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第1章
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優は大学を卒業してすぐ、電車で三十分ほどの距離にあるIT企業に就職した。
入社して二ヶ月は、社会人としての知識を得るための新人研修があり、研修が終わるとすぐにOJT(実務を通して仕事を覚える教育訓練)が開始された。優はプログラマとして配属が決まった。
社内の共有フォルダ(社員だけがアクセスできるデータの格納場所)にアクセスする権限を得た日。同期の社員たちと遊び半分で、共有フォルダに格納されているファイルを漁った。社内行事に関するファイルも格納されているようで、先輩社員たちの写真を見つけては、「この人イケメン、この人カワイイ」などと言い合いながら同期たちは楽しんでいる。
一方で、優は社員名簿を必死に探していた。いさむ君を探すのは、もう癖のようなものだ。ようやく見つけた社員名簿の中に、いさむ君の名はなかった。
いさむ君がこの会社にいても、自分はどうすればいいのかわからない。だから、いさむ君がいようがいまいが、どちらでも構わないはずだ。だが、優は落胆する気持ちを抑えきれなかった。
同期たちと業務中に雑談したり、定時後に飲みに行ったりできたのも最初の一、二週間だけで、OJTがはじまって一ヶ月が過ぎる頃には残業三昧の日々が続いていた。自分たちは新人ということもあり、終電までには帰らせてもらえていたが、それでも家に帰り着く頃には午前零時を過ぎている。
入社して半年が過ぎ、一年が過ぎ、気づけば、十人はいたであろう同期も、半数以下に減っていた。プログラムを書く仕事は楽しかったが、疲労が身体を蝕んで、睡眠をとっても身体の怠さがまとわりつくようになっていた。いつものクライアントから、いつものように無茶振りが振って来ると、毎度のようにストレスを抱えた。新しい風はどこからも吹いてこない。ただ、毎日、淀んだ空気の中で呼吸を続けるだけ。
このまま仕事に忙殺されていて良いのだろうか。今の会社に居続けることに意味はあるのだろうか。帰りの電車で揺られながら、ふとそんなことを考える。
このままここにいても、自分の人生は一歩も前に進まない。この会社で自分の未来は思い描けない。次々と浮かんでくる感情の中に、少しでもいさむ君に近づきたい気持ちがこみあげてくる。
直観としかいいようがないが、今の自分といさむ君の距離は遠く離れているような気がするのだ。日に日に、今ここに留まっていてはいけないと、本能のようなものが訴えかけてくる。
睡眠不足でクマの出来た目元を擦りながら、優は転職を決意した。
転職を決めてからの行動は早かった。プログラマの求人を探している途中で、転職エージェントの存在を知った。転職エージェントとは、転職を希望する人間の手助けをしてくれる専門の人のことを言うらしい。転職エージェントを有している転職支援会社は複数あり、どれも転職活動をする人間にとっては見聞きしたことのある会社ばかりだ。
ネットで転職に関する記事を見ていると、複数の会社のエージェントに申し込んでいる人も多くいるらしい。複数の会社に申し込むか、一社に絞り込むか。優は迷ったが、一社に絞り込むことにした。これからしばらくは、今の仕事を通常通りこなしながら転職活動をすることになる。複数の会社とやり取りすることは現実的に難しいと判断した。
優は、「転職実績No.1」を謳う会社にネットから申し込んだ。翌日には、転職エージェントとの面談に関するメールが届いた。面談日時は一週間後の土曜日に決まった。面談までの一週間で、履歴書や職務経歴書を準備する必要もある。これからさらに忙しくなるが、自分の人生が変わりゆく予感がして、気分はどこか高揚していた。
そして一週間後の土曜日。服装は私服でも良いとのことだったが、無難にスーツで行くことにする。面談場所は職場より遠い。余裕をもって家を出て、電車をいくつか乗り継ぎ、優は面談場所へと向かった。
「初めまして、小山です」
「初めまして、四木です」
小さな会議室に案内されて、まずは互いに自己紹介をする。自分の担当となったエージェント、小山は所作のひとつひとつに無駄がなく、声も凛としていて、キャリアウーマンと呼びたくなるような女性だった。年齢は自分よりも一回りほど年上だろうか。ネット上でのやり取りだけでは、どのような女性なのかまったくわからなかったが、実際に出会うと色々見えてくるものがある。とても頼りがいがありそうな女性で、優は安堵した。
