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第二部 四章
第七十五話 父と子
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「面会を頼む」
「はっ」
パークスは牢獄を守る兵に話しかける。
一応は顔パスだが、ちゃんと手続きをしてから、パークスは牢獄へと入った。
パークスが顔を出したアーコン監獄はジェイド家の城――要塞の上部に位置する監獄であった。
通常、監獄は脱獄されないように地下に作るものだが、この監獄は特別だ。
この監獄は通常の牢獄とは違う。
完全個室。
普通ならば牢屋は石造りで鉄の格子によって囲まれた無機質な部屋である。
しかしここの牢屋は、ごく普通の屋敷にある部屋にしか見えない。
窓には鉄格子ではなく、白晶がはめ込まれている。
白晶は透明で頑丈な石材で、かなり高価な代物だ。
牢屋の基礎は石だが、内装は木材で作られていた。
一般的な牢屋にはベッドしか備え付けられていない。
しかしこの牢屋には椅子やテーブル、さらに壁に備え付けられた収納スペースに、本や酒といった嗜好品すら並んでいる。
ここは一定以上の地位を持つ人間が罪を犯した場合に、収容される特別監獄であった。
パークスはその一室をノックする。
「誰だ?」
「……パークスです」
「……ああ、入れ」
パークスは扉を開くと、中に入った。
牢屋の中は巨大な白晶の板によって仕切られている。
この板のおかげで面会も室内で出来るようになっていた。
窓のものより、かなり薄いが強度はかなりのものだ。
素手ではとても破壊できないし、仮に破壊した所で外壁に阻まれるだけである。
――そして白晶の向こうにはマキシウスがいた。
パークスは仕切りの前に置いてある椅子に座ると、マキシウスに話しかけた。
「父上、お元気ですか」
「まあ、そこそこにな」
パークスがマキシウスに会いにくるのは、あれから一週間ぶりであった。
あれから色々と忙しく、会いに行くのが随分と後になってしまったのだ。
牢に入っているマキシウスは思った以上に元気そうだった。
パークスの方がやつれているかもしれない。
「お前の方が元気が無さそうだな。ちゃんと食事と睡眠は取っているのか?」
「……あまり」
ジェイド家当主になったパークス。
彼を待っていたのは膨大な量の書類整理と面会だった。
分刻みで何かイベントが起きる。
書類整理はまだ手伝って貰えるが、面会は替えが効かないので最も面倒臭い。
今まで会った事も無い人間が、次から次へと現れる。
当主になったばかりというのもあるだろうが、想像を絶する忙しさであった。
「眠れなくても食事は取っておくのだぞ。そうすれば少しはもつ」
「はい……」
「それから、来るのが遅いぞ」
「色々と忙しくて……申し訳ありません」
マキシウスに指摘され、パークスは頭を掻く。
親を放っておいて仕事というのは、さすがに問題があった。
気遣いが足りていない。
一応、差し入れは持ってきてはいるのだが、所持したままの入室はできなかった。
「……」
それきり二人の会話は途切れてしまった。
色々と話す事があったはずだが、いざ本人を目の前にすると言葉が出てこない。
パークスは何か話題が無いかと、部屋を見渡す。
部屋を見渡すパークスを見たマキシウスが、先に口を開いた。
「ここに来るのは初めてか?」
「えっ、あ――はい。ドンケル監獄の方には行った事があるのですが」
ドンケル監獄は、ここと違って普通の罪人が入る監獄である。
石と鉄格子に囲まれた質素な監獄だ。
部屋には小さな机と椅子とベッドしかない。
それが普通の監獄である。
「アーコン監獄は貴族や王族用の監獄だからな。驚いただろう」
「ええ……設備が凄いですね」
「一定の水準を越えた権力者は、牢に入っていたとしても、その影響力は変わらない。彼らは非常に有能だし、すぐに代わりを用意できない」
「だから手厚く保護すると?」
「保護ではない。軟禁だ。パークス、お前も上に立つ者ならば、そういう部分を理解していかねばならんぞ」
マキシウスの言葉に、パークスは俯く。
不満が表情に現れていた。
「――おかしいと思うか?」
「正直……思います」
パークスは本心を漏らす。
ここに入るのは幾ら地位が高いといっても、罪を犯した者である。
犯罪者が、こんな厚遇を受けていいのだろうか。
「レガリアも、金をかけ過ぎだと言っていた。確かにかけ過ぎたかもしれん。貴族が好むように作ったからな。儂の好みからは遠い」
マキシウスは質実剛健なタイプだ。
