また逢うことができたなら

第二章: 家族

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それから一週間後のことだ。
今の俺は17歳、毎日のように街をふらつくわけにはいかないので、なんとかして高校に通うことにした。

未来の世界ではありえない「学校」だ。
学校というものはこんなにも楽しく、平和な場所であったことを思い出し涙が零れた。

人生初の高校に慣れてきた頃、授業で行った剣道で相手に怪我を負わせてしまったため、この地域では比較的大きい病院に付き添いで来ていた。
俺は手加減したつもりだったが、そんな打突でも相手には大きなダメージを与えてしまったらしい。
今になって考えてみるとスラム出身者の攻撃力が普通なわけなかったのだ。

そんなことはさておき、病院の待合室で怪我をさせてしまったクラスメイトを待っているとそこには、、、
なぜか映華がいた。
もちろんもう学校は終わっている時間なので何も不思議なことはないのだが、不意を突かれたような気がして驚いてしまった。

「また会いましたね」　俺は映華に話しかけていた。

最初こそ俺のことを警戒していた映華だが、徐々に打ち解けることができた。
そこで俺はなぜ映華が病院にいるのか聞いてみることにした。

「実は今年で7歳になる弟の映季（えいき）が入院しているんです。」

聞くと、弟の紫条映季という子は生まれつき体が弱く、よく入退院を繰り返しているらしい。

「映季が元気になってくれたら久しぶりに2人で公園でも行きたいんだけどね、、、あの子体が弱いから、、、」

「映季は必ず強くて元気な子になります。だから映華さんは心配しないで大丈夫ですよ。」
なぜだかわからないが俺は反射的にそんなことを言っていた。

そうこうしているうちに時刻は午後6時を過ぎ、怪我をさせてしまったクラスメイトとも再び合流することができたため、映華とは別れ帰宅することにした。