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第9話 媚薬※
彼が魔法で猫に姿を変えていたことだけでも混乱しているのに、何故、ソレーヌがエルガーに媚薬を盛る必要があるのか。アルマの頭の中では到底処理しきれていなかった。
「ソレーヌ様はどうして、ここに? 媚薬を盛るなんてことを……」
「媚薬でおかしくなった俺と体の関係を持とうとした……だから俺はどうにか回避するために猫になった」
「あの、お二人は元恋人同士で、今は別れたとばかり思っていたのですが……」
「別れるも何も! 俺はソレーヌとは付き合ってもいないし恋人でもない! 恋人だという噂は、あいつが流したデマだ!」
はあはあと呼吸が乱れる中、エルガーは違う意味で興奮して上半身を起こした。
「俺が体を重ねるのはアルマ、君だけだ。今も、これからもずっと」
「でも、エルガー様のお家は侯爵家……次男だとしても周囲は、それ相応のお相手との結婚を望むでしょう。私のようなセフレとは関係を終わらせる時がやってくるのは分かっているつもりです。無理なことを仰るのは、やめてください」
ギュウっと胸が締め付けられ苦しくなり、アルマは唇を噛んだ。
「今、何て? セフレ?」
合点がいかない顔でアルマを見つめ返していたエルガーはグッと眉間に皺を寄せた。
「私はセフレでも、エルガー様のお側にいられれば幸せですが。それは、あなたに本当の恋人が出来るか、ご結婚なさるまでの期間限定のお相手に過ぎません。これでも、セフレとしての立場くらい……わきまえているつもりです」
「ちょ、ちょっと待ってくれ。俺がいつ君をセフレだなんて言った?」
乱暴に髪をかき上げ慌てるエルガーはアルマの方に身を乗り出した。
「君は俺の恋人だ。そうだろう? え、違うのか? そう思っていたのは俺だけなのか? アルマ」
「へ……でも。初めてエルガー様とした時に、また会ってくれとか…次はもっと優しくするとか……体の関係を続けたいという意味なのでしょう?」
アルマは腑に落ちない様子で首を傾げる。
「ち、違う! そうじゃない! 君を好きだから、また会いたいと言った。次は優しくっていうのは……恋人同士なら、また君との甘い夜が迎えられると思ったから。勘違いさせてしまっていたのなら申し訳ない。俺の言葉不足だった。君を不安にさせてしまった。本当にごめん」
「じゃあ、私はセフレではないのですか?」
「当たり前だ。君は俺の大切な恋人だ」
エルガーの顔は媚薬の所為か、誤解を解きたいという思いの熱量からなのか、一気に熱が上がり一層赤くなる。
「……本当に?」
「本当に、本当だ!」
涙に潤んだ淡い桃色の瞳を見つめたままエルガーは彼女の頬を両手で挟み込むと熱い唇を重ねた。
そして、はっと気付く。自分の手が己の精で汚れていることに。
「す、すまない」
慌てて引っ込めようとし彼の手をアルマは掴んだ。
「自分の手で慰められたのですか?」
「す、すまない」
「謝らないでください。媚薬の所為です」
アルマはエルガーから視線を外さずに彼の手に付いた精をぺろりと舐めた。瞬間、エルガーの背筋をゾクゾクとした甘い疼きが這い上がる。
「苦しいのですよね。すぐに楽にして差し上げます」
媚薬が盛られ、発情している彼を楽にしてあげるのは簡単だ。
アルマはベッドに上がると、頬を染め潤んだ瞳の彼に口づける。エルガーは待っていたとばかりに、アルマ髪に指を入れ美しい蜂蜜色の髪を乱した。
「ああ……キスしただけでいきそう」
「何度でもいってください。きっとそのほうが媚薬の効果も早く抜けるでしょう」
アルマは自ら服を脱ぎ下着だけの姿になると、エルガーは待っていられないとばかりに彼女を押し倒し薄い布の上から、たわわな膨らみに食らいついた。
「あっ、エルガー様……」
エルガーの唾液が薄い布を濡らし、布越しに生温かい舌に弾かれ、熱い吐息を感じると、そのもどかしさにアルマの興奮が高められていく。
布一枚を隔てただけの膨らみの先は、すぐに芯を持ち立ち上がる。唾液で濡れた薄い布からは、健気に立ち上がった先端が熟れたような赤い実のように透けて見える。その淫靡な様子にエルガーは耐えられず、スリップを下ろし、直にアルマの膨らみを楽しみ始めた。
「はぁ……あぁ! そこばっかり…いやぁ……あん」
もうそれだけで、アルマは自分の蜜口が濡れているのを感じ身を捩った。
彼女の溢れた蜜で濡れたショーツにエルガーは痛いくらいに立ち上がった巨根を擦りつけ、たわわな膨らみを執拗に揉みしだきながら赤い実を咥えしゃぶりあげた。
「アルマ、もう痛くて堪らない。君の中に入りたい」
「私も……欲しいです。エルガーさまの……」
エルガーは彼女を四つん這いにさせ、アルマの細い腰を掴むとショーツを横にずらしただけで一気に最奥まで突き上げた。
