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五人用台本
Chain of happiness【性別不問:5・その他・50分程度】
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Chain of happiness
マリア(台詞:47) ♀
神の歌声を持つ少女。ハミングでの歌、一人二役シーンあり。
リース(台詞:56) 性別不問
元気だけが取り柄の物語の伽羅の一人。声を荒らげる描写あり。
コスモ(台詞:53) 性別不問
行動力だけが取り柄の物語の伽羅一人。
セイジ(台詞:60) ︎︎ ♀
頭の良さだけが取り柄の物語の伽羅の一人。声を荒らげる描写あり。
エイヴリー(台詞:59) 性別不問
纏め力だけが取り柄の物語の伽羅の一人。
先生1(台詞:27) ♀
二十歳。読み聞かせが上手な先生。マリアが兼役。
先生2(台詞:13) 性別不問
二十歳。体力馬鹿の先生。リースが兼役。
先生3(台詞:16) 性別不問
二十歳。愉快犯の先生。コスモが兼役。
先生4(台詞:18) ♀
二十歳。バカ真面目な先生。セイジが兼役。
先生5(台詞:11) 性別不問
二十一歳。主体性のある先生。エイヴリーが兼役。
《兼役表》
マリア・先生1▶︎台詞 計74
リース・先生2▶︎台詞 計69
コスモ・先生3▶︎台詞 計69
セイジ・先生4▶︎台詞 計78
エイヴリー・先生5▶︎台詞 計70
先生2 : さぁて?皆……おねんねの準備はできてるかな!?
先生3 : うるさいぞ黙れ~……って、エミリーが言ってました~。
先生2 : なんだって……!?エミリーちゃんがそんなこと言うはずないよね……?
先生3 : エミリー、本心を伝えていいんだよ……!此奴うるさいから……。
先生2 : 御前だってうるさいだろ!?
先生3 : 御前程じゃないもーん。
先生4 : はいはい、そこまでにしときなよ。エミリーも困惑してるじゃん。
先生2 : なんだよ、この……冷静眼鏡!
先生3 : そーだそーだ、割り込んでくるんじゃないぞ、真面目ちゃん!
先生4 : お前ら……!!
先生5 : さーて、騒がしくしてる先生たちはほっといて……みんな、早く御布団に入ろうね~。
先生4 : ちょ、私は違うからね!?
先生5 : あの二人に載せられてる時点で同レベル。
先生4 : はぁ!?同レベル……!?私とこいつらが……!?
先生3 : やーいやーい、同レベル~!
先生4 : ……もう明日の昼食なしね。
先生3 : え……。
先生5 : さ、みんな寝ようね……って、なんだい?そんな期待のこもった顔をして……。
先生2 : 今日はクリスマスだから、あれはないのかって……あれ……あ~!あれな!
先生3 : みんな好きだね~?ボクも好きだけど~。
先生4 : それじゃあ、あの子呼んでこないとね?
先生1 : みんな~。もう寝た……?って、まだ起きてるね?
先生2 : お、噂をすれば……ってやつだね。
先生1 : え?何?なんのこと?
先生4 : ふふ、主役はあとからやって来る……ってね。
先生1 : な、なに?なんなの?え、ここに座れって……?え?
先生5 : さて皆、ちゃんと聞いたら寝るんだよ。
先生1 : 聞いたら寝る……あ~、成程?読み聞かせか……。何がいいかなぁ。コロちゃんのクリスマス?スノーマンもあったね、くるみ割り人形もいいかも……。
先生3 : ん?なんだい?ニコロ……ふんふん、ふふ、なるほどね?わかったよ。ね、せーんせ?
先生1 : はらぺこあおむしとか……ん?なぁに?
先生3 : とある子からのリクエスト!僕も聞きたいなぁ、いつもの話!
先生1 : ええっ!?でも、これ本当にいつも読んでるじゃない……飽きない……?
先生4 : 今更飽きないよね。というか……見なよ、このみんなのキラキラした顔。
先生1 : いいなら……良いけど……
先生5 : 君の声は落ち着くと評判だからね。私達も寝ないように用心せねばならないね。
先生1 : ふふ、もう……。『むかし、昔のお話です。とある賑やかな町には、四人の子供たちがいました。元気が取り柄のリースと』
リース : ここって入っちゃいけないって言われてたけど、言われたら入りたくなるよなぁ。
先生1 : 『行動力の高いコスモ』
コスモ : ざんねーん、ボクこそが一番乗り~!
先生1 : 『そして、頭の良いセイジと』
セイジ : わかってると思うけど……怒られる時は全員一緒だから。逃げたら許さないからね?
先生1 : 『人をまとめる力のあるエイヴリー。』
エイヴリー : 分かってるって。もしもの時は僕が全てを引き受けるよ。
先生1 : 『そんなちぐはぐでいて、楽しい四人組は……入っては行けないと言われている森の中に入ってしまうのでした。』
セイジ : エイヴリーがそんなんだから彼奴らが調子に乗るんだってば!
エイヴリー : そうは言われてもね……ほら、僕が一番年上だし。
セイジ : 年上とか下とか関係ないでしょ?悪いことをしたのは私たちなんだから、怒られるのは当然のこと。
エイヴリー : いや……でも怒られるのは誰だって嫌だろう?ね、リース。コスモ。
コスモ : はーい!いっやでーす!
リース : まあ嫌だけど……。エイヴリーが一人で怒られんのは違うと思うな……。
エイヴリー : ほら、二人もこう言ってるだろう?
リース : え……俺の意見コスモと同じなの……?
エイヴリー : え?
リース : え……?
セイジ : ……エイヴリー、リースで遊ぶのやめてあげなよ。マジで泣きそうな顔してるけど。
エイヴリー : ふふ、ごめんごめん。面白くてついね。
コスモ : おっとっと?リース泣いちゃう?泣き虫さんかなぁ?はーいよしよし!
リース : 頭を撫でるな!慰めるな!御前のはいじりにしか聞こえねぇんだよ!!
コスモ : やっだ、ひっどーい!ぼくちんが泣いてやる!
エイヴリー : おや、コスモが泣くのかい?僕が慰めようか?
コスモ : ああ、エイヴリー……リースがボクをいじめるんだよぅ……。
エイヴリー : それは困ったね。よしよし。
セイジ : ……あ~、始まった。エイヴリーの悪ノリ。
リース : ほっとく?
セイジ : ほっとこ。せっかく*清廉の森《せいれんのもり》まで来たんだ。楽しまなきゃ。
リース : 案外セイジもノリノリできたよね……。
セイジ : そりゃね。面白そうだし。
エイヴリー : さて、今日は何をして遊ぶか決めようか。
コスモ : え……もう終わり?
エイヴリー : もう終わり。早く遊ばないと日が暮れてしまうからね。
コスモ : たしかに。じゃあ、何する?鬼ごっこ?かくれんぼ?
