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53.勇者選抜試験のうわさ
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間もなくフロンティアトリトンズに帰還すると、すぐにスティレットは納屋で眠ってしまった。
疲労からくる眠気を我慢していたらしく、横になると気絶するように就寝したので、何だか申し訳ない気持ちになった。
「これは……かなり無理をさせてしまったね」
「はい、せめて傷くらいは治療を……」
そう言いながら近づこうとしたオリヴィアだが途中でよろけてしまったので、僕が慌てて支えていた。どうやら彼女もかなり疲れているようだ。
「僕たちも休もう。全員が無事に戻れただけでも奇跡的な難しさだったからね」
「は、はい……」
オリヴィアと共に就寝すると、外は夕方になっていた。
納屋に目をやるとスティレットはすでに起きていたが、寝起きが悪かったのかMPも6割前後までしか回復していない。
「おはよう……僕の調子は最悪だけど、そっちはどう?」
『奇遇だね。小生も最悪』
視線が定まらない様子でスティレットは冗談を言っていたが、これが遺跡の中だったら割と冗談では済まない状況なのだから困る。
「お互い、無事に戻って来れて良かったよな……このコンディションで、さっきの遺跡の中だったら終わってるぞ?」
『そりゃそうだよね。オリヴィアお姉さん、おはよ!』
「おはようございます……」
オリヴィアの顔を見たら、普段では想像もできないくらい寝ぼけた顔をしていたので驚いた。元々が美人なのでブサイクな顔ではないが、どこかやつれたように見えてしまう。
「少し寝たくらいじゃ、疲れは取れないよね。明日くらいまではゆっくりとしていよう」
「お心遣い……ありがとうございます」
寝起きは最悪でも、しばらく起きてゆっくりしていると、少しずつ体力も回復してくるものだ。
オリヴィアやスティレットの顔色も良くなったところで、夜の散歩でも誘ってみることにした。
「ねえ、2人とも?」
『ん、なんだい?』
「身体を全く動かさないと、それはそれで寝られないと思うから、少し夜の散歩でもしないかい?」
そう提案すると、オリヴィアもスティレットも微笑んだ。
「ぜひ、ご一緒させてください」
『せっかくだし、小生も行こうかな?』
こうして、僕はオリヴィアたちとギルドの外に出た。
すでに外は夜になっていたので、普段とは違う風景が楽しめる。
『たまには夜の散歩もいいものだね』
「うん、風もひんやりとしているから、頭もシャキッとする」
僕たちは川辺を歩いたり、近くの森の側で一休みしたりと穏やかな時間を過ごしていた。
『……いい気分転換になったね』
「ああ、そろそろ戻るかい?」
「そうですね」
戻りはじめると、ギルド長の妹であるアイラが槍で素振りの練習をしていることに気が付いた。
こんな夜なのに修業をするなんて偉いと思いながら見ると、その少し離れたところではウェアウルフのジルーも、木の枝にぶら下がって懸垂をしていた。
「こんな時間だというのに……僕も見習わないといけないな」
『いやいや、休むべきときにはキッチリ休まないと強く慣れないと思うよ』
スティレットの方を見ると、彼は笑いながら話を続けた。
『それに……そろそろなんじゃないかな』
「そろそろとは?」
オリヴィアも不思議そうに質問すると、スティレットは言った。
『勇者選抜試験だよ。毎年……1万以上の冒険者や傭兵が試験を受けに行って、3人以上の合格者が出れば豊作と言われる一大イベント』
勇者……そういえば、リック隊のエドワードさんも、蒼鎧の勇者に誓ってという言葉を口にしていた。何か関係があるのだろうか。
「もしかして、エドワードさんが言っていた蒼鎧の勇者というのも……?」
『うん、インディゴメイルズの創設者であるオーガストも、かつて魔王軍を退けたという10英雄の1人だよ』
オリヴィアも思い出したように言った。
「10英雄ですか……懐かしいですね」
「どういう人たちなんだい?」
「異世界からやってきたニホンジンを中心に、魔王に立ち向かった戦士たちです。ハイエルフのソフィアや、ミスターファルコン、ドワーフの鬼甲ゴンザレス……彼らは文字通り一騎当千の実力を持っていたと聞きます」