無骨で飾り気のない要塞のような城が現しているように、過剰な装飾は好まなかった。
「そこに儂が入るとは思ってもみなかったがな」
そう言ってマキシウスはパークスに向かって自虐的な笑みを浮かべる。
パークスは笑って良いのか悪いのか困った。
「そう言えば兄さんが、ここに来たのですか?」
「レガリアは儂がここに入った翌日には面会に来ていたぞ」
「翌日に……?」
いつの間に会いに来ていたのだろう。
マキシウスが収監された翌日は、ずっとレガリアと一緒にいたはずだ。
それこそパークスが朝起きて、夜に眠るまで。
ここに来る余裕なんか無かったはずだ。
「まだ薄暗い早朝に、何の挨拶も無く、仕事や今後の方針について聞くだけ聞いて、すぐ帰っていったわ。お前もあれくらいフットワークが軽くなければいかんぞ」
「……」
つまりパークスが寝ている間にレガリアは、もう動いていた。
という事になる。
「凄いな……。兄さん達は」
パークスが何とかやっていけているのもレガリアとジオの存在が大きかった。
レガリアが上手にスケジュールを立ててくれているお陰で、無駄なくパークスは動けた。
他にもパークスのミスは全てフォローしてくれている。
恐らくパークス自身が気が付いていないミスも全てだ。
亜人種に関してはジオが一任してくれている。
おかげでパークスは領地だけに集中する事ができた。
ジオと亜人種の間では、すでに現神の森までの街道を補強工事する話がまとまっているらしい。
もし二人がいなければパークスは過労で死んでいただろう。
つくづく二人には敵わないと思った。
「それで、何をしに来た?」
マキシウスはパークスを見据える。
その眼光は昔のままであった。
牢屋に入っていても衰えてはいない。
パークスは反射的に委縮してしまう。
「……ええと……父上のお見舞い……に」
パークスは立つ瀬なく思いながら、マキシウスにそう答えた。
今のレガリアの話を聞いた後に「見舞いに来た」なんて「自分は無能です」と言っているようなものであった。
「……」
マキシウスは呆れたような表情を浮かべる。
だが、すぐに口元を緩めた。
いつもなら間違いなく怒られる所だったが、何故か怒られない。
不思議そうな表情を浮かべるパークスにマキシウスは話しかける。
「街はどうなっている?」
「ええ、とりあえず亜人種に対しての布令は出して、それから……」
どうなっているのだろう?
街の様子を確認する暇すらない。
ここしばらくは部屋にこもりきりだった。
「……まあレガリアが上手くやっているか」
マキシウスの言う通りだった。
レガリアはパークスがまごついている間に、全てをまとめてくれていた。
「兄に頼りきりではいかんぞ。お前がこれからジェイド家を背負うのだからな」
「はい……」
マキシウスに現状をあっさりと見抜かれ、パークスはさらに委縮してしまう。
もうパークスの頭は真っ白であった。
そんなパークスを見て、マキシウスは軽くため息をつくと、話題を変えてくる。
「アヤメ様とミーミル様とは仲良くやっているか?」
「……恐れ多いくらいに仲良くして頂いております」
二人はパークスの家でゴロゴロしている。
何日かは宴会が続いていたが、今は通常の生活に戻っていた。
二人共に亜人種と人の橋渡しを率先して行ってくれている。
特にアヤメがセツカとリッカの二人と結婚していたのが大きい。
他国との外交において、地位ある者同士が政略結婚する事は大きな意味を持っていた。
実の所、セツカとリッカはネーネ族長老の孫である。
偶然ながら収まるべき所に収まっていたのは、僥倖であったとしか言いようがない。
「あのお二人には、出来る限り力を貸すのだ。そうすれば必ずジェイド家を繁栄に導く事となるだろう」
「はい」
「あの後、お二人に何かアプローチはかけたか?」
「そ、そ、そんな、私なんかが恐れ多い!」
「……アプローチという言い方が悪かったな。何か今後について話はしたか?」
「……いえ、まだ」
今後の方針は決まっていたが、具体的にどうするかまでは決めていない。
どちらかというと二人の事は放りっぱなしだった。
自由に遊んでいたので、好きにさせておくのが一番だと思っていた。
そもそも口を挟める立場では無い、そう考えていたのだ。
だが、それではジェイド家当主としては不十分なのだろう。
ちゃんと口を挟んでいかねばならないのだ。
「ふぅ――そもそも、お前に対して、こういう話をすべきでは無かったな」
そう言ってマキシウスは、窓の外を見た。
そして、もう一度深いため息をつく。
そんなマキシウスの様子を見て、パークスは硬直してしまう。
当主になり立場が逆転した今でも、やはりマキシウスは恐怖の対象であった。
