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おとぎ話
ファネットゥ王女の物語
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長きにわたる戦争は互いの国を疲弊させていました。
クラメール王国の若き王女、ファネットゥは同盟のためその身を犠牲にしてファンデラント公国の公太子リーレイと婚約をすることになりました。
政略結婚でもきっとお互いが理解し合えば良い関係が作れる。ファネットゥ王女はかすかな期待を胸に海を渡ったのです。
しかし彼女が単身ファンデラント公国へと乗り込むと、お相手のリーレイ公太子はとても冷たい態度で彼女を拒絶しました。
「これは同盟のための結婚だ。あなたを愛することなど万に一つもありえない」
顔をしかめ、こちらを見ることなく告げられたリーレイ公太子の言葉にファネットゥ王女はひどく悲しみました。
しかもリーレイ公太子はファネットゥを遠ざけるため、宮殿から追い出し、彼女をコースティ辺境伯の屋敷へと追いやったのです。
それでもファネットゥ王女は諦めませんでした。
宮殿を訪れてはリーレイ公太子のもとへおもむき、彼と理解し合おうと努力しました。
しかし、リーレイは全く相手にすることもなく、彼女と目を合わせようともしません。
同じ部屋にすら入らせてももらえないのです。それでは到底理解しあうなど無理でした。
慣れない公国での暮らし、いくら勉強しても言葉や習慣の壁は厚く彼女に立ちはだかりました。
コースティ辺境伯の公都の屋敷には辺境伯はおらず、屋敷を管理していたのはその娘、アビゲイルでした。
アビゲイルはとても厳しくファネットゥに当たりました。
王女として暮らしていたころには考えられないような酷い仕打ち。
まるで召使いのような暮らしにファネットゥは疲れてしまいました。
「どうしたらいいのかしら……」
彼女が屋敷の隅で空を見上げている時でした。
「王女はお疲れのようですね。これをどうぞ」
そう言って目の前に現れたのは可愛らしい青いアイリスの花束。
まるで石鹸のような香りのするそれを手にしたのはアビゲイルの婚約者で、次期辺境伯であるアシュリーでした。
「ありがとうございます、アシュリー様」
「王女のほうが身分が高いので私に様などはいりませんよ」
ファネットゥはこの国に来て初めて優しい言葉と笑顔を向けられて、これまでの苦労を思い出し泣きだしてしまいました。
アシュリーは何も言わずにファネットゥが泣き止むまで、寄り添ってくれました。
それからアシュリーはことあるごとにファネットゥに声を掛けてくれるようになったのです。
逢うこともない冷たい婚約者リーレイ公太子に、毎日のようにきつくあたってくる辺境伯令嬢アビゲイル。
そして心優しく励ましてくれる次期辺境伯アシュリー。
ファネットゥは次第にアシュリーに心惹かれるようになりました。公太子の婚約者であるにも関わらず……。
彼女はその密かな想いを必死で隠しました。
しかし彼女の努力も虚しく、その想いは思わぬ相手に露見してしまいました。
屋敷の隅でアシュリーと二人でいるところをアビゲイルに目撃されてしまったのです。
もちろんやましいことなど一切ありません。ただファネットゥの密やかなる想いだけです。
「ファネットゥ王女、あなたはまたしてもわたしの婚約者を奪うおつもりですか?」
燃え盛る赤い髪を逆立てる勢いで激怒したアビゲイルにファネットゥは恐怖しました。
「あなたがリーレイ公太子の婚約者になったからわたしはその座をおり、アシュリーと婚約したのです。それなのにまさかそのアシュリーと……」
「違いますっ! アシュとは、なにもっ」
ファネットゥは勇気を振り絞りアビゲイルに反論しました。
アビゲイルがファネットゥにきつく当たる理由がわかりました。きっと辛かったのでしょう。