ニホンジンという言葉に、僕は思わず唾を呑んだ。
同じ人種の僕では、オリヴィアひとり守っていくだけでも大変だというのに、その勇者と言われた彼は、人類のために仲間を率いて雄々しく戦ったと言うのか。
なんだかすごく……引け目を感じてしまう。
気分を変えたいので、少し別の質問をすることにした。
「その勇者選抜試験というのは、その10英雄にちなんで行われているのかい?」
そう質問すると、オリヴィアやスティレットは頷いた。
「そうです。今のツーノッパの国々は、独自の勇者選抜試験を行っていますが……どこも10英雄に因んでいます」
『このフロンティア国でも、蒼鎧のオーガストや、有翼人のミスターファルコン……それに伝説の英雄アキラに因んで行われている』
伝説の勇者の名前は、アキラと言うのか。
「なるほど……ちなみに、勇者になるとどんないいことがあるんだい?」
『そうだね。フロンティア国には2種類の勇者資格があるけど……実質的に王国が発行しているヤツを取るのが現実的だよ』
2種類という言葉に何か引っかかるものを感じたが、スティレットの言葉を遮ってはいけないので、黙って話を聞いていることにした。
『勇者資格の特典はね……立ち入りが禁止されている場所に入れたり、王国から直接指名で依頼が来たり、特別年金が出たりもするって話も聞いたな。鳥さんたちから……』
「そもそも難しい試験なので、不合格でも何次試験まで進んだのかによっても、冒険者の格が上がるそうですね」
オリヴィアが言うとスティレットも頷いた。
『そうだね。例えばインディゴメイルズだと、3次試験まで進んだ冒険者は、評価が上がって小隊長の候補に名前が挙がるって噂まである』
僕は少しの間、考えを巡らせた。
「その特別年金というの……例えば、僕が死んだとしても家族に支払われるのかな?」
『詳しいことはさすがにわからないからね……明日にでもギルド長に聞いてみたら?』
「そうだね」
たとえば僕が、冒険者をするなかで大けがをしたり命を落としてしまったとしても、年金が出るのならオリヴィアがひとり困るという事態にはならないはずだ。
勇者試験というモノ、前向きに検討するのもいいかもしれない。
【川の前で】
疲労からくる眠気を我慢していたらしく、横になると気絶するように就寝したので、何だか申し訳ない気持ちになった。
「これは……かなり無理をさせてしまったね」
「はい、せめて傷くらいは治療を……」
そう言いながら近づこうとしたオリヴィアだが途中でよろけてしまったので、僕が慌てて支えていた。どうやら彼女もかなり疲れているようだ。
「僕たちも休もう。全員が無事に戻れただけでも奇跡的な難しさだったからね」
「は、はい……」
オリヴィアと共に就寝すると、外は夕方になっていた。
納屋に目をやるとスティレットはすでに起きていたが、寝起きが悪かったのかMPも6割前後までしか回復していない。
「おはよう……僕の調子は最悪だけど、そっちはどう?」
『奇遇だね。小生も最悪』
視線が定まらない様子でスティレットは冗談を言っていたが、これが遺跡の中だったら割と冗談では済まない状況なのだから困る。
「お互い、無事に戻って来れて良かったよな……このコンディションで、さっきの遺跡の中だったら終わってるぞ?」
『そりゃそうだよね。オリヴィアお姉さん、おはよ!』
「おはようございます……」
オリヴィアの顔を見たら、普段では想像もできないくらい寝ぼけた顔をしていたので驚いた。元々が美人なのでブサイクな顔ではないが、どこかやつれたように見えてしまう。
「少し寝たくらいじゃ、疲れは取れないよね。明日くらいまではゆっくりとしていよう」
「お心遣い……ありがとうございます」
寝起きは最悪でも、しばらく起きてゆっくりしていると、少しずつ体力も回復してくるものだ。
オリヴィアやスティレットの顔色も良くなったところで、夜の散歩でも誘ってみることにした。
「ねえ、2人とも?」
『ん、なんだい?』
「身体を全く動かさないと、それはそれで寝られないと思うから、少し夜の散歩でもしないかい?」
そう提案すると、オリヴィアもスティレットも微笑んだ。
「ぜひ、ご一緒させてください」
『せっかくだし、小生も行こうかな?』