幼い頃から刷り込まれた感情は、そう簡単に払しょくされるようなものではない。
マキシウスの一挙手一投足が、自分を責めているように感じた。
部屋の中を、しばらくの間、沈黙が支配する。
マキシウスは視線をパークスに戻す。
いや、僅かにパークスから視線を外しながら呟くように言った。
「本当に情けない事だ」
パークスはびくっと、身体を震わせる。
話せば話す程に、自分の駄目さ加減が浮き彫りになっていた。
マキシウスが、自分の事を情けないと思うのも当然だろう。
怒られる。
パークスは俯いたまま、マキシウスの叱咤を待つ。
「――何か世間話をしようと思ったが、何も思いつかんわ。息子と雑談も出来んとはな」
そう言ってマキシウスは自嘲気味に笑った。
「――え?」
余りに意外な言葉。
パークスは思わず顔を上げ、マキシウスを見る。
そこにはジェイド家当主であるマキシウス・ジェイドではなく。
覇道を進もうとするマキシウス・ジェイドでもなく。
武将として名を馳せ、誰もから畏怖されるマキシウス・ジェイドでもない。
――そこには息子と雑談する話題が浮かばない、ただの父親がいた。
日々の仕事に忙殺されていたからなのか。
野望に燃えていたからなのか。
厳格なジェイド家を統べる存在として、在ろうとしたからなのか。
それが全て無くなった今、息子と何を話していいのか分からない。
レガリアと仕事の話をした時は、いくらでも話が出来たというのに。
息子の普段の生活の話――例えば、休みには何をしているのか、とか恋人は、好きな相手はいるのか、とか。
そんな話をしようとしても、気が付けば仕事の話題になってしまう。
マキシウスは、そんな自分を情けないと思っていた。
怒られると思っていたパークスの方は、完全に面食らっていた。
父親から、情けないという言葉が出てくるとは夢にも思っていない。
パークスは間の抜けた表情のまま固まっていた。
固まったパークスを見て、マキシウスは一つ咳払いをする。
その咳払いで、パークスは我に返った。
マキシウスは――父親は、自分と雑談がしたいのだ。
何だかさっきから会話がぎこちないとは思っていた。
そうと分かれば、パークスもマキシウスの会話にちゃんとノって行かねばならない。
だが、どうやって雑談をすればいいのか。
お互いに、生まれて初めての試みなのだ。
息子は父親に普通の会話をする。
父親は息子に普通の会話をする。
二人は奇しくも、全く同じ壁にぶち当たっていた。
「その――そうだな。亜人種――ネーネ族の女性は美人揃いらしいな」
「そ、そうですね……」
レガリアはイカルガと妙に仲がいい。
ジオもニニャといつの間にか仲が良くなっているらしい。
他にも兵士がネーネ族の女性と街を歩いている姿が目撃されていると聞く。
南部領に静かではあるが、大きな変化の波が来ている。
それは兵士だけでなく、街の人間も感じている事だろう。
「それで、お前はどうなのだ?」
「どう、とは?」
「例えばネーネ族の者と婚約する予定があったりするのか?」
「――」
パークスの頭にミョルドの顔が浮かぶ。
「心当たりがあるようだな」
「い、いえ。あの。まだ」
恐らく、その気になれば、すぐにでも婚約はまとまるだろう。
だが、まだパークスには心構えが出来ていなかった。
結婚など遠い未来の話だと思っていた。
少なくとも上の兄二人が結婚してから、やっと自分の番が回ってくると思っていたのだ。
「パークス」
「は、はい」
「結婚は勢いだぞ」
「は……はい?」
マキシウスの口から普段は聞けないような言葉が飛び出してくる。
パークスは驚くばかりであった。
ちなみにマキシウスの妻――パークスの母親は幼い頃に、病気により他界している。
余りマキシウスから母の話は聞かなかったが、当時を知る部下や執事からは、とても美しい女性であったと聞いていた。
「お前の母には、パーティで出会って一目惚れしてな。その場の勢いで結婚を申し込んだ。何度も断られたが、最終的には根競べよ」
「……そんな出会いだったんですね」
パークスは父親から、母との馴れ初めを聞くのは初めてだった。
自分の親が、どんな過程を経て結婚したのか。
興味はあったが、ちゃんと聞くのは不思議と気恥ずかしさがあった。
マキシウスも、どこまで話していいのか分からなかった。
夜中に二階にある彼女の部屋に行こうとして、木に登ったが落下し、腕を骨折した事。
外堀を埋めようと父親に荘園を送ったら、卑怯者と怒られた事。
外商から取り寄せた指輪を送ったらサイズが全く合わなかった事。
