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5,闇の属性魔晶石。
二刀流と多刀流。
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馬車で城門を出て15時間が経った。
今は薄暗い森の中を通っている。
晩餐会は夜だったがもう日が昇っている。
でもこの森は薄暗く、見通しが悪い。
闇の属性魔晶石があるのはこの森を抜けた先…ここから馬車で2時間行った所だ。
と、前方の茂みが少し動いた。
音を立てないように動いている。
何が居るのだろうか?
「待たれぇい!拙者はガント解放軍第3部隊黒鋼之刀狩隊、隊長の刀鬼武蔵と申す!ここから先で我が同士がクリスタルの暴走をさせている。
それが終わるまではここから先には行かせん!」
茂みから現れた黒い侍の服装をした男が言った。
男は黒髪でツンツンヘアだ。
ちょんまげとかじゃ無いんだなぁ。
服装は黒いサムライが着てる着物?みたいな奴に草履。
腰には二振りの刀をさしている。
「ここは私がいきましょうか。同じ刀使いとして、負けられませんね。」
そう言ってカムイさんが馬車から降りた。
「私がお相手致しましょう。」
カムイさんがそう言うと相手は二振りの刀を抜いてこちらを見た。
「では、鬼神宿し。そして、鬼谷流多刀術刀八刀流!」
そう言うと前と同じように刀を8振り出して指の間に挟んで相手を睨み付けた。
「何と!八刀流とは!では、拙者も負けられぬな!いでよ!影武者!」
そう言うと相手の影から3人の侍と全く同じ姿をした黒い影が現れた。
「これで拙者も八刀流。同じ数の刀なら負けぬ!」
「はぁ、そうですか。では、私はその上を行かせて頂きますね。」
そう言うと刀を全て地面に突き刺した。
「すぅ……はぁ……」
そしてカムイさんは深呼吸をして呼吸を整えた。
「鬼人化!」
そういったカムイさんの肌の色が人間とは思えない白めの灰色に、そして額からは角が生えてきて目の色が赤く変わった。
「鬼之手!」
そう言ったカムイさんの背中から赤い手が生えてきた。
その手は力強い、正に鬼の手と言った感じのごつごつとした手だ。
「鬼谷流多刀術奥義!刀16刀流!!」
そう言うと魔法鞄からさらに八振りの刀を取り出して自分の手で八振り、鬼之手で八振りを持って構えた。
鬼之手はカムイさんの手のすぐ脇にきている。
「なんと、鬼…とは…だが!拙者は負けるわけにはいかん!【剣豪】札所持者、刀鬼武蔵!いざ、尋常に参る!」
なんと、カードホルダーだったとは。
カードホルダーとはその名の通りでリリット兄様から貰ったカード。
あれを持っている人はカードホルダーと言われるそうだ。
ゲームで言う倒せば職業が解放される敵って感じだ。
このカードシステムもゲームのジョブチェンジ等に似ているし、私達のメニュー画面も…
この世界はかなりゲームに近い雰囲気だ。
「さて、私の刀、どこまで受けきれますかねぇ!!」
そう言ったカムイさんが相手に向かって突っ込む。
その速度はかなり速い。
しかし、相手もそれに咄嗟に反応して刀を×にして後退りするもなんとか食い止める。
そしてその間に3方向から影武者がカムイさんに襲いかかる。
「甘い!」
そう言うと鬼之手で3方向から襲ってきた影武者をなぎ払った。
どうやら鬼之手には関節が存在せず有り得ない方向にも曲げられるようだ。
「くっ…流石、強い。だが!拙者も負けはせぬぞ!」
「待ちなさいな。ったく、あんたは先走りすぎなんだよ。」
と、空から声がした。
「サシの邪魔して悪いねぇ。けどさ、アタシとしてもここは守り抜かないとなんでねぇ。」
空からほうきに乗った黒い魔女が現れた。
目つきの悪い茶髪の女性で胸が物凄く大きかった。
服装は黒いとんがり帽子に黒いローブ姿の物語などで良く見る魔女だ。
「アタシは【黒魔導士】のカードホルダー、シャルロットさ。悪いが参戦させて貰うよ。」
そう言って指を鳴らすと炎がカムイさんを襲う。
「なら!こっちも助けに入って良いよね!おいで!姫茶匙!」
そう言いながらココアが馬車から飛び降りると身の丈もある金色のティースプーンが現れた。
どうやらココアさんの武器のようだ。
「【菓子職人】カードホルダーココア・デューエル!行くよ!」
「姉ちゃんが行くなら俺もいかなきゃな!」
そう言ってハルも飛び降りる。
「行くぜ!手札スタンバイ!っと、俺は【札決闘者】カードホルダー、ハルバート・デューエルだ。」
そう言ったハルはカードを5枚手に持っていた。
あれが武器?
