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~一章 野望の剣士編~
~プロローグ~
しおりを挟む今から五百年前……機械工学による発展により、生活水準の高まったこの世界は繁栄を極めていた。まるで花びらのように広がる海を隔てた東西南北に別れた大陸は、それぞれが独自の発展を遂げ、物資を供給し合う平和な世が続いていた。
しかしある日、世界の中央にある小さな島国に異変が起こった。
その小さな島国の名前は『ズァーリ島』小国ながらもその位置からか、この世界にとっては大切な貿易の中継地点であった。
そして島国の首都である『ヴァロン』は毎日たくさんの大陸の人間が出入りするちょっとした大都市を築いていた。
だが、災厄の日は突然にこの栄華を誇ったヴァロンの街に降り注いだ。
それはいつも通りの朝、各大陸から行商人達が島を訪れると──ヴァロンの住人達が突然に姿を消してしまっていたのだ。
大人から子供、老若男女を問わずにいなくなり、昨日まで明るかった街が嘘のようなゴーストタウンと化していた。
……そこから世界は一変する。泰平を保っていた世は混乱を始めた。各大陸の王はこの島国で起こった事件は、誰かが我が物にしようと画策した陰謀であると疑い、戦争を開始したのだ。
そしてその戦争の中で恐ろしい事が起こった。普通の人間には無い、特異な能力を持った人間が現れたのだ。
彼等は炎を操る者もいれば、水を変幻自在に動かす者や、大地を揺るがす者もいた。
彼等のような異能の者を『逸脱』と人は呼んだ。逸脱は戦争の中で人を大量に殺し、各国の英雄にもなった者もいれば、単純に無差別に殺しを楽しむ者もいた。
しかしそんな戦争も一年が経った頃、終息を迎えた。理由は誰もわからない。まるで皆が正気を戻したのかの如く、何事も無かったかのように止まったのだ。
そして、戦争が無くなった人々は逸脱の者を糾弾した。戦場での英雄は只の人殺しへと成り下がったのである。
各国で"逸脱狩り"を始めた人々の尽力により、この世から逸脱は身を隠すように姿を眩ました。
争いは潰え再び訪れた平和の中、世界にはある噂が広がっていた。
──この世界のどこかにある、黄金の花が咲き誇る楽園には逸脱の者が集まり、国を築いている。そこには誰もが望むままの"願い"が満ちていると──。
楽園へと行きたいのならば、楽園を守る四人の守護者を倒せ──さすれば道は開かれん──。
世界中の人間はその楽園を目指した。
人々は傲慢にも国を作る逸脱の者を排除するために、そして己の欲望を叶えるために目指す。
生き残った逸脱の者達は自分の居場所を見つけるため、そして人々に復讐するために目指す。
こうして、今もその楽園を目指して世界中の誰かが旅を続ける。
人はいまだ見ぬその楽園を『禁断の花園』と呼んだ──。
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