また逢うことができたなら

第一章: 再会

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この世界は想像を絶するほど殺伐とした世界だった。
もう嗚咽しか零れない。自分で言うのもなんだが俺は頑張った方だと思う。
もちろん頑張ったとはいえ、成し遂げることはできなかった。もう一から始める力なんて俺には残されていない。
いや、最初からそんな「力」なんて俺にはなかったのかもしれない。

俺は全てを失った。

でも、、、それでも、、、俺の全てを懸けて最後にもう一度だけ、、、、、、、

気が付くと俺は旧友に会っていた。そいつは昔から変人として周りから距離を置かれていた存在だった。
もちろん変人なことに変わりはないが俺の唯一の友達だった。

「よぉ 西原恭弥（さいばら きょうや) 」

西原は睨みつけるようにこちらを見ていた。

俺は単刀直入に「俺を過去に送ってくれ」と頼んだ。
そう、この西原恭弥という男は世界で初めてタイムトラベルなるものを実現したが、過去改変には危険性があるとして政府に圧力をかけられ、失踪したことになっていた。

「無理だ」　すぐに短い返事が返ってきた。

だがここで負ける訳にはいかない。俺は何度も頭を下げて頼み込んだ。
すると西原は言った。「お前が生きてここに戻ってこれる確率は０パーセントだ。過去に戻っている途中に何らかのトラブルで装置が停止したらお前は死ぬ。大きすぎる過去改変は世界の破滅、自己の破壊にもつながる。そして何よりこの時代に戻ってくる方法が存在しない。」

「それがどうした、俺を過去に送ってくれ」俺は即答していた。

西原は呆れたのだろう首をしぶしぶ縦に振った。

これで準備は整ったもう一度俺の全てを懸けて【彼女】を救ってみよう。