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第4話 初めての感覚※
憧れの人に抱き締められて、アルマの心臓はどくどくと早鐘を打つ。眩暈がしそうなくらい一気に心拍数が上がり、落ち着こうと深呼吸をすると微かに柑橘の香りがする。爽やかな柑橘とは違うビターな柑橘の香りだった。
心音と気持ちが落ち着いてくると、腹の辺りに何かが当たり閊えているように感じた。
それが何であるかくらいアルマにもわかった。疲れが極限に達すると男性は性欲が急激に増すと聞いたことがある。エルガーは魔物討伐から戻ったばかりだ。きっと性欲が高まっているに違いない。
「あ、あの」
びくりと大きく体を震わせたエルガーは彼女の肩を掴んで引き離した。
「すまない。これは、その……違うんだ。討伐の後はその、なんというか……」
「……私が鎮めて差し上げます。満足いただけるかは……わかりませんが、お役に立ちたいのです」
行為に及ばなくとも手や口で奉仕することは出来るだろう。不感症でも、それなりに経験値のあるアルマには簡単なことのように思えた。
「な、何を言っているんだ。これは……大丈夫だ、自分で何とかする」
「では、お願いがあります。今夜私があなたに触れることを許してください。お礼だから何でも聞いてくれるとおっしゃいましたよね」
「今、叶えたばかりだろう。抱き締めて欲しいと言うから……」
「一つとは仰いませんでした。二つ目があっても良い筈です」
「なっ……」
「騎士なのに約束を違えるおつもりですか?」
このチャンスを逃したくない。もうこれきりなのだから。明日になればいつもの生活に戻るしかないのだから。
すっかり立ち上がった彼のものはズボンの股間部分の布を持ち上げ、大きな膨らみを作っている。アルマは、言葉に詰まったエルガーを見上げると、大きな膨らみをそっと指でなぞった。
「あ……」
切なげな声を漏らす彼の瞳から視線を外すことなく繰り返した。
「今夜、私があなたに触れる許可をください。お礼はこれで最後にします」
琥珀色の瞳はもうアルマしか見ていない。瞬きを忘れた彼は吸い寄せられるようにアルマの唇を塞いだ。
「途中で嫌だと言っても止められないがいいのか?」
彼の問いに頷くとアルマは背伸びをして自分から口づけた。
キスをしたまま部屋に入ると彼は後ろ手に扉を閉める。
余裕がないエルガーは乱暴にアルマの服を脱がしていく。エプロンを取り去ると黒いワンピースのボタンを外そうとするが焦るあまり、上手くいかないようだ。
アルマはチュッと音を立てて唇を離した後、自らボタンを外していく。
その間にエルガーは脱いだジャケットを床に落とした。
下着姿になった彼女を抱き上げベッドまで運ぶと、彼は煩わしいものを取り払うようにシャツのボタンが飛ぶのも気にせず乱暴に脱ぎ捨てた。
食べられてしまうと錯覚するくらい余裕のない、がっついたキスにアルマは必死に応えた。差し込まれる熱い舌に自分の舌を絡める。エルガーはキスをしながら器用に彼女の下着を剥がしていく。
彼につられアルマもとうに余裕をなくしていた。
キスで体の熱が一気に上がる。熱い舌が首筋を舐め上げると彼の金色の髭が素肌に触れてこそばゆい。
濡れた舌の感触と髭のこそばゆさで身を捩ると下腹部にもったりとした何かが溜まっていくのを感じた。
エルガーは自分の大きな手にも納まらない、たわわな膨らみを持ち上げるように揉むと膨らみの先端に吸いついた。
瞬間、アルマの体が震える。
「なに? これ……」
エルガーが咥えたまま舌先を尖らせ立ち上がった先端を弾くと、アルマは甘い吐息と共に声が漏れるのを抑えられなかった。
「ふっ、ん……あぁ……」
初めての感覚にアルマは激しく動揺し、自分の甘ったるい愛嬌に驚き口を押さえた。
「ああ、アルマ……可愛い声を抑えないで。もっと感じて、もっと聞かせてくれ」
エルガーが自分の名前を知っていたことに驚き目を見開いた。彼の低い声で名前を呼ばれただけで心臓が煩くなり、彼の記憶の中に自分の存在を残したいという思いが込み上げた。
アルマは手や口でご奉仕することで彼の性欲を鎮めようと考えていたが、自分の体の反応と気持ちの変化に動揺し、己の欲求に逆らうことが出来なくなっていた。
『彼に触れたい。もっと彼にも触れて欲しい』
込み上げる甘い疼きにこのまま溺れてしまいたい。
エルガーと自分は相性が良いということだろうか。それとも不感症の症状が緩和されたのだろうか? 頭の隅に浮かぶ疑問は彼から与えられる甘い刺激で搔き消されてしまう。
執拗に、たわわな膨らみを舐め、しゃぶりながら彼の手はアルマの足の間へと滑り込んでいく。
「凄い、こんなに濡れて」
ぬかるんだアルマの蜜口に指を滑らせ、とろとろの蜜を掬い取る。アルマに見せつけるように彼女の目の前まで持っていくと蜜が絡んだ指を美味しそうに舐め上げ口に含んだ。
彼が、こんな妖艶な表情をするなんて。それだけで頭がぽおっとして何も考えられない。
「直接、味あわせてもらうよ」
簡単にアルマの両足を掴み上げ広げる。
「アルマ、自分で持ってごらん」
言われるがままにアルマは膝裏に手を入れ彼の前に自分の陰部を晒した。
「いい眺めだ」