セイジ : 私はかくれんぼの気分。
リース : じゃあ俺はねぇ……。
マリア : (We wish you a merry Christmasを軽くアレンジしてハミング次の出番まで繰り返す)
エイヴリー : ん?随分と綺麗な歌声だな。
リース : 誰か歌ってんのかな?
コスモ : ボクらと一緒でこの森を見に来たのかも!一緒に怒られる仲間増やしたいね!
セイジ : あんた、結構最悪なこと言ってるけど。
コスモ : あは、しーらない!
エイヴリー : ただ、この歌声の主は気になるよね?見に行こうか。
リース : さっすがエイヴリー!この声ってどっから聞こえてくるんだろ?
セイジ : ……あ、あっちじゃない?
コスモ : ボクがいっちばんのりー!!
リース : あ、ちょっと待てよ!俺が先!
セイジ : あ、こら!先に行かないでよ!
エイヴリー : ふふ、面白いね。
セイジ : 面白がってないで手伝ってくれる!?
エイヴリー : いやいや……なんだか、新しいお友達ができる予感がするんだ。
セイジ : 新しいお友達って……。
マリア : わっ!?
エイヴリー : さ、行こう。もう二人は歌の主を見つけたらしい。
セイジ : ……まあいいけど。
先生1 : 『そうして、山の中の静かな協会の中、四人はある少女……マリアに出会ったのです。』
リース : 君だよね!さっきまで歌ってたの!
マリア : え、だ、だれ……?
コスモ : ボクより歌が上手いとか……何様のつもり?貴方!
マリア : な、何様って……?
リース : 此奴はコスモ。変に悪ノリしてるだけだから気にしなくていいよ。
マリア : そ、そうなんだ……?
コスモ : 悪ノリして何が悪い。誰も困らせてないじゃないか!
リース : この子は困ってたよ!
コスモ : え~……困ってないよね!?
マリア : え、えっと……。
エイヴリー : そのくらいにしてやりなよ。二人とも、その子困ってるだろう?
マリア : ま、また増えた……?
セイジ : 増えたって……もっとほかに良い言い方あるでしょ……。
マリア : あ、ご、ごめんなさい……こんな所に人が来るなんて思わなかったから……。
リース : そもそも、ここって立ち入り禁止区域だぞ?なんでこんな所にいるんだ?
マリア : た、立ち入り禁止区域!?い、いるというより……なんというか、私……ここに、住んでるんだけど……。
リース : す、住んでる!?
エイヴリー : へぇ……?そういうこともあるんだね……じゃあどうして立ち入り禁止区域になってるんだろうね。この清廉の森は。
コスモ : あれじゃない?『この森は……!彼女を守るためにある……だから貴様がここを通ることはできん!』みたいな。
セイジ : その想像力豊かなそれ、あんたのどこから出てくるわけ?
コスモ : ボクの優秀な頭からさ!
セイジ : 優秀、ね……
コスモ : なんだ?ボクの頭が優秀じゃないって!?失礼な!
エイヴリー : とはいえ、それも結構有り得そうかなと僕は思うけどね。
リース : ……!?エイヴリーが……コスモに、同意……した……!?
セイジ : 割といつも同意してるでしょ此奴。
エイヴリー : 此奴なんて酷いな……僕は、面白そうな案は同意して然るべきと思ってるだけなのにね。
セイジ : そういう所だってば。
コスモ : そーだそーだ!セイジ言ってやれ~!
リース : 御前はどっちの味方なんだ!
コスモ : え?面白そうな方!
リース : ……前から思ってたけど、案外コスモもエイヴリーも似たもの同士かも……。
マリア : ……ぷ、ふふ、ふふふ!
セイジ : ん?何この子!急に笑い出して……。
コスモ : え、まさかのここから闇落ち展開!?
エイヴリー : かもね?
リース : 絶対ありえないだろ……。
マリア : う、ふふ、ふふ……ふふ、ごめんなさい……なんだか、こんなに騒がしくて暖かいの久しぶりで……。
エイヴリー : ……まあ、こんな所に来る人なんて居ないだろうからね。
マリア : そうなの。だから、なんだか嬉しくて!先生もいるけど……私は綺麗でいなきゃダメだからって、お話もしてくれないの……。
セイジ : 綺麗でいなきゃだめ?何それ、変なの。
マリア : ……私は、特別なんだって。
エイヴリー : 特別……か……君には、何か事情があるようだね?
リース : 事情?事情って?
コスモ : え、知らない……。
セイジ : まあ何にしろ、ろくでもないことなのは確かだろうね。やっぱり帰る?
マリア : え……。
リース : え~!?まだ来たばっかりだろ!?全然遊んでない!
コスモ : そーだそーだ!このままじゃ怒られ損じゃないか!
エイヴリー : そうだね。それに……折角新しいお友達ができたのに、勿体なくないか?
セイジ : 友達!?この子が!?
マリア : あ、私……。
リース : おー!確かに!ねぇ、君名前なんて言うの?俺リース!
マリア : り、りーす?
コスモ : ボクはぁ、コスモ!
マリア : こすも……。
エイヴリー : 僕はエイヴリー、そしてこの子が。
セイジ : っ!?……はぁ、セイジ。エイヴリーは本当に強情なんだから……。
マリア : エイヴリーと、セイジ……わ、私は……マリア!
エイヴリー : さ、マリア。こっちだよ。みんなで遊ぼう。
リース : よっしゃ!やっと遊べる!
コスモ : ボクやっぱりかくれんぼがいいなぁ。ここならいっぱい隠れられそう!
セイジ : ……なら、やっぱり鬼ごっこがいい!マリア、あんた走れる?
マリア : え!?
セイジ : 私よりも足が早かったら……認めてあげてもいい。
マリア : あ、わ、わかった!私頑張るね!
エイヴリー : よし、決まったね。鬼ごっこをしよう。
コスモ : え~、かくれんぼは?
リース : それはまた今度だろ!よーし、じゃあ一番目の鬼は俺!いーち、にー、さーん!
セイジ : さ、行くよ!
マリア : ちょ、ちょっと待ってよ~!
エイヴリー : なんだかんだ、セイジも嬉しかったんだろうね。
リース : たーっち!エイヴリーが次の鬼!
エイヴリー : おっと、ぼーっとしすぎてしまったか……ふふ、早く逃げないと捕まえちゃうからね。
先生1 : 『マリアを含め、五人で沢山遊びました。鬼ごっこも、かくれんぼも……たくさん、沢山しました。けれど時間はいつの間にか過ぎてゆくものです。いつの間にやら日は沈み、みんな帰らなくてはならない時間になってしまいました。』
リース : あっ!やべ、もう日が暮れちゃう!父ちゃんに怒られる!
エイヴリー : ふー、もう沢山遊んだからね。帰らないと。
コスモ : 『お前らこんな時間まで何しとんねん!!』みたいな?
セイジ : 何それ、どこの言葉?
コスモ : え?知らない。
リース : 御前しかわかんないのに!
