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第三巻『その痩躯から 死が分たれる その時まで。』(RoGD Ch.4)
Verse 2-40
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イントロダクション。オーボエから入る穏やかかつ寂しげな旋律。くぐいが扮する、まだ姫であるオデットが、クラシカルな裾の長いチュチュをまとって青い景色で花を摘みながら歩くその光景は、もう二度と観客達が見られない切なさがあった。歩みを進めるにつれ、弦楽がオデットをロットバルトの元に導くように怪しげな旋律を弾き出す。花摘みを楽しむオデットの背後には、既に姫を見初めたロットバルトのマントがひらめいていた。パーカッションに押し込まれるようにして、オデットが腕に抱いた花を地に散らしながらそのマントの中へ抱かれる。やがて呪いに覆われたオデットの姿が、白鳥へと成り果てた体で現れる。盛り上がりの頂点、オデットは白鳥に変わった腕を振り上げ、姫はどこかへ飛び去っていく。
ジークフリート王子の誕生日の席は、優雅で楽しげで、そして道化のお茶目なメロディーが続く。多くの貴公子と子女達はワルツに合わせて恭しく踊り、祝われるジークフリート王子のまだ幼さが抜けない喜びが舞台に満ちるが、途中に見目麗しい白鳥を目にして湖へと一人で去って行ってしまった。
揺れる弦楽は、まるで蜃気楼のように観客達の瞳に森と湖の情景を見せた。悲しげなヴァイオリンがテーマを奏で始める。ハープが奏でる月明かりの湖の煌めきの前で、刻まれる弦楽の音はロットバルトの魔を表す。ヴァイオリンは、白鳥に姿を変えたオデットの苦悶を表す。今すぐにでも、その姿を人に戻したい一心の滲み出る苦しみに、しかし一点の希望を見出した。自らを狙う弓を携えて湖を訪れたジークフリート王子への希望を。そのヴァイオリンに連れられて、オデットの周囲を取り巻く白鳥達の羽ばたきが聞こえ始める。ロットバルトを打ち倒せるほどの眩しい希望に胸を膨らませて。しかし、その明かりも全て覆うほどのその悲痛な運命を全て表すかのような悲しみの旋律は消えず、湖の向こうへと遠のいていく。
勇み足で狩に訪れたジークフリート王子の背後で、見え隠れするロットバルトの姿。王子は構えた弓矢の向こう側で、やがて人に姿を変えたオデット姫に慄き、姿を隠す。悲しみに満ちた美貌をたたえたオデットのその腕はまるで翼、その脚は湖面に降り立つ白鳥のそれと同じだ。王子は美姫に見惚れる。構えていた弓矢も何処かへ忘れて、オデットの虜となって彼女を腕に捉えようとする。恐れ慄くのはオデットの番だった。後ずさり伸ばされた腕から逃れようとする。柔らかい翼と化した白い腕は、王子の腕を何度もすり抜ける。オーボエからヴァイオリンのソロと姿を変えた旋律は。オデットの毎夜の悲しみを表しつつ、そのオデットに興味を注ぐ王子の視線へと変わる。オデットの恐怖も、やがて王子への戸惑いへ姿を変えその腕を受けようとする。ロットバルトの邪魔が入りながらも、オデットは苦しみのうちに王子の求愛を受けて何処かへ羽ばたいて行ってしまう。そして、ロットバルトに誘われて、白鳥に姿を変えられた女性達が湖畔に列を成す。王子がいくら美姫の居場所を問うても白鳥達は彼女達は黙したまま羽ばたくだけ。失意の王子は、しかし最後にやって来たオデットの姿を、ついに射止める。礼を交わし、再び去っていくオデットを、王子は今度こそ追いかける。白鳥達が、漸く湖に訪れた、待ち侘びた期待に胸を膨らませながら、岸辺を踊り始める。あの王子は、果たしてオデットを心の底から愛してくれるのか、そのような懐疑も潜ませながら。
再び岸辺を訪れたジークフリート王子は、オデットの姿を探す。失意の王子と彼に背を向ける白鳥達の元に、やがて月明かりを受けて湖水に煌めく翼のような柔らかな腕をはためかせながらオデットが降り立つ。悲しみに伏せるオデットの手を取り、王子は彼女と共に踊り出す。旋律はオデットの長年の悲愴を表しつつ、しかし、そこにはひたむきにオデットを愛するジークフリートの愛の温もりがあった。オデットは、胸に溢れる悲しみを、しかしその旋律に抱かれながら王子の愛を信じ始める。その愛がロットバルトに打ち勝つかもしれない、その愛が自らにかけられた白鳥の呪いを解くかもしれない。やがて、一人で踊っていた姫は、ジークフリート王子の腕に、旋律に身を委ね、そして離れていくジークフリートの姿を追う。二人の想いは通じ合った。オデットは全てが終わることを願いながら、再びその場を離れた。