投げるのかな?
ってか、二人もカードホルダーなのね。
まったく知らなかったよ。
「3対2かい、ちょっと分が悪いねぇ。アイカ!居るんだろ?出てきなね!」
そう叫ぶと茂みの中から茶髪ショートカットで白衣を着た女の子が出てきた。
眠そうな目でピンクの上側のふちが無い眼鏡を掛けており目の下にはクマができている。
服装は白い白衣でその下には何も着てないようにも見える。
靴はちゃんとしたローファーをはいている。
「ふぁ~ぁ。【医者】ホルダーのアイカ。死なない程度にお願いね。」
そう言って欠伸をした。
「3対3か、はるくん!」
「あいよ!俺のターン!ドロー!トラップカードを1枚伏せてターンエンド!」
そう言うと空中にカードの山が現れそこから1枚引いてから手札のカードから1枚を投げた。
するとそのカードは地面上50cm位の高さで大きくなって裏向きで浮遊した。
「私も行くよ!製菓!フィヤウィークブリュレ!」
そう言うと白い魔法陣からボウルと泡立て器が出てきた。
それを素早くかき回して指を鳴らすとボウルの中から赤いブリュレが出てきた。
そしてそれを敵に投げつける。
「なんだい、ガキのカード遊びにケーキ作りかい?そんなんじゃアタシは倒せないよ!フィアーガ!」
そう言うと巨大な炎の球がカムイさん達を襲った。
「トラップカードオープン!『魔消しの大雨』!魔法攻撃を受けたらそな魔法攻撃を無効化!」
「流石!んじゃ、こっちも行くよ!フランベ!」
そう言って指を鳴らすと相手の足元から炎が吹き上がった。
「あたしらは火耐性ついてるから…って何で火属性が効くんだい!?」
相手は効かないはずの火属性魔法が効いて驚いている。
「私のあげたフィヤウィークブリュレは火属性を弱点属性に変える効果があるの!今のあなた達は火属性が弱点だよ。」
「そして俺のターン!ドロー!トラップカード発動!『癒し禁止令』!このカードが場に出ている間の回復魔法が禁止される!そして『森の暗殺者ロウガ』を召喚!」
そういうと緑色の体毛の狼人が両手に短剣を持って現れた。
「サモンアビリティ発動!ロウガが召喚されたフィールドが森の場合先制攻撃!敵にダイレクトアタック!」
そう言うとロウガは相手の剣豪に突っ込んだ。
相手は驚いたのか咄嗟に刀を出して守ったが腕を斬られていた。
「っく…」
「まったく、面倒くさいなぁ、ポーション。」
「かたじけない…」
と、メディックがポーションを剣豪に投げた。
「俺のトラップカードが効かない!?…そうか!ポーションはアイテムだからか!っ…こうなると不利だな…トラップカード消滅!」
ハルがそう言うとカードが爆散した。
「こっちにヒーラーがいないのはキツいね…私の鬼人化は徐々に体力を奪われるからね。」
「なら、オーロラヒール。」
と、詩乃が馬車から魔法を掛けた。
「なっ!卑怯よ!」
相手の黒魔導士が睨んできた。
「すぐ怒るとしわ増えるよ、おばさん。」
詩乃が挑発する。
確かにおばさんだよなぁ。
「むきー!おばさんって…あんたら許しゃしないよ!」
こちらを睨み付けながら言う。
「その口調が既におばさんだよね。」
さらに挑発していく。
「あ、あんたらぁ!!これで決めるよ!フレアバースト!!」
「かかった。ローグエンチャント、璃乃、トドメ頼んだ。」
そう言うと相手の放った巨大な炎の球が弾けて赤い光の粉になって私に降り注いだ。
詩乃のローグエンチャントは相手の魔法を奪い取りエンチャントととして味方に付与する魔法だ。
今回は火属性魔法強化のエンチャントだ。
「ん、カムイさんトドメ貰っちゃうね。」
私が言うとカムイさんはこくんと頷いて刀をしまった。
「炎の神よ、星魔導士璃乃の名の下に顕現しその業火で焼き払え!ボルケーノバーストノヴァ!」
そう言うと体躯10メートル以上の人型の炎が現れ敵に向け地面を殴るとそこを中心として大爆発を起こした。
これこそが星魔導士最強魔法属性神魔法だ。
その名の通り属性の神を召喚して大ダメージを与える魔法だ。
「き、聞いてないよ…こんな強いとは…」
「無念、拙者の完敗でござる。」
「…回復…間に合う訳ないじゃん。こんなの無理ゲーだっての。」
3人は口々にそう言うとその場に倒れた。
と言っても気絶しているだけだが…
「この人達、何者なんだろ?」
「分らない。とりあえずカードだけ貰っておこ。」
黒鋼之刀狩とか言ってたけどリーシャを攫った男の手下だろうか?
