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痛い薬とパドルと
「それで。お前はなんで今日、ここに呼び出されることになったんだ?」
社長室に呼び出されるたびにされる繰り返される質問。俊光様はデスクの後ろの背もたれの高い椅子に腰掛けて、片手でパドルを弄んでいた。今日初めて目にしたそのパドルは、今までのものより分厚くて、縦に長い。尻に当たったときの重さは、想像したくもない。
「わ、私が、メールの確認を怠ったことで、高橋様と…俊光様に、ご迷惑をおかけしたからです」
「社内で解決するミスならまだしも。取引先に失礼があったとなれば、それ相応の罰を与える必要がある」
「は、ぃ……」
手元のパドルばかりに目がいっていたが、尻叩きだけで済ませてもらえる気がしない。案の定、机の上に今度はまた小さめの黒い箱が置かれていることに気がついて、頭がくらくらする。
「ジャケットを脱いで、ズボンと下着を下ろせ」
威圧的に命じられて、両手が震える。やはり俊光様のお仕置きは、こわいだけだ。ズボンと下着から、足を抜く。俊光様は椅子から立ち上がって、デスクのこちら側まで回ってきて私に背を向けたまま黒い箱を開けたので、私の方から中身がうまく見えない。
俊光様が振り返り、右手でつまんだものを揺らしてみせる。部屋の照明が反射して、きらっきらっと光を放っているのは細長い金属の棒だった。未だにお仕置きの内容の検討がつかなくて、底なしの恐怖にとらわれている。
「重要な業務を怠るようなお前には、痛い薬が一番だよな」
俊光様はそう言って、ラベルのついていない銀色のチューブから、透明の軟膏を細長い棒の先端に塗りこんだ。
距離を詰められて、その棒が綿棒くらいの太さと認識したとき、私は反射的に内股に力がこもって、足を閉じてしまう。
「足は開いておけ。そのままの姿勢で、ペニスを持って、一ミリも動くな」
「い、い、い、いや…、…っ」
そんな格好をさせられて細い棒がどこに挿れられるか、想像するのは容易い。
「いやだ?私に逆らうとどうなるか、まだ分かっていないのか」
そんなの分かっている、それでも心も身体も言うことをきかない。私は涙を流しながら思わず、伸ばされた俊光様の手を振り払って、部屋の隅まで後ずさってしまう。
「ご、ごめんなさぃ……っ…ゆ、許して、くださ…っ…俊光さ、ま…っ……ううっ…っ…」
ふらふらと足は崩れて、床に突っ伏す。恐怖感に頭の中が支配されて、息が薄くなる。こみ上げる嗚咽で、酸素を吸いきれなくて息苦しい。
俊光様はしばらく黙っていたが、ため息をつき早足で私の元までやってくると、ぐっと腕を引き上げた。そのまま私の足の抵抗など虚しく、椅子のそばまで引っ張られていく。俊光様は椅子に浅く腰掛け私の手をひき、私は俊光様の膝の上でうつ伏せになった。
「と、しみつ…さま…っ…?」
「素直に罰を受けると言えるようになるまで、私の膝の上でお仕置きだ」
パチン、と尻の真ん中を叩かれる。痛み、はほぼない。ただこんな子どもみたいに膝の上に抱え上げられて、尻を叩かれているという状況に、涙が一気に引いて顔が熱くなる。
「ゃ…っ…です、こんな……っ」
俊光様は私のその羞恥心を煽るように、ゆっくりと軽い平手を落としていく。
「痛い薬は、嫌か?」
私はこくこくと頷く。あんな棒が、自分のモノに挿しこまれることを考えただけで、身体が震える。
「そうか…だが、嫌で無ければ罰にならないな?」
返す言葉もない。私がどんなに泣いて拒否しても、俊光様は許してはくれないのだ。パチン、パチンと左右の膨らみを交互に叩かれる。
「悪いことをしたのは誰だ?」
「わ、わたし…です…っ…いッ…」
「それならば、罰を受けて当然だな?」
「…っう…は、はぃ…っ」
私は軽い平手に促されるままに、なぜかそう答えてしまった。
私は足を肩幅に開き、両手でペニスを掴んで、俊光様の目の前に立った。俊光様はもう一度チューブから、軟膏を銀色の棒の先端につけた。
「絶対に、動くな」
俊光様は私にそう強く命じてそれから、銀色の棒を私のモノに近づけた。私は見ていることなどできなくて、ぎゅっと目をつむる。
