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3話 哀れみ
しおりを挟む「これは、設定していないだけというか?あれ?自分の名前・・・忘れてた?」
不思議に思っていると、美女が可哀想なものを見る目で
「なにも言わなくてもいいよ。ステータス画面をこんなところで開ける人も珍しいし、自分のこと調べていたのでしょう?なにもわからず大変だったね。私でよければ、ステータスを解読してあげるよ。」
優しいセリフに思わず
「お願いします」
と答えていた。
「警戒心なさ過ぎて、何にも言えないな。」
苦笑して、彼女は俺の隣に座った。
「じゃあまず、名前決めようか?」
名前のセンスなんてない。
「決めてくれませんか?」
その俺の一言に、驚く彼女は慌てて
「ダメよ。親や精霊以外で名付けは、契約をしてしまうわよ。使い魔よ。よく考えてものを言うのね。・・・なにもわからないのね。・・・ハア・・・精霊を呼びましょう。名付けてもらいなさい。」
彼女は手を前に出して、俺の手を握り呪文の様なことを唱えた。
「精霊よ、この者の名付け親に・・・コール」
俺の周りに、属性と同じ数の精霊が現れた。
「あなたには、才能があるのね。属性が五つあるわ。・・・なんで、ダークエルフ族特有の属性と同じなのかしら?人間なら、自然魔法の方が多いと聞いたのに・・・まあ、いない訳でもないでしょう・・・ダークエルフと同じだから、捨てられたのかもしれないわね。」
寂しそうに話す彼女は、一番強そうな精霊を捕まえて
「名付けてあげて」
と優しく問いかけた。
精霊は、「リヒト」と答えた。
ステータス画面にリヒトの文字が入る。
「15歳生まれたばかりなのね。可哀想に、家を出してもらえなかったのかしら?レベルが1だわ・・・人間の中には、レベルを1にする魔道具があるらしいけれど、とても高い値段がするものだから、使われた可能性はないわね。」
エルフにとっては、生まれたばかりなのね。
レベル1にする魔道具があるのか?なんのためのものだ?
「人間の成人は16らしいけれど、平均数に達していないわね。レベル1には無理でしょうけれど・・・普通平均は50よ。魔力は・・・高すぎるけれど、他はダメね。装備ポイントが高いわ、いい服と靴ね。10も数がプラスさせるわ。アクセサリーは、凄いものを持っているのね。スマホ?もしかしたら、いいところの貴族様?レベル1にする魔道具を使われた可能性も出てきたわね。」
深刻に悩みだす。
とても優しく親身になってくれる。
女神様か?そうなのか?
「知力も高いわ、魔法を補正してくれるわね、羨ましいわ。属性は、闇、精神系の魔法が使えるわ。耐性を覚えている様ね・・・この耐性は、辛い時があるほどにつくらしいわ。頑張って生きてきたのね。・・・鑑定眼は、羨ましいわ。鍛えれば、とてもいい能力よ。空は、空間魔法のことよ。アイテムボックス持ちね。これがあれば、仕事には困らないでしょう。重は重力魔法のことよ。浮遊を持っているわね。人間には珍しいわ。羽根のある種に使える魔法だと聞いていたのに・・・不思議ね。無は無属性魔法のことよ。身体強化は、戦闘の基本ね。言語もそうだけれど、生活には、必要不可欠な基本かしら?(異世界?)冥は、冥界魔法が使えるわ。と、言っても・・・こればかりは、固有魔法ばかりで、説明できないわ。でも、固有魔法が二つもあるのね。凄いわ。便利なものだといいわね。」
スキルを一つ一つ丁寧に説明してくれる。
マジ天使なんですけど~!
「加護持ちよ!凄いわ・・・デモ、なにこれ?マイナス加護があるわ!?ひどい・・・」
彼女は説明もできずに絶句している。
「地球の神々の情け?・・・何の神様かはわからないけれど、知力補正するみたい。固有魔法のネットツーハン?この加護のおかげね。
ダークエルフ神様は、慈愛してくださっているわ。羨ましい。魔力補正と属性加護が付いているわ。だから、属性が五つともダークエルフの特徴と同じなのね。それぞれのスキルも、この加護から多大に貰っているわ。
ドワーフ神の加護は、知力補正と器用補正?らしいわ。器用補正?ってなにかしら?
ここまでは、良い加護よ。ここからは、冷静に聞いてちょうだい?」
神妙な彼女に、頷く。
「他種族の神々の差別は、あなたのこれまでの人生を否定したものよ。名前がないのは、この加護のせいかもしれないわ。レベル1も、もしかしたら・・・人族のところでは、住めないかもしれないわ。この加護を隠していても、人間関係に亀裂ができる様になっているの。私達ダークエルフも、同じ様な加護があるけれど、ここまでひどくはないわ。
エルフ神の憤怒もひどいわ。エルフ族と関わると、不幸になる補正?よくはわからないけれど、エルフ族に近づくことはしない方がいいわ。」
何の恨みがあるんだよ、人族の神は、俺を人としてみていないのか?
もしかして、俺の名前「離人」とか書かないよな?
ひどい話があるもんだ。
他人事の様に心の中で考えていた。
「ところで、お姉さんのお名前を聞いてもいいですか?」
美女は、名前を名乗っていないことに気づき、慌てている。
可愛い。
「私の名前は、ツウィンネージュミアーネコロフトーレフィルムーギョロッチィというのよ。よろしくね。」
覚えられねーよ。
心でツッコミを入れた。
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