マリア : ……帰っちゃうの?
エイヴリー : まあ、時間も時間だからね……。
セイジ : 一人で寂しいのはわかるけど……さすがにね……。
リース : また来るから大丈夫だって!父ちゃん怖いから早く帰んないと……!!
コスモ : リースはお父さんにかなわないもんね?
リース : うるさい!コスモの父ちゃん母ちゃんみたいに俺の父ちゃんは優しくないの!
マリア : ん、分かってる……。
エイヴリー : マリア……僕たちは……。
セイジ : うじうじしない!
マリア : んぇ!?
エイヴリー : ……ふふ、セイジが行くなら僕はいっか。
セイジ : また来るって言ってるでしょ!私もまだまだあんたと話したい。だから待ってなよ。
マリア : ……うん、待ってる。
リース : じゃあ俺先帰る!またな!!
コスモ : ボクもママとパパが心配しちゃうから帰る!『今行くぜ!親父!!』
エイヴリー : そんなに騒いじゃダメだろう?ふふ、またね、マリア。
セイジ : ほら早く!私も怒られるのは勘弁だから!またね!
先生1 : 『マリアは思いました。本当に来てくれるかな……もう、会えないんじゃないかな、と。けれどその翌日、マリアの前に四人はまた顔を出しました。』
エイヴリー : おはよう、マリア。
セイジ : なーに、そんなめそめそしてんの?来たでしょ?
マリア : だって……寂しかったの……。
リース : わ、泣くなって!
コスモ : 『泣くな!男だろ!』
セイジ : 女だよばか。(コスモにチョップ)
コスモ : あいたっ!ごめぇん、姉さん!
セイジ : 誰が姉さんだ!
マリア : ……ふふ。
エイヴリー : ほら、騒いでると遊ぶ時間が無くなる。はやく遊ぼうか。今日は何をする?
リース : 今日は、かくれんぼ!
エイヴリー : いいね。マリアはやり方は知ってる?
マリア : うん、知ってる!昔にやった事あるもん。早く遊ぼう!
コスモ : 乗り気だね~。
セイジ : じゃ、今日は私が鬼をやる!絶対全員見つけだしてやるから!
エイヴリー : セイジはやる気になると恐ろしいからな……さて、三十数えてね!
セイジ : 分かってる!いーち、にー!
コスモ : じゃあ今日はボクと一緒に隠れよ?マリア
リース : あ、ずるい!
先生1 : 『そうして、何日も何日も……五人は遊びました。時には鬼ごっこを一日中やったり、時にはみんなで歌ったり、ただひたすらに話ばかりする日もありました。そんなある日のことです。マリアは泣きそうな顔をしていました。』
リース : ん?マリア、どうしたんだ?変な顔してるぞ?
セイジ : あんた、少しはデリカシーってものを学んだら?
コスモ : そうだそうだ!女の子の顔は宝石なんだぞ!パパが言ってた。
エイヴリー : まあ、リースの言いたいこともわかるよ。言い方はあっただろうけどね。
マリア : そんなに、気になる?
リース : 気になる。
コスモ : 『貴方の悩み、私が解決致しましょう!』
セイジ : あんたね……。
エイヴリー : 僕らは、頼りにならないかい?
マリア : そ、そんなことない!けど……私……。
セイジ : マリア、私はあんたの力になりたい。頭はそれなりにいいんだよ。だから、ね?
マリア : っ!
エイヴリー : 僕らはもう、友達だろう?
マリア : っ……。
リース : マリア、どんな悩みも俺が吹っ飛ばすぜ!
コスモ : 笑いでね!
リース : 変な付け足しをするな!
先生1 : 『みんなの励ましの声に、マリアは急に泣きだしました。涙ながら、「私が一緒にいられるのはクリスマスまでなんだ」と。』
エイヴリー : ……。
セイジ : え、待って、どういうこと……?
リース : クリスマスって……あと、ひと月もないけど……
コスモ : ん~えっと……『うっそぴょーん!』ってやつ……?
エイヴリー : やっぱり、次の神への捧げものが君、ってことか……。
セイジ : 神様への贈り物って……何……?
リース : ……おくりもの?でも、贈り物は嬉しいものだよな!でも、人を貰っても嬉しくなんてない……と、思うんだけど……。
コスモ : ……なにも、思いつかないや。
エイヴリー : 僕も、ちゃんと聞いた訳じゃないけど……毎年クリスマスには、神様に感謝を告げるために誰かを神様の元に向かわせるんだって。今年は歌姫を送るんだって……誰かが言ってたから……なんとなく、マリアなんだろうなって思ってた。
セイジ : で、でもなんで!?神様の元に行かなくちゃいけないの!?
マリア : 神様を癒すために、私は行かなくちゃいけないの……神様が喜んだら、この村にもいいことが起こるって、そう、教えてくれたの。神様は汚いものは嫌いなんだって……だから、私はずっとここでお歌の練習を……してた……。
リース : そ、そもそもだよ!そもそも……神様の元に行くって……なに……?
コスモ : それは……まあ、あれ、だよね……。
マリア : ……もう、来なくていいよ……きっと、そろそろバレちゃうから……最近、人の出入りが激しいの。
エイヴリー : マリア……。
マリア : 出てって!!十分、たのしく過ごせたから、もういいの……。
セイジ : ねぇ、マリア……。
リース : っ!?あっちが騒がしくなってる!
コスモ : さっきの大声……!!
エイヴリー : ……仕方ない、帰るよみんな。
セイジ : ねぇ、マリア!
エイヴリー : セイジ!
セイジ : っ!……!!
リース : マリア!!また、また来るから!
コスモ : 何大声出してんの!?馬鹿なの!?
マリア : ……ごめんなさい、ありがとう……みんな、大好き……さようなら。
:
リース : ……はぁ、はぁ……ここまで来れば……だい、じょうぶ……?
コスモ : ……多分……どうする、ねぇ……これから……。
リース : 神様の元に行ったら、もうマリアとは会えないってこと……なんだよな?
コスモ : ……多分。
リース : 俺、そんなのやだよ!マリアだってあんなに楽しそうにしてたじゃん!クリスマスに神様の元に行くんだろ!?じゃあ、それまでに神様にお願いしようぜ!?マリアを連れてかないでくださいって!
セイジ : ……うるさい……。
コスモ : ねぇ、リース……そういうことじゃ……。
リース : そういうことじゃないって……?どういうことだよ……?だって、一番ちゃんとできることってそんくらいじゃん!
セイジ : うるさい、リース
リース : 他に方法があるのかよ!?みんな考えろよ!
セイジ : うるさい!!!
リース : っ!!
エイヴリー : リース……落ち着いて聞いて欲しい。神様の元に行くってことは……死ぬ、ってことなんだよ……。
コスモ : ……多分、いつもクリスマスに大人たちが清廉の森に入るのって……そういうことだよね……。
リース : し、ぬ……?
