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24.2連続の11連ガチャ
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月末になると、僕たちは満足に思いながら自分たちのクエスト達成率を眺めていた。
合計11件中11件達成。しかもすべてが初日でクリアである。
この成績を見ていたヤーシッチとガルア12は、驚いた様子で僕たちの達成率を眺めていた。
「すげえな……任務達成率100パーセントかよ」
「10以上の任務をしていたら、普通は2つか3つは取りこぼすんだぜ」
これも全ては、メリザンドのおかげである。
彼女の植物成長促進の力が無ければ、この驚異的な達成率も、余った時間に修業をすることも不可能だっただろう。
彼女や仲間に感謝しつつ、僕は受付嬢ソフィアに聞いた。
「あの、植物関係の仕事で……まだ余っているモノはありますか?」
「今のところは……ありませんね。来月になるとまた依頼が来るかもしれません」
「わかりました。ではまた後日に来ます」
さすがにゴブリン退治のような、バトル系の依頼をこなそうとは思わなかった。
戦士系が僕しかいないから、メリザンドやアビゲイルがケガをするリスクは無視できない。お金もある程度は集まっているので、しばらくは植物系の依頼をこなしながら努力ガチャを回していきたい。
この日も自室でトレーニングをしていると、女神の声が聞こえてきた。
【今日で努力ガチャを回すことができますね】
「そうですか……」
【ところで、どうして努力ガチャを2つも貯めたのですか?】
「連続でガチャをすれば、いいことがあるかと思って……」
【そういうのはさすがにありませんよ。努力ガチャは溜まり次第使ってください】
「わかりました」
納屋の辺りを見ると、メリザンドとアビゲイルがシグレ号の世話をしていたので、僕も少し顔を出してみることにした。
「やあ、そろそろ能力を使おうと思うんだけど……興味ある人いる?」
そう質問すると、全員が視線を向けてきた。
「そのガチャという能力……ぜひ、見てみたいな」
真っ先に興味を示してきたのは、やはりリットウシグレ号か。コイツは僕の能力に凄く関心を向けてくるからな。
「わかった。じゃあ……ここで引いてみるぞ」
僕はそう言いながら能力を発動すると、左手に御神籤の箱が出てきた。
「おお、何か凄い霊的な力を感じる!」
シグレ号だけでなく、初めて僕の能力を見るアビゲイルもしっかりと頷いた。
中吉 女神のお札
小吉 女神のお守り
凶 誰かの悲壮な記憶
末吉 努力の破片(経験値上昇:小)
大大吉 大金貨1枚
末吉 努力の破片(経験値上昇:小)
小吉 女神のお守り
吉 小銀貨5枚
吉 大銀貨1枚
大吉 小金貨1枚
大大吉か。こんなものまであるんだ……。
さて、最後の1枚はなんだろう?
凶 誰かの残酷な記憶
「大金貨って、凄いモノが出てきたね」
「確か、僕の年収の半分くらいになるシロモノだったよね……盗まれないように、このままプレボに入れておこう」
再びガチャを回すと、今度はこんな感じだった。
吉 小銀貨5枚
末吉 努力の破片(経験値上昇:小)
大吉 小金貨1枚
中吉 女神のお札
小吉 女神のお守り
凶 誰かの絶望的な記憶
小吉 女神のお守り
末吉 努力の破片(経験値上昇:小)
吉 小銀貨4枚
末吉 努力の破片(経験値上昇:小)
さて、最後の1枚は……?
大大吉 女神の霊石
何だか、今までとは違う不思議なアイテムが出てきたぞ。これはいったい……何だろう。凄くいいモノっぽいけど……。
そう思いながらクジを眺めていると女神の声が聞こえてきた。
【とても良いアイテムを引けましたね。きっとあなたは、この日の幸運に感謝すると思いますよ】
「は、はあ……」
そう思いながら頷くと、女神は言ってきた。
【あと、5枚以上の凶アイテムがたまったので、大凶と交換します】
「わかりました」
僕は最初から5つの悪い記憶を差し出すと、女神は大凶アイテムを出してくれた。
それは、このツーノッパ世界に住む魔法使いの記憶だった。
彼は若くして病で妹を亡くし、神を恨みながら昼夜に渡って妹復活の蘇生術を研究していたのだ。だけど、神の領域に足を踏み入れれば踏み入れただけ、その人間という体の複雑さに悩んでいく。
妹を作り出そうとすればするほど、妹から遠ざかっていく……そんなイメージが脳裏に焼き付いた。
「…………」
その生涯を見て、僕は言葉を失っていた。
命をもてあそぶなとか、身の程を知れと言う言葉では片付けられないほど、複雑な感情が頭の中に残ってしまっている。
「人の命って……いや、僕なんかじゃ、それ以上のことはわからない」
【過ちを取り戻そうとすることも大切なことかもしれません。ですが、絶対に取り返しのつかないこともあるということも忘れないでください】
「……はい」
今の記憶は、女神の霊石というモノを手に入れたことへの戒めだろうか?
