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鬼に金棒
そのに
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島に上陸した一行は雉明の案内で館の裏までたどり着いた。道中すれ違うものはいなかった。
「こちらは普段から人がいないのですが、今日はやけに少ないですね」
「まぁ見つからなくてよかったんじゃない?」
「なんかあったのか?」
三人が顔を突き合わせて話している横で桃太郎はあたりを見回していた。この島のどこかに自分の運命の番がいる。そう思うと気が逸るのを抑えられなかった。静まり返った館にそっと入り込むと男の大きな声が聞こえてきた。
「あぁそろそろハーレムメンバー変えてぇなぁ……獣耳っ娘とか、ヤンキーギャルとか……。そういや色白美人さん最近見掛けねぇな。人数多すぎてルーティンが回んねぇだけか? さっすが神様からもらったチート、マジ俺Tueee、はっはっはっはっは」
低い声で男が笑うと、雉明の足が止まった。柱の角から覗き込むと、男は館の縁側に腰を下ろしていた。大柄な体躯に袴だけを履いて、上半身は見事な筋肉をさらけ出していた。
「あれが鬼?」
「そ、そうです……。しかし、前はもっと恐ろしいほどの強烈なフェロモンだったのですが」
「確かに、強いけど……言うほどでもないよね」
「あれが、鬼ヶ島さん? オレもっとスゴイの想像してたんだけど」
鬼に対しての感想が口を付いて出た。桃太郎にはわからないが鬼のフェロモンは弱まったのだろうか? 一度味わったはずの雉明はもちろんのこと、犬斗も猿弥もそのフェロモンにあてられることなく正常を保っていた。三人は心中こう思っていた。これなら桃太郎のフェロモンのほうが強いと。
この中で一番平静でいられないのは桃太郎かもしれない。
「見つけた……」
桃太郎はそれはそれは見事に笑った。間近で見てしまったせいで三人は腰が砕け、床に倒れ込んでしまい、どさりと音を立てた。
「誰かいるのか?」
桃太郎は角を曲がり姿を表すと鬼はにやりと笑った。
「なんだ、俺に抱かれに来た新入りか。……イケメンも悪くないな」
鬼の言う言葉は時折桃太郎には理解出来なかった。しかもオメガと勘違いされているようだ。運命の番であるオメガを探しにここまで来たのに、相手はアルファ。それも桃太郎に匹敵するくらいには強いフェロモンの持ち主だ。
けど、桃太郎の本能は彼を運命の番だと感じていた。間違いない。養父母の言った通り、出逢った瞬間、分かるのである。そして丈士はこうも言った。
『絶対に逃がすな』
「こちらは普段から人がいないのですが、今日はやけに少ないですね」
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「あぁそろそろハーレムメンバー変えてぇなぁ……獣耳っ娘とか、ヤンキーギャルとか……。そういや色白美人さん最近見掛けねぇな。人数多すぎてルーティンが回んねぇだけか? さっすが神様からもらったチート、マジ俺Tueee、はっはっはっはっは」
低い声で男が笑うと、雉明の足が止まった。柱の角から覗き込むと、男は館の縁側に腰を下ろしていた。大柄な体躯に袴だけを履いて、上半身は見事な筋肉をさらけ出していた。
「あれが鬼?」
「そ、そうです……。しかし、前はもっと恐ろしいほどの強烈なフェロモンだったのですが」
「確かに、強いけど……言うほどでもないよね」
「あれが、鬼ヶ島さん? オレもっとスゴイの想像してたんだけど」
鬼に対しての感想が口を付いて出た。桃太郎にはわからないが鬼のフェロモンは弱まったのだろうか? 一度味わったはずの雉明はもちろんのこと、犬斗も猿弥もそのフェロモンにあてられることなく正常を保っていた。三人は心中こう思っていた。これなら桃太郎のフェロモンのほうが強いと。
この中で一番平静でいられないのは桃太郎かもしれない。
「見つけた……」
桃太郎はそれはそれは見事に笑った。間近で見てしまったせいで三人は腰が砕け、床に倒れ込んでしまい、どさりと音を立てた。
「誰かいるのか?」
桃太郎は角を曲がり姿を表すと鬼はにやりと笑った。
「なんだ、俺に抱かれに来た新入りか。……イケメンも悪くないな」
鬼の言う言葉は時折桃太郎には理解出来なかった。しかもオメガと勘違いされているようだ。運命の番であるオメガを探しにここまで来たのに、相手はアルファ。それも桃太郎に匹敵するくらいには強いフェロモンの持ち主だ。
けど、桃太郎の本能は彼を運命の番だと感じていた。間違いない。養父母の言った通り、出逢った瞬間、分かるのである。そして丈士はこうも言った。
『絶対に逃がすな』
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