オデットを含め、白鳥達は明るい未来への喜びと猜疑の為に舞う。長年の悲しみなど、白鳥の姿と共に全て脱ぎ去り、軽やかで伸び伸びとしたその踊りは終わり、夢のような時間はあっとう間に去った。朝の目覚めを告げる『情景』と共に、白鳥達は湖畔を去る。別れを惜しむオデットともまた、婚約者を決める舞踏会への約束を胸に月が照らす湖の岸辺を去っていった。
舞台は明るいオープニングとともに舞踏会へと幕を上げる。婚約者候補達の前で、舞踏会を湧き立たせる道化の踊りが披露される。ファンファーレが鳴らされた。物憂げな、黒い衣装のジークフリート王子が現れ王妃の隣に座ると、候補達が次々と踊りに出る。気立ての良い娘らしい、たおやかで柔らかな、気品のある姿だ。しかし、いかにその可憐な姿を見て王妃が微笑みかけても、王子の顔は晴れない。クラシカルなチュチュの裾が下り切ると、王妃は王子に婚約者選びを迫った。だれを選んでも、王妃は決して悔いることはないだろう。しかし、王子は首を振る。オデットはまだ来ない。高貴な音色の中で、しかし王子だけは悲しみに満ちていた。何者も選ばない、言い切った王子のもとに、予期せぬ来客を告げるファンファーレが高らかに鳴った。突如として現れた集団、その中を長いマントを広げたロットバルトが中央を飾った。その背後から、狂ったようなおどろおどろしい『情景』ととともに、オデットと見まごう黒い衣装の女性、オディールが姿を表す。広げられた翼のような両腕は誇り高き自信を、羽ばたくような動きは妖艶で、一目で王子を虜にした。気のはやったジークフリート王子を煙に巻くように、ロットバルトの連れた集団がオディールを覆い隠し、フラメンコを踊り始める。続々と始まるロットバルトのサーカスの中に、たまに紛れ込むオディールはすぐに姿を消してしまう。ジークフリート王子を惑わす彼らの踊りは、まるでオデットを取り巻いていた白鳥達のようでもあった。先までの高貴な王宮の雰囲気はどこへやら、異国の踊りは陽気で朗らかだ。酒に酔ったような空気には、立腹していた王妃も気を緩めて出し物を楽しむ。
それはとても優美で艶やかな曲だった。中央に再び現れたロットバルトのマントからは、それはそれは喜びに満ちた美姫が現れた。母にオデットを紹介し、その自信に満ちたオディールの手を取る。オディールの翼は扇情的だ。その場にいる全てを手の内で転がし、魅了する。王子ジークフリートの事さえときには悪戯のように突き放して、父ロットバルトの手の中で踊り始める。オデットの恐る恐る地につけていた脚、怖がるように羽ばたいていた腕は見る影も無い。薔薇色の頬と真っ赤な唇、情熱的な視線を浴びせるオディールと共に踊るジークフリート王子は、溢れる喜びを抑えきれない。王子は確信する。約束通りにオデットは招かれてくれたのだと。ついにオディールは、オデットとなった。王子を騙しおおせたオディールの、場を全て覆うような歓喜の舞。オディールと王子の踊りは、偽の愛を固く誓い合う。ジークフリートは一人手に体が動くかのように、歓喜に突き動かされるように踊る。愛した人を妻に迎える事の出来る確信が晒け出される。そしてオディールは周囲にその愛を見せつける。オデットなどものともしない、素早く力強い羽ばたきだ。そのまま父ロットバルトに連れられてオディールは再び王宮から姿を消し、取り囲っていたサーカスの集団が歓待を踊った。再びマントに隠されてその群衆の中に現れたオディールがトゥで立ち上がる。舞踏会の最高潮、黒鳥オディールのグランフェッテが披露される。悲しみに暮れるオデットでは決して踊りきれない一人での三十二回転。偽りの喜びの中で、王子とオディールは最後のワルツを披露する。
改めて、ジークフリート王子は母に紹介し、彼女との婚約を嘆願する。すっかり魅せられた王妃の微笑みのうちに、ジークフリートは彼女に手を差し伸べる。その前に、ロットバルトはオディールと、王妃に礼を披露した。再びジークフリートは手を差し伸べる。その手を取り、オディールは離さない。貪欲な微笑みと猛禽類のような瞳の輝き。父と共にジークフリートの下から退き、そして背後に照らし出されたのは悲痛の内に羽ばたくオデットの姿だった。面白おかしそうに羽ばたいていく黒鳥と、張り裂けんばかりの王子の胸の内を明るみにさらけ出す旋律は、再び彼を湖へと導いた。
