暴君は野良猫を激しく愛す

藤良 螢

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関係性は

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「や……こわ、いやぁ……っ」

 嫌だ、怖いと譫言うわごとのように繰り返す。怯えきった姿に、彰久は不機嫌を露わにした。

「何故そういとう。お前は俺のものだ。拒む権利があると思っているのか」
「っ!」

 そんなこと、幸菜とてわかっている。だが、だからといって身に染み付いた恐怖は忘れられるものではないのだ。意に沿わぬ行為だからこそ、余計に。

「……わ、我が儘だとは、わかっています。でも、あんな……っ」

 幸菜はすすり泣きながら訴えた。
 雑用でも何でも、働けというなら働く。だからどうか、と縋る思いで哀願すると、彰久が濡れた頬を包むように撫でた。

「まるで俺がいじめているようだな」

 口調は、意外にも静かなものだった。怒鳴られたりしたなら、きっと完全にすくみ上がって抵抗できなくなっていただろう。幸菜の目元を撫でる指先にも荒さは感じられず、涙を拭ってくれている。

 ひょっとして、聞き入れてくれるのだろうか。

 期待を胸に、恐る恐ると彼の表情を窺い見る。
 彰久はいまだ顔を顰めていた。
 ひくりと幸菜の喉が痙攣する。

「お願いです、本当に痛くて……」

 言い募られ、彰久は鼻を鳴らした。

「数刻前まで生娘だった者に無理強いさせるほど、俺も鬼ではない」

 幸菜の顔が安堵に和らぐ。
 けれどそれも束の間のことで、大きな手があわせから入り込み素肌に触れた。

「あっ?」

 幸菜は思わず声を上げた。
 胸を揉む手から逃れようと身を捩ると、咎めるように頂をきつく摘ままれた。ジンと後を引く痛みが、ゆっくり熱へと変換されていく。

「っし、しないって……!」
「ああ、言ったな。だから、最後まではしない。慣らすだけだ」

 言いながら、彰久が唇で肌をなぞる。首筋や鎖骨に彼の吐息がかかると、熱を移されるように体の奥に火が灯る。時折触れる舌がそれを助長させた。
 はだけたすそから入り込んだ手が、幸菜の下肢を這う。生々しい感触に、幸菜は半狂乱になって暴れた。

「っや、いやぁ……! お願いっ許して……!」

 あまりに鬼気迫る様子に、さしもの彰久も手を止めた。だがそれは同情や憐憫れんびんなどからではない。
 纏う空気の変化を感じ取り、幸菜は背筋をぞっとさせた。腕の拘束が外される。それでも身動き一つできないほどに、強烈に威圧されていた。

「お前は、俺のものだ」

 拒むことは許さないと、怒気の滲む低音が唸るように呟く。刃のような瞳に射竦められ、金縛りにあったかのように意識と体が切り離された。
 抵抗がないのをいいことに、彰久は幸菜の衣装を次々と乱し、肌を露わにさせていった。

「ふ、っう、ぁ……」

 ぴんと天を衝く胸の頂を口に含み、飴玉のように転がす。怖くて仕方がないはずなのに、幸菜の腰は揺れていた。
 それを尻目に見届けて、もう一度下肢の奥まった箇所へと手を伸ばし、触れる。
 今度こそ指先の触れたそこは、疑うまでもなく潤っていた。ゆっくりと指を滑らせれば、動きに合わせてくちゅくちゅと粘着質な音が微かに立つ。
 それみたことか。彰久が口端を上げた。

「嫌だ嫌だと口では言っておきながら……ならば、このざまは何だというのだ?」

 見せつけるように、濡れた右手を幸菜の眼前に突き出す。幸菜は顔を真っ赤にして慌ててそらそうとしたが、彰久がそれを許すはずがなかった。顎を固定され、濡れた手で頬を撫でられる。離れる瞬間、それはつう、と糸を引き、ぷつりと切れた。
 ふん、と彰久が鼻を鳴らす。

破瓜はかの痛みまでを嘘とは思わんが、わかりやすい偽りもあったものだな」
「んあっ、あ、ぅんっ!」

 否定するよりも早く、彰久の指が幸菜の中に入り込んだ。粘り気の強い水音を鳴らして掻き回すように動くそれが、愛液を肉芽に塗りつける。滑りが良くなったそこをきつく責め立てると、幸菜は一際高い喘ぎ声を響かせた。
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