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四話 側妃の意地※
「トビー、知りたい……教えて」
「煽られっぱなしだ……」
トビーが膨らみの先端を指で弾きながら、もう片方の先端を口に含むとイエリンの全身がびくりと震える。
「敏感なんだな」
トビーは嬉しそうに目を細めた。
執拗にしゃぶり舐め続けられ、漸く解放された先端は一回り大きくなったように思えた。芯を持ち立ち上がった先端は薄紅色に更に深い赤みを帯びている。ヒリヒリとした甘い痛みを伴う突起はトビーの唾液を纏い、てらてらと淫靡に光った。
息が上がっているイエリンに休む間は与えられなかった。両足を掴まれ簡単に広げられるとソファの背もたれに片足を掛けた、あられもない姿になる。
「胸であれだけ感じてくれたなら、ここはどうかな? 多分、もっと強い快感が得られると思うぞ」
ニヤリと笑う。
月の障りがくる場所に男性器を入れると教えられたが…そうか、遂にその瞬間がくるのかと身構えた。
トビーは男のゴツゴツとした指で足の付け根から順に、重く疼く中央の場所をなぞる。にゅちゅにちゅと厭らしい音をさせ秘部をなぞった指をイエリンの目の前に差し出す。指に絡むとろとろとした液体はトビーの掌から手首まで伝い落ちる。
「ほら、見てごらん。快感を得た女性は男性器を受け入れやすいように、こんなに厭らしい蜜を溢れさせる。知っていたか?」
ふるふると小さく頭を振ると、トビーは己の指に滴る液体を本当の蜜を味わうように美味しそうにべろりと舐めた。自分のあの部分から出た分泌液を美味しそうに舐めるトビーの様子にゾクリと子宮が疼く。
イエリンの足の間にいるトビーは屈むと、息がかかるくらい秘部に近づき蜜が溢れるすぐ上をゴツゴツした指で捲り上げるように広げた。
「ひっ……」
今まで空気に触れたことがない部分が露わにされる。
「ふっ……可愛い」
露わになった粒にチュッと吸いつく。
「ひっ!ぃ……いや……な、に」
一気に足先まで痺れる感覚に驚き狼狽えるイエリンの反応に、気を良くしたトビーは面白がるように更に吸いつく。
「んああ!」
強い刺激に足先がピンと伸び、頭を反らす。
トビーはイエリンの反応をチラリと確認しながら、舌先を尖らせ粒を弾き始めた。
「ふぁ!ああっ……んんっ」
腰が小刻みに震え始め、粒は鮮やかに赤く熟れた実のように膨らんでいる。トビーが熟れた粒をカリッと甘噛みした瞬間、目の前が真っ白になりチカチカと星が散った。同時に自分の蜜口の辺りから何かが激しく飛び散った。
頭の中が真白になるが、イエリンは下半身の感覚から粗相をしてしまったと青褪めた。
「ご、ごめんなさい……わ、わたし……漏らして」
自分の股の間に顔を埋めていたトビーに盛大に吹きかけた事実に恥ずかしさと申し訳なさで涙目になる。濡れた顔を手の甲で拭いながらトビーは笑った。
「漏らす? それとは違うさ。潮を吹いたんだ。気持ち良すぎてね」
濡れた前髪をかき上げた。
「これだけ濡れていたら大丈夫だろう」
トビーはイエリンの腰を掴むと怒張した陰茎の先をぬかるんだ蜜口に擦りつけ、ゆっくりと押し入る。
ミチミチと押し広げられ引き攣る感覚に瞳を固く閉じた。あんな大きなものが自分の中に入るのだろうか…最初の威勢の良さはどこに行ったのか急に怖くなりソファの背もたれをギュッと掴んだ。
「リン、俺の背中に手を回せ」
必死にトビーに抱きついた。トビーの先端が最奥に当たった時には彼の背中に爪を立てていた。
イエリンの中で怒張したものを、そのまま動かさずに彼はキスを繰り返した。クチュクチュと互いの口内を行き交う甘い唾液の水音が耳を擽る。キスに夢中になっていると、トビーはゆるゆると腰を動かし始めた。その動きは次第に大きくなり怒張したものは濡れそぼる入口付近まで引かれたかと思うと、また最奥まで進み先端を擦り着ける。彼は、この抽挿をゆっくりと繰り返した。
「ふ、んん……ふ、あぁ……」
「リン、君の中は狭くてきついのに……中はトロトロで凄く熱い」
トビーはうっとりとした表情で息を吐く。