セイジ : そうだよ……彼奴は私たちに何も言わずにしようとしてる……巫山戯んな!友達じゃなかったの!?
エイヴリー : セイジも落ち着いて。
セイジ : 私は落ち着いてる!
コスモ : セイジ、そうは見えないよ……。
エイヴリー : コスモの言う通りだよ。
セイジ : でも!
エイヴリー : セイジ(遮る)
セイジ : ……。
コスモ : とりあえず、深呼吸して、ね?
セイジ : ……っ(深呼吸)
エイヴリー : 僕はちゃんと考えてる。マリアのことも含めて。
コスモ : エイヴリー……。
エイヴリー : ……とはいえ、今思いつくのはただひとつ。クリスマスまであと*一月《ひとつき》。もしそこまでに他の方法が思いつかなかったら……みんな、手伝ってくれる?
セイジ : ……。
リース : ……。
コスモ :……ボクは……。
エイヴリー : 答えは、今じゃなくていい。ちゃんと僕の話を聞いてから出てくれれば。だから、また明日……ここで、しっかり話すよ。今日は……ゆっくり休もう。疲れただろうから。
先生1 : 『そうして、その日の五人は別れてしまいました。けれど、マリア以外の四人は諦めません。クリスマスまでの日々、何日も何日も集まっては何度も何度も話し合いました。そうしてついに、クリスマスはやってきました。沢山の大人達に囲まれ、マリアは清廉の森の泉の前に立ちました。』
マリア : ……(We wish you a merry Christmasを軽くアレンジしてハミング)
エイヴリー : ちょっと待った。
マリア : っ!?え、エイヴリー……!?
先生1 : 『突然声を上げたエイヴリーに、大人は驚いていました。そんな大人立ちをよそ目に、エイヴリーはマリアの手を取って走り出します。』
エイヴリー : 行こう!みんな待ってるよ。
マリア : み、みんな!?みんなって……
エイヴリー : 良いから、早く!
先生1 : 『エイヴリーはマリアと手を繋いだまま、森の奥へと走っていきます。その先には……』
コスモ : 『遅かったじゃないか!待ちくたびれぞ!』
リース : いやいや、あそこの泉から走って来たんだから相当だろ!でも早く行かないと、他の大人も来ちゃう!
マリア : え、え……?ど、どういうこと……?
セイジ : っ!(マリアの頬を張り)
マリア : いっ!な、何するの……?(その後抱きしめられて)
セイジ : 馬鹿……!友達なんだからもっと頼ってよ……!
マリア : ご、めん……ごめん……!!(泣き出し)
エイヴリー : 感動的だけど、今はゆっくりしている暇は無いよ。ほら、あっちから人の声がする……追いかけてきているんだ。
リース : ああ~……父ちゃん母ちゃん怒ってるかな……。
コスモ : 大丈夫大丈夫!忘れられたら……いつかまた、会いに来よう。
マリア : なんで、私なんかのために……。
リース : あ!ごめん、別に責めたい訳じゃなくてさ!ただ……俺、マリアともっと話したいから!
コスモ : そうそう!リースはデリカシーないから……それに、パパらにはまだ会える可能性があるから。ね?
エイヴリー : 話はあとだって。マリア、今更だけど……一つ聞かせて欲しい……マリアは、逃げたい?今なら帰れるよ。
コスモ : ……マリアの気持ちが聞きたいんだ。
リース : 生きたいなら、助けてって言ってくれよ……!!
マリア : あ、でも……。
セイジ : マリア、あんたの口から聞かせて。
エイヴリー : もう時間もない。マリア。君が、決めるんだ。
マリア : ……わたし、は……。
セイジ : マリア……。
マリア : 私は……生きたい!一緒に逃げて……!!
リース : 勿論!
コスモ : 『善は急げってやつでっせ!』
セイジ : 行こう、マリア!
マリア : ……っ!!うん!
先生1 : 『五人の子供たちは逃げ出しました。自分たちを知る人がいない場所へと。それからは、お互いに助け合い、幸せな生活をを送ることが出来たのでした。めでたしめでたし』……と、あれ?
先生4 : ふふ、みんな寝ちゃってるよ?先生。
先生3 : 『貴方の囀りは何より美しい……』
先生2 : あ、それ久々に聞いたな?
先生5 : さ、話は後々。まずは読み聞かせ……という名の寝かしつけをしてくれたマリア先生に敬意を表して、私たちは子供たちを布団に入れようか。リース、コスモ、セイジ、手伝いを頼むよ。
先生2 : 了解!
先生3 : 分かってるわかってる、リースは起こさないようにね?
先生2 : なっ!?わ、分かってるっつーの!
先生4 : 分かった……って、なんでマリアはそんな顔してんの?
先生1 : いや……そんなにつまんないかなぁって……私の自作の絵本……。
先生4 : そんなことないでしょ?ただ、長すぎるだけだよ。
先生5 : なんたって、私たちの昔の話だからね。
先生2 : よくあんな綺麗にまとめたよなぁって思うわ。
先生3 : マリアの新しい才能開花だよね~。歌も上手くて、絵も上手くて、話をまとめるのも上手。
先生4 : まあ、私の親友だし?
先生5 : なんだかんだ、セイジが一番マリアのこと大好きだよね。
先生4 : そりゃ……。
先生1 : ふふ、そろそろあれから五年かぁ……みんな、お父さんとお母さんに会いにいく?
先生2 : あ~、俺はもういっかなーって思ってる……父ちゃんら、ちょっと前に来たし。
先生3 : ボクも~。
先生5 : 確かあの村、廃村になっちゃったって言ってたね。詳しくは聞いてないけれど。
先生4 : そうなの?
先生5 : 私の父が言っていたよ。セイジのご両親もそろそろ来るんじゃないかってさ?
先生4 : あ~……怒ってそうだな……。
先生2 : 心配だからこそだろうからさ!許してやろ?
先生3 : ボクも怒られたから、みんなで怒られよう?
先生4 : あんたがそんなこと言うとはね?
先生3 : ん?
先生4 : なんでもなーい。
先生1 : ……ふふ、みんな、大好き。ここまで本当にありがとう。
先生4 : 何?今更。
先生3 : 孤児院に関しては、ボクらもOKしたし。
先生5 : そうだよ。むしろ、私からすると……一緒に来てくれてありがとう、の一言に尽きる。
先生1 : あ、そうだ。みんなが起きたらさ、『We With you a merry Christmas』でパーティーを締めない?
先生2 : え、でもあれ……あの時の歌に似てるよ?大丈夫?
先生1 : いいの!みんなとなら、幸せだから。嫌な記憶も楽しい記憶で塗り替えたいの。だから、手を貸して。
先生1 : 『そうして、また私の人生が幸せに塗り替えられます。どうか、自分達に……あの子たちも、幸せだと胸を張れるようになりますようにと。願いながら。そしてまた一歩、足を踏み出すのでした。めでたしめでたし』……え?くどいって?ふふ、それも貴方を作る一つの時間。だから、許してね?