同盟のためとはいえファネットゥがあらわれたことによりリーレイ公太子との婚約を解消されてしまったのです。
もちろん、ファネットゥのせいではありません。両国のためです。ファネットゥにはアビゲイルを傷つけるつもりはありませんでした。
それでも国母になるべく努めてきたであろうアビゲイルにしてみれば、ファネットゥは簒奪者のように見えていたのかもしれません。
アシュリーをかばうようにして立つファネットゥにアシュリーがその肩に触れました。
「ファニー……」
そう、アシュリーもまたファネットゥに恋をしていたのです。
アビゲイルとの婚約は急なものだったため、彼もまたアビゲイルとの距離を測りかねていました。
そんな中、リーレイ公太子には冷たく当たられ、アビゲイルから厳しく叱責されてもなお努力する健気なファネットゥを側で見ていたアシュリーはその姿に心を打たれたのです。
見つめ合う二人を前にアビゲイルはまたも大きな声をあげました。
「なんてことっ! これは同盟のための婚約なのですよ? それをっ!」
「同盟とは互いが約束しなければならないものではないのですかっ? 少なくともあたしはリーレイ公太子との関係を築くための努力をしましたっ!しかしリーレイ様は一切を顧みなかったではありませんかっ?」
一度として二人で話をすることもなく、どうやって関係を築くというのでしょう。
これまでなんとか頑張ってきたファネットゥも我慢の限界でした。
彼女の言葉にアシュリーが援護すると、アビゲイルは言葉につまり手を振り上げました。
また叩かれる、そう思ったファネットゥでしたがそれは寸前のところでアシュリーに止められました。
「暴力に訴えるなんて、なんて女性だ。あなたとの婚約は破棄させてもらおう。これまでのファネットゥ王女への対応も含めて、これは大公へと進言させていただく」
「なんですって?」
アシュリーに腕を取られたアビゲイルはうろたえました。コースティ辺境伯の屋敷内でのことを大公に知られては困るからです。
「アシュ、それは止めてくださいっ! アビゲイルだって悪気があったわけではないのですっ! ただ、リーレイ公太子を奪われたあたしへの恨みがあっただけなのですからっ!」
心優しいファネットゥが言うと、アシュリーは掴んでいたアビゲイルの手をほどきファネットゥに向かいます。
「なんて優しい子なんだい、君は……。ファニー、君がリーレイ公太子の婚約者だと分かっていても言わずにはいられない」
アシュリーはファネットゥの前にひざまずき胸に刺したアイリスの花をかかげました。
「心から君を愛している。私と結婚してくれませんか」
「でも……っ」
嬉しさのあまり涙ぐむファネットゥ、しかしファネットゥはリーレイ公太子の婚約者です。彼の求婚を受け入れるわけにはいきません。
ファネットゥが思い悩んでいると、そこに現れたのは大公でした。
「今の話、全て聞いておった。我が息子ながらリーレイのファネットゥ王女への扱いは目に余るものがある。ましてやたかが辺境伯令嬢であるアビゲイルが王女を虐げるとは言語道断」
大公はそう言うとアビゲイルを衛兵に引き渡しました。
「リーレイとの婚約は解消しよう。同盟についてはこんな若い二人を犠牲にせずとも我々が対応しなければならなかったのだ。苦労をかけたな、ファネットゥ王女」
クラメール王国では熊だ、怪物だと恐れられていた大きな体躯をしたあの大公が頭を下げたのです。ファネットゥは恐れ多いと頭をあげるように促しました。
「ファネットゥ王女はなんと心根の優しい……。アシュリー、大事にするんだぞ」
「大公、それでは私達の婚約を認めてくださるのですか?」
「二人の新たな婚約はこの大公である儂が認めよう。末永く幸せに暮らすが良い」
その言葉を聞いたファネットゥとアシュリー、二人は見つめ合い、微笑みあうと、ひしと抱き合いました。
強い抱擁は大公が咳払いをするまでしばらく続き、気付いた二人が離れても、互いを見つめ合う熱い視線は変わりませんでした。
