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~三章 復讐の乙女編~
四十七話 未だ見ぬ明日へ
しおりを挟むドサリとジェロンの身体が地に落ち、乙女は荒い息を上げその決着がついた事に安堵すると、気が抜けたようにふらりと後方へ倒れる。
「ヴィエリィ!」
その力の抜けきった自分の身体をバラコフが走ってきて支える。オカマの友は嬉しそうに力強く私に声をかけた。
「ヴィエリィやったわぁ! あたし達勝ったのよぉ!」
「……さっきの、さっきの光は……?」
私はあの恐ろしき呪術使いを破った喜びの前に、自身の勝機を作ってくれたあの眩しき光の正体が気にかかる。
「──ヴィエリィ……あの光はねぇ、サンちゃんよ……。サンちゃんが照らしてくれたのよぉ」
バラコフの言葉を受けて私は後ろを見ると、そこには黒く焦げた地面ともはや跡形も無くなったサンゴーの体のパーツらしき細かい部品が辺りに散らばっていた。
そう、サンゴーは爆発をしたのだ。それが意図的なものか偶然なのかはわからない。だがしかし、彼があの部屋中を包む閃光を放ったおかげで私は勝ったのだ。その事実は変わらない。サンゴーは最後まで私達を助けてくれたのだ。
「サンゴー……ありがとう…………!」
私は足に力を入れて立ち上がると、自分の身体と一つとなった彼がくれた鋼鉄の左腕をぎゅっと抱き締めた。
「お姉さん……私達、助かったの……?」
「おれたち、助かったのか……?」
ジェロンに人質にされていたスベンとスーラが、今にも泣きそうな声で言う。
「坊や達、もう大丈夫よぉ。悪い奴はお姉さん達が倒したわぁ!」
バラコフが子供達の頭を撫でながらとびきりの笑顔で答えると、スベンとスーラ、それに上に吊るされた鳥籠に捕らわれた大勢の人達の歓喜の声で部屋中は包まれた。
「……よかった」
その声を聞いて私は自分が成した事に胸を撫で下ろす────その時であった。
「──お……おぉ……ただで、は……ただでは、すま……さん……!」
全員がその声に反応するよう一斉に目を向けた。胴体に空洞の空いたジェロンが、這いつくばりながら怨念を込めたような声で言ってきたのだ。
「ジェロン……! まだ生きてたか!」
「ちょっとまだ生きてるのぉ!? 坊や達! 下がってぇ!」
「許さん……! 許さん……ぞ……!」
私は身構え、バラコフは自分の後ろに子供達を避難させる。ジェロンは瀕死の虫の如く地に伏し、執念だけでこちらに言葉を投げ掛けるよううごめいた。
「ここからは……生きて……帰さん……! 全員……道連れ……だ……! ……『怨』!!」
──ゴゴゴゴゴゴゴゴ
ジェロンが最後の言葉を放つと、部屋全体が揺れ始めた。
「なっ何ぃ!?」
「部屋が……! ──危ない!」
ピシィィィッドガアァァァァッッン!!
壁に、床に亀裂が入る。天井からは何個もの人が入った鳥籠が落ちると、それを潰すように一緒に大きな瓦礫が降ってきて、地面には赤い血が飛び散る。私は連続で降ってくる大小の瓦礫を間一髪で避ける。バラコフも子供達をかばうように背中で跳んできた細かい瓦礫の破片から守った。
「ここで……死ね……! お前らの……その軽率さ……世界の……秘密を…………」
「ジェロン──!」
ジェロンはぶつぶつと何かを言う。だが、次の瞬間には奴の頭上からも大きな瓦礫が落ちてきて、果物がはぜたような音を立ててその瓦礫の下敷きとなった──。
ガシャャャン!ドガアァァァァン!
崩れる。暗い、恐ろしき部屋は建物ごと全てを崩れさしその存在を最初から無きものとするようにどんどんと崩れていく。
「ヴィエリィ! 早く入り口へ!」
「でも──! みんなが!!」
まだジェロンに小さくされた人達が大勢いることに私は足踏みする。ガシャン! と、私は自分の側に落ちてきた鳥籠を抱えて中にいる人の安否を確認する。
「大丈夫!? ──っ!」
鳥籠の中にいる小さくされた人達は口から血を吐いてすでに死んでいた。その身体には無数の黒い斑模様のような斑点が見られる。これも奴の呪術なのか、それはこの部屋にいる者全てを生かすつもりは無いという怨念を感じるようなおぞましい姿で殺されていたのだ。
「そんな……!」
「ヴィエリィ! 認めたくないけど、みんなもう……。だから私達だけでもここから出るのよぉ! 早くこっちよぉ!」
バラコフはスベンとスーラの手を引いて部屋の出口、黒い扉の方へと走る。私も死者が転がる多くの鳥籠を横目に歯ぎしりをしながら扉へと向かった。
バァンッ!