私たちは3人のカードを集めると小箱にしまって馬車に乗り込んだ。
「あの、黒い人の、カード、使いたい…です。」
杏が私の服の裾を引っ張って言った。
杏からお願いしてくるなんて初めてだ。
もしかして魔法に興味があるのかな?
黒魔法は基本的な攻撃魔法も多いし魔法を志す人にとってはかなり有用なカードだ。
「いいよ、はい。苺ちゃんは?欲しいカードあった言ってね。」
「えと、じゃあ、素早い動きが得意なアタッカーのカードが、欲しい…です。」
うーん、そんなカード持ってないなぁ…
でも杏だけにあげるのは可哀想だよね…
「ふーん、なら俺のカードやるよ。俺のカードは【盗賊】だ。敵からアイテムや能力を奪って戦うちと難しい職業だが火力も割と高いスピードアタッカーだから合うんじゃないか。
俺が使う武器もダガーだし短剣は盗賊と相性いいしな。」
そう言ってローグのカードを苺に手渡した。
「えと…」
「良いって事だ。現時点で暴走したクリスタルを鎮められるのはお前らだけだ。なら、お前らになら援助は惜しまねぇよ。」
私が戸惑っていてらルークさんがそう言ってくれた。
この人、悪い人かと思ってたけど凄くいい人だなぁ。
カードはその人の命とも言えるほど大事な物なのにそれをくれるなんて。
そんな感じで敵も倒してこちらの戦力も増強できた。
目指すは闇のエレメントクリスタル。
目的地はもうすぐそこだ。
今は薄暗い森の中を通っている。
晩餐会は夜だったがもう日が昇っている。
でもこの森は薄暗く、見通しが悪い。
闇の属性魔晶石があるのはこの森を抜けた先…ここから馬車で2時間行った所だ。
と、前方の茂みが少し動いた。
音を立てないように動いている。
何が居るのだろうか?
「待たれぇい!拙者はガント解放軍第3部隊黒鋼之刀狩隊、隊長の刀鬼武蔵と申す!ここから先で我が同士がクリスタルの暴走をさせている。
それが終わるまではここから先には行かせん!」
茂みから現れた黒い侍の服装をした男が言った。
男は黒髪でツンツンヘアだ。
ちょんまげとかじゃ無いんだなぁ。
服装は黒いサムライが着てる着物?みたいな奴に草履。
腰には二振りの刀をさしている。
「ここは私がいきましょうか。同じ刀使いとして、負けられませんね。」
そう言ってカムイさんが馬車から降りた。
「私がお相手致しましょう。」
カムイさんがそう言うと相手は二振りの刀を抜いてこちらを見た。
「では、鬼神宿し。そして、鬼谷流多刀術刀八刀流!」
そう言うと前と同じように刀を8振り出して指の間に挟んで相手を睨み付けた。
「何と!八刀流とは!では、拙者も負けられぬな!いでよ!影武者!」
そう言うと相手の影から3人の侍と全く同じ姿をした黒い影が現れた。
「これで拙者も八刀流。同じ数の刀なら負けぬ!」
「はぁ、そうですか。では、私はその上を行かせて頂きますね。」
そう言うと刀を全て地面に突き刺した。
「すぅ……はぁ……」
そしてカムイさんは深呼吸をして呼吸を整えた。
「鬼人化!」
そういったカムイさんの肌の色が人間とは思えない白めの灰色に、そして額からは角が生えてきて目の色が赤く変わった。
「鬼之手!」
そう言ったカムイさんの背中から赤い手が生えてきた。
その手は力強い、正に鬼の手と言った感じのごつごつとした手だ。
「鬼谷流多刀術奥義!刀16刀流!!」
そう言うと魔法鞄からさらに八振りの刀を取り出して自分の手で八振り、鬼之手で八振りを持って構えた。
鬼之手はカムイさんの手のすぐ脇にきている。
「なんと、鬼…とは…だが!拙者は負けるわけにはいかん!【剣豪】札所持者、刀鬼武蔵!いざ、尋常に参る!」
なんと、カードホルダーだったとは。
カードホルダーとはその名の通りでリリット兄様から貰ったカード。
あれを持っている人はカードホルダーと言われるそうだ。
ゲームで言う倒せば職業が解放される敵って感じだ。
