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婚約破棄ですか?
しおりを挟む「シュバイツァー公爵令嬢っ!イライザ!!お前の邪悪な行為をもう、許すことが出来ない!ここで、私デュランがミラン大国第二王子の名において!婚約破棄と国外追放を命ずる!」
薄れゆく意識が浮上する中で、爽やかなイケメンの声が聞こえた。
頭がズキズキする。
誰かに押さえつけている腕が抜けているようで、筋肉がつるようにじわじわと痛み出した。
痛いって?!真面目に!離してくださいよ?
もがき始める私を押さえつけている男が、強く私の腕を握り締めた。
グキギギ
そんな音が聞こえそうなほど、腕を握り潰してくる。
「……うぐ」
音にならないような声が出た。
おかしな?
私の声って?!こんな声だったかなぁ?
寝転ぶ床は、高そうな大理石??
私の頭から流れる血が、どんどん汚していくよ?
わー??いくら弁償するのかな?
でも、私の髪の毛って?!金髪でしたっけ??
「……イライザ、お前がやってきた悪行の数々は、単なる我儘では収まらない。何度も諌めてきたが、昨日、確たる証拠をやっとで手に出来た。それを、この場で公表する!証言が今まで得られないことがあり、罪には問えなかったが、一つ公表することで、他も勇気を出して証言する人間も出てくるだろう!」
断罪されているのは、私??
私の名前は、イライザ?
体の痛みで、考えがまとまらない。
邪魔だよ?押さえつけている人?
「……ここにいるオリバ男爵令嬢のミュレンが、昨日襲われた。私や騎士団長の息子、天才魔法使いの諸先輩方が側にいたから撃退出来たが、雇われたもの達はイライザの依頼でミュレンを暗殺者しようとしていたことを白状した。もう、言い逃れは出来んぞ!」
言い逃れは出来ないね~。
だって、押さえつけられ過ぎて、喋れないしね。
当の本人は、押さえつけで意識が飛んで、前世の記憶が戻ったみたいですよ?
私は、イライザであって、イライザではないです。
正確には、イライザの記憶もあります。
でも、もう一つ記憶が戻ったみたいです。
日本で働いて死んだ私は、イライザほど激情家ではないですが、イライザの記憶には同情できます。
どうやら、オリバ男爵令嬢のミュレンという女が来てから、イライザの嫉妬が爆発したみたいですよ?
なんか、どうでもいい感じです。
婚約者の浮気に嫉妬して、全権力を行使して、ミュレンを追い払おうとしていたけど、婚約者の妨害にあって、どんどん行為が激化していたようです。
つまり、デュラン王子様?貴方の所為ですよね?
「……デュラン様、……お受けしますわ。……う……婚約破棄します。……罪も認めます。……だから、デュラン様も、浮気を謝罪してください。……」
「シュバイツァー、デュラン様に謝罪しろ??身分をわきまえろ!」
いた!痛いって?!膝が背中に食い込む?!グエエ!?
押さえつけているのは、どうやら声からして、王子の側近の護衛騎士ダダンのようです。
こいつは、昔からイライザを毛嫌いしていた。
普段は、私の身分を使った行為を咎めていたくせに!!
今は、身分をわきまえろ??私の方があんたより上の身分だぞ!?
「……イライザ、私の行いが悪いというのか?」
項垂れる王子……なかなか、いい奴だ。反省してくれ。流石イライザの婚約者だよ。
「デュラン様!こんな輩の言葉は聞かないでください」
うるさいぞダダン。こんな輩とはなんだよ?
「デュラン様……イライザ様は私の身分を毛嫌いされていました。私がデュラン様と一緒にいただけが理由ではないと思います」
余計なことを言うなよ?男爵令嬢のミュレン!
元は、婚約者がいる男に近ずく女が悪いはずでしょう?
何度か注意したよね?
何も聞かないで、王子と仲良くなった女は、誰よ?
「……初めは注意程度でしたわ………うぐっ………それで、デュラン様が、そこの男爵令嬢ではなくて…私を味方して……くれたら……何か……変わったかもしれませんね」
ダメだ。肋骨折れたかもしれません。
この障害には、保険きくかしら?
「……イライザ、済まない。私にも落ち度があったようだ。しかし、やっていいことの限度を超える行いをやってしまったのは、イライザ!お前だ!!」
やっぱり、断罪されてしまうのですね?
この後、対した証言も出ず、私は、男爵令嬢のミュレンの暗殺未遂で、牢屋に入れられる筈が、ダダンが負わせた傷により、病院に送られた。
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