召喚されたら聖女ではないと言われました

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18話 焦る国々

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奴隷達の態度が日に日に甘くなる。
これが恋人ならば、1人に絞らなければならないよね。

ここは異世界。
感覚が変わったのだろうか?

不誠実な元彼よりも、浮気している感じだ。
同時に3人と一緒に付き合っているのだから……。

奴隷契約には、心すら操るように命令することも可能らしい。
私はなんかやらかした?



「三股なんて最低だと思うけど、みんな大好きなの……選べなくてごめんなさい」

「……サカエ。何をいう。僕は、幸せだよ?ただ1人の番に会えたから」
「サカエの体を手に入れても、心を手に入れても、どこかへ行ってしまいそうだ。どうしたら、俺の胸にとどまってくれる?」
「……選べなくていい。サカエの笑顔が見たいだけだよ。笑って?」

うーむ……選べなくて困っていたけど、大丈夫なのかな?

私は特製のパンケーキを作って、3人と仲良く食べる。
胃袋は、私のものですよ。
そこだけは自信があります。

「不細工な年増の行き遅れ女ですが、末長くお願いします」

ケーキを分けて、3人の口に食べさせる。

「……王家とのイザコザにも、巻き込んでしまうけど……私、ずっと逃げて来たけど、みんなには感謝しているの。これからも、私を護ってください」

モグモグ美味しそうに食べる3人を見て、笑顔が溢れる。

「サカエだけが、王家と揉めている訳ではないよ。僕だって、番探しの旅で、散々揉めて、奴隷にされた」
「……俺もそうだ。深刻になることはない。奴隷になったことで出会えたのだから」
「……正直なところ、俺は人には言えない犯罪もしている。逆に聞きたいくらいだ。俺でもいいの?」

「……私が、みんなを選んだ理由は、好みだからだよ。何をやっていてもいい。過去の経験を今に生かして、幸せに暮らしたい。騙されやすいし、鈍感な私が、唯一自分で選んだのは、みんなを選んだことだよ。それだけは信じて」





私が、そんな話をしている時に、各民族の王家達は、一つの会合を開いていた。




「……聖女を4人も召喚に成功しているのだから、逃げた娘一人は、我が国へくれないか?」
「ズルいゾ!エルフ国は、ごく最近まで聖女の子孫が健在だったはずだ!」
「……我が獣人国は、もう55年も聖女の力無しに活動して、疲弊している。派遣だけでは、国民の心が持たない」
「それを言うならば、戦闘民族の獣人国は大丈夫だろう?我が国は、辺境の近くなのだぞ!?……しかも、国民は根っからの文系だ」
「は?ないわ~……そなたの国はドワーフの技術が発達しているから、被害がないらしいじゃないか?」

言い争いが、繰り広げられる中で、聖女を3人も抱える人間の国の王、ランブルは、余裕の笑みで答えた。

「……聖女を納得させた国のもので良いのではないか?我が国としては、異存はない」

「……早いもの勝ちか?」
「それはいい。そうしようではないか?それならば、平等だ」
「……ズルいゾ!一番近い癖に……よくもまあ、平等などとヌケヌケと言えるな」
「……私は構わない。聖女獲得に乗り出そう」
「では、我が国は、聖女召喚の方法を知りたい」
「何だと??それこそズルではないか?」

言いたい放題の会話。

サカエの獲得は、早い者勝ちとなり、召喚の方法は王子と聖女達を派遣した時に、情報を開示することが決まった。

「……もし、召喚に成功した時は、その娘はいらないのではないか?」
「何だと??そんなことはあり得ない。聖女の子孫が能力を継承することはわかっているのだから、保険はあればあるほど良いに決まっているだろう?」
「……我が国は、魔法が苦手だ。何としてでも、逃げた聖女を我が国へ招こう」
「二兎を追えば……何とやら……私は、召喚一点にかけることにしよう」
「ふん、プライドばかり高いお前ら魔族は、精々頑張って召喚に挑戦すればいい」


笑顔で応戦する各国王達は、ひと段落すると、各々の国へと急いで帰って行った。

「王よ。酷いではないか?私はまだ諦めていないのに…」
「宰相よ。他国に渡ってからでも、遅くはないだろう?どうせ、あの女は、淫乱なのだぞ?一人の男にとどまるはずがない」
「……なるほど、確かにそうだ。辺境から出て来れば、直接会えるな」
「……だろう?召喚が、難しいのは我々がよく知っている。各国が、召喚に成功した時は、その聖女にも会えるのだ。王子にも、まだまだ召喚に挑戦するように言ってある」
「……他国よりも実績ある我が国は、有利です。流石は国王様だ」
「早く血の繋がっている子を作れよ。宰相はまだ若いだろう?」

宰相は一人、心の中で未来を夢見ていた。
国王は、治世をよみ語る。

各国の国王達の目論見が交差する。
その中心は、サカエなのだが…本人はそれを知らない。


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