こうしてファネットゥ王女は辺境伯となったアシュリーとの結婚はみなから盛大に祝われ、二人はアシュリーが収める北へと旅立ったのでした。
クラメール王国の若き王女、ファネットゥは同盟のためその身を犠牲にしてファンデラント公国の公太子リーレイと婚約をすることになりました。
政略結婚でもきっとお互いが理解し合えば良い関係が作れる。ファネットゥ王女はかすかな期待を胸に海を渡ったのです。
しかし彼女が単身ファンデラント公国へと乗り込むと、お相手のリーレイ公太子はとても冷たい態度で彼女を拒絶しました。
「これは同盟のための結婚だ。あなたを愛することなど万に一つもありえない」
顔をしかめ、こちらを見ることなく告げられたリーレイ公太子の言葉にファネットゥ王女はひどく悲しみました。
しかもリーレイ公太子はファネットゥを遠ざけるため、宮殿から追い出し、彼女をコースティ辺境伯の屋敷へと追いやったのです。
それでもファネットゥ王女は諦めませんでした。
宮殿を訪れてはリーレイ公太子のもとへおもむき、彼と理解し合おうと努力しました。
しかし、リーレイは全く相手にすることもなく、彼女と目を合わせようともしません。
同じ部屋にすら入らせてももらえないのです。それでは到底理解しあうなど無理でした。
慣れない公国での暮らし、いくら勉強しても言葉や習慣の壁は厚く彼女に立ちはだかりました。
コースティ辺境伯の公都の屋敷には辺境伯はおらず、屋敷を管理していたのはその娘、アビゲイルでした。
アビゲイルはとても厳しくファネットゥに当たりました。
王女として暮らしていたころには考えられないような酷い仕打ち。
まるで召使いのような暮らしにファネットゥは疲れてしまいました。
「どうしたらいいのかしら……」
彼女が屋敷の隅で空を見上げている時でした。
「王女はお疲れのようですね。これをどうぞ」
そう言って目の前に現れたのは可愛らしい青いアイリスの花束。
まるで石鹸のような香りのするそれを手にしたのはアビゲイルの婚約者で、次期辺境伯であるアシュリーでした。
「ありがとうございます、アシュリー様」
「王女のほうが身分が高いので私に様などはいりませんよ」
ファネットゥはこの国に来て初めて優しい言葉と笑顔を向けられて、これまでの苦労を思い出し泣きだしてしまいました。
アシュリーは何も言わずにファネットゥが泣き止むまで、寄り添ってくれました。
それからアシュリーはことあるごとにファネットゥに声を掛けてくれるようになったのです。
逢うこともない冷たい婚約者リーレイ公太子に、毎日のようにきつくあたってくる辺境伯令嬢アビゲイル。
そして心優しく励ましてくれる次期辺境伯アシュリー。
ファネットゥは次第にアシュリーに心惹かれるようになりました。公太子の婚約者であるにも関わらず……。
彼女はその密かな想いを必死で隠しました。
しかし彼女の努力も虚しく、その想いは思わぬ相手に露見してしまいました。
屋敷の隅でアシュリーと二人でいるところをアビゲイルに目撃されてしまったのです。
もちろんやましいことなど一切ありません。ただファネットゥの密やかなる想いだけです。
「ファネットゥ王女、あなたはまたしてもわたしの婚約者を奪うおつもりですか?」
燃え盛る赤い髪を逆立てる勢いで激怒したアビゲイルにファネットゥは恐怖しました。
「あなたがリーレイ公太子の婚約者になったからわたしはその座をおり、アシュリーと婚約したのです。それなのにまさかそのアシュリーと……」
「違いますっ! アシュとは、なにもっ」
ファネットゥは勇気を振り絞りアビゲイルに反論しました。
アビゲイルがファネットゥにきつく当たる理由がわかりました。きっと辛かったのでしょう。
同盟のためとはいえファネットゥがあらわれたことによりリーレイ公太子との婚約を解消されてしまったのです。