【御神籤をしまったリューノ】
本名:東龍之介
固有特殊能力1:女神の御神籤
本作の主人公。雷系の精霊から加護を得ているため、雷系魔法を得意とする。
元居た世界では、給料も少ないうえに女性慣れもしていなかったため、結婚を諦めていたがそのことでコンプレックスを持っている。
今回の大凶くじの効果は、魔法系統の強化が中心となり、更にたくましさを得た。
経験 C ★★★
近接攻撃能力 B ★★★★★
中距離攻撃能力 C ★★★★
遠距離攻撃能力 E
物理防御力 C ★★★
魔法防御力 C ★★★★
スタミナ・体力 C ★★★
素早さ C ★★★★
技量・要領良さ B ★★★★★
索敵能力 C ★★
合計11件中11件達成。しかもすべてが初日でクリアである。
この成績を見ていたヤーシッチとガルア12は、驚いた様子で僕たちの達成率を眺めていた。
「すげえな……任務達成率100パーセントかよ」
「10以上の任務をしていたら、普通は2つか3つは取りこぼすんだぜ」
これも全ては、メリザンドのおかげである。
彼女の植物成長促進の力が無ければ、この驚異的な達成率も、余った時間に修業をすることも不可能だっただろう。
彼女や仲間に感謝しつつ、僕は受付嬢ソフィアに聞いた。
「あの、植物関係の仕事で……まだ余っているモノはありますか?」
「今のところは……ありませんね。来月になるとまた依頼が来るかもしれません」
「わかりました。ではまた後日に来ます」
さすがにゴブリン退治のような、バトル系の依頼をこなそうとは思わなかった。
戦士系が僕しかいないから、メリザンドやアビゲイルがケガをするリスクは無視できない。お金もある程度は集まっているので、しばらくは植物系の依頼をこなしながら努力ガチャを回していきたい。
この日も自室でトレーニングをしていると、女神の声が聞こえてきた。
【今日で努力ガチャを回すことができますね】
「そうですか……」
【ところで、どうして努力ガチャを2つも貯めたのですか?】
「連続でガチャをすれば、いいことがあるかと思って……」
【そういうのはさすがにありませんよ。努力ガチャは溜まり次第使ってください】
「わかりました」
納屋の辺りを見ると、メリザンドとアビゲイルがシグレ号の世話をしていたので、僕も少し顔を出してみることにした。
「やあ、そろそろ能力を使おうと思うんだけど……興味ある人いる?」
そう質問すると、全員が視線を向けてきた。
「そのガチャという能力……ぜひ、見てみたいな」
真っ先に興味を示してきたのは、やはりリットウシグレ号か。コイツは僕の能力に凄く関心を向けてくるからな。
「わかった。じゃあ……ここで引いてみるぞ」
僕はそう言いながら能力を発動すると、左手に御神籤の箱が出てきた。
「おお、何か凄い霊的な力を感じる!」
シグレ号だけでなく、初めて僕の能力を見るアビゲイルもしっかりと頷いた。
中吉 女神のお札
小吉 女神のお守り
凶 誰かの悲壮な記憶
末吉 努力の破片(経験値上昇:小)
大大吉 大金貨1枚
末吉 努力の破片(経験値上昇:小)
小吉 女神のお守り
吉 小銀貨5枚
吉 大銀貨1枚
大吉 小金貨1枚
大大吉か。こんなものまであるんだ……。
さて、最後の1枚はなんだろう?
凶 誰かの残酷な記憶
「大金貨って、凄いモノが出てきたね」
「確か、僕の年収の半分くらいになるシロモノだったよね……盗まれないように、このままプレボに入れておこう」
再びガチャを回すと、今度はこんな感じだった。
吉 小銀貨5枚
末吉 努力の破片(経験値上昇:小)
大吉 小金貨1枚
中吉 女神のお札
小吉 女神のお守り
凶 誰かの絶望的な記憶
小吉 女神のお守り
末吉 努力の破片(経験値上昇:小)
吉 小銀貨4枚
末吉 努力の破片(経験値上昇:小)
さて、最後の1枚は……?
大大吉 女神の霊石
何だか、今までとは違う不思議なアイテムが出てきたぞ。これはいったい……何だろう。凄くいいモノっぽいけど……。
そう思いながらクジを眺めていると女神の声が聞こえてきた。
【とても良いアイテムを引けましたね。きっとあなたは、この日の幸運に感謝すると思いますよ】
「は、はあ……」
そう思いながら頷くと、女神は言ってきた。
【あと、5枚以上の凶アイテムがたまったので、大凶と交換します】
「わかりました」
僕は最初から5つの悪い記憶を差し出すと、女神は大凶アイテムを出してくれた。
それは、このツーノッパ世界に住む魔法使いの記憶だった。
彼は若くして病で妹を亡くし、神を恨みながら昼夜に渡って妹復活の蘇生術を研究していたのだ。だけど、神の領域に足を踏み入れれば踏み入れただけ、その人間という体の複雑さに悩んでいく。
妹を作り出そうとすればするほど、妹から遠ざかっていく……そんなイメージが脳裏に焼き付いた。
「…………」
その生涯を見て、僕は言葉を失っていた。
命をもてあそぶなとか、身の程を知れと言う言葉では片付けられないほど、複雑な感情が頭の中に残ってしまっている。
「人の命って……いや、僕なんかじゃ、それ以上のことはわからない」
【過ちを取り戻そうとすることも大切なことかもしれません。ですが、絶対に取り返しのつかないこともあるということも忘れないでください】
「……はい」
今の記憶は、女神の霊石というモノを手に入れたことへの戒めだろうか?
【御神籤をしまったリューノ】
本名:東龍之介
固有特殊能力1:女神の御神籤
本作の主人公。雷系の精霊から加護を得ているため、雷系魔法を得意とする。
元居た世界では、給料も少ないうえに女性慣れもしていなかったため、結婚を諦めていたがそのことでコンプレックスを持っている。
今回の大凶くじの効果は、魔法系統の強化が中心となり、更にたくましさを得た。
経験 C ★★★
近接攻撃能力 B ★★★★★
中距離攻撃能力 C ★★★★
遠距離攻撃能力 E
物理防御力 C ★★★
魔法防御力 C ★★★★
スタミナ・体力 C ★★★
素早さ C ★★★★
技量・要領良さ B ★★★★★
索敵能力 C ★★
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