銀色の棒が触れ、最初に感じたのは、ただ金属の冷たさ。それから、無数の針で刺したような痛みが襲う。
「ひ……ぃいい、い…ィィっ…っ」
掴んだ両手が震え、俊光様の手が私の右手首を強く握り抑える。そして棒の先端が挿しこまれた瞬間、あまりの痛みに声を失う。
「…っ……っっっ」
挿しこまれたのはほんの数ミリ、数秒だったのかもしれない。それでも強すぎる痛みが内部に染み込んでいって、私はそのまま前に倒れこんだ。
「うぅ……ぁあ………っ」
目を開くと、俊光様の肩に寄りかかっていた。俊光様は私の脇を掴んで持ち上げ、また立たせる。
「うぅっ…ご、ごめんなさぃっ……」
「次は尻叩きだ」
まだ終わりではないのか。背中を丸めて縮こまった私は、俊光様にそのまま両手で足首を掴むように指示された。
「手を離さず、十回、自分で数えろ」
そうして立ったまま尻を突きだすような格好で、さきほどのパドルでの尻叩き
が始まった。
「ひぃっ…い、いかっかい…っうぅうううっ…にかぁいっっ」
ゆっくりと打撃を染み渡らせるようにパドルが振り下ろされていく。身体をかがめるような体勢の所為で、尻の肌が突っ張って痛みが増幅されている。
「ひぃいいいっ…っ……!!!」
8回目でバチィィイインッ、と太ももと尻の境の特別脂肪の薄いところを打たれ、目がチカチカとする。流れおちそうになる唾液を飲みこみながら、なんとか息を整える。
「は、は…はち…」
「遅い。もう一回だ」
先ほどと全く同じ場所に、パドルが弾ける。踵が浮いて前に倒れそうになって、思わず手首から手を離して、床についてしまう。慌てて戻すが見逃してもらえるはずもなく、ぐっと腰を掴まれ俊光様の脇に抱えられる。
「手を離すなと言っただろ」
ペシィインッ!!バチィイインッ!!べシィイイッ!!パァアアンッ!!
「あぁあああっごめ、ごめんなさぃっア!!!ごめんなさいっぃぃっ!!!」
勢いよく連打されて汗が噴き出す。
「もう一度、8回からだ」
私はぐったりとした身体で、自分の足首を痛いくらいに握って耐える。
バチィイイイインッ!!!…バシイイインンッ!!
「ぁぁぁはちかいっ…はちかいぃっ…ううぅぅっきゅ、きゅうかいっ」
すぅっと、尻の全体をパドルで撫でられ、離れた瞬間にバチヂィイインっと尻の真ん中にパドルはおちる。
「あぁああんっ…じゅ、じゅっかい…っ」
「まっすぐ立て」
身体をよじったせいで首元まで捲り落ちていたワイシャツを引っ張りながら、上半身をあげる。
「もう十分に反省したな?」
「はい…っ」
「それならば今日の仕置きは終わりだ」
薬の塗られたペニスはまだじくじくと痛むし、尻は赤黒く腫れているだろう。それでも俊光様の威圧的な雰囲気が少し緩んだことで、私はほっと息をつく。
俊光様は机の上から水のペットボトルを持ってきたので、私は一瞬自然にねだるように口を開いてしまい、慌てて閉じる。俊光様は私にペットボトル手渡ししかけたが、私が何を期待したのかに気がついたらしく手を引いて笑みを浮かべる。
「どうした。また私に飲ませてもらいたいのか?」
私は頬を染めながら、うつむく。そんなこと言葉にできるわけがない。
「言わなければわからないぞ」
俊光様は私の顎を引き上げて、瞳を覗き込んでくる。私は俊光様の黒い瞳に吸い込まれるような感覚を覚えた。
「………私に、飲ませて、くださいっ」
私は俊光様の瞳に魅せられたまま、うわ言のようにそう口にした。俊光様は頷いて、ペットボトルのキャップを外す。そうして緩めた私の口にペットボトルをあてがった。
喉が満たされていく。俊光様は左手で、私の口からこぼれて首筋に流れていった水を拭ったあと、そのまま音をたてて飲み込む私の喉を見つめていた。そして半分ほど飲みきったとペットボトルは口から離なされ、私はお礼を言おうとした。
「俊光様、あ…」
両頬を掴まれ引き寄せられて、中途半端に開いた口を唇でふさがれる。まだ中身の入ったペットボトルが床に落ち、足元で水の飛び散る音がする。
「ん…っ………っ」
何度も、何度も押しつけ引き離され、押しこまれた俊光様の熱い舌が私の舌を絡めとる。頬を掴んでいた手の片方が下へとすべり、首筋を撫で、肩から背中を掴んで引き寄せる。シャツと背中の傷が擦れて、私が思わず顔をしかめると、やっと唇を離された。
