの部屋に連れられ、昇格する事が出来た。
「ジンくんおめでとう!これからどうする?飲み行く?」
受付でギルドカードを更新してもらっている間、メルさんと話す。
「いや、ちょっと武器屋に行こうかと思って」
ナイフを抜いてメルさんに見せる。
「ずっと使ってきたものだからもう限界が来たみたい」
刀身に大きくヒビが入っている。
初めて自分から欲しいと言ったものでアルスさんが買ってくれたやつ。
闘技大会に使った衝撃11重のエンチャントの衝撃もよく耐えたもんだ。
「そっか…残念だね」
カードを受け取り、ギルドを出る。
予算はたくさんある。今まで金は宿と食事だけに使ってきた。毎日の食事なんてそう高いものじゃない。
今アイテムボックスには百数十枚あるはず。途中で数えるのがめんどくさくなって以来数えてない。
「これを機に防具も変えるか」
「無い…」
武器を探して早1日。常連となった串焼きの屋台の横で串焼きをかじる。
「どうしたんだい、ジン君。浮かない顔してそんな良い装備してんのに」
そう、おっちゃんが言った通り防具は見つかった。
たまたま入ったオンボロな武器屋がそれはすごい武器屋だったらしく、防具も凄かった。
俺が今身に付けてるのは翼竜の鱗で作った胸当てと翼竜の皮で作った指貫グローブ、よく分からない軽くて硬い鉱石のグリーブ。そしてそれらの下にこれまたよく分からない素材の服。フードが付いていて顔を隠すの出来る。
色は夜でも使えるように黒にして貰っている。
「いくらぐらいかかったんだ?」
「んー?俺はいっつも使ってるナイフが壊れてさ、新しいのを探しに行ったんだ。だけどこれを買った店に入ってちょっとしてさ良いのが無いって呟いたんだ。そしたら店主に聞かれてて、そんなはっきり言うやつ初めて見たって言われて金貨十何枚かで売ってくれた」
「そんなすごそーなのが金貨十何枚でそれを買っちまうとは、初めて会った時からこいつはなんかすごそうだなって思ってたのが当たっちまったぜ」
冒険者をしてたらこんぐらいは稼ぐよ。
それからおっちゃんと話し込むんでいると聞きたかったことを聞いてなかったことに気づいた。
「そう言えばおっちゃん、なんかいい情報ない?質の良い武器を売ってる店とか」
「そんな事急に言われたった思いつくわけ…あった」
「おお!?教えてくれ物知りで串焼きを焼くのが上手くて、人が良くて、親切で優しいおっちゃん!!」
精一杯ヨイショして教えてもらおうとする。
「そんなおだてなくても教えるっつうの。迷宮だ」
迷宮?名前は聞いたことあるけど。
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