他にも若さゆえの過ちが色々とあるのだが、暴露しすぎると親としての威厳が失われてしまうかもしれない。
……とにかく言っておかねばならない事だけでも言わなくては。
マキシウスはそう思うと、話を続けた。
「もしお前もいい人がいるなら、好きにするといい。相手が亜人種でも構わん」
またマキシウスから意外な言葉が飛び出した。
てっきりパークスは貴族の娘と結婚させられると思っていたのだ。
三男といえど、四大貴族の一つである。
普通の結婚など、望むべくもないと思っていた。
「いいのですか?」
「良いか悪いかを決めていくのは、お前の仕事だ。お前の歩いた道に、民は続いていく」
もう南部領は自分の手を離れた。
後はパークス達が全てを決めていく。
これから帝国の一翼を担うのは、息子達だ。
「そういえば、この監獄に不満を抱いていたな?」
「……はい」
「こういう矛盾した――腐敗した部分は、この帝国に蔓延している」
「……」
「戦争により国は疲弊する一方だ。帝国をすでに見限っている人間も少なくはない」
マキシウスは、帝国という枠組みは維持したまま、帝国を手に入れようとしていた。
しかし帝国自体を消滅させて、領土を切り分けようとしている者すらいるのだ。
「帝国をどうするのかはお前次第だ。お前はそれだけの力を持った。それを常に頭に置いておくのだぞ」
南部領は帝国の台所だ。
帝国で消費される食糧の半分は南部領で生産されている。
その気になれば帝国を餓死させる事すら可能だった。
南部領だけではない。
パークスは帝国全ての民の運命すらも握った。
こんな力の手綱を、父はずっと握っていたのだ。
そして自分は、この力を制御できるのだろうか?
義務が、責任が、不安が、恐るべき重圧となってパークスを襲う。
「――それと同時にだ」
マキシウスは不安で押しつぶされそうになっているパークスを見据えながら言った。
「お前は儂と違って、一人ではない。多くの者が助けてくれている。それを絶対に忘れてはならんぞ」
父親の鋭い眼光はいつもと変わらない。
厳しい目だ。
だが、その目の奥にパークスは優しさが宿っているのを、確かに見た。
その時、部屋のドアがノックされた。
外から兵士の声が聞こえてくる。
「パークス様、そろそろお時間です」
パークスは部屋にあった時計を見た。
面会時間は無限にある訳ではない。
面会できる時間は、最大でも三十分までと決められていた。
いつの間にか三十分も過ぎていたようだ。
「むぅ、もう時間か……」
「そうみたいですね」
マキシウスは渋い顔をする。
結局、説教のような話しかできなかった。
そういう会話をしたかった訳ではない。
マキシウスはため息をついた。
パークスは椅子から立ち上がる。
父親への恐怖心は、未だ拭い切れていない。
まだ怖い。
パークスは渋い顔をしている父親の顔を見る。
それでも、このまま帰る訳にはいかない。
父は自分に歩み寄ってくれた。
あれだけ大事にしていた威厳を捨ててまで。
なのに自分は、まだ父に歩み寄れていないではないか。
パークスは一つ、深呼吸してから父親に話しかけた。
「あの、父上」
「何だ?」
「その――髭」
「ああ……」
マキシウスは顎髭を撫でる。
マキシウスの黒い髭は、根元の部分が白くなっていた。
「染めていた」
実はマキシウスの髭は、全て白髪になっていた。
威厳のある姿を保つ為――いや、老いを隠す為に、黒く染めていたのだ。
「ちちう……父さん」
勝手に大きく、思わず震えそうになる声を抑えながらパークスはマキシウスを呼ぶ。
「――何だ?」
「その……いいよ」
「?」
「その方が……カッコいいよ」
素直な気持ちを父にぶつける。
もちろん生まれて初めてだった。
「伝説の老将軍って雰囲気がするよ。おとぎ話にでてきそうだ。カッコいい」
「そうか……カッコいいか?」
マキシウスは顎に手を当てると、パークスに向かってニヒルな笑みを浮かべる。
口元から白い歯がこぼれ、輝いた。
「あはは、いい感じ」
「そうか、いい感じか」
マキシウスは目を細めて笑った。
パークスが初めて見る父親の優しい笑みだった。
パークスも笑った。
マキシウスが初めて見る息子の屈託のない笑みだった。
「……さあ、もう時間だ。行きなさい」
「ああ――うん」
パークスは椅子から立ち上がる。
そして扉の前に立った。
その背にマキシウスは声をかける。
「パークス、次に来た時には、もう少し母親の話をしよう」
「うん……楽しみにしてるよ。父さん」
パークスはゆっくり扉を閉めると、父のいる部屋から出て行った。
――――――――――
文章量がいつもの倍くらいになってしまい時間がかかってしまいました。