「この週末、なにをしていた?」
「え、…い、家に、いまし…」
「それならば、背中の傷はどうした?こんなところ、自分で傷つけられるはずがないだろう」
俊光様は私の背中にまわした右手をワイシャツの下に突っ込んで、傷跡に指を這わせていく。痛みに身体の芯まで震えがはしった。私のモノが反りたち、俊光様の腿にあたる。
「はぁっ…んっっ……」
「それから首筋の、この噛み跡はなんだ?」
舌先で首筋を舐めあげられ、奇声が喉を打ち破ろうとする。俊光様の舌が顎を這い上がって唇をかすめ、耳に触れる。
「私以外の鞭の跡をつけてくるとは、躾が足りないようだな。私がいいというまで、射精することは許さないからな」
俊光様はそう言って膨らんだ私のモノをするりと撫で、力の抜けた私を追いたててデスクに仰向けに押し倒した。そのまま今度は優しく唇に、頬に、首にキスを落とされる。
「はぁっ……あぁっ……ぁっ」
我慢などできるわけがない。背中の傷を触られたときから、舌先に身体を舐められているときから、もうイきたくて仕方なかったのだ。
俊光様は唇をおとしながら、私のネクタイを解きワイシャツのボタンを外していく。俊光様の人差し指と中指が首から胸に降りて、指の間で露わになった乳首をつまんだ。
「あぁっ………」
私は左手で俊光様のスーツの襟を掴み、右手でペニスの根元を握った。なんとかその握った力で、今にも飛び散ってしまいそうなモノを抑えこむ。
俊光様は掴んだ私の乳首と指の腹を擦り合わせるように動かした。ときおり、きゅっと痛いほどに摘まれて、その度に腰がびくん、と跳ね上がる。
「あぁあっ……はぁあっぁっ……」
乳首を弄られたまま、今度は俊光様の唇が下におりてきて乳首をかすめ、腹を通る。屈んだ俊光様が、そのまま下ろしていった唇で、私の透明な蜜をあふれさせたモノの根元に軽くキスをした瞬間、私は我慢できずに頂点に達してしまった。
「ああぁあんっ………………ぁっ…ぁぁ…っ……」
肩で大きく息をしながら顔を落とすと、私の前に屈んだ俊光様の左頬に、白濁した私の精液が飛び散っていた。
「ご、ごめ、んな、さぃっ…っ」
「まだ許可していないのに、随分と我慢のきかないやつだな」
俊光様は手の甲で頬を拭い、昼間いつも私を叱るときの目で私を見上げる。反射的に身を竦み、涙がこみ上げてくる。俊光様は自分のネクタイをするりと解きながら立ち上がり、私のその涙で濡れ始めた両目をネクタイでふさいでしまう。肩を強く掴まれ、今度はうつ伏せにデスクに押し付けられる。そしてそのままパシィン、と尻をひとつ打たれた。
「あぁうっ……」
ペチン、ペチン、と撫でるように尻に平手があてられ、今は触れられるだけでも痛い肌のはずなのに、視界を奪われ、触られていることばかり意識して、デスクに押し付けられたモノに熱が集中していく。
「今度こそ勝手にイかないよう、ここは、縛っておくことにしよう」
俊光様が私の首にかかっていたネクタイを引き抜く音がして、私はくたくたに緩んだ身体を無理矢理立たされた。そして膨らみ始めていた私のペニスに柔らかい布が巻きつけられていく。きゅっと締め付けられてから、俊光様はまた私の上半身をデスクに押し付けた。
俊光様がゆっくりと私の背中から尻を撫でる。尻の割れ目のてっぺんを指で擦られ、尻の奥に力がこもる。
「この奥を…弄って欲しいのか?」
すぅっと割れ目に指を入り込ませながら、耳元で囁かれる。指先が、つうっと蕾に到達して、きゅぅっと引き攣る。私は一生懸命頷いたが、指はすぐに離れまた、パチンっと膨らみを軽く叩かれた。
「あぁんっ…」
「まずは自分の両手で開いてみせろ」
私は欲望のまま両手を後ろに回し、膨らみを掴んで割れ目を広げる。蕾が引っ張られて、空気に触れているのを感じる。
「手を離すなよ」
俊光様が私の後ろから離れていく気配がする。私は蕾を晒したままの状態で放置された。ネクタイで縛られたモノが窮屈になっていく。
「口を開けろ」
戻ってきた俊光様が私の顎を引き上げ命じる。開いた口の中に、細い棒状のものが差し込まれる。