「ふ、あああ!」
そのまま一心不乱に腰を振り続ける激しい動きに彼女の体も激しく揺さぶられ、たわわな膨らみも揺れる。取り払われなかったスリップはアルマの腹の当たりでぶら下がり、あられもない姿で突き上げられた。
肌がぶつかり合う音が部屋中に響く。
最初は自分の大きなものが、こんなに容易に彼女の中に出入りするようになるとは思わなかった。今では彼女の蜜口は簡単に巨根の受け入れ、温かく濡れた膣は柔らかな襞を纏わりつかせながらエルガーに、もっととねだるように動くのだ。
「はぁ、アルマの中はすっかり俺の形を覚えたな。よく馴染む」
「んんっ……だって、いっぱいするからぁ」
エルガーは任務で王都を離れる時以外は一週間に二回、どんなに忙しくても一回は必ずアルマのもとに通っていた。
アルマの上半身を抱え起こすと立膝のまま後ろから抽挿を続ける。
「アルマ。ここ、弄られるの好きだろう?」
そう言うと、ズッポリと己の巨根が咥えられているすぐ上の赤い蕾を捏ね始めた。
「ひ、いやぁ!そこ、いじられると……いっちゃうからぁ!」
次の瞬間、彼の巨根を咥えたまま勢いよく潮を吹いた。飛沫と共に、互いの太腿から流れ落ちる潮はぐっしょりとシーツを濡らす。
「知っているかい? 達した直後の君の中は最高だって」
朦朧とするアルマは答えることも出来ず、反り返った体をエルガーに預けたままだ。彼はアルマの体を支えるように後ろから抱き締め、更に激しく抽挿を始めた。
「うっ、あ……うっ、あぁ」
開いたままのアルマの口からは呻くような愛嬌が漏れる。
後ろから固定するように抱き締められた彼女のたわわな膨らみは、エルガーの逞しい腕に挟まれ卑猥に歪む。
ガツガツと突き上げる腰の動きは次第に早く小刻みになり、エルガーは天を仰ぎ見て身震いした。
「ああ……愛してる、アルマ!」
「エルガーさまぁ……すき……すきぃ」
剛直が膣の中で跳ね上がると、びゅくびゅくと熱い精がアルマの最奥で放たれた。
その後、何度目かわからない精を彼女の中に吐き出す。
「君と繋がったこのまま、混じり合って溶けてしまいたい」
「……私も」
何回吐精したかわからない、アルマの中から溢れ出た精は彼女の蜜と混じり太腿、尻を伝い落ちシーツは悲惨な状態になっている。
「アルマ、もっと」
既にエルガーの剛直は赤く腫れ、ヒリヒリと痛みを感じるくらいだ。それでも、彼のものはすぐに元気を取り戻す。ソレーヌが用意した媚薬は余程強力なものだったのだろう。
抗えない性欲に彼は休む間もなく彼女の片足を持ち上げた。力が入らないまま横向きにされたアルマは片足を高く持ち上げられる。
熱を持った巨根が中に入ってくると、ぐじゅっと淫靡な水音と共に散々注がれた彼の精が押し出され溢れた。この体勢だと反り返ったエルガーの巨根に膣の横壁を抉られる感覚が強く、アルマは悲鳴に近い愛嬌を上げた。
媚薬に侵されているのはエルガーの筈なのに、アルマもいつも以上に乱れ彼を欲していた。エルガーが吐精した回数とアルマが果てた回数どちらが上か、わからない程に。
日が昇り、外が白み始めた頃。彼女の中に入ったままのエルガーのものは随分と大人しくなっていた。それでもアルマの中から出ることを嫌がり居座り続けているのだ。
微睡む二人は今までのセックスとは違った充足感に包まれていた。それが媚薬で得られた激しいセックスの所為だけではないことくらい二人は理解していた。互いに、好きだと愛していると想いを伝え合った二人だからこそ、快感が体と心を満たしていった。
「エルガー様、この前はごめんなさい。私を心配してくれた、その気持を無下にしてしまって」
アルマの声は喘ぎ過ぎて、酷く掠れていた。
「俺も悪かった。子供じみた行動で君を苦しめた。本当にごめん」
エルガーはアルマの髪を撫でながら、ゆっくりと話し始めた。
「実は、ソレーヌが君に嫌がらせをしているのではないかと心配になって。彼女は危険だ。今まで俺に近付く女性達は皆、彼女に酷い目にあわされてきた。幼馴染みと思っていたから大目に見てきたが……君に危害を加えることがあったら俺は彼女を許さない。心配で仕方なかったんだ……君の周りに変わったことはなかったか?」
アルマは小さく息を吐くと覚悟を決めた。
「実は……」
正直に周囲から自分が疎まれている現状を打ち明けると、エルガーはアルマを抱き締め背中を擦った。
「話してくれて、ありがとう。ソレーヌが何かしら関わっていそうだな……俺も秘密裏に動くから。アルマも君の周辺の変化に注意してくれ。わかったね?」
酷く心配そうに眉毛を下げて瞳を覗いてくる彼にアルマは頷くと彼の逞しい腕にしがみついた。
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