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41.蛙の子は蛙
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蛙の子は蛙。親子鷹。瓜の蔓に茄子はならぬ。
似たような言葉は幾つもあるものだが、僕はその意味をしみじみと感じていた。
『ご主人さまぁ~? 可愛い可愛いジルーお姉さんが、小生のご主人様なわけないじゃ~ん』
「アンタに可愛いとか言われると、無性に腹が立つんだけど!」
『わかったわかった、お詫びして訂正するよ。可憐で美しく、心もひろぉ~~~い、ジルーお姉ちゃん』
「白々しいのよ」
『そりゃ、白馬だからね~』
「違うでしょ、アンタは芦毛馬でしょ、あ・し・げ・う・ま!」
『お姉ちゃん、かしこ~~い!』
「いい加減にしないと、アンタの夕飯……人参だらけにするわよ」
『いや~ん、お姉ちゃんのエッチ~』
「殴られたいの?」
一角獣サニートリガー号を仲間し、陣形を少しいじった所までは良かったのだが、ジルーの後ろにサニートリガー号を配置したのは大失敗だったようだ。
散々にラピッドトリガー号にやられたジルーは、サニートリガー号に自分が先輩でご主人様だと主張すると、サニートリガー号は、ここぞとばかりにジルーをからかいに掛かった。
「あーもう、フォセット……順番を入れ替えないかい?」
「そうですね。サニートリガーさん、私の前に配置変更してください」
『はーい♪』
配置改め、ジルー、僕、サニートリガー、フォセット、ロランス、ラックドナ、マーチルとなったが、今度はサニートリガーが僕にちょっかいを出しはじめた。
『ねえ、ソラ兄ちゃん』
「……なんだい?」
『こうやって、兄ちゃんの背中を見ていると……なんだか人生というモノを考えさせられるよ』
人生か。随分と飛躍した話だな。
いったいこいつは、僕の背中から何を感じ取ったのだろう。
「君は、僕の背中なんかをみて……何を学び取ったんだ?」
『兄ちゃんの背中だと、的が小さいから敵の攻撃が当たり辛い。一方で小生の背中は、的が大きいから敵の攻撃が当たりやすい』
その話を聞いていたジルーは、ここぞとばかりに言い返してきた。
「ふっ……回避率なら、このジルーちゃんの方が上だよ」
『凄い! さすがお父さんにソッコーで摘まみ出された人は、言うことが違うね!』
「馬〇しにしてやろうか?」
まあ、こんな感じで賑やかな旅は続き、僕たちは久しぶりに冒険者街へと戻ってきた。
コボルド騒動で僕たちは、一歩間違えば再起不能になるほどの戦いをしてきたわけだが、冒険者の街は僕たちが居ようが居まいが、何事も無かったかのように動いているのだから、世間の広さというモノを感じてしまう。
間もなく、サファイアランスに戻ると、修練場ではTランラとムキムが仲間たちと汗を流していた。
「おお、フォセット隊のみんな、お帰り!」
「ん、そのウマは?」
早速彼らは、サニートリガー号に興味を示してきたので、僕はたてがみを撫でながら答えた。
「彼のことは、サニートリガー号と呼んで欲しい」
「ブルブルブルブル……」
挨拶や自己紹介をする気がなさそうなので、少しからかうことにした。
「名前の由来は、彼の好きなサニーレタスから取った。しなびてヘナヘナになったモノでも喜んで食べるよ♪」
『レタス美味しいよね。サニーレタスってモノはよくわからないけど♪』
Tランラたちは、僕のサニーレタス発言の時は笑っていたが、サニートリガー号が受け答えをすると凄く驚いていた。
「こ、このウマ……ユニコーンか!?」
「す、すげぇ……グループAのギルドでも、なかなか在籍してもらえないんだろ!?」
どうやらユニコーンは、僕が思っていた以上に希少な存在のようだ。
さすがに冒険者ギルドのトップテンチームなら、標準装備のように在籍させていると思っていたが、Tランラの話では、ユニコーンが在籍していれば超名門ギルドとさえ言われる状況らしい。