「舐めろ」
舌で舐めるとクリップの凹凸を感じて、ペン先を差し込まれていると理解する。俊光様はペンを引き抜いては次々に別のペンを私の口に含ませた。口からこぼれ落ちた唾液をいきなり舌で拭いとられ、身体の力がぬけて尻を掴んでいた手が緩む。
「ちゃんと蕾を開いていろ」
きゅっと尻の下のほうの肌を抓られて、踵が飛び上がる。私は手に力をこめてもう一度、割れ目を開く。つ、っと先ほど舐めさせられたペンが蕾にあてがわれる。
「…っ………」
ペン先が小さく円を描き、そして、蕾の中へと挿しこまれる。
「ぁあ…んっ……」
きゅっとペンを締め付けるように縮んだ蕾の入り口を、また押し開けるように別のペン先が挿しこまれる。2本目を受け入れる暇なく、今度はまとまった数本のペンが押し込まれた。
「手を離して、背中の後ろで組め」
半分、力の抜けていた手を尻から離して組む。掴んだ両手の感覚はもうない。ただ、蕾に挿しこまれたペンの感覚だけが私の脳を支配する。
一本のペンだけがより奥へと挿しこまれ、深く突かれる。かと思えば、全てのペンでぐるりとかき回される。クリップの凹凸が、内部を刺激していく。ネクタイで縛られている私のモノは、痛みを感じるほどキツくなっていった。
「く…くるし…っぃ…っ」
「苦しいか?…それならば、私の質問に間違わずに答えられたら、その苦しそうな根元のネクタイを解いてやろう」
複数のペンを動かし蕾の入り口を押し広げながら、俊光様がつづける。
「簡単な質問だ。今、お前は、何本のペンを尻に咥えこんでいる?」
複数のペンの存在は感じても、具体的な本数なんて普通分かるはずもないことを知っていて聞いているのだ。それでも私は快楽に覆われた頭で、なんとか答えを決める。
「ご、五本…っ…です」
両目を覆っていたネクタイがするりと外されたあと、ずッ、と尻からペンを引き抜かれる。
「残念、不正解だ」
目の前に差し出されたペンは4本だった。私はがくがくと膝をおる。もうイキたくて仕方がない。無意識のうちに下半身に回そうとした両手はすぐに掴まれ、そのまま目隠しをしていた俊光様のネクタイで縛られてしまう。
「と、…としみつ…さまぁ…っ」
私は身体を攀じって、懇願する。俊光様は少し考えこむようにしてそれから「仕方がない」と、独り言のようにつぶやいた。
「一度言ったことを覆すのは好きではないが。不正解の罰をちゃんと受けたら、解いている」
デスクに手を伸ばした俊光様が、手にとったのは紙の書類の上が風に飛ばないようにと乗せられていた半円形の透明な置き物だった。
「前を向いていろ」
そう言って尻を掴まれ、蕾に冷たい物が当てられる。
「そ、そんな大きいの……っ」
入らない、なんて言う暇もなく、ガラスの置き物は私の蕾の入り口を押し開けて、勢いよく押し込まれた。
「うっ……っ…」
ずしりとした重さに、強い圧迫感に襲われて、私は前も後ろも苦しくなった。置き物は奥までどんどん押し込まれていく。
「あ…ぁ…っ……あぁんっ……」
「よし、いいだろう」
パシン、と尻を叩かれて、俊光様が私から二三歩うしろに下がる。
「そのまま自分で力んで、尻に入れられたものを出してみろ」
「そ、そんな…っ…」
涙が溢れ出てくる。そんな恥ずかしいこと、耐えられない。
「私は別に、永遠にそのままお前を放置しても構わないんだぞ」
「うぅっ……っ……」
ペニスはもう限界だった。私はつま先を踏みしめ、お腹に力を込める。蕾を一度奥まで引き締めて、それから降りてきた冷たい物を引き寄せるようにして押し出していく。
「うぅ…っ…い、い…っぃ…っ」
勢いよく押し込まれた置き物は大きく、蕾の入り口を痛みを感じるほどにじりじりと押し広げ、そして最後は、ごつん、と足元へ落ちた。
「いい子だ」
うしろから頭を撫でられたかと思うと、チャックを外す音がして、それからさっきの置き物とは違う熱いモノが、喪失感に襲われていた蕾に押し当てられる。そしてそのまま、ぐ、っと突き上げられる。
「あぁああっ…ぁあああっあぁっ」
声が喉をきり抜いて、口からこぼれ落ちていく。するっとペニスのネクタイが解かれる。
「あぁあぁああっ」