遅れて申し訳ありません。
次回は第二部最終話です。
最後までよろしくおねがいします。
「はっ」
パークスは牢獄を守る兵に話しかける。
一応は顔パスだが、ちゃんと手続きをしてから、パークスは牢獄へと入った。
パークスが顔を出したアーコン監獄はジェイド家の城――要塞の上部に位置する監獄であった。
通常、監獄は脱獄されないように地下に作るものだが、この監獄は特別だ。
この監獄は通常の牢獄とは違う。
完全個室。
普通ならば牢屋は石造りで鉄の格子によって囲まれた無機質な部屋である。
しかしここの牢屋は、ごく普通の屋敷にある部屋にしか見えない。
窓には鉄格子ではなく、白晶がはめ込まれている。
白晶は透明で頑丈な石材で、かなり高価な代物だ。
牢屋の基礎は石だが、内装は木材で作られていた。
一般的な牢屋にはベッドしか備え付けられていない。
しかしこの牢屋には椅子やテーブル、さらに壁に備え付けられた収納スペースに、本や酒といった嗜好品すら並んでいる。
ここは一定以上の地位を持つ人間が罪を犯した場合に、収容される特別監獄であった。
パークスはその一室をノックする。
「誰だ?」
「……パークスです」
「……ああ、入れ」
パークスは扉を開くと、中に入った。
牢屋の中は巨大な白晶の板によって仕切られている。
この板のおかげで面会も室内で出来るようになっていた。
窓のものより、かなり薄いが強度はかなりのものだ。
素手ではとても破壊できないし、仮に破壊した所で外壁に阻まれるだけである。
――そして白晶の向こうにはマキシウスがいた。
パークスは仕切りの前に置いてある椅子に座ると、マキシウスに話しかけた。
「父上、お元気ですか」
「まあ、そこそこにな」
パークスがマキシウスに会いにくるのは、あれから一週間ぶりであった。
あれから色々と忙しく、会いに行くのが随分と後になってしまったのだ。
牢に入っているマキシウスは思った以上に元気そうだった。
パークスの方がやつれているかもしれない。
「お前の方が元気が無さそうだな。ちゃんと食事と睡眠は取っているのか?」
「……あまり」
ジェイド家当主になったパークス。
彼を待っていたのは膨大な量の書類整理と面会だった。
分刻みで何かイベントが起きる。
書類整理はまだ手伝って貰えるが、面会は替えが効かないので最も面倒臭い。
今まで会った事も無い人間が、次から次へと現れる。
当主になったばかりというのもあるだろうが、想像を絶する忙しさであった。
「眠れなくても食事は取っておくのだぞ。そうすれば少しはもつ」
「はい……」
「それから、来るのが遅いぞ」
「色々と忙しくて……申し訳ありません」
マキシウスに指摘され、パークスは頭を掻く。
親を放っておいて仕事というのは、さすがに問題があった。
気遣いが足りていない。
一応、差し入れは持ってきてはいるのだが、所持したままの入室はできなかった。
「……」
それきり二人の会話は途切れてしまった。
色々と話す事があったはずだが、いざ本人を目の前にすると言葉が出てこない。
パークスは何か話題が無いかと、部屋を見渡す。
部屋を見渡すパークスを見たマキシウスが、先に口を開いた。
「ここに来るのは初めてか?」
「えっ、あ――はい。ドンケル監獄の方には行った事があるのですが」
ドンケル監獄は、ここと違って普通の罪人が入る監獄である。
石と鉄格子に囲まれた質素な監獄だ。
部屋には小さな机と椅子とベッドしかない。
それが普通の監獄である。
「アーコン監獄は貴族や王族用の監獄だからな。驚いただろう」
「ええ……設備が凄いですね」
「一定の水準を越えた権力者は、牢に入っていたとしても、その影響力は変わらない。彼らは非常に有能だし、すぐに代わりを用意できない」
「だから手厚く保護すると?」
「保護ではない。軟禁だ。パークス、お前も上に立つ者ならば、そういう部分を理解していかねばならんぞ」
マキシウスの言葉に、パークスは俯く。
不満が表情に現れていた。
「――おかしいと思うか?」
「正直……思います」
パークスは本心を漏らす。
ここに入るのは幾ら地位が高いといっても、罪を犯した者である。
犯罪者が、こんな厚遇を受けていいのだろうか。
「レガリアも、金をかけ過ぎだと言っていた。確かにかけ過ぎたかもしれん。貴族が好むように作ったからな。儂の好みからは遠い」
マキシウスは質実剛健なタイプだ。
無骨で飾り気のない要塞のような城が現しているように、過剰な装飾は好まなかった。
「そこに儂が入るとは思ってもみなかったがな」
そう言ってマキシウスはパークスに向かって自虐的な笑みを浮かべる。