彼のこんな表情を見たのは初めてだ。毅然とした王である彼の顔しか知らない。特別なものを手に入れた嬉しさに満ち足りた気持になる。
「柔らかい襞は俺のを逃さないと必死に絡みついてきて……」
抽挿は中の襞一枚一枚の感触を楽しむかのように続いた。
「リン、舌出して」
トビーはイエリンの差し出した小さな舌に吸い付くと、そのまま貪るように深く口づけた。抽挿は早くなりリズムを刻みトントンと最奥の膣口をノックするような動きに変わる。
痛みは、ほぼなくなった。トビーの腰の動きに合わせて漏れる自分の甘ったるい喘ぎ声、無意識にトビーを求めている自分の体に驚きを隠せない。イエリンは彼の頭を両手で掴みサラサラの髪に指を差し入れるとクシャリと乱した。
次第に余裕をなくしたトビーがガツガツと腰を打ちつける。全身を激しく揺らされ必死で背にしがみつくと、怒張の先端でグッと膣口を押し上げたトビーは体全体をぶるりと大きく震わせ吐精した。
自分の中で彼のものが跳ね上がる感覚に目眩がする。ジワリと臍の奥に温かいものが広がるのを感じて充足感に包まれた。
漸く離れた彼の唇はイエリンの耳元に寄せられた。トビーの荒い息遣いがイエリンを刺激し、彼が最後の一滴まで絞り出すようにグッグっと先端を膣口に擦りつけた瞬間、イエリンはビクンっと腰から足先まで痙攣し達してしまった。
逞しい腕に抱きあげられベッドに運ばれた。フワフワとした心地のままベッドに降ろされる。
「トビー……」
彼の逞しい腕と温もりが離れるのが寂しくて子供のように手を伸ばす。トビーは差し出された掌にチュッとキスしてから差し出した細腕の間に収まってくれる。彼のことを抱き締めながらイエリンは満足気に微笑むと夢心地で瞳を閉じた。
「……リン、ごめん」
トビーが何か言ったような気がしたが、ぼんやりと薄れる意識の中に彼の言葉は消えていった。
◆
目が覚めるとトビーの姿はなかった。
初夜の翌日には寝室のソファが新調され、しかも一回り大きなものに変えられていたことに赤面せずにはいられなかった。初夜をソファで済ますなんて、はしたないことは間違いない。しかも王を押し倒したのだ。いいや、致し方ない。あのままだったら未だに私は乙女のままで、初夜に手をつけられなかった側妃として噂の的になったに違いないと恥ずかしさの中で自分に言い聞かせた。
今日は王妃殿下に挨拶に伺う予定になっていた。形式的なものだが王妃と側妃が初めて対峙する瞬間に宮殿中の注目が集まる日だ。それを考えると、やはり昨晩どうにか閨事を遂行出来て良かった。どうにか体面が保たれたと胸を撫で下ろす。
王妃アウロラの前で淑女の礼をとる。
「歓迎します。イエリン妃がいらして王宮も華やぐでしょう」
静かに微笑む美しい王妃。同じ桜色の髪に緑の瞳だが王妃の瞳の色は幾分、自分より深い緑の様な気がした。年齢も自分とそう変わらない筈だが、王妃は自分よりずっと歳上に見える。王妃という立場である人が威厳ある落ち着いた雰囲気を纏うのは当然の結果だ。改めて自分との格の違いを思い知る。
一言二言、言葉を交わしただけで呆気なく、いや…恙なく挨拶を終えイエリンは退出した。
側妃が去り、侍女を下がらせると王妃は大きな溜息をついた。
「いつまでそこに隠れているのです?」
「バレていたのか」
衝立の後ろから現れたトビアスは苦笑いしながらソファに座った。
「恙なく、初夜も終えたよ」
「あなたから報告を受けなくとも知っています。少し様子を見ると言っていた割には随分と手をつけるのが早かったこと」
「まぁ、そうだな…」
気まずそうに頬を掻いた。
「それでだ、予定を早めようと思う」
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「…あの提案、本気なのですか?」
「ああ、勿論だ。おまえだって…このままじゃ辛いだろう? 王として跡取りを残さなくてはならないし、そのために彼女を選んでおいたのだから」
トビアスの瞳には暗い影が落ちた。
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