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35話 未開の地
しおりを挟むこの家には、二つの魔方陣が設置されている。
俺が行き帰る用と、ホリーさん達が町に帰る用だ。
間違えないようにちゃんと注意しておく。
ヴィクトさんが、ここが迷宮の中だとわかり、呆然としている。
「じゃあ、無理しないでね」
ホリーさん達は、慣れたもので・・・爽やかに退散。
「なんで?残っているの?」
ヴィクトさん。邪魔です。とはっきり言えるといいが、言えない俺。
「迷惑をかけた。迷宮探査を手伝う」
・・・探索じゃないよ。脱出だよ。
言えない俺の対人スキルを恨む。
「俺はこれでも、光の勇者の子孫だ。回復も使える。連れて行ってくれ」
「ヤダ」
せっかく勇気出して言った言葉は、すぐに無視され・・・
「・・・・そう言わずに、役に立つ!迷宮ギルドでは、トップ10に入るほどの実力もある。上位陣営だ。本来なら、逆に頼まれる立場にある。そこを曲げて頼んでいる。パーティを組んでくれ!」
「じゃあ、試験する。ここのボスを一人で倒して」
「ソロか?ここは何階だ?」
「1278階」
「え??」
『マスター。言い忘れました。1590階の記録を出した人意外は、ソロで1000階以上には挑みません。』
なんで?
「ウソだよなぁ?単独で?………1000階超えたのか?………」
思考飛んでるようだ。置いて行こう。
『マスター。前の500階がトラップの階であったのを、覚えていますか?』
ああ、全部シム様が解除したやつねー
『マスター。罠は、一人で解除出来ないところもあります。そこを考慮してください。』
なるほどね~パーティ必須の迷宮だったのか?
『途中で仲間が、町に帰る場合もありますが』
英雄や勇者は仲間意識高そうだよね~
「じゃあ、俺行くから」
呆然とするヴィクトさんを置いて外の罠を見つめる。
「あ、いたいた。スライムくん」
そのまま、爆散して、次の階へ行く。
もちろん。罠は仕掛けてきた。・・・蛸壷だけどね~
こんな調子で、階を上がった。
『マスター。次の500階へ上がります。気を引き締めて行動してください』
ここまで、初めの5日を合わせると1カ月と15日かかった。
長い。まだ、500階ある。
『マスター。2000階で終わりとは思えません。それ以上になっていると思ってください』
やな事言わんどいて~!
生シルフィに会いたいのじゃ~!
乱心するぞ~!
『どこの国の言葉ですか?遊んでいないでいきますよ』
はーい。
ネット電話は重宝している。
シルフィとの時間もたくさんとって楽しくレッツ迷宮!
自己暗示です。
じゃないとやってられないよ。
階を上がると、世界は一転した。
知能生物。人型。
対人戦です。
英雄、剣聖、聖女に賢者。勇者に魔王。etc
初めは、1対1が、1525階を超えたあたりで対パーティ戦に変わり・・・
1550階あたりで、対軍戦になりました。
「数の暴力ですね。1対10000とか?イジメですよね~」
『相手が、前の戦いを観ているかのように、学習しています』
わ~!俺詰んでる?
『マスターは、多才な戦法を使うので、対策できていないようです』
それは、褒めてるのか?
まあ、俺の能力チートだからできることです。
相手が数の暴力なら、こちらは、火力で攻める・・・
なんて、素直な事はしないな。
遊ぶに決まっているでしょう?本物の人ではないしね。
ゲームみたいで面白い。
しかも、行動制限なしのなんでもあり。
歴史を変えるなんて、大それた感じはない。
気軽に、大量虐殺です。
そうしているうちに、記録と同じ階まできた。
1590階。
ここから、移転陣を10階ごとに置くことになる。
忘れそうだから、よろしくシム様。
『了解しました』
うちの参謀は優秀です。
魔王軍戦をしてきたばかりです。
かなり、リアル仕様で、呪いの言葉を最後にかけてきたが・・・
俺、邪神の呪いを解いた人間ですよ。
『マスター。人間ですか?』
失礼な!人間です。
どうやら次は天使軍みたいだ。
天使って、意外に無感情。操り人形みたいでつまらない。
『これを、つまらないと言えるマスターが変です』
失礼な!かわいいヴァルキュリーを想像していたのに、現実は、キューピッドさんだったからだ!
『マスター。ヴァルキュリーも存在します』
それはいいこと聞いた。
だって、大きな赤ちゃんみたいなキューピッドに群がられてみてください。
キモッ!?
俺は、さりげなく、精神的ダメージを受けた。
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