マリア(台詞:47) ♀
神の歌声を持つ少女。ハミングでの歌、一人二役シーンあり。
リース(台詞:56) 性別不問
元気だけが取り柄の物語の伽羅の一人。声を荒らげる描写あり。
コスモ(台詞:53) 性別不問
行動力だけが取り柄の物語の伽羅一人。
セイジ(台詞:60) ︎︎ ♀
頭の良さだけが取り柄の物語の伽羅の一人。声を荒らげる描写あり。
エイヴリー(台詞:59) 性別不問
纏め力だけが取り柄の物語の伽羅の一人。
先生1(台詞:27) ♀
二十歳。読み聞かせが上手な先生。マリアが兼役。
先生2(台詞:13) 性別不問
二十歳。体力馬鹿の先生。リースが兼役。
先生3(台詞:16) 性別不問
二十歳。愉快犯の先生。コスモが兼役。
先生4(台詞:18) ♀
二十歳。バカ真面目な先生。セイジが兼役。
先生5(台詞:11) 性別不問
二十一歳。主体性のある先生。エイヴリーが兼役。
《兼役表》
マリア・先生1▶︎台詞 計74
リース・先生2▶︎台詞 計69
コスモ・先生3▶︎台詞 計69
セイジ・先生4▶︎台詞 計78
エイヴリー・先生5▶︎台詞 計70
先生2 : さぁて?皆……おねんねの準備はできてるかな!?
先生3 : うるさいぞ黙れ~……って、エミリーが言ってました~。
先生2 : なんだって……!?エミリーちゃんがそんなこと言うはずないよね……?
先生3 : エミリー、本心を伝えていいんだよ……!此奴うるさいから……。
先生2 : 御前だってうるさいだろ!?
先生3 : 御前程じゃないもーん。
先生4 : はいはい、そこまでにしときなよ。エミリーも困惑してるじゃん。
先生2 : なんだよ、この……冷静眼鏡!
先生3 : そーだそーだ、割り込んでくるんじゃないぞ、真面目ちゃん!
先生4 : お前ら……!!
先生5 : さーて、騒がしくしてる先生たちはほっといて……みんな、早く御布団に入ろうね~。
先生4 : ちょ、私は違うからね!?
先生5 : あの二人に載せられてる時点で同レベル。
先生4 : はぁ!?同レベル……!?私とこいつらが……!?
先生3 : やーいやーい、同レベル~!
先生4 : ……もう明日の昼食なしね。
先生3 : え……。
先生5 : さ、みんな寝ようね……って、なんだい?そんな期待のこもった顔をして……。
先生2 : 今日はクリスマスだから、あれはないのかって……あれ……あ~!あれな!
先生3 : みんな好きだね~?ボクも好きだけど~。
先生4 : それじゃあ、あの子呼んでこないとね?
先生1 : みんな~。もう寝た……?って、まだ起きてるね?
先生2 : お、噂をすれば……ってやつだね。
先生1 : え?何?なんのこと?
先生4 : ふふ、主役はあとからやって来る……ってね。
先生1 : な、なに?なんなの?え、ここに座れって……?え?
先生5 : さて皆、ちゃんと聞いたら寝るんだよ。
先生1 : 聞いたら寝る……あ~、成程?読み聞かせか……。何がいいかなぁ。コロちゃんのクリスマス?スノーマンもあったね、くるみ割り人形もいいかも……。
先生3 : ん?なんだい?ニコロ……ふんふん、ふふ、なるほどね?わかったよ。ね、せーんせ?
先生1 : はらぺこあおむしとか……ん?なぁに?
先生3 : とある子からのリクエスト!僕も聞きたいなぁ、いつもの話!
先生1 : ええっ!?でも、これ本当にいつも読んでるじゃない……飽きない……?
先生4 : 今更飽きないよね。というか……見なよ、このみんなのキラキラした顔。
先生1 : いいなら……良いけど……
先生5 : 君の声は落ち着くと評判だからね。私達も寝ないように用心せねばならないね。
先生1 : ふふ、もう……。『むかし、昔のお話です。とある賑やかな町には、四人の子供たちがいました。元気が取り柄のリースと』
リース : ここって入っちゃいけないって言われてたけど、言われたら入りたくなるよなぁ。
先生1 : 『行動力の高いコスモ』
コスモ : ざんねーん、ボクこそが一番乗り~!
先生1 : 『そして、頭の良いセイジと』
セイジ : わかってると思うけど……怒られる時は全員一緒だから。逃げたら許さないからね?
先生1 : 『人をまとめる力のあるエイヴリー。』
エイヴリー : 分かってるって。もしもの時は僕が全てを引き受けるよ。
先生1 : 『そんなちぐはぐでいて、楽しい四人組は……入っては行けないと言われている森の中に入ってしまうのでした。』
セイジ : エイヴリーがそんなんだから彼奴らが調子に乗るんだってば!
エイヴリー : そうは言われてもね……ほら、僕が一番年上だし。
セイジ : 年上とか下とか関係ないでしょ?悪いことをしたのは私たちなんだから、怒られるのは当然のこと。
エイヴリー : いや……でも怒られるのは誰だって嫌だろう?ね、リース。コスモ。
コスモ : はーい!いっやでーす!
リース : まあ嫌だけど……。エイヴリーが一人で怒られんのは違うと思うな……。
エイヴリー : ほら、二人もこう言ってるだろう?
リース : え……俺の意見コスモと同じなの……?
エイヴリー : え?
リース : え……?
セイジ : ……エイヴリー、リースで遊ぶのやめてあげなよ。マジで泣きそうな顔してるけど。
エイヴリー : ふふ、ごめんごめん。面白くてついね。
コスモ : おっとっと?リース泣いちゃう?泣き虫さんかなぁ?はーいよしよし!
リース : 頭を撫でるな!慰めるな!御前のはいじりにしか聞こえねぇんだよ!!
コスモ : やっだ、ひっどーい!ぼくちんが泣いてやる!
エイヴリー : おや、コスモが泣くのかい?僕が慰めようか?
コスモ : ああ、エイヴリー……リースがボクをいじめるんだよぅ……。
エイヴリー : それは困ったね。よしよし。
セイジ : ……あ~、始まった。エイヴリーの悪ノリ。
リース : ほっとく?
セイジ : ほっとこ。せっかく*清廉の森《せいれんのもり》まで来たんだ。楽しまなきゃ。
リース : 案外セイジもノリノリできたよね……。
セイジ : そりゃね。面白そうだし。
エイヴリー : さて、今日は何をして遊ぶか決めようか。
コスモ : え……もう終わり?
エイヴリー : もう終わり。早く遊ばないと日が暮れてしまうからね。
コスモ : たしかに。じゃあ、何する?鬼ごっこ?かくれんぼ?
