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41.人魚島に戻る僕たち
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間もなく僕たちは、次々とエッケハルト島に残すメンバーに別れを告げた。
例えば、エリンは姉のスカーレットとハグをし、ニッパーも同族のドワーフ3人衆と別れの盃を交わし、有翼人で一番強い男性も、厨房で働いてくれた女性有翼人とキスをしている。
そして、一角獣ミホノシュヴァルツ号も、この前に知り合った一角獣フォレストメモリーと別れの挨拶をしていた。
『これから行ってくる』
『ご武運をお祈りしております……あなた』
『もし、吾が戻らなくても、お前の中には仔が宿ると思う。その仔に伝えて欲しい』
『は、はい……!』
『吾らにはあの、キシダンブラックの血が流れている。この血を辿ればかつて邪悪な魂を封じた……勇者の血が眠っている。それを誇りに思えとな』
いつの間に手を付けたんだスケベ。という言葉を口にしてはダメなんだろうな。と思っていると、ミホノシュヴァルツ号はこちらを見た。
『では行くか!』
「ああ!」
間もなく海賊船はエッケハルト島を後にした。
人魚島へと進むごとに、渡り鳥たちから情報がもたらされてくる。
【初戦は北の人魚たちが優勢。海賊側に一定の被害】
【第2陣が、島の南部に上陸。南の人魚たちとの戦いを確認】
【島の南部の人魚たち第2陣を撃退。しかし、南部の人魚たちに死傷者多数】
【島の南西部に、海賊たちの第3陣が上陸。南部の人魚たちの応戦を確認】
【人魚たちが敗走。海賊たちが橋頭保の建設を始めた模様】
橋頭保とは、海賊たちの前線基地のようなシロモノのことだ。
上陸作戦というものは、圧倒的に守る側が有利になるものだとニッパーは言っていたが、前線基地を作られてしまうと、その強みも半減してしまう。
「いかんな……このままだと、戦力差でズルズルとやられていくぞ」
ニッパーのつぶやきを聞いて、ヤーシッチも苦々しい顔をしていた。
「やはり、海賊団の方が戦慣れしている印象だ……第1陣と第2陣は陽動だった可能性もある」
「ミホノシュヴァルツ号、情報収集を続けてくれ」
『もちろんそのつもりだ!』
そして人魚島の近海まで来たときには、人魚たちがやや有利な状況へと戻っていたが、それでも海賊たちの前線基地を崩すには至らず、更に新たな渡り鳥もやってきた。
【人魚島南西部の沖に、赤ひげ海賊団の増援を確認。数15隻】
報告を聞いて、僕は思わず生唾を呑んだ。
人魚島では、人魚たちが必死な抵抗を続けて多くの海賊たちが傷つき倒れている。だけど、こうやって次から次へと海賊側の増援も来ている。
このままでは、人魚たちが残らずやられてしまう。
どうしたものかと考えていると、ミホノシュヴァルツ号が首を動かした。どうやら、違う海域にいた渡り鳥が新たな情報を持って来たようだ。
「まさか、また新手か!?」
質問をすると、ミホノシュヴァルツ号は頷いた。
『ああ、島の南西部に堕天使海賊団の船舶……数は8隻のようだ』
その言葉を聞いた直後に、僕の中にひらめきが起こった。
堕天使海賊団と赤ひげ海賊団の中は、とても悪かったはずだ。こいつらを上手に誘導して共食いさせることはできないだろうか。
僕は有翼人たちを見た。
「ねえ……悪いけど、ひとつ頼まれごとをしてくれないかい?」
「なんだ?」
「もう少し堕天使海賊団が近づいたところで、彼らを装って赤ひげ海賊団の船舶を攻撃して欲しい」
その言葉を聞いた有翼人たちは不敵に笑った。
彼らは旅先などで拉致され、強引に洗脳されて戦闘員として働かされていた人々だ。恐らく、相当な恨みを持っているのだろう。
だけどもちろん、それに甘えて僕たちだって何もしないわけではない。
「そして同時に、僕も赤ひげ海賊団の船舶に扮して……連中を攻撃する!」
その言葉を聞いて、オフィーリアたちも頷いた。
どうせ危険なことをするのなら、みんなでやるのが一番に決まっている。