私は扉を思い切り鋼鉄の左腕で殴ると、豪快に扉は開かれた。
「ここを抜ければ外よ! 一気に突っ切る!」
「きゃあ! 岩が──!」
「うわああ! おれ、死にたくないよお!」
「急ぎましょ! 坊や達! 生きてここから出るのよぉ!」
バラコフと私はおびえる子供達の手を引きながら走る。私は先陣をきって安全確認をしながら真っ直ぐ通路を突き進む。部屋を出て、ここさえ抜ければ後はもう外だ。もう少しの辛抱である。
ガラガラと神殿は崩壊し、出口もいつ埋もれるかわからない。だが幸いにも通路の先、その出口からは光が見えた。外だ、外に出られるのだ。
「──ヴィエリィ危ない!!」
一瞬の油断か、外の光を見て希望を持った私の頭上から、大きな瓦礫が降ってきた──。
『生きて帰さん』──ジェロンの怨念が私を襲う──
「うおおおおお!」
ドンッ!
後ろから、大きな手が私とスーラの背中を突き飛ばした。突き飛ばされた私達は前方に吹っ飛ぶと、降ってくる大きな瓦礫をギリギリで躱す。私達を救った手、それは旧来の友の手、バラコフの手のひらであった。そしてバラコフは自分と一緒にいたスベンも咄嗟にこちら側へ投げていた。
「バラコフ!」
通路はその大きな瓦礫で完璧に塞がれた。外に繋がる出口側の方に私とスーラとスベン──そして瓦礫を挟んで奥の方にバラコフは取り残されてしまった。
「ヴィエリィ! 急ぎなさい! 早くしないと出口が塞がる!」
「バラコフ! いま助け──」
「バカッッ!! あんたは一人じゃない!! その子達を助けなさい!! 急げじゃじゃ馬娘!!」
瓦礫の奥から友の声が怒声となって届く。そうこうしている間にも、もうこの通路は崩壊寸前であった。
「──バラコフっ……!」
私は子供達の手を引っ張り、出口へ走った──。自分の無力さ、どうすることも出来ない犠牲者を放って、ただ、ただ突っ走る。
外の明かりが近づく。あと十歩、あと五歩、あと──一歩!
最後まで、駆け抜ける。私とスベンとスーラは外に出た。紅い夕焼けが三人を迎えた。そして、外に出ると同時に通路は大きな音と共に完璧に崩れた。
それは中にいる者を全てを生き埋めるような豪快な崩れかたであった。中にある空気を押し出すように砂ぼこりがぶわりと突風のように舞った。ここに、崩壊は完了し……夕焼けの中、静かな──静かな静寂が辺りを包むと、
「──バラコフーーーーっ!!」
ありったけの思いで、私は叫んだ。涙とともにそれは夕焼けの中に溶けるように、悲しく……哀しく周囲に木霊する。
もう戻らない、友、家族、行方不明者。全てに涙を流す……。
こんなに涙が溢れるのは人生で初めてかも知れない。私は、両膝をついて地面を叩いた。
「バラコフ……!」
ありがとうと、心の中で反芻する。最後まで私は……友に助けられてばかりであった。
「────何か、聞こえる……?」
「……うん。何か聞こえるわ……?」
「……えっ──?」
悲しみにくれる中、スベンとスーラが言った。私は疑問を浮かべ、耳をすますと確かに何かグシャグシャと音が聞こえるのがわかる。
そして、音の正体はその崩壊した出口の方から、通路の中から聞こえてくる。
次の瞬間──
「…………って……リリアンって言ってるでしょーーがぁっ!!」
崩壊した通路の中から、それを掻き分けるようにバラコフが両手を上げて飛び出して来た。
「バラコフ!! なんで!?」
「リリアンよぉ!! 何度言ったらわかるのよぉ! あんたあたしの能力忘れてんのぉ? あたし一人ならこのくらいの瓦礫、柔らかくしてこうやって出てこられるわよぉ」
オカマはその能力でこの窮地を自力で突破したのだ。私は驚きと喜びで飛び上がると、旧知の友とハイタッチをした──。
・
崩れた神殿を見て私達はしばし色んな思いに馳せていた。もう戻らない人達に向けて、様々な感情が心を突いていた。
「もう、これで終わったんだね……」
「ヴィエリィ、あたし達、勝ったのよぉ。多くの……多くの犠牲が出て……本当に全部が全部、ハッピーエンドって訳には行かないけど、それでもこの先に生きる人達への希望をあたし達は作ったのよぉ。胸を張りなさいなぁ。あんたのおじいさんやヴァスコ村のみんな……それにサンちゃんだってそれを望んでる筈よぉ」
