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35.カテリーナを中ボスに
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何とかマーフォークの村を平定すると、僕はホッと一息ついた。
突然、領内に独立勢力が出てきたことには驚いた。こういうことがあるという事は、今までは内政だけしていればいいと思っていた場所も、最前線になることもあるわけだ。
ちょうどフリーダも神社に来たので、この話をしてみることにした。
「森の守りですか? それなら先ほどのウッドパペットやスライムを配置してきました」
「よかった。特に問題はなさそうだね」
さすかばフリーダである。
僕に言われる前に準備を終えていたということは、彼女もまた、今回のダンジョンが広がったことを警戒しているようだ。
フリーダと少し話をしていると、有翼人カテリーナがやってきた。どうやら彼女は、野鳥に冒険者街を偵察させていたようだ。
「魔王さま……冒険者街を偵察しましたが、これと言って不穏な動きはありませんてした」
「ありがとう! いつも助かるよ」
ちょうど、カテリーナもやってきたので、少し提案をしてみることにした。
「ところで、カテリーナ?」
「なんでしょう?」
「君もエリアマスターをやってみないかい?」
中ボスの話をすると、カテリーナは少し驚いた表情をしていた。どうやら、自分がエリアマスターになるのはもう少し先の話だと思っていたようである。
「では、魔王さま……ひとつお願いが……」
「なんだい?」
「我が故郷の者たちは、とても貧しい土地で生活しています。頂いた土地に、彼らを招いてもよろしいでしょうか?」
「構わないよ。あの丘陵地帯が君のテリトリーだから、上手に活用して欲しい」
そう伝えると、カテリーナは「ありがとうございます!」と返事をし、すぐに自分の野鳥を呼び集めた。
いきなり手紙を送るより、まずはエリアマスターとしての能力を確認した方がいいのではないだろうか。
「カテリーナ。まずは鏡で能力を……」
「そ、そうでしたね……では、お借りさせて頂きます」
彼女が、自分の能力を映し出すと、まず150という高い数値に驚かされた。
有翼人は、天使と間違えられるほどの霊力を持っているので、この値なのも納得いくものだ。
【SP150/150】
―――――――――――――――――――
100P 故郷直通ゲート(10日)
100P エリアごと独立し反旗を翻す
5P 大麦を20キログラム出す
10P 野鳥を使い魔にする
20P 家屋を建造
30P 風車を建造
20P 弓武装エンジェル召喚
100P 大天使1、天使4小隊召喚
―――――――――――――――――――
どうやら彼女の召喚内容も、マティスに似ているようだ。
それに、この直通ゲートと言うシロモノは、恐らくだけど故郷とダンジョンを一時的につなぐことができるのだろう。
食料や家屋を作ることもできるようだし、僕は納得しながら答えた。
「なるほど。良い能力を持っているね」
「はい。魔王さまの仰る通り、調べておいて良かったです」
まもなく彼女は、平定した丘陵地帯へと行くと、この故郷直通ゲートというモノを使って、故郷の有翼人たちを呼び寄せていた。
さすがにカテリーナが、故郷の人たちとどんな会話をしているのかはわからないが、これは彼女のプライベートにも関わることなので、特に僕も知る必要がない。
しばらく待っていると、彼女は風の民を連れて戻ってきたようだ。
どうやら風の民は視察をしに来たようで、分身である仔馬ユニコーンの報告では、村長やカテリーナの家族なども一緒に来ているようだ。
彼らは、丘陵の様子を確認したり、川の水との距離を測ったり、風向きを調べたり、仔馬に様々なことを聞いたりと、慎重にダンジョンの様子を調べている。
カテリーナも、ダンジョンに関しての苦労話は不便な点なども有翼人たちに話すと、彼らは納得したらしく一旦ゲートへと戻っていった。
確かに慎重に話しあうのは良いことである。
有翼人たちは1晩で結論を出したらしく、翌日になると次々と荷物を運びながらダンジョン内へと移住してきた。
仔馬の話によると、家ごと引っ越してくる有翼人も多く、解体されたログハウスを持ってきて、地面を確認してからもう一度組み立てるということを行っている。
彼らは村人同士で協力しながら作業を進めていき、ゲートが開通して5日後には引っ越しを全て終了して、丘陵地帯には有翼人の村が完成していた。
――今、カテリーナがゲートを閉じたよ
――わかった。引っ越し後も疲れとかで、急病人が出るかもしれない。君は念のためあと3日くらいは様子を見て
――了解!
これでおおよそ、人口は800人か。
最初は僕とフリーダしかいない状況から始まったダンジョンだったが、よくここまで大きくなったものだと思う。
そう思いながら、有翼人やマーフォークの町の方角を眺めていると、カテリーナが飛んできた。
「おお、カテリーナ……どうしたんだい?」
「それが……先ほど、鳥から連絡があり……13人の魔王の1人が……急病で倒れたと!」
「なに!?」
僕は思わず、声を荒げていた。
13人の魔王の力は、1人が1000人の兵士に匹敵すると言われるほどの力を持っている。
もし、それほどの力の持ち主が消えてしまうと……冒険者たちが大挙して攻め寄せてくるんじゃないか!