作戦を伝えたら、みんなはしっかりと頷いてくれた。
『ならば、吾は空襲部隊に参戦しよう。黒毛こそ堕天使部隊にピッタリだからな』
例えば、エリンは姉のスカーレットとハグをし、ニッパーも同族のドワーフ3人衆と別れの盃を交わし、有翼人で一番強い男性も、厨房で働いてくれた女性有翼人とキスをしている。
そして、一角獣ミホノシュヴァルツ号も、この前に知り合った一角獣フォレストメモリーと別れの挨拶をしていた。
『これから行ってくる』
『ご武運をお祈りしております……あなた』
『もし、吾が戻らなくても、お前の中には仔が宿ると思う。その仔に伝えて欲しい』
『は、はい……!』
『吾らにはあの、キシダンブラックの血が流れている。この血を辿ればかつて邪悪な魂を封じた……勇者の血が眠っている。それを誇りに思えとな』
いつの間に手を付けたんだスケベ。という言葉を口にしてはダメなんだろうな。と思っていると、ミホノシュヴァルツ号はこちらを見た。
『では行くか!』
「ああ!」
間もなく海賊船はエッケハルト島を後にした。
人魚島へと進むごとに、渡り鳥たちから情報がもたらされてくる。
【初戦は北の人魚たちが優勢。海賊側に一定の被害】
【第2陣が、島の南部に上陸。南の人魚たちとの戦いを確認】
【島の南部の人魚たち第2陣を撃退。しかし、南部の人魚たちに死傷者多数】
【島の南西部に、海賊たちの第3陣が上陸。南部の人魚たちの応戦を確認】
【人魚たちが敗走。海賊たちが橋頭保の建設を始めた模様】
橋頭保とは、海賊たちの前線基地のようなシロモノのことだ。
上陸作戦というものは、圧倒的に守る側が有利になるものだとニッパーは言っていたが、前線基地を作られてしまうと、その強みも半減してしまう。
「いかんな……このままだと、戦力差でズルズルとやられていくぞ」
ニッパーのつぶやきを聞いて、ヤーシッチも苦々しい顔をしていた。
「やはり、海賊団の方が戦慣れしている印象だ……第1陣と第2陣は陽動だった可能性もある」
「ミホノシュヴァルツ号、情報収集を続けてくれ」
『もちろんそのつもりだ!』
そして人魚島の近海まで来たときには、人魚たちがやや有利な状況へと戻っていたが、それでも海賊たちの前線基地を崩すには至らず、更に新たな渡り鳥もやってきた。
【人魚島南西部の沖に、赤ひげ海賊団の増援を確認。数15隻】
報告を聞いて、僕は思わず生唾を呑んだ。
人魚島では、人魚たちが必死な抵抗を続けて多くの海賊たちが傷つき倒れている。だけど、こうやって次から次へと海賊側の増援も来ている。
このままでは、人魚たちが残らずやられてしまう。
どうしたものかと考えていると、ミホノシュヴァルツ号が首を動かした。どうやら、違う海域にいた渡り鳥が新たな情報を持って来たようだ。
「まさか、また新手か!?」
質問をすると、ミホノシュヴァルツ号は頷いた。
『ああ、島の南西部に堕天使海賊団の船舶……数は8隻のようだ』
その言葉を聞いた直後に、僕の中にひらめきが起こった。
堕天使海賊団と赤ひげ海賊団の中は、とても悪かったはずだ。こいつらを上手に誘導して共食いさせることはできないだろうか。
僕は有翼人たちを見た。
「ねえ……悪いけど、ひとつ頼まれごとをしてくれないかい?」
「なんだ?」
「もう少し堕天使海賊団が近づいたところで、彼らを装って赤ひげ海賊団の船舶を攻撃して欲しい」
その言葉を聞いた有翼人たちは不敵に笑った。
彼らは旅先などで拉致され、強引に洗脳されて戦闘員として働かされていた人々だ。恐らく、相当な恨みを持っているのだろう。
だけどもちろん、それに甘えて僕たちだって何もしないわけではない。
「そして同時に、僕も赤ひげ海賊団の船舶に扮して……連中を攻撃する!」
その言葉を聞いて、オフィーリアたちも頷いた。
どうせ危険なことをするのなら、みんなでやるのが一番に決まっている。
作戦を伝えたら、みんなはしっかりと頷いてくれた。
『ならば、吾は空襲部隊に参戦しよう。黒毛こそ堕天使部隊にピッタリだからな』
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