もちろん、ファネットゥのせいではありません。両国のためです。ファネットゥにはアビゲイルを傷つけるつもりはありませんでした。
それでも国母になるべく努めてきたであろうアビゲイルにしてみれば、ファネットゥは簒奪者のように見えていたのかもしれません。
アシュリーをかばうようにして立つファネットゥにアシュリーがその肩に触れました。
「ファニー……」
そう、アシュリーもまたファネットゥに恋をしていたのです。
アビゲイルとの婚約は急なものだったため、彼もまたアビゲイルとの距離を測りかねていました。
そんな中、リーレイ公太子には冷たく当たられ、アビゲイルから厳しく叱責されてもなお努力する健気なファネットゥを側で見ていたアシュリーはその姿に心を打たれたのです。
見つめ合う二人を前にアビゲイルはまたも大きな声をあげました。
「なんてことっ! これは同盟のための婚約なのですよ? それをっ!」
「同盟とは互いが約束しなければならないものではないのですかっ? 少なくともあたしはリーレイ公太子との関係を築くための努力をしましたっ!しかしリーレイ様は一切を顧みなかったではありませんかっ?」
一度として二人で話をすることもなく、どうやって関係を築くというのでしょう。
これまでなんとか頑張ってきたファネットゥも我慢の限界でした。
彼女の言葉にアシュリーが援護すると、アビゲイルは言葉につまり手を振り上げました。
また叩かれる、そう思ったファネットゥでしたがそれは寸前のところでアシュリーに止められました。
「暴力に訴えるなんて、なんて女性だ。あなたとの婚約は破棄させてもらおう。これまでのファネットゥ王女への対応も含めて、これは大公へと進言させていただく」
「なんですって?」
アシュリーに腕を取られたアビゲイルはうろたえました。コースティ辺境伯の屋敷内でのことを大公に知られては困るからです。
「アシュ、それは止めてくださいっ! アビゲイルだって悪気があったわけではないのですっ! ただ、リーレイ公太子を奪われたあたしへの恨みがあっただけなのですからっ!」
心優しいファネットゥが言うと、アシュリーは掴んでいたアビゲイルの手をほどきファネットゥに向かいます。
「なんて優しい子なんだい、君は……。ファニー、君がリーレイ公太子の婚約者だと分かっていても言わずにはいられない」
アシュリーはファネットゥの前にひざまずき胸に刺したアイリスの花をかかげました。
「心から君を愛している。私と結婚してくれませんか」
「でも……っ」
嬉しさのあまり涙ぐむファネットゥ、しかしファネットゥはリーレイ公太子の婚約者です。彼の求婚を受け入れるわけにはいきません。
ファネットゥが思い悩んでいると、そこに現れたのは大公でした。
「今の話、全て聞いておった。我が息子ながらリーレイのファネットゥ王女への扱いは目に余るものがある。ましてやたかが辺境伯令嬢であるアビゲイルが王女を虐げるとは言語道断」
大公はそう言うとアビゲイルを衛兵に引き渡しました。
「リーレイとの婚約は解消しよう。同盟についてはこんな若い二人を犠牲にせずとも我々が対応しなければならなかったのだ。苦労をかけたな、ファネットゥ王女」
クラメール王国では熊だ、怪物だと恐れられていた大きな体躯をしたあの大公が頭を下げたのです。ファネットゥは恐れ多いと頭をあげるように促しました。
「ファネットゥ王女はなんと心根の優しい……。アシュリー、大事にするんだぞ」
「大公、それでは私達の婚約を認めてくださるのですか?」
「二人の新たな婚約はこの大公である儂が認めよう。末永く幸せに暮らすが良い」
その言葉を聞いたファネットゥとアシュリー、二人は見つめ合い、微笑みあうと、ひしと抱き合いました。
強い抱擁は大公が咳払いをするまでしばらく続き、気付いた二人が離れても、互いを見つめ合う熱い視線は変わりませんでした。
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