椅子に座り一息ついたところで、小山が話を切り出す。
「履歴書と職務経歴書、拝見しました」
「あ、ありがとうございます」
資料は面談の最中に確認されるものだと思っていたのだが、すでに小山は目を通していたらしい。小山の手元には印刷された履歴書と職務経歴書が二部ずつ用意されていた。優は自分でも印刷して持ってきていたが、小山が印刷したそれらをありがたく受け取ることにした。
何度も見直しをして送ったが、こうして印刷されたものを目にするとやはり緊張する。これからきっとダメ出しがはじまるのだろう。そう思っていたが、小山は履歴書と職務経歴書に書かれている内容について、もっと詳しく教えてほしいと言った。小山から質問された内容について、優が答える。それを繰り返しているうちに、小山が自分の“ウリ”となるものを探していることに優は気がついた。
転職活動で一番大切なのは自分を売り込むこと。頭の中ではわかっているが、優はなかなかそれを実行に移すことができない。自慢するようなことを言うのがどうも苦手なのだ。小山はそれを見抜いているのか、「先程おっしゃっていたことは、四木さんのスキルとしてアピールできることですよ」「スケジュールに余裕のない中、よくその業務量をこなされてましたね」と、時折、優を勇気づけるような言葉をかけてくれる。面接でアピールすべきポイントを小山は教えてくれているのだと理解し、優は小山の言うことをすべてメモに残すことにした。
資料について一通り質疑応答を終えると、小山は待ち構えていたかのようにこの問いを放った。
「今の会社を退職したい理由を教えていただけますか?」
転職したい理由は色々あったはずなのに、小山に問いかけられて真っ先に浮かんだのは、いさむ君のことだ。もちろん、このことは小山に話すことはできない。面談で必ず質問されることだと思っていたので、事前に用意していた回答もあった。だが、ネット上で検索して手に入れた模範解答にすぎない。小山にそれを告げても、取り繕った理由であることを見抜かれそうな気がした。
小山に対しては、自分の本心を告げるべきなのかもしれない。降りた沈黙に急かされながら、優はゆっくりと口を開いた。
「いつからか、今の会社にずっと居続けるのはなんか違うんじゃないかって思うようになって……」
「お仕事の内容が意に沿わないとか?」
「いいえ。僕はプログラムを書く仕事は好きなので、仕事自体には満足していました。でも、好きなのに疲れるんですよね。身体的な疲労もあったんですが、それとはまた別のしんどさがあるというか……すみません、こんな曖昧な回答……」
「いえ、直観は大事にすべきです」
てっきり小山を困らせてしまうかと思ったが、小山の言葉は自分を肯定するものだった。
「ありがとうございます。でも、これって面接で言える内容じゃないですよね……」
「転職を希望されている方は、会社の給料とか勤務体系とか仕事内容とか……具体的な不満を持っている方もいますが、四木さんのような方ももちろんいらっしゃいます。そういう方には、『これから自分がどうしていきたいか』を考えることをお勧めしています」
「これから自分がどうしていきたいか……」
「自分が実現したいことのために、今の会社を退職する……転職理由は前向きである方が、受ける印象も良いものです」
「……わかりました。もっとよく考えてみます」
優はメモ帳に「転職理由の再考」と書き込んだ。
小山はA4サイズの紙が入る大きな封筒から、数十枚に及ぶであろう紙の束を取り出した。テーブルの上に置かれたそれらの紙には募集要項が記載されていた。全部で二十社分あると小山は言った。
「事前に、いくつかこちらで挙げさせていただきました。今日お話しいただいた内容を踏まえて、また追加でご連絡させていただこうと思っていますが、簡単で良いので一度目を通していただけますか?」
「はい!」
紙に印刷された内容に目を通す。業種は同じでも、ジャンルは様々だ。会社によってジャンルが固定されているものもあれば、クライアント次第でジャンルが決まるといった会社もある。一通り目を通し顔を上げると、小山はすかさず問いかけてきた。
「気になる会社はありましたか?」
「あ、はい、えっと……、このA社とB社に興味が湧きました」
応募したいと思えるほどの会社ではないが、一応、気にはなったのでそのまま伝えてみる。
「ああ、それは私もお勧めしている会社ですよ。ぜひ応募してみてください。書類選考の通過率は三割程度と言われていますので、少しでも気になる会社があったら応募してみることをお勧めしています」