こうして、僕はオリヴィアたちとギルドの外に出た。
すでに外は夜になっていたので、普段とは違う風景が楽しめる。
『たまには夜の散歩もいいものだね』
「うん、風もひんやりとしているから、頭もシャキッとする」
僕たちは川辺を歩いたり、近くの森の側で一休みしたりと穏やかな時間を過ごしていた。
『……いい気分転換になったね』
「ああ、そろそろ戻るかい?」
「そうですね」
戻りはじめると、ギルド長の妹であるアイラが槍で素振りの練習をしていることに気が付いた。
こんな夜なのに修業をするなんて偉いと思いながら見ると、その少し離れたところではウェアウルフのジルーも、木の枝にぶら下がって懸垂をしていた。
「こんな時間だというのに……僕も見習わないといけないな」
『いやいや、休むべきときにはキッチリ休まないと強く慣れないと思うよ』
スティレットの方を見ると、彼は笑いながら話を続けた。
『それに……そろそろなんじゃないかな』
「そろそろとは?」
オリヴィアも不思議そうに質問すると、スティレットは言った。
『勇者選抜試験だよ。毎年……1万以上の冒険者や傭兵が試験を受けに行って、3人以上の合格者が出れば豊作と言われる一大イベント』
勇者……そういえば、リック隊のエドワードさんも、蒼鎧の勇者に誓ってという言葉を口にしていた。何か関係があるのだろうか。
「もしかして、エドワードさんが言っていた蒼鎧の勇者というのも……?」
『うん、インディゴメイルズの創設者であるオーガストも、かつて魔王軍を退けたという10英雄の1人だよ』
オリヴィアも思い出したように言った。
「10英雄ですか……懐かしいですね」
「どういう人たちなんだい?」
「異世界からやってきたニホンジンを中心に、魔王に立ち向かった戦士たちです。ハイエルフのソフィアや、ミスターファルコン、ドワーフの鬼甲ゴンザレス……彼らは文字通り一騎当千の実力を持っていたと聞きます」
ニホンジンという言葉に、僕は思わず唾を呑んだ。
同じ人種の僕では、オリヴィアひとり守っていくだけでも大変だというのに、その勇者と言われた彼は、人類のために仲間を率いて雄々しく戦ったと言うのか。
なんだかすごく……引け目を感じてしまう。
気分を変えたいので、少し別の質問をすることにした。
「その勇者選抜試験というのは、その10英雄にちなんで行われているのかい?」
そう質問すると、オリヴィアやスティレットは頷いた。
「そうです。今のツーノッパの国々は、独自の勇者選抜試験を行っていますが……どこも10英雄に因んでいます」
『このフロンティア国でも、蒼鎧のオーガストや、有翼人のミスターファルコン……それに伝説の英雄アキラに因んで行われている』
伝説の勇者の名前は、アキラと言うのか。
「なるほど……ちなみに、勇者になるとどんないいことがあるんだい?」
『そうだね。フロンティア国には2種類の勇者資格があるけど……実質的に王国が発行しているヤツを取るのが現実的だよ』
2種類という言葉に何か引っかかるものを感じたが、スティレットの言葉を遮ってはいけないので、黙って話を聞いていることにした。
『勇者資格の特典はね……立ち入りが禁止されている場所に入れたり、王国から直接指名で依頼が来たり、特別年金が出たりもするって話も聞いたな。鳥さんたちから……』
「そもそも難しい試験なので、不合格でも何次試験まで進んだのかによっても、冒険者の格が上がるそうですね」
オリヴィアが言うとスティレットも頷いた。
『そうだね。例えばインディゴメイルズだと、3次試験まで進んだ冒険者は、評価が上がって小隊長の候補に名前が挙がるって噂まである』
僕は少しの間、考えを巡らせた。
「その特別年金というの……例えば、僕が死んだとしても家族に支払われるのかな?」
『詳しいことはさすがにわからないからね……明日にでもギルド長に聞いてみたら?』
「そうだね」
たとえば僕が、冒険者をするなかで大けがをしたり命を落としてしまったとしても、年金が出るのならオリヴィアがひとり困るという事態にはならないはずだ。
勇者試験というモノ、前向きに検討するのもいいかもしれない。
【川の前で】
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