突然、領内に独立勢力が出てきたことには驚いた。こういうことがあるという事は、今までは内政だけしていればいいと思っていた場所も、最前線になることもあるわけだ。
ちょうどフリーダも神社に来たので、この話をしてみることにした。
「森の守りですか? それなら先ほどのウッドパペットやスライムを配置してきました」
「よかった。特に問題はなさそうだね」
さすかばフリーダである。
僕に言われる前に準備を終えていたということは、彼女もまた、今回のダンジョンが広がったことを警戒しているようだ。
フリーダと少し話をしていると、有翼人カテリーナがやってきた。どうやら彼女は、野鳥に冒険者街を偵察させていたようだ。
「魔王さま……冒険者街を偵察しましたが、これと言って不穏な動きはありませんてした」
「ありがとう! いつも助かるよ」
ちょうど、カテリーナもやってきたので、少し提案をしてみることにした。
「ところで、カテリーナ?」
「なんでしょう?」
「君もエリアマスターをやってみないかい?」
中ボスの話をすると、カテリーナは少し驚いた表情をしていた。どうやら、自分がエリアマスターになるのはもう少し先の話だと思っていたようである。
「では、魔王さま……ひとつお願いが……」
「なんだい?」
「我が故郷の者たちは、とても貧しい土地で生活しています。頂いた土地に、彼らを招いてもよろしいでしょうか?」
「構わないよ。あの丘陵地帯が君のテリトリーだから、上手に活用して欲しい」
そう伝えると、カテリーナは「ありがとうございます!」と返事をし、すぐに自分の野鳥を呼び集めた。
いきなり手紙を送るより、まずはエリアマスターとしての能力を確認した方がいいのではないだろうか。
「カテリーナ。まずは鏡で能力を……」
「そ、そうでしたね……では、お借りさせて頂きます」
彼女が、自分の能力を映し出すと、まず150という高い数値に驚かされた。
有翼人は、天使と間違えられるほどの霊力を持っているので、この値なのも納得いくものだ。
【SP150/150】
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100P 故郷直通ゲート(10日)
100P エリアごと独立し反旗を翻す
5P 大麦を20キログラム出す
10P 野鳥を使い魔にする
20P 家屋を建造
30P 風車を建造
20P 弓武装エンジェル召喚
100P 大天使1、天使4小隊召喚
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どうやら彼女の召喚内容も、マティスに似ているようだ。
それに、この直通ゲートと言うシロモノは、恐らくだけど故郷とダンジョンを一時的につなぐことができるのだろう。
食料や家屋を作ることもできるようだし、僕は納得しながら答えた。
「なるほど。良い能力を持っているね」
「はい。魔王さまの仰る通り、調べておいて良かったです」
まもなく彼女は、平定した丘陵地帯へと行くと、この故郷直通ゲートというモノを使って、故郷の有翼人たちを呼び寄せていた。
さすがにカテリーナが、故郷の人たちとどんな会話をしているのかはわからないが、これは彼女のプライベートにも関わることなので、特に僕も知る必要がない。
しばらく待っていると、彼女は風の民を連れて戻ってきたようだ。
どうやら風の民は視察をしに来たようで、分身である仔馬ユニコーンの報告では、村長やカテリーナの家族なども一緒に来ているようだ。
彼らは、丘陵の様子を確認したり、川の水との距離を測ったり、風向きを調べたり、仔馬に様々なことを聞いたりと、慎重にダンジョンの様子を調べている。
カテリーナも、ダンジョンに関しての苦労話は不便な点なども有翼人たちに話すと、彼らは納得したらしく一旦ゲートへと戻っていった。
確かに慎重に話しあうのは良いことである。
有翼人たちは1晩で結論を出したらしく、翌日になると次々と荷物を運びながらダンジョン内へと移住してきた。
仔馬の話によると、家ごと引っ越してくる有翼人も多く、解体されたログハウスを持ってきて、地面を確認してからもう一度組み立てるということを行っている。
彼らは村人同士で協力しながら作業を進めていき、ゲートが開通して5日後には引っ越しを全て終了して、丘陵地帯には有翼人の村が完成していた。
――今、カテリーナがゲートを閉じたよ
――わかった。引っ越し後も疲れとかで、急病人が出るかもしれない。君は念のためあと3日くらいは様子を見て
――了解!
これでおおよそ、人口は800人か。
最初は僕とフリーダしかいない状況から始まったダンジョンだったが、よくここまで大きくなったものだと思う。
そう思いながら、有翼人やマーフォークの町の方角を眺めていると、カテリーナが飛んできた。
「おお、カテリーナ……どうしたんだい?」
「それが……先ほど、鳥から連絡があり……13人の魔王の1人が……急病で倒れたと!」
「なに!?」
僕は思わず、声を荒げていた。
13人の魔王の力は、1人が1000人の兵士に匹敵すると言われるほどの力を持っている。
もし、それほどの力の持ち主が消えてしまうと……冒険者たちが大挙して攻め寄せてくるんじゃないか!
応援ありがとうございます!
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