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39話
しおりを挟む顔に眩しい光と、鳥のさえずり、季節が変わっていく匂い。
眼を開けるとそこは知らない天井だった。
「いつの間に寝てたんだ…」
日も変わってる。これは寝すぎたか?
顔を洗いに下に降りる。
「昨日も自己嫌悪が酷かったな」
俺は新しい土地に来ると精神が不安定になるらしい。アルスさんとロイドさんさんが言っていた。
ただ、自己嫌悪が酷くなっても俺は俺が嫌いだ。
「今日は迷宮に潜ってみるか」
宿の止まり木と比べると全然美味くない飯を食ってギルドに向かって歩く。
ギルドに入り様々な視線を無視して受付に行く。
「迷宮に入りたいんだけど」
と手続きしてもらうためにギルドカードをカウンターに置く。
「は、はい!少々お待ちを!」
受付の女性は緊張していた。第3級冒険者となると辺境の地ぐらいでしか見ることがあまりない。
実際に第1、2級の冒険者は全員この大陸ではなく別の大陸に居るし、3級のもほとんどが別の大陸に集中してる。
確かそんなんだったから緊張するのも無理がないか。
「こ、こちらの水晶に魔力を流してください。そしたら手続きが完了します。あ、魔力流せますか?」
魔力を流す、これは一見誰にでも出来そうだけど体質の問題で出来ない人もいる。
「はい、ありがとうございます」
もちろん出来るけど。
受付の女性からギルドカードともう1枚カードをもらう。
「それは迷宮に入るための証です。それのカードは今後ずっと使えるので無くさないようお願いします」
受付の女性にお礼を言いギルドを出て迷宮に向かう。
迷宮の入り口にはほんの数人並んでいた。
3級になると使える特典に迷宮に並ばないでもいいとものがあるけど流石にこの人数で使ったら嫌味だな。
「3!?失礼しました。どうぞ」
迷宮入り口のギルド職員にも驚かれたけどすぐに迷宮内に入れた。
「迷宮ってこんな感じなんだ」
薄暗い洞窟みたいで、でも道が綺麗に曲がっている。
何時でも戦闘が出来るようにナイフ抜いて進んでいく。
「迷宮でも魔物は死ぬのと、迷宮に食べられる。その意味は、沈むだったよなぁ!」
視界の先のゴブリン1匹に向かって地面すれすれを滑るように走る。
「シッ!」
ゴブリンの首をスポーンと効果音が出そうなほど綺麗に刎ねる。
「これは…何というか?」
言葉にしにくい…飲み物を服の上に零したような、が1番近い気がする。
多少の金にしかならないけどゴブリンの魔石を回収して探索を再開する。
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