パークスは笑って良いのか悪いのか困った。
「そう言えば兄さんが、ここに来たのですか?」
「レガリアは儂がここに入った翌日には面会に来ていたぞ」
「翌日に……?」
いつの間に会いに来ていたのだろう。
マキシウスが収監された翌日は、ずっとレガリアと一緒にいたはずだ。
それこそパークスが朝起きて、夜に眠るまで。
ここに来る余裕なんか無かったはずだ。
「まだ薄暗い早朝に、何の挨拶も無く、仕事や今後の方針について聞くだけ聞いて、すぐ帰っていったわ。お前もあれくらいフットワークが軽くなければいかんぞ」
「……」
つまりパークスが寝ている間にレガリアは、もう動いていた。
という事になる。
「凄いな……。兄さん達は」
パークスが何とかやっていけているのもレガリアとジオの存在が大きかった。
レガリアが上手にスケジュールを立ててくれているお陰で、無駄なくパークスは動けた。
他にもパークスのミスは全てフォローしてくれている。
恐らくパークス自身が気が付いていないミスも全てだ。
亜人種に関してはジオが一任してくれている。
おかげでパークスは領地だけに集中する事ができた。
ジオと亜人種の間では、すでに現神の森までの街道を補強工事する話がまとまっているらしい。
もし二人がいなければパークスは過労で死んでいただろう。
つくづく二人には敵わないと思った。
「それで、何をしに来た?」
マキシウスはパークスを見据える。
その眼光は昔のままであった。
牢屋に入っていても衰えてはいない。
パークスは反射的に委縮してしまう。
「……ええと……父上のお見舞い……に」
パークスは立つ瀬なく思いながら、マキシウスにそう答えた。
今のレガリアの話を聞いた後に「見舞いに来た」なんて「自分は無能です」と言っているようなものであった。
「……」
マキシウスは呆れたような表情を浮かべる。
だが、すぐに口元を緩めた。
いつもなら間違いなく怒られる所だったが、何故か怒られない。
不思議そうな表情を浮かべるパークスにマキシウスは話しかける。
「街はどうなっている?」
「ええ、とりあえず亜人種に対しての布令は出して、それから……」
どうなっているのだろう?
街の様子を確認する暇すらない。
ここしばらくは部屋にこもりきりだった。
「……まあレガリアが上手くやっているか」
マキシウスの言う通りだった。
レガリアはパークスがまごついている間に、全てをまとめてくれていた。
「兄に頼りきりではいかんぞ。お前がこれからジェイド家を背負うのだからな」
「はい……」
マキシウスに現状をあっさりと見抜かれ、パークスはさらに委縮してしまう。
もうパークスの頭は真っ白であった。
そんなパークスを見て、マキシウスは軽くため息をつくと、話題を変えてくる。
「アヤメ様とミーミル様とは仲良くやっているか?」
「……恐れ多いくらいに仲良くして頂いております」
二人はパークスの家でゴロゴロしている。
何日かは宴会が続いていたが、今は通常の生活に戻っていた。
二人共に亜人種と人の橋渡しを率先して行ってくれている。
特にアヤメがセツカとリッカの二人と結婚していたのが大きい。
他国との外交において、地位ある者同士が政略結婚する事は大きな意味を持っていた。
実の所、セツカとリッカはネーネ族長老の孫である。
偶然ながら収まるべき所に収まっていたのは、僥倖であったとしか言いようがない。
「あのお二人には、出来る限り力を貸すのだ。そうすれば必ずジェイド家を繁栄に導く事となるだろう」
「はい」
「あの後、お二人に何かアプローチはかけたか?」
「そ、そ、そんな、私なんかが恐れ多い!」
「……アプローチという言い方が悪かったな。何か今後について話はしたか?」
「……いえ、まだ」
今後の方針は決まっていたが、具体的にどうするかまでは決めていない。
どちらかというと二人の事は放りっぱなしだった。
自由に遊んでいたので、好きにさせておくのが一番だと思っていた。
そもそも口を挟める立場では無い、そう考えていたのだ。
だが、それではジェイド家当主としては不十分なのだろう。
ちゃんと口を挟んでいかねばならないのだ。
「ふぅ――そもそも、お前に対して、こういう話をすべきでは無かったな」
そう言ってマキシウスは、窓の外を見た。
そして、もう一度深いため息をつく。
そんなマキシウスの様子を見て、パークスは硬直してしまう。
当主になり立場が逆転した今でも、やはりマキシウスは恐怖の対象であった。
幼い頃から刷り込まれた感情は、そう簡単に払しょくされるようなものではない。
マキシウスの一挙手一投足が、自分を責めているように感じた。