熱い、苦しい、気持ちがいい…!深く、深く、突かれて、視界が真っ白に染まった。
社長室に呼び出されるたびにされる繰り返される質問。俊光様はデスクの後ろの背もたれの高い椅子に腰掛けて、片手でパドルを弄んでいた。今日初めて目にしたそのパドルは、今までのものより分厚くて、縦に長い。尻に当たったときの重さは、想像したくもない。
「わ、私が、メールの確認を怠ったことで、高橋様と…俊光様に、ご迷惑をおかけしたからです」
「社内で解決するミスならまだしも。取引先に失礼があったとなれば、それ相応の罰を与える必要がある」
「は、ぃ……」
手元のパドルばかりに目がいっていたが、尻叩きだけで済ませてもらえる気がしない。案の定、机の上に今度はまた小さめの黒い箱が置かれていることに気がついて、頭がくらくらする。
「ジャケットを脱いで、ズボンと下着を下ろせ」
威圧的に命じられて、両手が震える。やはり俊光様のお仕置きは、こわいだけだ。ズボンと下着から、足を抜く。俊光様は椅子から立ち上がって、デスクのこちら側まで回ってきて私に背を向けたまま黒い箱を開けたので、私の方から中身がうまく見えない。
俊光様が振り返り、右手でつまんだものを揺らしてみせる。部屋の照明が反射して、きらっきらっと光を放っているのは細長い金属の棒だった。未だにお仕置きの内容の検討がつかなくて、底なしの恐怖にとらわれている。
「重要な業務を怠るようなお前には、痛い薬が一番だよな」
俊光様はそう言って、ラベルのついていない銀色のチューブから、透明の軟膏を細長い棒の先端に塗りこんだ。
距離を詰められて、その棒が綿棒くらいの太さと認識したとき、私は反射的に内股に力がこもって、足を閉じてしまう。
「足は開いておけ。そのままの姿勢で、ペニスを持って、一ミリも動くな」
「い、い、い、いや…、…っ」
そんな格好をさせられて細い棒がどこに挿れられるか、想像するのは容易い。
「いやだ?私に逆らうとどうなるか、まだ分かっていないのか」
そんなの分かっている、それでも心も身体も言うことをきかない。私は涙を流しながら思わず、伸ばされた俊光様の手を振り払って、部屋の隅まで後ずさってしまう。
「ご、ごめんなさぃ……っ…ゆ、許して、くださ…っ…俊光さ、ま…っ……ううっ…っ…」
ふらふらと足は崩れて、床に突っ伏す。恐怖感に頭の中が支配されて、息が薄くなる。こみ上げる嗚咽で、酸素を吸いきれなくて息苦しい。
俊光様はしばらく黙っていたが、ため息をつき早足で私の元までやってくると、ぐっと腕を引き上げた。そのまま私の足の抵抗など虚しく、椅子のそばまで引っ張られていく。俊光様は椅子に浅く腰掛け私の手をひき、私は俊光様の膝の上でうつ伏せになった。
「と、しみつ…さま…っ…?」
「素直に罰を受けると言えるようになるまで、私の膝の上でお仕置きだ」
パチン、と尻の真ん中を叩かれる。痛み、はほぼない。ただこんな子どもみたいに膝の上に抱え上げられて、尻を叩かれているという状況に、涙が一気に引いて顔が熱くなる。
「ゃ…っ…です、こんな……っ」
俊光様は私のその羞恥心を煽るように、ゆっくりと軽い平手を落としていく。
「痛い薬は、嫌か?」
私はこくこくと頷く。あんな棒が、自分のモノに挿しこまれることを考えただけで、身体が震える。
「そうか…だが、嫌で無ければ罰にならないな?」
返す言葉もない。私がどんなに泣いて拒否しても、俊光様は許してはくれないのだ。パチン、パチンと左右の膨らみを交互に叩かれる。
「悪いことをしたのは誰だ?」
「わ、わたし…です…っ…いッ…」
「それならば、罰を受けて当然だな?」
「…っう…は、はぃ…っ」
私は軽い平手に促されるままに、なぜかそう答えてしまった。
私は足を肩幅に開き、両手でペニスを掴んで、俊光様の目の前に立った。俊光様はもう一度チューブから、軟膏を銀色の棒の先端につけた。
「絶対に、動くな」
俊光様は私にそう強く命じてそれから、銀色の棒を私のモノに近づけた。私は見ていることなどできなくて、ぎゅっと目をつむる。
銀色の棒が触れ、最初に感じたのは、ただ金属の冷たさ。それから、無数の針で刺したような痛みが襲う。
「ひ……ぃいい、い…ィィっ…っ」