セイジ : 私はかくれんぼの気分。
リース : じゃあ俺はねぇ……。
マリア : (We wish you a merry Christmasを軽くアレンジしてハミング次の出番まで繰り返す)
エイヴリー : ん?随分と綺麗な歌声だな。
リース : 誰か歌ってんのかな?
コスモ : ボクらと一緒でこの森を見に来たのかも!一緒に怒られる仲間増やしたいね!
セイジ : あんた、結構最悪なこと言ってるけど。
コスモ : あは、しーらない!
エイヴリー : ただ、この歌声の主は気になるよね?見に行こうか。
リース : さっすがエイヴリー!この声ってどっから聞こえてくるんだろ?
セイジ : ……あ、あっちじゃない?
コスモ : ボクがいっちばんのりー!!
リース : あ、ちょっと待てよ!俺が先!
セイジ : あ、こら!先に行かないでよ!
エイヴリー : ふふ、面白いね。
セイジ : 面白がってないで手伝ってくれる!?
エイヴリー : いやいや……なんだか、新しいお友達ができる予感がするんだ。
セイジ : 新しいお友達って……。
マリア : わっ!?
エイヴリー : さ、行こう。もう二人は歌の主を見つけたらしい。
セイジ : ……まあいいけど。
先生1 : 『そうして、山の中の静かな協会の中、四人はある少女……マリアに出会ったのです。』
リース : 君だよね!さっきまで歌ってたの!
マリア : え、だ、だれ……?
コスモ : ボクより歌が上手いとか……何様のつもり?貴方!
マリア : な、何様って……?
リース : 此奴はコスモ。変に悪ノリしてるだけだから気にしなくていいよ。
マリア : そ、そうなんだ……?
コスモ : 悪ノリして何が悪い。誰も困らせてないじゃないか!
リース : この子は困ってたよ!
コスモ : え~……困ってないよね!?
マリア : え、えっと……。
エイヴリー : そのくらいにしてやりなよ。二人とも、その子困ってるだろう?
マリア : ま、また増えた……?
セイジ : 増えたって……もっとほかに良い言い方あるでしょ……。
マリア : あ、ご、ごめんなさい……こんな所に人が来るなんて思わなかったから……。
リース : そもそも、ここって立ち入り禁止区域だぞ?なんでこんな所にいるんだ?
マリア : た、立ち入り禁止区域!?い、いるというより……なんというか、私……ここに、住んでるんだけど……。
リース : す、住んでる!?
エイヴリー : へぇ……?そういうこともあるんだね……じゃあどうして立ち入り禁止区域になってるんだろうね。この清廉の森は。
コスモ : あれじゃない?『この森は……!彼女を守るためにある……だから貴様がここを通ることはできん!』みたいな。
セイジ : その想像力豊かなそれ、あんたのどこから出てくるわけ?
コスモ : ボクの優秀な頭からさ!
セイジ : 優秀、ね……
コスモ : なんだ?ボクの頭が優秀じゃないって!?失礼な!
エイヴリー : とはいえ、それも結構有り得そうかなと僕は思うけどね。
リース : ……!?エイヴリーが……コスモに、同意……した……!?
セイジ : 割といつも同意してるでしょ此奴。
エイヴリー : 此奴なんて酷いな……僕は、面白そうな案は同意して然るべきと思ってるだけなのにね。
セイジ : そういう所だってば。
コスモ : そーだそーだ!セイジ言ってやれ~!
リース : 御前はどっちの味方なんだ!
コスモ : え?面白そうな方!
リース : ……前から思ってたけど、案外コスモもエイヴリーも似たもの同士かも……。
マリア : ……ぷ、ふふ、ふふふ!
セイジ : ん?何この子!急に笑い出して……。
コスモ : え、まさかのここから闇落ち展開!?
エイヴリー : かもね?
リース : 絶対ありえないだろ……。
マリア : う、ふふ、ふふ……ふふ、ごめんなさい……なんだか、こんなに騒がしくて暖かいの久しぶりで……。
エイヴリー : ……まあ、こんな所に来る人なんて居ないだろうからね。
マリア : そうなの。だから、なんだか嬉しくて!先生もいるけど……私は綺麗でいなきゃダメだからって、お話もしてくれないの……。
セイジ : 綺麗でいなきゃだめ?何それ、変なの。
マリア : ……私は、特別なんだって。
エイヴリー : 特別……か……君には、何か事情があるようだね?
リース : 事情?事情って?
コスモ : え、知らない……。
セイジ : まあ何にしろ、ろくでもないことなのは確かだろうね。やっぱり帰る?
マリア : え……。
リース : え~!?まだ来たばっかりだろ!?全然遊んでない!
コスモ : そーだそーだ!このままじゃ怒られ損じゃないか!
エイヴリー : そうだね。それに……折角新しいお友達ができたのに、勿体なくないか?
セイジ : 友達!?この子が!?
マリア : あ、私……。
リース : おー!確かに!ねぇ、君名前なんて言うの?俺リース!
マリア : り、りーす?
コスモ : ボクはぁ、コスモ!
マリア : こすも……。
エイヴリー : 僕はエイヴリー、そしてこの子が。
セイジ : っ!?……はぁ、セイジ。エイヴリーは本当に強情なんだから……。
マリア : エイヴリーと、セイジ……わ、私は……マリア!
エイヴリー : さ、マリア。こっちだよ。みんなで遊ぼう。
リース : よっしゃ!やっと遊べる!
コスモ : ボクやっぱりかくれんぼがいいなぁ。ここならいっぱい隠れられそう!
セイジ : ……なら、やっぱり鬼ごっこがいい!マリア、あんた走れる?
マリア : え!?
セイジ : 私よりも足が早かったら……認めてあげてもいい。
マリア : あ、わ、わかった!私頑張るね!
エイヴリー : よし、決まったね。鬼ごっこをしよう。
コスモ : え~、かくれんぼは?
リース : それはまた今度だろ!よーし、じゃあ一番目の鬼は俺!いーち、にー、さーん!
セイジ : さ、行くよ!
マリア : ちょ、ちょっと待ってよ~!
エイヴリー : なんだかんだ、セイジも嬉しかったんだろうね。
リース : たーっち!エイヴリーが次の鬼!
エイヴリー : おっと、ぼーっとしすぎてしまったか……ふふ、早く逃げないと捕まえちゃうからね。
先生1 : 『マリアを含め、五人で沢山遊びました。鬼ごっこも、かくれんぼも……たくさん、沢山しました。けれど時間はいつの間にか過ぎてゆくものです。いつの間にやら日は沈み、みんな帰らなくてはならない時間になってしまいました。』
リース : あっ!やべ、もう日が暮れちゃう!父ちゃんに怒られる!
エイヴリー : ふー、もう沢山遊んだからね。帰らないと。
コスモ : 『お前らこんな時間まで何しとんねん!!』みたいな?
セイジ : 何それ、どこの言葉?
コスモ : え?知らない。
リース : 御前しかわかんないのに!
マリア : ……帰っちゃうの?