部屋の中を、しばらくの間、沈黙が支配する。
マキシウスは視線をパークスに戻す。
いや、僅かにパークスから視線を外しながら呟くように言った。
「本当に情けない事だ」
パークスはびくっと、身体を震わせる。
話せば話す程に、自分の駄目さ加減が浮き彫りになっていた。
マキシウスが、自分の事を情けないと思うのも当然だろう。
怒られる。
パークスは俯いたまま、マキシウスの叱咤を待つ。
「――何か世間話をしようと思ったが、何も思いつかんわ。息子と雑談も出来んとはな」
そう言ってマキシウスは自嘲気味に笑った。
「――え?」
余りに意外な言葉。
パークスは思わず顔を上げ、マキシウスを見る。
そこにはジェイド家当主であるマキシウス・ジェイドではなく。
覇道を進もうとするマキシウス・ジェイドでもなく。
武将として名を馳せ、誰もから畏怖されるマキシウス・ジェイドでもない。
――そこには息子と雑談する話題が浮かばない、ただの父親がいた。
日々の仕事に忙殺されていたからなのか。
野望に燃えていたからなのか。
厳格なジェイド家を統べる存在として、在ろうとしたからなのか。
それが全て無くなった今、息子と何を話していいのか分からない。
レガリアと仕事の話をした時は、いくらでも話が出来たというのに。
息子の普段の生活の話――例えば、休みには何をしているのか、とか恋人は、好きな相手はいるのか、とか。
そんな話をしようとしても、気が付けば仕事の話題になってしまう。
マキシウスは、そんな自分を情けないと思っていた。
怒られると思っていたパークスの方は、完全に面食らっていた。
父親から、情けないという言葉が出てくるとは夢にも思っていない。
パークスは間の抜けた表情のまま固まっていた。
固まったパークスを見て、マキシウスは一つ咳払いをする。
その咳払いで、パークスは我に返った。
マキシウスは――父親は、自分と雑談がしたいのだ。
何だかさっきから会話がぎこちないとは思っていた。
そうと分かれば、パークスもマキシウスの会話にちゃんとノって行かねばならない。
だが、どうやって雑談をすればいいのか。
お互いに、生まれて初めての試みなのだ。
息子は父親に普通の会話をする。
父親は息子に普通の会話をする。
二人は奇しくも、全く同じ壁にぶち当たっていた。
「その――そうだな。亜人種――ネーネ族の女性は美人揃いらしいな」
「そ、そうですね……」
レガリアはイカルガと妙に仲がいい。
ジオもニニャといつの間にか仲が良くなっているらしい。
他にも兵士がネーネ族の女性と街を歩いている姿が目撃されていると聞く。
南部領に静かではあるが、大きな変化の波が来ている。
それは兵士だけでなく、街の人間も感じている事だろう。
「それで、お前はどうなのだ?」
「どう、とは?」
「例えばネーネ族の者と婚約する予定があったりするのか?」
「――」
パークスの頭にミョルドの顔が浮かぶ。
「心当たりがあるようだな」
「い、いえ。あの。まだ」
恐らく、その気になれば、すぐにでも婚約はまとまるだろう。
だが、まだパークスには心構えが出来ていなかった。
結婚など遠い未来の話だと思っていた。
少なくとも上の兄二人が結婚してから、やっと自分の番が回ってくると思っていたのだ。
「パークス」
「は、はい」
「結婚は勢いだぞ」
「は……はい?」
マキシウスの口から普段は聞けないような言葉が飛び出してくる。
パークスは驚くばかりであった。
ちなみにマキシウスの妻――パークスの母親は幼い頃に、病気により他界している。
余りマキシウスから母の話は聞かなかったが、当時を知る部下や執事からは、とても美しい女性であったと聞いていた。
「お前の母には、パーティで出会って一目惚れしてな。その場の勢いで結婚を申し込んだ。何度も断られたが、最終的には根競べよ」
「……そんな出会いだったんですね」
パークスは父親から、母との馴れ初めを聞くのは初めてだった。
自分の親が、どんな過程を経て結婚したのか。
興味はあったが、ちゃんと聞くのは不思議と気恥ずかしさがあった。
マキシウスも、どこまで話していいのか分からなかった。
夜中に二階にある彼女の部屋に行こうとして、木に登ったが落下し、腕を骨折した事。
外堀を埋めようと父親に荘園を送ったら、卑怯者と怒られた事。
外商から取り寄せた指輪を送ったらサイズが全く合わなかった事。
他にも若さゆえの過ちが色々とあるのだが、暴露しすぎると親としての威厳が失われてしまうかもしれない。
……とにかく言っておかねばならない事だけでも言わなくては。
マキシウスはそう思うと、話を続けた。
