幸福を知らない俺は不幸も知らない

三谷玲

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近付いた二人

 砂浜は気付けば日が落ち、辺りは暗闇に包まれていた。
 シルファの指が一本、俺のアナルに居る。探るような指付きで浅いところを抜き差ししたり、内部の壁をなぞるようにぐるりと回したり、かと思えば奥をとんとんと突くようにと自由に動かく指に俺は翻弄され、ペニスからぽたりぽたりと雫が垂れる。時折掠めるイイところを自ら差し出すとまだだと言わんばかりに指がすり抜ける。

「んやっ、しるふぁぁ、いじ、わる……んっ」
「意地悪なのはソラハだよ。ずっと俺の上で腰揺らして、俺のはお預け?」

 そう言ってシルファが腰を突き出した。俺の零した汁で汚れたシルファの長ズボン。その下にあるシルファのペニスが俺の会陰を突いた。恐る恐るそこを見ればズボンを突き破る勢いで勃ち上がっているのがよく分かる。指を咥えたままの俺のアナルがきゅっと締まった。

「欲しい?」

 項をぺろりと舐めたシルファに問われて、俺は答えもせずに彼のズボンに手をかけた。つたない手付きでボタンを外してそこだけ取り出せばぶるんという音が聞こえる勢いでシルファのペニスが顔を出した。すでに立派なシルファのソレに手を添える。むき出しのペニスはしゅっとしたシルファにはそぐわない大きさだった。片手では一周出来ない程の太さ、先端は尖っており雁は浅いものの、長さはとてつもなく長い。
 少し湿ったそこをゆっくりとなぞるとシルファが声を上げた。

「っっく……ソルハ、あぁいいよ」

 シルファの低く掠れた声を耳元で捉えると、気が良くなった俺は自分のペニスとシルファのペニスを両手で一緒に握った。

「あっ……これ、いいっ♡しるふぁのっ、あっつい♡」

 腰を前後させて擦り付けるとシルファの息も上がる。アナルに挿れられた指が激しくなって俺の動きも連動して、ぐちゃぐちゃと音を立て始めた。いつの間にかシルファの指が二本に増えて俺のアナルを拡げるように開いた状態で抜き差ししていた。力が入らなくなって2つのペニスを握っている手が動かせなくなる。すると今度はシルファが下から腰を突き上げてきた。

「しるふぁあ、おれ、でちゃう、もぉでちゃう、あっあっ♡」
「俺も、出る。一緒に……はっ」

 一気に駆け上がる射精感に堪らず手を握りしめてしまった。キツくなった手の中で2つのペニスが同時に弾けた。どぷっと飛び出た精液が二人の上半身を汚した。俺のペニスが萎えるのに対し、シルファのそれは萎えることなく精液をとくとくと流し続けている。射精後の脱力感で緩みそうな手をシルファの手が上から握り込んだ。

「……はぁっはぁっ、もう少し、このままで。俺らの射精は長いんだ……はぁ」

 シルファの吐き出す精液がたらりと流れ落ちる。俺のペニスから会陰、アナルに到達するとその精液をすくい取ったシルファの指がまた俺のアナルに挿れられた。俺の内壁に擦り込むようにした動きが俺を刺激して俺のペニスがぴくりと動いた。

「もうちょっと我慢して。今日はこれ以上はしないから……」

 抜ける指を引きとめるようにアナルが締まった。名残惜しいのはシルファだけではなくて俺もだと身体が教えてくれる。
 それでも射精したことで冷静になると、自分の痴態を思い出し俺は身を竦めた。シルファが出し切ったのか添えられていた手が離される。毛布を使って俺の身体を拭う。その間俺はこの毛布はもう使えないなとどうでもいいことを考えていた。

「送ろう」
 
 そう言っておざなりに身支度を整えたシルファが俺の手を引いて立ち上がらせた。が、腰が抜けた俺がふらつくとシルファがさっと抱えあげて俺はシルファの首に手を回した。

「ありがと、ございます」
「それ、止めないか?敬語」

 シルファのしっぽが俺の膝をぺしぺしと叩く。

「さっきまで敬語じゃなかっただろ?ラウルにだって……」

 さっきまでと言われて先程までの行為を思い出しかけて、頭を振った。思い出したら拙い。ただでさえ抱えられた腕に熱を与えられているのに。

「いや?俺よりラウルのほうがいい?」

 頭を振ったことで否定と取られて、もう一度首を振って答える。

「シルファだって俺って言ってる。いつも私って言うのに……」
「あ……そうか。じゃあお互いにこれからは自然に話そう?」

 巻き付いたシルファの首元でうんと頷くとシルファが頭を撫でて帰路に着いた。
 ここから本屋敷まで俺を抱えたままで帰るのだろうか?と考えていると思いのほか早く着いたぞとシルファの声が聞こえた。顔を上げて見るとそこは俺の根城の要塞の塔の前だった。

「なんで?」
「屋敷の部屋、ソラハの匂いが薄かった。ここはソラハの匂いが濃いんだ。ラウルと話して気付いたけど……ここがソラハの本当の住処、だね?」

 さすがケモノと言うべきか、匂いでわかってしまうものなんだな。俺が口を尖らせるととシルファがそこに口付けた。

「違う、今のはそうじゃないっ」

 キスが欲しくて尖らせたわけじゃないのにとシルファの胸をバンバン叩く。全く効き目がなさそうなそれにシルファは笑った。

「ははっ。ソラハがどんな顔してようと、どんな時だろうと俺はいつでもキスがしたい。だからほら」

 しっぽで俺の背中をぽんぽんと叩いて今度は俺からしろとでも言うのか口を尖らせるシルファに、仕方がないなぁと言いながら軽く、ちゅっと口付けた。

「もう、ここでいいよ。ありがとう。シルファはどうするの?」
「ここからなら走れば一時間で宿舎に帰れる。少し身体を使っておかないと今夜は眠れそうにないからな」

 ここから走って?ケモノってそんなに走れるの?驚く俺にシルファが笑う。

「ほら、もう遅いから、おやすみソラハ」

 額にキスをしたシルファにお返しにと同じところにキスをして俺はシルファを見送った。
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