掴んだ両手が震え、俊光様の手が私の右手首を強く握り抑える。そして棒の先端が挿しこまれた瞬間、あまりの痛みに声を失う。
「…っ……っっっ」
挿しこまれたのはほんの数ミリ、数秒だったのかもしれない。それでも強すぎる痛みが内部に染み込んでいって、私はそのまま前に倒れこんだ。
「うぅ……ぁあ………っ」
目を開くと、俊光様の肩に寄りかかっていた。俊光様は私の脇を掴んで持ち上げ、また立たせる。
「うぅっ…ご、ごめんなさぃっ……」
「次は尻叩きだ」
まだ終わりではないのか。背中を丸めて縮こまった私は、俊光様にそのまま両手で足首を掴むように指示された。
「手を離さず、十回、自分で数えろ」
そうして立ったまま尻を突きだすような格好で、さきほどのパドルでの尻叩き
が始まった。
「ひぃっ…い、いかっかい…っうぅうううっ…にかぁいっっ」
ゆっくりと打撃を染み渡らせるようにパドルが振り下ろされていく。身体をかがめるような体勢の所為で、尻の肌が突っ張って痛みが増幅されている。
「ひぃいいいっ…っ……!!!」
8回目でバチィィイインッ、と太ももと尻の境の特別脂肪の薄いところを打たれ、目がチカチカとする。流れおちそうになる唾液を飲みこみながら、なんとか息を整える。
「は、は…はち…」
「遅い。もう一回だ」
先ほどと全く同じ場所に、パドルが弾ける。踵が浮いて前に倒れそうになって、思わず手首から手を離して、床についてしまう。慌てて戻すが見逃してもらえるはずもなく、ぐっと腰を掴まれ俊光様の脇に抱えられる。
「手を離すなと言っただろ」
ペシィインッ!!バチィイインッ!!べシィイイッ!!パァアアンッ!!
「あぁあああっごめ、ごめんなさぃっア!!!ごめんなさいっぃぃっ!!!」
勢いよく連打されて汗が噴き出す。
「もう一度、8回からだ」
私はぐったりとした身体で、自分の足首を痛いくらいに握って耐える。
バチィイイイインッ!!!…バシイイインンッ!!
「ぁぁぁはちかいっ…はちかいぃっ…ううぅぅっきゅ、きゅうかいっ」
すぅっと、尻の全体をパドルで撫でられ、離れた瞬間にバチヂィイインっと尻の真ん中にパドルはおちる。
「あぁああんっ…じゅ、じゅっかい…っ」
「まっすぐ立て」
身体をよじったせいで首元まで捲り落ちていたワイシャツを引っ張りながら、上半身をあげる。
「もう十分に反省したな?」
「はい…っ」
「それならば今日の仕置きは終わりだ」
薬の塗られたペニスはまだじくじくと痛むし、尻は赤黒く腫れているだろう。それでも俊光様の威圧的な雰囲気が少し緩んだことで、私はほっと息をつく。
俊光様は机の上から水のペットボトルを持ってきたので、私は一瞬自然にねだるように口を開いてしまい、慌てて閉じる。俊光様は私にペットボトル手渡ししかけたが、私が何を期待したのかに気がついたらしく手を引いて笑みを浮かべる。
「どうした。また私に飲ませてもらいたいのか?」
私は頬を染めながら、うつむく。そんなこと言葉にできるわけがない。
「言わなければわからないぞ」
俊光様は私の顎を引き上げて、瞳を覗き込んでくる。私は俊光様の黒い瞳に吸い込まれるような感覚を覚えた。
「………私に、飲ませて、くださいっ」
私は俊光様の瞳に魅せられたまま、うわ言のようにそう口にした。俊光様は頷いて、ペットボトルのキャップを外す。そうして緩めた私の口にペットボトルをあてがった。
喉が満たされていく。俊光様は左手で、私の口からこぼれて首筋に流れていった水を拭ったあと、そのまま音をたてて飲み込む私の喉を見つめていた。そして半分ほど飲みきったとペットボトルは口から離なされ、私はお礼を言おうとした。
「俊光様、あ…」
両頬を掴まれ引き寄せられて、中途半端に開いた口を唇でふさがれる。まだ中身の入ったペットボトルが床に落ち、足元で水の飛び散る音がする。
「ん…っ………っ」
何度も、何度も押しつけ引き離され、押しこまれた俊光様の熱い舌が私の舌を絡めとる。頬を掴んでいた手の片方が下へとすべり、首筋を撫で、肩から背中を掴んで引き寄せる。シャツと背中の傷が擦れて、私が思わず顔をしかめると、やっと唇を離された。
「この週末、なにをしていた?」
「え、…い、家に、いまし…」
