召喚されたら聖女ではないと言われました

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12話 現実

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コッソリ抜け出して、街に出た私は、ドレスを売ってお金にする。

話が出来なくても、何とかなった。
むしろ、無口でいたら値段が跳ね上がったように思う。

その足で、傭兵や冒険者みたいな人を雇おうとしたが、建物の前で、躊躇した。

マッチョな中々のイケメン達が、いるのがわかるが、あれに弄ばれるというのは……良い感じはしない。
逆に怖いです。

……となると、奴隷だろうか?
言葉もわからずに、奴隷を選べるだろうか?
……疑問に思いながらも、その扉を開ける。

奴隷商人が、整ったスーツで出てきた。
色々な言葉で声をかけてきた奴隷商人は、「いらっしゃいませ」と言ったことに反応する。
「いらっしゃいませ。日本人の方ですか?……異世界の方は初めてです。失礼があったらすみません。こちらへどうぞ」

私は、定員さんに促されるように部屋のソファーに案内される。
飲み物を出してくれました。
一口飲んだ後に、話が出来ることにホッとしながら、条件を伝える。

「見目が良い、護衛のできる奴隷をお願いします。男がいいです。予算は、これ位でお願いします」

「……かしこまりました。この予算ですと、2人か3人お求めになれます。では、はじめに私のお勧めを連れてまいります」
こうして、奴隷選びが始まったが、どうもピンとこない。

「……お悩みのようですね。では、直接選んで頂きましょう。あちらの階段へどうぞお進みください」
階段を降りていくと、地下に檻のような部屋が幾つもある。
さながら、映画の刑務所のような感じだ。

「……ここにいるもの達は、まだ、教育が終わっていないもの達なので、礼儀作法がありませんが、ご了承ください」
まあ、ずっと、丁寧語で話されても肩が凝る。
それくらいなら、別に構わない。

一つ一つ檻を覗く。
気になった人には声をかける。
ほとんど言葉は通じないが、エルフやドワーフ、貴族なんかには、話が出来るものもいる。
もっと、興味を惹いた人は、能力の確認をして、何人かキープしてもらう。

最終的には、5人に絞られた。

「……この中ならば、3人は買えますよ」
では、おすすめ通り3人選ぶことにした。

1人は、通訳をしてもらう為に、エルフを買う。
見目も頭もいいので、人気商品らしい。
その中でも、優しそうに笑う人を選んだ。
奴隷なのだから、目が死んだ人しかいない。
まだ、奴隷になったばかりの人なので、目は死んでいなかった。
時々、悲しそうにするしぐさも、グッとくる。
私が触れても嫌な顔をしなかったので、彼にした。

2人目は、全く言葉で交流出来ない獣人だ。
ペットみたいに尻尾を振って近ずいてきた。
それまで、死んだ目をしていたのに…今は生き生きしている。
毛並みは、綺麗に洗えばもっと良くなるはずだ。
獣人は身体能力が高いので、十分に護衛役を果たせるだろう。

3人目は、人間と魔族のハーフらしい。
この世界でダントツの嫌われ民族らしくて、売れないらしい。
魔法も力も強い。かなりタイプの細マッチョです。かっこいい。
白銀の髪と瞳が、冷たい感じで、見た瞬間に惚れそうになりました。

3人共に、重犯罪奴隷なので、無条件で絶定服従の一番厳しい奴隷契約をする。
主人の命令は絶対。
主人の為に身を犠牲にする。
主人の為に尽くす……など、曖昧な表現だが…何をされても主人の命令には、逆らえない契約だ。
そう、なにをされても抵抗出来ません。

どんな犯罪者であっても、病気を持っていないならば、彼らは私の理想の奴隷だ。

「……良いのですか?彼らは、重犯罪者ですよ?」
「……??私が殺される訳ではないですよね?」
「それだけは、できませんが、彼らの行動は、あなたの責任になりますよ?」
「……??私の不利益になる事は、出来ないのでしょう?何が、不安なのですか?」
「……いいえ。過去のことを気にしないのであれば、別に良いのです」

変なの……、彼らを恨む輩が現れても、原則主人以外は奴隷に触れられないので、逆恨みの心配もない。
彼らは、私に甘やかされて、過ごすだけです。

私が嫌いならば、苦痛でしかないでしょうが…私に触れられても平気そうな3人を選んだのだ。……大丈夫だろう。

こうして、奴隷契約をして、3人を連れて、旅支度をする。
旅に必要なものを聞くと、手際よく準備をしてくれた。
ご褒美に、私が特製のサンドイッチを作る。
スープは鍋が来るまで作れませんでした。

「たくさん作ったから、いっぱい食べてね」

食事を与える。
ちなみに、異世界の魔法の使い方を聞いたら、小説によく出てくる魔法の使い方と同じらしくて、魔力操作を覚えたら、ストレージを覚えることに成功しました。
異空間から食料を出す。

「……マスター?不思議な魔法を使いますね?教えてくれますか?」

興味津々のエルフに教えると、いつの間にか?ハーフくんも覚えていました。
「……これで、旅は楽になりますね。荷物目的の盗賊にも狙われにくいはずです」

獣人くんは魔法が苦手なようですが、そのうち使えるようになるだろう。

異世界の魔法事情が、とても、遅れているようですね。
食事も、旅には干し肉がつきものらしくて、味気ない。
その辺、ストレージがあれば、すぐに解決しそうです。

テントを購入して、馬を3頭買う。
私は1人で乗れないので、エルフくんに一緒に乗ってもらう。

すぐに離れたかったので、辺境を目指すことにした。

お城からの捜索はまだ来ていない。

もしかしたら、探す気もないのかもしれない。

現実的に…私は、やっぱり聖女として認められていなかったのだろう。

悲しくなってくる。
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