信じられない気持ちと、信じたくない気持ちがまだ私の胸の中にあるが、ふと友から継いだ左腕を見て私はもう一度崩れた神殿を見る。
「ありがとう……サンゴー。あなたのおかげで、私達は生きてる。あなたから貰ったこの腕、決して無駄にしない……」
優しい風が吹き、乙女の髪をなでると風は流れに乗って彼方へと去る。私は、私達は短くも親愛における友に別れを告げた。
「……この後、どうしようかしらぁ」
バラコフは黄昏ながら遠くを見つめ、彼もまた溢れる涙をこらえるように少し震えた声で言った。
「お姉さん達、本当にありがとうございます。ほら、スベンも」
「……ありがとう。本当に助かった、です……おれ、人なんかみんな信じられないって思ってたけど……お姉さんは違う……本当に、本当にありがとう……」
スベンとスーラの言葉に私とバラコフは笑顔で笑いあう。
「本当によかったわぁ……。沢山の、沢山の犠牲が出てしまったけど、あなた達だけでも助かって本当によかった──そうだ! 坊や達あたし達の村に来ない? もちろんブリガディーロ村にいる人達もみんな! あたし達の村で暮らさないかしら!」
「えっ!? いいんですか……?」
「あったりまえじゃない! ね! ヴィエリィ!」
「そうだね……! 私達のヴァスコ村は無くならない……! これから、これからどんどん発展するんだ!」
私達は新たな住民が増えることに嬉しさを分かち合った。そうだ、おじいちゃんもきっと喜んでくれる筈だ──私達の村は、これからも終わらない、終わらせない……村の魂を私は失わない。
見ていて、ヴァスコ村のみんな──これからも私達をどこかで……遠いどこかで見守っていて──
・
「さあみんなぁ! 準備はいいかしらぁ?」
──あの死闘から五日後……ブリガディーロ村の人達は新天地となるヴァスコ村へと向け出発する準備を終えて朝早くから広場に集まっていた。
「……よし! 大丈夫そうねぇ。ヴィエリィ、あんたは準備できたのぉ?」
「うん! 大丈夫よ」
私は身支度を整えて、準備万端に朝を迎えていた。そしてバラコフは物寂しそうに私にこう言う。
「ほんとに……行くのねぇ」
「……うん。これはもう決めた事だから、サンゴーに恩返しするって決めたからね」
「──ふふっ。そうねぇ、それがいい……むしろそうじゃなきゃねぇあんたは……応援するわぁ。気張りなさいよぉ!」
私は、みんなと一緒にヴァスコ村には帰らない。私は決めたのだ。サンゴーのこの腕と一緒に、彼の生まれた故郷……作られた、作った人物を探しに、そしてその目的を知るために旅に出るのだ。
「──ヴァスコ村は頼んだわよ」
「あんたに言われなくたって! あんたこそ、のたれ死ぬんじゃないわよぉ! 必ず、サンちゃんの"夢"をあんたが叶えてあげるのよぉ」
私はバラコフとがっしり左手で握手をする。
「ヴィエリィ、彼らの道中の安全はこの私にまかせて下さい。何かあったらすぐに連絡を……」
「お姉さんお元気で! ほら、スベンも!」
「その……元気で………… ! お姉さんは、命の恩人だから……」
「カー君! スベン君、スーラちゃん! ありがとうみんな!」
合流したカーニヒア、子供達とも握手を交わす。ブリガディーロ村の人達も私の門出を祝ってくれた。
「よーし! 出発よぉ!」
馬車が住民を乗せ、村を発つ。その中からみんなが私に向かって手を振る。いつまでも──その姿が消えるまで、手を振り、『またね』とまたいつかの日に向けて再会の言葉を投げる。
一人、残された私もずっと手を振り、彼らが見えなくなるまで『またね』と言った。
人は、未だ見ぬ明日へと進む──。
ここに一つの冒険が終わり、一つの冒険がまた始まった。私はみんなとは逆の方向へ歩を進め、流れるように荒野へと旅立つのだ。
目指すは誰もが夢見た地──『禁断の花園』
あるかどうかもわからない、どんな願望をも叶えるそんな楽園。
でもさ、私は必ずあると思ってる。だってこれまでの旅だってこんなにも、不思議と謎の連続だったのだから…………。
~ 三章 復讐の乙女編 ~ 完
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