舞踏会の喜びの余韻から、オデットの悲愴に満ちる湖畔に舞台の幕が上がる。列を成して現れた白鳥達は、弱々しく羽ばたきながらオデットとジークフリート王子が現れるのを待つ。漸く現れたオデットは、手折れそうな翼を必死に動かしながら舞う。腕はもう上まで上がらない。白鳥達に助けられながら、しかし彼女はその群れの中で倒れ臥す。オデットを庇うように覆い被さる白鳥達を退けて、ロットバルトが姿を表す。群れの中で悲しみに伏せる瀕死のオデットを弄び、またロットバルトは慌てて去った。優美な旋律が、ジークフリート王子を、白鳥達の中に庇われたオデットの下へ導く。今際の時、偽りの愛に敗北した誠の愛を確かめ合う。もうオデットは、王子の支えなくしては羽ばたけない。
ジークフリート王子の誕生日の席は、優雅で楽しげで、そして道化のお茶目なメロディーが続く。多くの貴公子と子女達はワルツに合わせて恭しく踊り、祝われるジークフリート王子のまだ幼さが抜けない喜びが舞台に満ちるが、途中に見目麗しい白鳥を目にして湖へと一人で去って行ってしまった。
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オデットを含め、白鳥達は明るい未来への喜びと猜疑の為に舞う。長年の悲しみなど、白鳥の姿と共に全て脱ぎ去り、軽やかで伸び伸びとしたその踊りは終わり、夢のような時間はあっとう間に去った。朝の目覚めを告げる『情景』と共に、白鳥達は湖畔を去る。別れを惜しむオデットともまた、婚約者を決める舞踏会への約束を胸に月が照らす湖の岸辺を去っていった。
舞台は明るいオープニングとともに舞踏会へと幕を上げる。婚約者候補達の前で、舞踏会を湧き立たせる道化の踊りが披露される。ファンファーレが鳴らされた。物憂げな、黒い衣装のジークフリート王子が現れ王妃の隣に座ると、候補達が次々と踊りに出る。気立ての良い娘らしい、たおやかで柔らかな、気品のある姿だ。しかし、いかにその可憐な姿を見て王妃が微笑みかけても、王子の顔は晴れない。クラシカルなチュチュの裾が下り切ると、王妃は王子に婚約者選びを迫った。だれを選んでも、王妃は決して悔いることはないだろう。しかし、王子は首を振る。オデットはまだ来ない。高貴な音色の中で、しかし王子だけは悲しみに満ちていた。何者も選ばない、言い切った王子のもとに、予期せぬ来客を告げるファンファーレが高らかに鳴った。突如として現れた集団、その中を長いマントを広げたロットバルトが中央を飾った。その背後から、狂ったようなおどろおどろしい『情景』ととともに、オデットと見まごう黒い衣装の女性、オディールが姿を表す。広げられた翼のような両腕は誇り高き自信を、羽ばたくような動きは妖艶で、一目で王子を虜にした。気のはやったジークフリート王子を煙に巻くように、ロットバルトの連れた集団がオディールを覆い隠し、フラメンコを踊り始める。続々と始まるロットバルトのサーカスの中に、たまに紛れ込むオディールはすぐに姿を消してしまう。ジークフリート王子を惑わす彼らの踊りは、まるでオデットを取り巻いていた白鳥達のようでもあった。先までの高貴な王宮の雰囲気はどこへやら、異国の踊りは陽気で朗らかだ。酒に酔ったような空気には、立腹していた王妃も気を緩めて出し物を楽しむ。
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改めて、ジークフリート王子は母に紹介し、彼女との婚約を嘆願する。すっかり魅せられた王妃の微笑みのうちに、ジークフリートは彼女に手を差し伸べる。その前に、ロットバルトはオディールと、王妃に礼を披露した。再びジークフリートは手を差し伸べる。その手を取り、オディールは離さない。貪欲な微笑みと猛禽類のような瞳の輝き。父と共にジークフリートの下から退き、そして背後に照らし出されたのは悲痛の内に羽ばたくオデットの姿だった。面白おかしそうに羽ばたいていく黒鳥と、張り裂けんばかりの王子の胸の内を明るみにさらけ出す旋律は、再び彼を湖へと導いた。
舞踏会の喜びの余韻から、オデットの悲愴に満ちる湖畔に舞台の幕が上がる。列を成して現れた白鳥達は、弱々しく羽ばたきながらオデットとジークフリート王子が現れるのを待つ。漸く現れたオデットは、手折れそうな翼を必死に動かしながら舞う。腕はもう上まで上がらない。白鳥達に助けられながら、しかし彼女はその群れの中で倒れ臥す。オデットを庇うように覆い被さる白鳥達を退けて、ロットバルトが姿を表す。群れの中で悲しみに伏せる瀕死のオデットを弄び、またロットバルトは慌てて去った。優美な旋律が、ジークフリート王子を、白鳥達の中に庇われたオデットの下へ導く。今際の時、偽りの愛に敗北した誠の愛を確かめ合う。もうオデットは、王子の支えなくしては羽ばたけない。
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