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1,異世界転生。

奴隷からの大出世。

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私達はお城の客部屋に通された。
そこは大きなベッドが1つ置かれている部屋で私達の体系なら4人で寝れてしまうほど大きなベッドだ。
床は赤い絨毯で壁はしろいかべ、天井からはシャンデリア。
部屋の中にはタンス、クローゼット、丸机、椅子が4脚置かれており机の上にはベルと花瓶が飾られていた。
そしてバルコニーからの眺めは海が見え、南側の街が見渡せる。
高級リゾートホテルの一室のような豪華な部屋でさらに隣の部屋が風呂でこの部屋から行けるらしい。
そのほかに城の大浴場があり、そちらも使用可能だそうだ。
食事も毎日のように開かれる晩餐会に参加して良いそうだ。
私達は部屋のクローゼットにコートをしまってから2人の奴隷をお風呂場に行くよう促した。
奴隷は体中汚れているので大浴場よりこちらの方が良いだろう。

私達はストレージから下着と中のTシャツを取り出した。
私のが黒地に赤い文字で一攫千金、詩乃のが白地に青い文字で快眠と書かれているTシャツだ。
さすがにセンスが無いのは分かっている。
だけど服選ぶのってめんどくさいしなぁ。

私達は2人の奴隷の服…と言うより布きれを脱がして裸にした。
金髪の髪に狐の耳、狐の尻尾の生えた女の子。
やはり、お腹は出ておらず痩せこけておりアザや傷が目立つ。
体付きとしては私達より小さい。
恐らく私達より年下。
と言っても1つか2つだけど。
私達は2人の背中を押してお風呂に入った。

私達は2人の体と髪を洗ってあげた。
やはりお湯がしみるようで痛がっており、その度に詩乃が回復魔法をかけて痛みを和らげていた。

そのせいかお風呂だけで1時間半経ってしまった。

髪を洗うと2人の髪はとても綺麗でふわふわとしたくせっ毛だったがクシは普通に通りさらさらしていた。
さらに耳と尻尾はモフモフしており触り心地がよかった。

私達はお風呂から出た後服を着てから2人の服を着せてあげた。
2人の服装はTシャツにパーカー、プリーツミニスカートだ。
Tシャツは無地の白で2人とも同じものだ。
パーカーは腕に2本の白いラインが入った動きやすいパーカーで水色とピンクだ。
プリーツミニスカートも同じ様に水色とピンクで膝上2?丈。
そして2人とも黒いタイツ。
我ながらファッションセンスがないなぁ。
今もってる服もこれしかないしなぁ。
そして2人には武器も手渡した。
ピンクのパーカーの子には短剣を2本。
片方は魔法で刀身を自由に変形させられるものでもう片方は魔法で属性を付与できるものだ。

そして水色のパーカーの子には弓杖きゅうじょうを渡した。
これは折りたたみ式の弓で折り畳むと杖になるものだ。
杖の長さとしては1メートル程で弓にすると2メートルの大きな弓になる。
これは縦持ちでは無く横持ちでもつ弓で形としてはバリスタの様な向きで扱う弓だ。
だから身長に合わなくても問題が無い。
そしてこの弓には糸が無く魔法で糸と矢を生成して使う物だ。
だから矢も持たなくて良いため扱いやすい。

短剣は後ろ腰に2本を×型にしまい、杖は持ち歩くことにしたようだ。

これで後は二人の名前を決めるだけ。
名前が無いといつまでも呼びづらい。
名前はどうしようか。
そう思って考えながら部屋に戻ると部屋にはデザートが置かれていた。
そう言えばお風呂入る前に頼んでおいたっけ。

置かれていたデザートは杏仁豆腐。
上には苺が乗っている。

「苺…杏…」

詩乃がぼそっと言った。
うん、それ良いかも。

「ねぇ、2人の名前だけどさ、苺と杏ってどう?」

私がそう聞いてみるとこくんと頷いた。

「私…苺…」

ピンクのパーカーの子が自分の顔を指さしていった。

「私が…杏…」

水色のパーカーの子が自分の顔を指さしていった。

「じゃ、2人は今から私達の付き人ね。」

私がそう言うとステータスが変更された。

苺 Lv5 教皇付き人

杏 Lv5 教皇付き人

さっきまでは奴隷だったのでかなりの大出世だ。

そうして名前も決まった事だしご飯を食べて寝ることにした。

ご飯はベルを鳴らすと運ばれてきた。
料理としてはフランス料理のようなコース料理だった。
サラダにローストビーフにコーンポタージュとパン、そしてデザートにケーキ。
2人は物足りないようだったが私達は普通にお腹いっぱいになった。
まぁ、元々小食だしなぁ。
ご飯を食べ終わった後は今後の予定の相談をした。

ここから船に乗って北へ向かう。
北にある神聖キリア皇国へ向かうつもりだ。
この国はアステト教の本山がある国だ。
だから一度行ってみようと言うことになった。
キリア皇国行きの船は明日の朝10時に出発する。
私達は当日切符を買って行くことにした。

話し合いが終わった後私達はパジャマに着替えて寝ることにした。
パジャマは私が銀色の狼、詩乃が青いクジラ、苺が茶色いクマ、杏が白いアルパカの着ぐるみのようなパジャマで全身を包むタイプだ。
私達2人はこのタイプのパジャマになれているし常に着ていたから良いけど苺と杏はなれていないようで服をずっと見ていた。

私達はそんな2人をベッドに促して4人で川の字になって寝た。

初めての夜。
明日には新たな地に向けての旅立ちだ。
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