書類選考の通過率は三割程度、さらっと辛辣なことを言われた気がするが、就職エージェントにとっては当たり前となっている事実なのだろう。優は気分が沈んだが、あえて言及はしなかった。
「逆に、対象外かなと思った会社はありますか?」
「C社、D社、E社ですかね……他の会社はまだなんとも……」
「なるほど、マネージャー職はなるべく避けたいということですね」
小山にはすべて見抜かれてしまっていた。隠しても仕方がないので、正直に答える。
「……はい。今はプログラマとしての経験を積み上げたいので」
「先程お話を伺っていて、そうなのかなと思いました。次回からは外しておきますね」
そこからは、どのようにして応募するのか、面接の調整はどうするのか、内定したあとはどうなるのか、等々、入社までの流れの説明を受け、面談はお開きとなった。
二十社分の募集要項に、転職までの流れに関する資料。渡された封筒の重みを感じながら、エレベーターで一階へと降りる。一階に辿り着くまでの間、腕時計を見やると、面談開始時刻から一時間半が経過していた。あっという間だったが、非常に濃い時間を過ごしたのではないかと思う。不安は多いが、小山は信頼できるエージェントだ。きっと大丈夫だと、優は自分を励ました。
入社して二ヶ月は、社会人としての知識を得るための新人研修があり、研修が終わるとすぐにOJT(実務を通して仕事を覚える教育訓練)が開始された。優はプログラマとして配属が決まった。
社内の共有フォルダ(社員だけがアクセスできるデータの格納場所)にアクセスする権限を得た日。同期の社員たちと遊び半分で、共有フォルダに格納されているファイルを漁った。社内行事に関するファイルも格納されているようで、先輩社員たちの写真を見つけては、「この人イケメン、この人カワイイ」などと言い合いながら同期たちは楽しんでいる。
一方で、優は社員名簿を必死に探していた。いさむ君を探すのは、もう癖のようなものだ。ようやく見つけた社員名簿の中に、いさむ君の名はなかった。
いさむ君がこの会社にいても、自分はどうすればいいのかわからない。だから、いさむ君がいようがいまいが、どちらでも構わないはずだ。だが、優は落胆する気持ちを抑えきれなかった。
同期たちと業務中に雑談したり、定時後に飲みに行ったりできたのも最初の一、二週間だけで、OJTがはじまって一ヶ月が過ぎる頃には残業三昧の日々が続いていた。自分たちは新人ということもあり、終電までには帰らせてもらえていたが、それでも家に帰り着く頃には午前零時を過ぎている。
入社して半年が過ぎ、一年が過ぎ、気づけば、十人はいたであろう同期も、半数以下に減っていた。プログラムを書く仕事は楽しかったが、疲労が身体を蝕んで、睡眠をとっても身体の怠さがまとわりつくようになっていた。いつものクライアントから、いつものように無茶振りが振って来ると、毎度のようにストレスを抱えた。新しい風はどこからも吹いてこない。ただ、毎日、淀んだ空気の中で呼吸を続けるだけ。
このまま仕事に忙殺されていて良いのだろうか。今の会社に居続けることに意味はあるのだろうか。帰りの電車で揺られながら、ふとそんなことを考える。
このままここにいても、自分の人生は一歩も前に進まない。この会社で自分の未来は思い描けない。次々と浮かんでくる感情の中に、少しでもいさむ君に近づきたい気持ちがこみあげてくる。
直観としかいいようがないが、今の自分といさむ君の距離は遠く離れているような気がするのだ。日に日に、今ここに留まっていてはいけないと、本能のようなものが訴えかけてくる。
睡眠不足でクマの出来た目元を擦りながら、優は転職を決意した。
転職を決めてからの行動は早かった。プログラマの求人を探している途中で、転職エージェントの存在を知った。転職エージェントとは、転職を希望する人間の手助けをしてくれる専門の人のことを言うらしい。転職エージェントを有している転職支援会社は複数あり、どれも転職活動をする人間にとっては見聞きしたことのある会社ばかりだ。
ネットで転職に関する記事を見ていると、複数の会社のエージェントに申し込んでいる人も多くいるらしい。複数の会社に申し込むか、一社に絞り込むか。優は迷ったが、一社に絞り込むことにした。これからしばらくは、今の仕事を通常通りこなしながら転職活動をすることになる。複数の会社とやり取りすることは現実的に難しいと判断した。