エルガーは蜜口の入り口を指で広げると襞を美味しそうに舐めていく。息がかかり口髭が周辺の敏感な素肌に与える刺激は一層、アルマの快感を高めた。
「はぁ、ああ……んっあん……」
エルガーが蜜口の上の蕾にも舌を這わせると、アルマの中に溜まった熱が甘い電流となって全身を駆け抜けた。
「だめぇ! こんなの、知らないっ」
子供がいやいやをするように首を振るが、お構いなしにエルガーは蕾を強く吸い上げた。
「んあああっ!」
大きく腰が浮き、彼の頭を両足で挟み込む。目の前に星が散り、頭の中が真っ白になった。何が何だかわからない。もしかして、これが絶頂に達したということなのだろうか。
「ん……」
エルガーはアルマが脱力したのを見計らって這い上がると、胸で大きく息をする彼女を、熱を帯びた瞳で見つめた。
「アルマ、君の中に入ってもいいか?」
そう言うと彼は自分のものを握った。
そそり立つ彼の強直は赤黒くて、今まで見てきた男達のものより遥かに大きい。反り返る角度も、長さも、アルマの小さな手では握りきれない太さも…彼女が見たこともない代物だった。
体の大きなエルガーだから体躯に見合う大きさであろうとは予想していたが、その予想を遥かに超える規格外の大きさに言葉をなくす代わりに、はしたなくごくりと喉を鳴らした。
「痛くないように頑張るが、その……この大きさだから……すまない。受け入れるのが怖かったなら無理はしなくていい」
彼は、ぱんぱんに張ったものを握り締め苦痛の表情を浮かべている。そんなエルガーの瞳が不安に揺れていることにアルマは気が付いた。
挿入するのに許可を得ようとした彼を紳士的だと感じたが、どうやら自分の巨根が相手に拒絶されてしまうのではと恐れているようだった。
アルマは上半身を起こすと大きなものを握った彼の手に自らの手を重ねた。
「私からお願いしたのですよ? 遠慮はいりません。どうか、私の中にお入りください」
「アルマ……」
エルガーはアルマを抱き締めると慎重にアルマの中に入ってきた。入り口が押し広げられ、ぴりりと引き攣るような痛みが走る。入ってきた剛直は想像以上の質量でめりめりと膣壁を削り取っていくようだ。
エルガーは苦しさで息が詰まりそうになるアルマを心配そうに見つめ、頬や髪にキスをしながらゆっくりと腰を進めた。
どのくらい時間がかかっただろう。
「ん……全部、入りましたか?」
エルガーは額に滲む汗を拭った。
「半分くらい」
「え、半分……」
「ああ。全部は無理だろう……俺はこれで十分だ」
彼の顔はどこか悲しげだった。
「……いえ、駄目です! 最後までしてください。私がお願いしたことです。最後まで…遠慮なんてしないでください」
アルマの瞳には涙が滲んだ。もしかしたら彼は毎回こんな風に諦めるか、あまりの大きさに拒絶されてきたのかもしれない。
自分が今まで男達に振られ、その度に拒絶される不安を繰り返し抱えていたことを思い出していた。自分では、どうしようもないことで悩んだ。彼も幾度となく同じ思いをしてきたのかもしれない。
意を決したアルマは、きゅっと唇を噛んだ。
「あの……下になっていただけますか」
「え? アルマ、俺が下にって……このまま?」
「そうです。ほら、こんな風に」
そう言うと、彼女は自分の上にいたエルガーと繋がったまま、ごろりと彼を横に倒す。エルガーの腕に支えられ膝をついて彼の体の上に乗り上げると、彼の巨根を半分咥えたまま騎乗位の体制になる。
「アルマ。無茶をするな。俺なら大丈夫だから」
「しっ、黙って」
アルマは彼の唇に人差し指を当てて黙らせると琥珀の瞳を見つめ、ゆっくりと腰を下ろしていく。
「くっ……」
自分で加減が出来るので、おっかなびっくりのエルガーよりスムーズに動ける。
アルマは引き攣るような痛みを感じながらも、彼の巨根を泥濘みの中に招き入れていく。彼の丸い先端が子宮口に辿り着いた時には、苦しい筈なのに言いようのない充足感に満たされていた。
黙れというアルマの言いつけを守り、労わるような表情で彼女を見つめていたエルガーは、ゆっくりと動いた。それは抽挿ではなく、アルマの中にぴったりと嵌り隙間のない自分の巨根を馴染ませるような動きで、ゆるゆると腰を揺すった。
ゆっくりと溜まっていく刺激にアルマの目には自然と涙が溜まる。
エルガーは動けずにいるアルマの膨らみを片方の手で揉み始め、既に芯を持った赤い先端をきゅっと摘まんだ。そして、もう片方の手を自分とアルマの結束部分に伸ばすと、紅く熟れた小さな蕾を指で捏ねる。
「や! そこ……」
身悶えるると、蜜が溢れ動きやすくなる。アルマはエルガーの腹に手をつき彼の揺するような優しい腰の動きに合わせる。
「ん、ん……ぁん、ん……」
抽挿しないまま、彼は彼女の子宮口の感触を楽しむかのように剛直の丸い先端で擦り続けた。
「ああ、中がうねって……気持ち良すぎて、もう!」
エルガーは眉間に深い皺を寄せ歯を食いしばると、アルマの括れた腰を掴み熱い先端を密着させた。
「ああ、アルマ! くっ」
短い呻きと共に奥に温かいものが広がると、体力の限界を迎えていたアルマは彼の逞しい胸に倒れ込んだ。
朦朧とする意識の中で彼が自分の名を呼ぶ声を聞き満足気に瞳を閉じた。
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