まあ、そういわれる理由は理解できる。一角獣はヒーラーであり、格闘家であり、レイピア使いであり、魔法使いであり、荷運びウマであり、更に軍師や参謀を務められる個体までいる。
ギルドメンバーは修業を中断すると、すぐにサニートリガー号に話しかけてきた。
「なあなあ、どんな血統を持ってるんだ?」
「物理格闘系か? それとも魔法戦闘系か?」
「兄弟とかいるの?」
『……そんなにいっぺんに話しかけられても答えられないよ』
「ほらほら、納屋に行くよ」
ジルーが誘導すると、この時ばかりはサニートリガー号も素直に言うことを聞いていた。さすがに見知らぬ人々に質問攻めにされることには慣れていないようだ。
その様子を見ていたTランラたちは、なぜか移動している僕に視線を向けてきた。
「やり手だよな……あいつを連れてきたのソラだろ?」
「ああ、だってあの一角獣、ソラに一番懐いてたじゃん」
「わかるわかる。だって、ソラの体から一番サニー号の匂いがするもん」
「ユニコーンに懐かれるなんて、凄いな……」
それはあくまで、僕がサニー号にいじられる位置を歩いているからである。
【サニートリガー ユニコーン年齢不明 牡】
固有特殊能力A:ジニアスユニコーン(レア度S:★★☆☆☆☆):ユニコーン化できる能力だが、仔細は不明
固有特殊能力B:マジックハンド(レア度A:★★☆☆☆):オーラの手で物を掴んだり持ち上げる
固有特殊能力C:不明
実戦経験 C ★★☆☆
作戦・判断 A ★★★★★☆☆
勇猛さ B ★★★☆☆
近接戦闘力 B ★★★☆☆
魔法戦闘力 B ★★★★☆☆
投射戦闘力 B ★☆☆☆☆
防御力 B ★★★☆☆
機動力 B ★★★★★★
索敵能力 B ★★★★☆☆
ラピッドトリガー号の息子。どうやら、ラピッドトリガー号が最も愛している牝一角獣との間に生まれた仔らしい。
父親とソラが対決しているのを見て、フォセット隊に興味を持ったのがきっかけとなって、メンバーの一員となった。
主に彼の中では、ソラ≧フォセット>ラックドナ>>マーチル≧ジルー……となっているようだ。
ちなみに嫌いなモノは、ニンジンとたばこの煙である。
似たような言葉は幾つもあるものだが、僕はその意味をしみじみと感じていた。
『ご主人さまぁ~? 可愛い可愛いジルーお姉さんが、小生のご主人様なわけないじゃ~ん』
「アンタに可愛いとか言われると、無性に腹が立つんだけど!」
『わかったわかった、お詫びして訂正するよ。可憐で美しく、心もひろぉ~~~い、ジルーお姉ちゃん』
「白々しいのよ」
『そりゃ、白馬だからね~』
「違うでしょ、アンタは芦毛馬でしょ、あ・し・げ・う・ま!」
『お姉ちゃん、かしこ~~い!』
「いい加減にしないと、アンタの夕飯……人参だらけにするわよ」
『いや~ん、お姉ちゃんのエッチ~』
「殴られたいの?」
一角獣サニートリガー号を仲間し、陣形を少しいじった所までは良かったのだが、ジルーの後ろにサニートリガー号を配置したのは大失敗だったようだ。
散々にラピッドトリガー号にやられたジルーは、サニートリガー号に自分が先輩でご主人様だと主張すると、サニートリガー号は、ここぞとばかりにジルーをからかいに掛かった。
「あーもう、フォセット……順番を入れ替えないかい?」
「そうですね。サニートリガーさん、私の前に配置変更してください」
『はーい♪』
配置改め、ジルー、僕、サニートリガー、フォセット、ロランス、ラックドナ、マーチルとなったが、今度はサニートリガーが僕にちょっかいを出しはじめた。
『ねえ、ソラ兄ちゃん』
「……なんだい?」
『こうやって、兄ちゃんの背中を見ていると……なんだか人生というモノを考えさせられるよ』
人生か。随分と飛躍した話だな。
いったいこいつは、僕の背中から何を感じ取ったのだろう。
「君は、僕の背中なんかをみて……何を学び取ったんだ?」
『兄ちゃんの背中だと、的が小さいから敵の攻撃が当たり辛い。一方で小生の背中は、的が大きいから敵の攻撃が当たりやすい』
その話を聞いていたジルーは、ここぞとばかりに言い返してきた。