このカードシステムもゲームのジョブチェンジ等に似ているし、私達のメニュー画面も…
この世界はかなりゲームに近い雰囲気だ。
「さて、私の刀、どこまで受けきれますかねぇ!!」
そう言ったカムイさんが相手に向かって突っ込む。
その速度はかなり速い。
しかし、相手もそれに咄嗟に反応して刀を×にして後退りするもなんとか食い止める。
そしてその間に3方向から影武者がカムイさんに襲いかかる。
「甘い!」
そう言うと鬼之手で3方向から襲ってきた影武者をなぎ払った。
どうやら鬼之手には関節が存在せず有り得ない方向にも曲げられるようだ。
「くっ…流石、強い。だが!拙者も負けはせぬぞ!」
「待ちなさいな。ったく、あんたは先走りすぎなんだよ。」
と、空から声がした。
「サシの邪魔して悪いねぇ。けどさ、アタシとしてもここは守り抜かないとなんでねぇ。」
空からほうきに乗った黒い魔女が現れた。
目つきの悪い茶髪の女性で胸が物凄く大きかった。
服装は黒いとんがり帽子に黒いローブ姿の物語などで良く見る魔女だ。
「アタシは【黒魔導士】のカードホルダー、シャルロットさ。悪いが参戦させて貰うよ。」
そう言って指を鳴らすと炎がカムイさんを襲う。
「なら!こっちも助けに入って良いよね!おいで!姫茶匙!」
そう言いながらココアが馬車から飛び降りると身の丈もある金色のティースプーンが現れた。
どうやらココアさんの武器のようだ。
「【菓子職人】カードホルダーココア・デューエル!行くよ!」
「姉ちゃんが行くなら俺もいかなきゃな!」
そう言ってハルも飛び降りる。
「行くぜ!手札スタンバイ!っと、俺は【札決闘者】カードホルダー、ハルバート・デューエルだ。」
そう言ったハルはカードを5枚手に持っていた。
あれが武器?
投げるのかな?
ってか、二人もカードホルダーなのね。
まったく知らなかったよ。
「3対2かい、ちょっと分が悪いねぇ。アイカ!居るんだろ?出てきなね!」
そう叫ぶと茂みの中から茶髪ショートカットで白衣を着た女の子が出てきた。
眠そうな目でピンクの上側のふちが無い眼鏡を掛けており目の下にはクマができている。
服装は白い白衣でその下には何も着てないようにも見える。
靴はちゃんとしたローファーをはいている。
「ふぁ~ぁ。【医者】ホルダーのアイカ。死なない程度にお願いね。」
そう言って欠伸をした。
「3対3か、はるくん!」
「あいよ!俺のターン!ドロー!トラップカードを1枚伏せてターンエンド!」
そう言うと空中にカードの山が現れそこから1枚引いてから手札のカードから1枚を投げた。
するとそのカードは地面上50cm位の高さで大きくなって裏向きで浮遊した。
「私も行くよ!製菓!フィヤウィークブリュレ!」
そう言うと白い魔法陣からボウルと泡立て器が出てきた。
それを素早くかき回して指を鳴らすとボウルの中から赤いブリュレが出てきた。
そしてそれを敵に投げつける。
「なんだい、ガキのカード遊びにケーキ作りかい?そんなんじゃアタシは倒せないよ!フィアーガ!」
そう言うと巨大な炎の球がカムイさん達を襲った。
「トラップカードオープン!『魔消しの大雨』!魔法攻撃を受けたらそな魔法攻撃を無効化!」
「流石!んじゃ、こっちも行くよ!フランベ!」
そう言って指を鳴らすと相手の足元から炎が吹き上がった。
「あたしらは火耐性ついてるから…って何で火属性が効くんだい!?」
相手は効かないはずの火属性魔法が効いて驚いている。
「私のあげたフィヤウィークブリュレは火属性を弱点属性に変える効果があるの!今のあなた達は火属性が弱点だよ。」
「そして俺のターン!ドロー!トラップカード発動!『癒し禁止令』!このカードが場に出ている間の回復魔法が禁止される!そして『森の暗殺者ロウガ』を召喚!」
そういうと緑色の体毛の狼人が両手に短剣を持って現れた。