エイヴリー : まあ、時間も時間だからね……。
セイジ : 一人で寂しいのはわかるけど……さすがにね……。
リース : また来るから大丈夫だって!父ちゃん怖いから早く帰んないと……!!
コスモ : リースはお父さんにかなわないもんね?
リース : うるさい!コスモの父ちゃん母ちゃんみたいに俺の父ちゃんは優しくないの!
マリア : ん、分かってる……。
エイヴリー : マリア……僕たちは……。
セイジ : うじうじしない!
マリア : んぇ!?
エイヴリー : ……ふふ、セイジが行くなら僕はいっか。
セイジ : また来るって言ってるでしょ!私もまだまだあんたと話したい。だから待ってなよ。
マリア : ……うん、待ってる。
リース : じゃあ俺先帰る!またな!!
コスモ : ボクもママとパパが心配しちゃうから帰る!『今行くぜ!親父!!』
エイヴリー : そんなに騒いじゃダメだろう?ふふ、またね、マリア。
セイジ : ほら早く!私も怒られるのは勘弁だから!またね!
先生1 : 『マリアは思いました。本当に来てくれるかな……もう、会えないんじゃないかな、と。けれどその翌日、マリアの前に四人はまた顔を出しました。』
エイヴリー : おはよう、マリア。
セイジ : なーに、そんなめそめそしてんの?来たでしょ?
マリア : だって……寂しかったの……。
リース : わ、泣くなって!
コスモ : 『泣くな!男だろ!』
セイジ : 女だよばか。(コスモにチョップ)
コスモ : あいたっ!ごめぇん、姉さん!
セイジ : 誰が姉さんだ!
マリア : ……ふふ。
エイヴリー : ほら、騒いでると遊ぶ時間が無くなる。はやく遊ぼうか。今日は何をする?
リース : 今日は、かくれんぼ!
エイヴリー : いいね。マリアはやり方は知ってる?
マリア : うん、知ってる!昔にやった事あるもん。早く遊ぼう!
コスモ : 乗り気だね~。
セイジ : じゃ、今日は私が鬼をやる!絶対全員見つけだしてやるから!
エイヴリー : セイジはやる気になると恐ろしいからな……さて、三十数えてね!
セイジ : 分かってる!いーち、にー!
コスモ : じゃあ今日はボクと一緒に隠れよ?マリア
リース : あ、ずるい!
先生1 : 『そうして、何日も何日も……五人は遊びました。時には鬼ごっこを一日中やったり、時にはみんなで歌ったり、ただひたすらに話ばかりする日もありました。そんなある日のことです。マリアは泣きそうな顔をしていました。』
リース : ん?マリア、どうしたんだ?変な顔してるぞ?
セイジ : あんた、少しはデリカシーってものを学んだら?
コスモ : そうだそうだ!女の子の顔は宝石なんだぞ!パパが言ってた。
エイヴリー : まあ、リースの言いたいこともわかるよ。言い方はあっただろうけどね。
マリア : そんなに、気になる?
リース : 気になる。
コスモ : 『貴方の悩み、私が解決致しましょう!』
セイジ : あんたね……。
エイヴリー : 僕らは、頼りにならないかい?
マリア : そ、そんなことない!けど……私……。
セイジ : マリア、私はあんたの力になりたい。頭はそれなりにいいんだよ。だから、ね?
マリア : っ!
エイヴリー : 僕らはもう、友達だろう?
マリア : っ……。
リース : マリア、どんな悩みも俺が吹っ飛ばすぜ!
コスモ : 笑いでね!
リース : 変な付け足しをするな!
先生1 : 『みんなの励ましの声に、マリアは急に泣きだしました。涙ながら、「私が一緒にいられるのはクリスマスまでなんだ」と。』
エイヴリー : ……。
セイジ : え、待って、どういうこと……?
リース : クリスマスって……あと、ひと月もないけど……
コスモ : ん~えっと……『うっそぴょーん!』ってやつ……?
エイヴリー : やっぱり、次の神への捧げものが君、ってことか……。
セイジ : 神様への贈り物って……何……?
リース : ……おくりもの?でも、贈り物は嬉しいものだよな!でも、人を貰っても嬉しくなんてない……と、思うんだけど……。
コスモ : ……なにも、思いつかないや。
エイヴリー : 僕も、ちゃんと聞いた訳じゃないけど……毎年クリスマスには、神様に感謝を告げるために誰かを神様の元に向かわせるんだって。今年は歌姫を送るんだって……誰かが言ってたから……なんとなく、マリアなんだろうなって思ってた。
セイジ : で、でもなんで!?神様の元に行かなくちゃいけないの!?
マリア : 神様を癒すために、私は行かなくちゃいけないの……神様が喜んだら、この村にもいいことが起こるって、そう、教えてくれたの。神様は汚いものは嫌いなんだって……だから、私はずっとここでお歌の練習を……してた……。
リース : そ、そもそもだよ!そもそも……神様の元に行くって……なに……?
コスモ : それは……まあ、あれ、だよね……。
マリア : ……もう、来なくていいよ……きっと、そろそろバレちゃうから……最近、人の出入りが激しいの。
エイヴリー : マリア……。
マリア : 出てって!!十分、たのしく過ごせたから、もういいの……。
セイジ : ねぇ、マリア……。
リース : っ!?あっちが騒がしくなってる!
コスモ : さっきの大声……!!
エイヴリー : ……仕方ない、帰るよみんな。
セイジ : ねぇ、マリア!
エイヴリー : セイジ!
セイジ : っ!……!!
リース : マリア!!また、また来るから!
コスモ : 何大声出してんの!?馬鹿なの!?
マリア : ……ごめんなさい、ありがとう……みんな、大好き……さようなら。
:
リース : ……はぁ、はぁ……ここまで来れば……だい、じょうぶ……?
コスモ : ……多分……どうする、ねぇ……これから……。
リース : 神様の元に行ったら、もうマリアとは会えないってこと……なんだよな?
コスモ : ……多分。
リース : 俺、そんなのやだよ!マリアだってあんなに楽しそうにしてたじゃん!クリスマスに神様の元に行くんだろ!?じゃあ、それまでに神様にお願いしようぜ!?マリアを連れてかないでくださいって!
セイジ : ……うるさい……。
コスモ : ねぇ、リース……そういうことじゃ……。
リース : そういうことじゃないって……?どういうことだよ……?だって、一番ちゃんとできることってそんくらいじゃん!
セイジ : うるさい、リース
リース : 他に方法があるのかよ!?みんな考えろよ!
セイジ : うるさい!!!
リース : っ!!
エイヴリー : リース……落ち着いて聞いて欲しい。神様の元に行くってことは……死ぬ、ってことなんだよ……。
コスモ : ……多分、いつもクリスマスに大人たちが清廉の森に入るのって……そういうことだよね……。
リース : し、ぬ……?
セイジ : そうだよ……彼奴は私たちに何も言わずにしようとしてる……巫山戯んな!友達じゃなかったの!?