「それならば、背中の傷はどうした?こんなところ、自分で傷つけられるはずがないだろう」
俊光様は私の背中にまわした右手をワイシャツの下に突っ込んで、傷跡に指を這わせていく。痛みに身体の芯まで震えがはしった。私のモノが反りたち、俊光様の腿にあたる。
「はぁっ…んっっ……」
「それから首筋の、この噛み跡はなんだ?」
舌先で首筋を舐めあげられ、奇声が喉を打ち破ろうとする。俊光様の舌が顎を這い上がって唇をかすめ、耳に触れる。
「私以外の鞭の跡をつけてくるとは、躾が足りないようだな。私がいいというまで、射精することは許さないからな」
俊光様はそう言って膨らんだ私のモノをするりと撫で、力の抜けた私を追いたててデスクに仰向けに押し倒した。そのまま今度は優しく唇に、頬に、首にキスを落とされる。
「はぁっ……あぁっ……ぁっ」
我慢などできるわけがない。背中の傷を触られたときから、舌先に身体を舐められているときから、もうイきたくて仕方なかったのだ。
俊光様は唇をおとしながら、私のネクタイを解きワイシャツのボタンを外していく。俊光様の人差し指と中指が首から胸に降りて、指の間で露わになった乳首をつまんだ。
「あぁっ………」
私は左手で俊光様のスーツの襟を掴み、右手でペニスの根元を握った。なんとかその握った力で、今にも飛び散ってしまいそうなモノを抑えこむ。
俊光様は掴んだ私の乳首と指の腹を擦り合わせるように動かした。ときおり、きゅっと痛いほどに摘まれて、その度に腰がびくん、と跳ね上がる。
「あぁあっ……はぁあっぁっ……」
乳首を弄られたまま、今度は俊光様の唇が下におりてきて乳首をかすめ、腹を通る。屈んだ俊光様が、そのまま下ろしていった唇で、私の透明な蜜をあふれさせたモノの根元に軽くキスをした瞬間、私は我慢できずに頂点に達してしまった。
「ああぁあんっ………………ぁっ…ぁぁ…っ……」
肩で大きく息をしながら顔を落とすと、私の前に屈んだ俊光様の左頬に、白濁した私の精液が飛び散っていた。
「ご、ごめ、んな、さぃっ…っ」
「まだ許可していないのに、随分と我慢のきかないやつだな」
俊光様は手の甲で頬を拭い、昼間いつも私を叱るときの目で私を見上げる。反射的に身を竦み、涙がこみ上げてくる。俊光様は自分のネクタイをするりと解きながら立ち上がり、私のその涙で濡れ始めた両目をネクタイでふさいでしまう。肩を強く掴まれ、今度はうつ伏せにデスクに押し付けられる。そしてそのままパシィン、と尻をひとつ打たれた。
「あぁうっ……」
ペチン、ペチン、と撫でるように尻に平手があてられ、今は触れられるだけでも痛い肌のはずなのに、視界を奪われ、触られていることばかり意識して、デスクに押し付けられたモノに熱が集中していく。
「今度こそ勝手にイかないよう、ここは、縛っておくことにしよう」
俊光様が私の首にかかっていたネクタイを引き抜く音がして、私はくたくたに緩んだ身体を無理矢理立たされた。そして膨らみ始めていた私のペニスに柔らかい布が巻きつけられていく。きゅっと締め付けられてから、俊光様はまた私の上半身をデスクに押し付けた。
俊光様がゆっくりと私の背中から尻を撫でる。尻の割れ目のてっぺんを指で擦られ、尻の奥に力がこもる。
「この奥を…弄って欲しいのか?」
すぅっと割れ目に指を入り込ませながら、耳元で囁かれる。指先が、つうっと蕾に到達して、きゅぅっと引き攣る。私は一生懸命頷いたが、指はすぐに離れまた、パチンっと膨らみを軽く叩かれた。
「あぁんっ…」
「まずは自分の両手で開いてみせろ」
私は欲望のまま両手を後ろに回し、膨らみを掴んで割れ目を広げる。蕾が引っ張られて、空気に触れているのを感じる。
「手を離すなよ」
俊光様が私の後ろから離れていく気配がする。私は蕾を晒したままの状態で放置された。ネクタイで縛られたモノが窮屈になっていく。
「口を開けろ」
戻ってきた俊光様が私の顎を引き上げ命じる。開いた口の中に、細い棒状のものが差し込まれる。
「舐めろ」
舌で舐めるとクリップの凹凸を感じて、ペン先を差し込まれていると理解する。俊光様はペンを引き抜いては次々に別のペンを私の口に含ませた。口からこぼれ落ちた唾液をいきなり舌で拭いとられ、身体の力がぬけて尻を掴んでいた手が緩む。
