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.遠征なんて無理っ!絶対無理っ! 12
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「よかった……。レンみたいな服だったらどうしようかと思った」
翌朝、ジジが持ってきてくれた服を見て俺は安堵した。
いかにも世紀末ヒャッハー!な革の上下なんて俺には似合わないだろう?
上は、いつものワンピースの丈の短いバージョン。ほぼシャツ!
それで下は、麻よりは強そう。多分……綿? 素材とかよくわからないけど、灰色がかった地味な色合いの普通の綿パンに見える。
チャックはなくてウェストはダボダボだけど、その代わりベルト通しがある。皮のベルトでギュッと締めれば脱げる心配はなさそう。
それと、靴!
ずっと裸足だったから、痛かったんだよ。
靴底から全部が革製で、ブーツみたい。ズボンの長い裾を入れて、紐でぐるぐると結べばいいらしい。
なんだっけ? 昔の軍人さんが履いてるズボンみたい。
着替え終わった俺は、窓にうつして全身を確認してみた。
うん、動きやすいし恥ずかしくない!
ちゃんとこういう服があって助かった。
「着れたか?」
「おぉ! ぴったりだ! ありがとな」
覇者の間に行くと、サイト話していたハオがすぐに振り向いた。
「村人が着ているのと似たようなのを作らせたが、似合うな」
「みんながみんな、あんな革ばっかりじゃないんだな」
「獣の革は、戦闘員の証みたいなものだ」
ああなるほど。服装で分けてるってことか。サイだって革じゃないもんな。
ほとんどボロ布に覆われているから、よくわからないけど。
「で、いつ出発すんの?」
「明日の日暮れ過ぎだ」
「えぇ……? もっと早くじゃダメなの?」
「マナ様の体力を考えますと、日中は避けたほうがよいかと」
体力? いやたしかにないけど……。そう思ってサイの方を見たら、サイは窓の外を見ていた。
ガンガンに照りつける太陽がこちらを向いていた。
「うん、無理だな! わかった。明日の日暮れだな」
最初の行き倒れを思い出して、すぐに理解した。あんな中歩いてたら熱中症になっちゃう。
「それから、明け方には橋の手前までギイに戻ってくるよう伝えてありますので、案内してもらってください」
「明け方?」
「明るいうちに橋を渡るのは危険です。ギイだけならまだしも、ハオ様が橋を渡ったとなるとダワラに密告される恐れがありますので」
「じゃあ一晩野宿するってこと?」
「心配ありません。橋の手前にこちらの監視小屋がありますから」
よかった。獣がいるようなところで野宿なんていくらハオがいたからって安心して眠れない。
ほっとしている俺にサイが念を押した。
「くれぐれも、ハオ様から離れないでくださいね。あなたを手に入れれば覇王になれるという伝説は、ダワラでも言い伝えられているんですから」
「わかってるよ。俺だって子どもじゃないんだから」
ふたりして俺を見て訝しむ様子に、腹立たしさを覚えつつ、久々の外出に俺は心弾ませていた。
翌朝、ジジが持ってきてくれた服を見て俺は安堵した。
いかにも世紀末ヒャッハー!な革の上下なんて俺には似合わないだろう?
上は、いつものワンピースの丈の短いバージョン。ほぼシャツ!
それで下は、麻よりは強そう。多分……綿? 素材とかよくわからないけど、灰色がかった地味な色合いの普通の綿パンに見える。
チャックはなくてウェストはダボダボだけど、その代わりベルト通しがある。皮のベルトでギュッと締めれば脱げる心配はなさそう。
それと、靴!
ずっと裸足だったから、痛かったんだよ。
靴底から全部が革製で、ブーツみたい。ズボンの長い裾を入れて、紐でぐるぐると結べばいいらしい。
なんだっけ? 昔の軍人さんが履いてるズボンみたい。
着替え終わった俺は、窓にうつして全身を確認してみた。
うん、動きやすいし恥ずかしくない!
ちゃんとこういう服があって助かった。
「着れたか?」
「おぉ! ぴったりだ! ありがとな」
覇者の間に行くと、サイト話していたハオがすぐに振り向いた。
「村人が着ているのと似たようなのを作らせたが、似合うな」
「みんながみんな、あんな革ばっかりじゃないんだな」
「獣の革は、戦闘員の証みたいなものだ」
ああなるほど。服装で分けてるってことか。サイだって革じゃないもんな。
ほとんどボロ布に覆われているから、よくわからないけど。
「で、いつ出発すんの?」
「明日の日暮れ過ぎだ」
「えぇ……? もっと早くじゃダメなの?」
「マナ様の体力を考えますと、日中は避けたほうがよいかと」
体力? いやたしかにないけど……。そう思ってサイの方を見たら、サイは窓の外を見ていた。
ガンガンに照りつける太陽がこちらを向いていた。
「うん、無理だな! わかった。明日の日暮れだな」
最初の行き倒れを思い出して、すぐに理解した。あんな中歩いてたら熱中症になっちゃう。
「それから、明け方には橋の手前までギイに戻ってくるよう伝えてありますので、案内してもらってください」
「明け方?」
「明るいうちに橋を渡るのは危険です。ギイだけならまだしも、ハオ様が橋を渡ったとなるとダワラに密告される恐れがありますので」
「じゃあ一晩野宿するってこと?」
「心配ありません。橋の手前にこちらの監視小屋がありますから」
よかった。獣がいるようなところで野宿なんていくらハオがいたからって安心して眠れない。
ほっとしている俺にサイが念を押した。
「くれぐれも、ハオ様から離れないでくださいね。あなたを手に入れれば覇王になれるという伝説は、ダワラでも言い伝えられているんですから」
「わかってるよ。俺だって子どもじゃないんだから」
ふたりして俺を見て訝しむ様子に、腹立たしさを覚えつつ、久々の外出に俺は心弾ませていた。
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