エイヴリー : セイジも落ち着いて。
セイジ : 私は落ち着いてる!
コスモ : セイジ、そうは見えないよ……。
エイヴリー : コスモの言う通りだよ。
セイジ : でも!
エイヴリー : セイジ(遮る)
セイジ : ……。
コスモ : とりあえず、深呼吸して、ね?
セイジ : ……っ(深呼吸)
エイヴリー : 僕はちゃんと考えてる。マリアのことも含めて。
コスモ : エイヴリー……。
エイヴリー : ……とはいえ、今思いつくのはただひとつ。クリスマスまであと*一月《ひとつき》。もしそこまでに他の方法が思いつかなかったら……みんな、手伝ってくれる?
セイジ : ……。
リース : ……。
コスモ :……ボクは……。
エイヴリー : 答えは、今じゃなくていい。ちゃんと僕の話を聞いてから出てくれれば。だから、また明日……ここで、しっかり話すよ。今日は……ゆっくり休もう。疲れただろうから。
先生1 : 『そうして、その日の五人は別れてしまいました。けれど、マリア以外の四人は諦めません。クリスマスまでの日々、何日も何日も集まっては何度も何度も話し合いました。そうしてついに、クリスマスはやってきました。沢山の大人達に囲まれ、マリアは清廉の森の泉の前に立ちました。』
マリア : ……(We wish you a merry Christmasを軽くアレンジしてハミング)
エイヴリー : ちょっと待った。
マリア : っ!?え、エイヴリー……!?
先生1 : 『突然声を上げたエイヴリーに、大人は驚いていました。そんな大人立ちをよそ目に、エイヴリーはマリアの手を取って走り出します。』
エイヴリー : 行こう!みんな待ってるよ。
マリア : み、みんな!?みんなって……
エイヴリー : 良いから、早く!
先生1 : 『エイヴリーはマリアと手を繋いだまま、森の奥へと走っていきます。その先には……』
コスモ : 『遅かったじゃないか!待ちくたびれぞ!』
リース : いやいや、あそこの泉から走って来たんだから相当だろ!でも早く行かないと、他の大人も来ちゃう!
マリア : え、え……?ど、どういうこと……?
セイジ : っ!(マリアの頬を張り)
マリア : いっ!な、何するの……?(その後抱きしめられて)
セイジ : 馬鹿……!友達なんだからもっと頼ってよ……!
マリア : ご、めん……ごめん……!!(泣き出し)
エイヴリー : 感動的だけど、今はゆっくりしている暇は無いよ。ほら、あっちから人の声がする……追いかけてきているんだ。
リース : ああ~……父ちゃん母ちゃん怒ってるかな……。
コスモ : 大丈夫大丈夫!忘れられたら……いつかまた、会いに来よう。
マリア : なんで、私なんかのために……。
リース : あ!ごめん、別に責めたい訳じゃなくてさ!ただ……俺、マリアともっと話したいから!
コスモ : そうそう!リースはデリカシーないから……それに、パパらにはまだ会える可能性があるから。ね?
エイヴリー : 話はあとだって。マリア、今更だけど……一つ聞かせて欲しい……マリアは、逃げたい?今なら帰れるよ。
コスモ : ……マリアの気持ちが聞きたいんだ。
リース : 生きたいなら、助けてって言ってくれよ……!!
マリア : あ、でも……。
セイジ : マリア、あんたの口から聞かせて。
エイヴリー : もう時間もない。マリア。君が、決めるんだ。
マリア : ……わたし、は……。
セイジ : マリア……。
マリア : 私は……生きたい!一緒に逃げて……!!
リース : 勿論!
コスモ : 『善は急げってやつでっせ!』
セイジ : 行こう、マリア!
マリア : ……っ!!うん!
先生1 : 『五人の子供たちは逃げ出しました。自分たちを知る人がいない場所へと。それからは、お互いに助け合い、幸せな生活をを送ることが出来たのでした。めでたしめでたし』……と、あれ?
先生4 : ふふ、みんな寝ちゃってるよ?先生。
先生3 : 『貴方の囀りは何より美しい……』
先生2 : あ、それ久々に聞いたな?
先生5 : さ、話は後々。まずは読み聞かせ……という名の寝かしつけをしてくれたマリア先生に敬意を表して、私たちは子供たちを布団に入れようか。リース、コスモ、セイジ、手伝いを頼むよ。
先生2 : 了解!
先生3 : 分かってるわかってる、リースは起こさないようにね?
先生2 : なっ!?わ、分かってるっつーの!
先生4 : 分かった……って、なんでマリアはそんな顔してんの?
先生1 : いや……そんなにつまんないかなぁって……私の自作の絵本……。
先生4 : そんなことないでしょ?ただ、長すぎるだけだよ。
先生5 : なんたって、私たちの昔の話だからね。
先生2 : よくあんな綺麗にまとめたよなぁって思うわ。
先生3 : マリアの新しい才能開花だよね~。歌も上手くて、絵も上手くて、話をまとめるのも上手。
先生4 : まあ、私の親友だし?
先生5 : なんだかんだ、セイジが一番マリアのこと大好きだよね。
先生4 : そりゃ……。
先生1 : ふふ、そろそろあれから五年かぁ……みんな、お父さんとお母さんに会いにいく?
先生2 : あ~、俺はもういっかなーって思ってる……父ちゃんら、ちょっと前に来たし。
先生3 : ボクも~。
先生5 : 確かあの村、廃村になっちゃったって言ってたね。詳しくは聞いてないけれど。
先生4 : そうなの?
先生5 : 私の父が言っていたよ。セイジのご両親もそろそろ来るんじゃないかってさ?
先生4 : あ~……怒ってそうだな……。
先生2 : 心配だからこそだろうからさ!許してやろ?
先生3 : ボクも怒られたから、みんなで怒られよう?
先生4 : あんたがそんなこと言うとはね?
先生3 : ん?
先生4 : なんでもなーい。
先生1 : ……ふふ、みんな、大好き。ここまで本当にありがとう。
先生4 : 何?今更。
先生3 : 孤児院に関しては、ボクらもOKしたし。
先生5 : そうだよ。むしろ、私からすると……一緒に来てくれてありがとう、の一言に尽きる。
先生1 : あ、そうだ。みんなが起きたらさ、『We With you a merry Christmas』でパーティーを締めない?
先生2 : え、でもあれ……あの時の歌に似てるよ?大丈夫?
先生1 : いいの!みんなとなら、幸せだから。嫌な記憶も楽しい記憶で塗り替えたいの。だから、手を貸して。
先生1 : 『そうして、また私の人生が幸せに塗り替えられます。どうか、自分達に……あの子たちも、幸せだと胸を張れるようになりますようにと。願いながら。そしてまた一歩、足を踏み出すのでした。めでたしめでたし』……え?くどいって?ふふ、それも貴方を作る一つの時間。だから、許してね?
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