「ふっ……回避率なら、このジルーちゃんの方が上だよ」
『凄い! さすがお父さんにソッコーで摘まみ出された人は、言うことが違うね!』
「馬〇しにしてやろうか?」
まあ、こんな感じで賑やかな旅は続き、僕たちは久しぶりに冒険者街へと戻ってきた。
コボルド騒動で僕たちは、一歩間違えば再起不能になるほどの戦いをしてきたわけだが、冒険者の街は僕たちが居ようが居まいが、何事も無かったかのように動いているのだから、世間の広さというモノを感じてしまう。
間もなく、サファイアランスに戻ると、修練場ではTランラとムキムが仲間たちと汗を流していた。
「おお、フォセット隊のみんな、お帰り!」
「ん、そのウマは?」
早速彼らは、サニートリガー号に興味を示してきたので、僕はたてがみを撫でながら答えた。
「彼のことは、サニートリガー号と呼んで欲しい」
「ブルブルブルブル……」
挨拶や自己紹介をする気がなさそうなので、少しからかうことにした。
「名前の由来は、彼の好きなサニーレタスから取った。しなびてヘナヘナになったモノでも喜んで食べるよ♪」
『レタス美味しいよね。サニーレタスってモノはよくわからないけど♪』
Tランラたちは、僕のサニーレタス発言の時は笑っていたが、サニートリガー号が受け答えをすると凄く驚いていた。
「こ、このウマ……ユニコーンか!?」
「す、すげぇ……グループAのギルドでも、なかなか在籍してもらえないんだろ!?」
どうやらユニコーンは、僕が思っていた以上に希少な存在のようだ。
さすがに冒険者ギルドのトップテンチームなら、標準装備のように在籍させていると思っていたが、Tランラの話では、ユニコーンが在籍していれば超名門ギルドとさえ言われる状況らしい。
まあ、そういわれる理由は理解できる。一角獣はヒーラーであり、格闘家であり、レイピア使いであり、魔法使いであり、荷運びウマであり、更に軍師や参謀を務められる個体までいる。
ギルドメンバーは修業を中断すると、すぐにサニートリガー号に話しかけてきた。
「なあなあ、どんな血統を持ってるんだ?」
「物理格闘系か? それとも魔法戦闘系か?」
「兄弟とかいるの?」
『……そんなにいっぺんに話しかけられても答えられないよ』
「ほらほら、納屋に行くよ」
ジルーが誘導すると、この時ばかりはサニートリガー号も素直に言うことを聞いていた。さすがに見知らぬ人々に質問攻めにされることには慣れていないようだ。
その様子を見ていたTランラたちは、なぜか移動している僕に視線を向けてきた。
「やり手だよな……あいつを連れてきたのソラだろ?」
「ああ、だってあの一角獣、ソラに一番懐いてたじゃん」
「わかるわかる。だって、ソラの体から一番サニー号の匂いがするもん」
「ユニコーンに懐かれるなんて、凄いな……」
それはあくまで、僕がサニー号にいじられる位置を歩いているからである。
【サニートリガー ユニコーン年齢不明 牡】
固有特殊能力A:ジニアスユニコーン(レア度S:★★☆☆☆☆):ユニコーン化できる能力だが、仔細は不明
固有特殊能力B:マジックハンド(レア度A:★★☆☆☆):オーラの手で物を掴んだり持ち上げる
固有特殊能力C:不明
実戦経験 C ★★☆☆
作戦・判断 A ★★★★★☆☆
勇猛さ B ★★★☆☆
近接戦闘力 B ★★★☆☆
魔法戦闘力 B ★★★★☆☆
投射戦闘力 B ★☆☆☆☆
防御力 B ★★★☆☆
機動力 B ★★★★★★
索敵能力 B ★★★★☆☆
ラピッドトリガー号の息子。どうやら、ラピッドトリガー号が最も愛している牝一角獣との間に生まれた仔らしい。
父親とソラが対決しているのを見て、フォセット隊に興味を持ったのがきっかけとなって、メンバーの一員となった。
主に彼の中では、ソラ≧フォセット>ラックドナ>>マーチル≧ジルー……となっているようだ。
ちなみに嫌いなモノは、ニンジンとたばこの煙である。
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