「サモンアビリティ発動!ロウガが召喚されたフィールドが森の場合先制攻撃!敵にダイレクトアタック!」
そう言うとロウガは相手の剣豪に突っ込んだ。
相手は驚いたのか咄嗟に刀を出して守ったが腕を斬られていた。
「っく…」
「まったく、面倒くさいなぁ、ポーション。」
「かたじけない…」
と、メディックがポーションを剣豪に投げた。
「俺のトラップカードが効かない!?…そうか!ポーションはアイテムだからか!っ…こうなると不利だな…トラップカード消滅!」
ハルがそう言うとカードが爆散した。
「こっちにヒーラーがいないのはキツいね…私の鬼人化は徐々に体力を奪われるからね。」
「なら、オーロラヒール。」
と、詩乃が馬車から魔法を掛けた。
「なっ!卑怯よ!」
相手の黒魔導士が睨んできた。
「すぐ怒るとしわ増えるよ、おばさん。」
詩乃が挑発する。
確かにおばさんだよなぁ。
「むきー!おばさんって…あんたら許しゃしないよ!」
こちらを睨み付けながら言う。
「その口調が既におばさんだよね。」
さらに挑発していく。
「あ、あんたらぁ!!これで決めるよ!フレアバースト!!」
「かかった。ローグエンチャント、璃乃、トドメ頼んだ。」
そう言うと相手の放った巨大な炎の球が弾けて赤い光の粉になって私に降り注いだ。
詩乃のローグエンチャントは相手の魔法を奪い取りエンチャントととして味方に付与する魔法だ。
今回は火属性魔法強化のエンチャントだ。
「ん、カムイさんトドメ貰っちゃうね。」
私が言うとカムイさんはこくんと頷いて刀をしまった。
「炎の神よ、星魔導士璃乃の名の下に顕現しその業火で焼き払え!ボルケーノバーストノヴァ!」
そう言うと体躯10メートル以上の人型の炎が現れ敵に向け地面を殴るとそこを中心として大爆発を起こした。
これこそが星魔導士最強魔法属性神魔法だ。
その名の通り属性の神を召喚して大ダメージを与える魔法だ。
「き、聞いてないよ…こんな強いとは…」
「無念、拙者の完敗でござる。」
「…回復…間に合う訳ないじゃん。こんなの無理ゲーだっての。」
3人は口々にそう言うとその場に倒れた。
と言っても気絶しているだけだが…
「この人達、何者なんだろ?」
「分らない。とりあえずカードだけ貰っておこ。」
黒鋼之刀狩とか言ってたけどリーシャを攫った男の手下だろうか?
私たちは3人のカードを集めると小箱にしまって馬車に乗り込んだ。
「あの、黒い人の、カード、使いたい…です。」
杏が私の服の裾を引っ張って言った。
杏からお願いしてくるなんて初めてだ。
もしかして魔法に興味があるのかな?
黒魔法は基本的な攻撃魔法も多いし魔法を志す人にとってはかなり有用なカードだ。
「いいよ、はい。苺ちゃんは?欲しいカードあった言ってね。」
「えと、じゃあ、素早い動きが得意なアタッカーのカードが、欲しい…です。」
うーん、そんなカード持ってないなぁ…
でも杏だけにあげるのは可哀想だよね…
「ふーん、なら俺のカードやるよ。俺のカードは【盗賊】だ。敵からアイテムや能力を奪って戦うちと難しい職業だが火力も割と高いスピードアタッカーだから合うんじゃないか。
俺が使う武器もダガーだし短剣は盗賊と相性いいしな。」
そう言ってローグのカードを苺に手渡した。
「えと…」
「良いって事だ。現時点で暴走したクリスタルを鎮められるのはお前らだけだ。なら、お前らになら援助は惜しまねぇよ。」
私が戸惑っていてらルークさんがそう言ってくれた。
この人、悪い人かと思ってたけど凄くいい人だなぁ。
カードはその人の命とも言えるほど大事な物なのにそれをくれるなんて。
そんな感じで敵も倒してこちらの戦力も増強できた。
目指すは闇のエレメントクリスタル。
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