「もしお前もいい人がいるなら、好きにするといい。相手が亜人種でも構わん」
またマキシウスから意外な言葉が飛び出した。
てっきりパークスは貴族の娘と結婚させられると思っていたのだ。
三男といえど、四大貴族の一つである。
普通の結婚など、望むべくもないと思っていた。
「いいのですか?」
「良いか悪いかを決めていくのは、お前の仕事だ。お前の歩いた道に、民は続いていく」
もう南部領は自分の手を離れた。
後はパークス達が全てを決めていく。
これから帝国の一翼を担うのは、息子達だ。
「そういえば、この監獄に不満を抱いていたな?」
「……はい」
「こういう矛盾した――腐敗した部分は、この帝国に蔓延している」
「……」
「戦争により国は疲弊する一方だ。帝国をすでに見限っている人間も少なくはない」
マキシウスは、帝国という枠組みは維持したまま、帝国を手に入れようとしていた。
しかし帝国自体を消滅させて、領土を切り分けようとしている者すらいるのだ。
「帝国をどうするのかはお前次第だ。お前はそれだけの力を持った。それを常に頭に置いておくのだぞ」
南部領は帝国の台所だ。
帝国で消費される食糧の半分は南部領で生産されている。
その気になれば帝国を餓死させる事すら可能だった。
南部領だけではない。
パークスは帝国全ての民の運命すらも握った。
こんな力の手綱を、父はずっと握っていたのだ。
そして自分は、この力を制御できるのだろうか?
義務が、責任が、不安が、恐るべき重圧となってパークスを襲う。
「――それと同時にだ」
マキシウスは不安で押しつぶされそうになっているパークスを見据えながら言った。
「お前は儂と違って、一人ではない。多くの者が助けてくれている。それを絶対に忘れてはならんぞ」
父親の鋭い眼光はいつもと変わらない。
厳しい目だ。
だが、その目の奥にパークスは優しさが宿っているのを、確かに見た。
その時、部屋のドアがノックされた。
外から兵士の声が聞こえてくる。
「パークス様、そろそろお時間です」
パークスは部屋にあった時計を見た。
面会時間は無限にある訳ではない。
面会できる時間は、最大でも三十分までと決められていた。
いつの間にか三十分も過ぎていたようだ。
「むぅ、もう時間か……」
「そうみたいですね」
マキシウスは渋い顔をする。
結局、説教のような話しかできなかった。
そういう会話をしたかった訳ではない。
マキシウスはため息をついた。
パークスは椅子から立ち上がる。
父親への恐怖心は、未だ拭い切れていない。
まだ怖い。
パークスは渋い顔をしている父親の顔を見る。
それでも、このまま帰る訳にはいかない。
父は自分に歩み寄ってくれた。
あれだけ大事にしていた威厳を捨ててまで。
なのに自分は、まだ父に歩み寄れていないではないか。
パークスは一つ、深呼吸してから父親に話しかけた。
「あの、父上」
「何だ?」
「その――髭」
「ああ……」
マキシウスは顎髭を撫でる。
マキシウスの黒い髭は、根元の部分が白くなっていた。
「染めていた」
実はマキシウスの髭は、全て白髪になっていた。
威厳のある姿を保つ為――いや、老いを隠す為に、黒く染めていたのだ。
「ちちう……父さん」
勝手に大きく、思わず震えそうになる声を抑えながらパークスはマキシウスを呼ぶ。
「――何だ?」
「その……いいよ」
「?」
「その方が……カッコいいよ」
素直な気持ちを父にぶつける。
もちろん生まれて初めてだった。
「伝説の老将軍って雰囲気がするよ。おとぎ話にでてきそうだ。カッコいい」
「そうか……カッコいいか?」
マキシウスは顎に手を当てると、パークスに向かってニヒルな笑みを浮かべる。
口元から白い歯がこぼれ、輝いた。
「あはは、いい感じ」
「そうか、いい感じか」
マキシウスは目を細めて笑った。
パークスが初めて見る父親の優しい笑みだった。
パークスも笑った。
マキシウスが初めて見る息子の屈託のない笑みだった。
「……さあ、もう時間だ。行きなさい」
「ああ――うん」
パークスは椅子から立ち上がる。
そして扉の前に立った。
その背にマキシウスは声をかける。
「パークス、次に来た時には、もう少し母親の話をしよう」
「うん……楽しみにしてるよ。父さん」
パークスはゆっくり扉を閉めると、父のいる部屋から出て行った。
――――――――――
文章量がいつもの倍くらいになってしまい時間がかかってしまいました。
遅れて申し訳ありません。
次回は第二部最終話です。
最後までよろしくおねがいします。
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