推しキャラの運命は我が手に!

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1、私と推しキャラ

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「何で~!!」

何回もトライしても…無理だった。

「シトラール様ー!!」
「うるせ~!!静かにゲームしろ!!」
隣の部屋の兄がムードを壊すが…

泣けてくる。
何回見ても…
ストーリー序盤で襲ってきた最強のドラゴン。
シトラールこと騎士団長様は、街を救う為に…命をかけて戦った。
そして…必ず街を救うのだが…ドラゴンと相討ちで死んでいく。
他の騎士団員は助かるストーリーもあるのに…

最近のゲームは、自由度が高い。
プレイヤーの行動次第で、ストーリーが変わる。

でもね。
変わらないストーリーも用意されていて…
シトラール様の死は…このゲームでは絶対らしい。
まぁ…主人公が初めの街を出るキッカケなのだから…仕方がない。…のか?

いくら主人公が強くなっても…
シトラール様と仲良くなって引き止めても…
周りの兵士を強化してみても…
最強の武器や防具を貢いでも…
金に物を言わせて最強の冒険者を雇っても…
街の防壁を強化してみても…
ドラゴン避けの呪をまいても…
課金して復活の道具を用意して使ってみても…
やってはいけない邪道であるゲーム自体のプログラムをいじってみても…

必ず死んでしまうのよ~この人…。

それはそれは素敵なスチルが用意されていて、これもまた…泣けてくる。

これで…何回目だ⁇
いや…何周目だ⁇

このストーリーを見るために、私は何回もこのゲームをクリアしていた。

このゲーム…やり直しが効くのは、一回だけだ。その一回は…一番条件が厳しい…全てクリアすることだ。エンディングを見て…全てのストーリーを全クリしないと一からやり直しができないのだ。
エンディングだけでは戻れない。
全クリしないといかない。

しつこく言うのには、訳がある。

このゲームのストーリーは、かなり長い!

しかも、全クリはかなり難易度が高い!

その二つをこなして…何回もトライしていた私を褒めて欲しい。

「まぁ…今回はシトラール様の恋愛面の攻略法がわかっただけラッキーかな?」

このゲーム…結婚システムがある。
もちろん、村人たちのようなモブとも結婚出来る。
だから、交流を深めれば…恋愛可能だ。

「あと少しで…結婚出来そうなのに…もう少し時間があれば…シトラール様が…助けられれるのに…」

そうなのだ、時間が少ない!
ドラゴンが意地悪で…どうしても…対策が漏れたところから、街を襲って来る。
まぁ…ドラゴンとしては、手薄なところから攻めたいよね?…わかるけどさあ。
そこに、戦えるものは…シトラール様しか居ないのが…一番の不思議だ。
シトラール様が優秀だから、手薄なところを見に行くのもわかる…でもね。
みんなで、シトラール様の護衛をしていても…何故か?シトラール様とドラゴンは一対一になる。
シトラール様⁇わざとみんなから離れたの⁇
もう少し…時間があれば…シトラール様との出会いが…もっと早ければ…ゲームのスタートがもっと早ければ…もっと対策が練れるのに!
…悔やまれてならない。

「今回の反省は…何だろう?」

ネットでシトラール様ファンを募って構成した最強のメンバーでも…どうにもなりませんでした。

「反省文の提出?リーダー⁇きっつー」

因みに…私はリーダーではない。
しかし、シトラール様との交流が一番うまいのは私だけ…
毎回…みんなでアピールを開始するが…いつもシトラール様は私を選んでくれる。
おそらくだけど…私がシトラール様一筋だからではないだろうか?
新人さんがいっても私が勝つのは…経験値なのか?

「あー!エンディングまでが…長いなぁ。」

しばらくはシトラール様とは、会えない…。

がっくしうなだれなががら…
新しい職業で…このゲームをクリアする為に、楽しみますか?

「次に…シトラール様が助けられれば…デート出来そうなところ…リサーチしとこう!」

私は何回もトライしていたので、職業や人種を変えて…ゲームをプレイしていた。
毎回違うキャラ設定だが、ベースは私なので…女キャラ設定は変わらない。
このゲームは、自由度が高いが、変なところで縛りもあるようだ。
仮想空間なのに…何処と無く現実味を持たせるという…

「あー!そうだ!?街に絵師さんが来てたよね?シトラール様の絵…出来上がったカナ?取りに行こう!!シトラール様と冒険の旅に出るんだ!」

本物はいないけど…世界のよい景色を見る約束していたので…

「しばらくは…それで我慢かなぁ?」

今回のシトラール様は…嘘つきだよね?
だって…「死なない」って…約束したのに…
「一緒に旅をしよう」って…言ったくせに…

「…泣ける」

シトラール様の絵を…ゲットした私は…今回の思い出を振り返って…悲しくなる。

一度ログアウトした私は…気分転換にコンビニにジュースを買いに行く…



「妹よ!俺はコーラを頼む!」

兄がムードをぶち壊す。









徒歩往復10分の道のりで…

人の命が簡単に終わるとは…この時わかっていなかった。






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