「ちゃんと蕾を開いていろ」
きゅっと尻の下のほうの肌を抓られて、踵が飛び上がる。私は手に力をこめてもう一度、割れ目を開く。つ、っと先ほど舐めさせられたペンが蕾にあてがわれる。
「…っ………」
ペン先が小さく円を描き、そして、蕾の中へと挿しこまれる。
「ぁあ…んっ……」
きゅっとペンを締め付けるように縮んだ蕾の入り口を、また押し開けるように別のペン先が挿しこまれる。2本目を受け入れる暇なく、今度はまとまった数本のペンが押し込まれた。
「手を離して、背中の後ろで組め」
半分、力の抜けていた手を尻から離して組む。掴んだ両手の感覚はもうない。ただ、蕾に挿しこまれたペンの感覚だけが私の脳を支配する。
一本のペンだけがより奥へと挿しこまれ、深く突かれる。かと思えば、全てのペンでぐるりとかき回される。クリップの凹凸が、内部を刺激していく。ネクタイで縛られている私のモノは、痛みを感じるほどキツくなっていった。
「く…くるし…っぃ…っ」
「苦しいか?…それならば、私の質問に間違わずに答えられたら、その苦しそうな根元のネクタイを解いてやろう」
複数のペンを動かし蕾の入り口を押し広げながら、俊光様がつづける。
「簡単な質問だ。今、お前は、何本のペンを尻に咥えこんでいる?」
複数のペンの存在は感じても、具体的な本数なんて普通分かるはずもないことを知っていて聞いているのだ。それでも私は快楽に覆われた頭で、なんとか答えを決める。
「ご、五本…っ…です」
両目を覆っていたネクタイがするりと外されたあと、ずッ、と尻からペンを引き抜かれる。
「残念、不正解だ」
目の前に差し出されたペンは4本だった。私はがくがくと膝をおる。もうイキたくて仕方がない。無意識のうちに下半身に回そうとした両手はすぐに掴まれ、そのまま目隠しをしていた俊光様のネクタイで縛られてしまう。
「と、…としみつ…さまぁ…っ」
私は身体を攀じって、懇願する。俊光様は少し考えこむようにしてそれから「仕方がない」と、独り言のようにつぶやいた。
「一度言ったことを覆すのは好きではないが。不正解の罰をちゃんと受けたら、解いている」
デスクに手を伸ばした俊光様が、手にとったのは紙の書類の上が風に飛ばないようにと乗せられていた半円形の透明な置き物だった。
「前を向いていろ」
そう言って尻を掴まれ、蕾に冷たい物が当てられる。
「そ、そんな大きいの……っ」
入らない、なんて言う暇もなく、ガラスの置き物は私の蕾の入り口を押し開けて、勢いよく押し込まれた。
「うっ……っ…」
ずしりとした重さに、強い圧迫感に襲われて、私は前も後ろも苦しくなった。置き物は奥までどんどん押し込まれていく。
「あ…ぁ…っ……あぁんっ……」
「よし、いいだろう」
パシン、と尻を叩かれて、俊光様が私から二三歩うしろに下がる。
「そのまま自分で力んで、尻に入れられたものを出してみろ」
「そ、そんな…っ…」
涙が溢れ出てくる。そんな恥ずかしいこと、耐えられない。
「私は別に、永遠にそのままお前を放置しても構わないんだぞ」
「うぅっ……っ……」
ペニスはもう限界だった。私はつま先を踏みしめ、お腹に力を込める。蕾を一度奥まで引き締めて、それから降りてきた冷たい物を引き寄せるようにして押し出していく。
「うぅ…っ…い、い…っぃ…っ」
勢いよく押し込まれた置き物は大きく、蕾の入り口を痛みを感じるほどにじりじりと押し広げ、そして最後は、ごつん、と足元へ落ちた。
「いい子だ」
うしろから頭を撫でられたかと思うと、チャックを外す音がして、それからさっきの置き物とは違う熱いモノが、喪失感に襲われていた蕾に押し当てられる。そしてそのまま、ぐ、っと突き上げられる。
「あぁああっ…ぁあああっあぁっ」
声が喉をきり抜いて、口からこぼれ落ちていく。するっとペニスのネクタイが解かれる。
「あぁあぁああっ」
熱い、苦しい、気持ちがいい…!深く、深く、突かれて、視界が真っ白に染まった。
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