優は、「転職実績No.1」を謳う会社にネットから申し込んだ。翌日には、転職エージェントとの面談に関するメールが届いた。面談日時は一週間後の土曜日に決まった。面談までの一週間で、履歴書や職務経歴書を準備する必要もある。これからさらに忙しくなるが、自分の人生が変わりゆく予感がして、気分はどこか高揚していた。
そして一週間後の土曜日。服装は私服でも良いとのことだったが、無難にスーツで行くことにする。面談場所は職場より遠い。余裕をもって家を出て、電車をいくつか乗り継ぎ、優は面談場所へと向かった。
「初めまして、小山です」
「初めまして、四木です」
小さな会議室に案内されて、まずは互いに自己紹介をする。自分の担当となったエージェント、小山は所作のひとつひとつに無駄がなく、声も凛としていて、キャリアウーマンと呼びたくなるような女性だった。年齢は自分よりも一回りほど年上だろうか。ネット上でのやり取りだけでは、どのような女性なのかまったくわからなかったが、実際に出会うと色々見えてくるものがある。とても頼りがいがありそうな女性で、優は安堵した。
椅子に座り一息ついたところで、小山が話を切り出す。
「履歴書と職務経歴書、拝見しました」
「あ、ありがとうございます」
資料は面談の最中に確認されるものだと思っていたのだが、すでに小山は目を通していたらしい。小山の手元には印刷された履歴書と職務経歴書が二部ずつ用意されていた。優は自分でも印刷して持ってきていたが、小山が印刷したそれらをありがたく受け取ることにした。
何度も見直しをして送ったが、こうして印刷されたものを目にするとやはり緊張する。これからきっとダメ出しがはじまるのだろう。そう思っていたが、小山は履歴書と職務経歴書に書かれている内容について、もっと詳しく教えてほしいと言った。小山から質問された内容について、優が答える。それを繰り返しているうちに、小山が自分の“ウリ”となるものを探していることに優は気がついた。
転職活動で一番大切なのは自分を売り込むこと。頭の中ではわかっているが、優はなかなかそれを実行に移すことができない。自慢するようなことを言うのがどうも苦手なのだ。小山はそれを見抜いているのか、「先程おっしゃっていたことは、四木さんのスキルとしてアピールできることですよ」「スケジュールに余裕のない中、よくその業務量をこなされてましたね」と、時折、優を勇気づけるような言葉をかけてくれる。面接でアピールすべきポイントを小山は教えてくれているのだと理解し、優は小山の言うことをすべてメモに残すことにした。
資料について一通り質疑応答を終えると、小山は待ち構えていたかのようにこの問いを放った。
「今の会社を退職したい理由を教えていただけますか?」
転職したい理由は色々あったはずなのに、小山に問いかけられて真っ先に浮かんだのは、いさむ君のことだ。もちろん、このことは小山に話すことはできない。面談で必ず質問されることだと思っていたので、事前に用意していた回答もあった。だが、ネット上で検索して手に入れた模範解答にすぎない。小山にそれを告げても、取り繕った理由であることを見抜かれそうな気がした。
小山に対しては、自分の本心を告げるべきなのかもしれない。降りた沈黙に急かされながら、優はゆっくりと口を開いた。
「いつからか、今の会社にずっと居続けるのはなんか違うんじゃないかって思うようになって……」
「お仕事の内容が意に沿わないとか?」
「いいえ。僕はプログラムを書く仕事は好きなので、仕事自体には満足していました。でも、好きなのに疲れるんですよね。身体的な疲労もあったんですが、それとはまた別のしんどさがあるというか……すみません、こんな曖昧な回答……」
「いえ、直観は大事にすべきです」
てっきり小山を困らせてしまうかと思ったが、小山の言葉は自分を肯定するものだった。
「ありがとうございます。でも、これって面接で言える内容じゃないですよね……」
「転職を希望されている方は、会社の給料とか勤務体系とか仕事内容とか……具体的な不満を持っている方もいますが、四木さんのような方ももちろんいらっしゃいます。そういう方には、『これから自分がどうしていきたいか』を考えることをお勧めしています」
「これから自分がどうしていきたいか……」
「自分が実現したいことのために、今の会社を退職する……転職理由は前向きである方が、受ける印象も良いものです」
「……わかりました。もっとよく考えてみます」
優はメモ帳に「転職理由の再考」と書き込んだ。
小山はA4サイズの紙が入る大きな封筒から、数十枚に及ぶであろう紙の束を取り出した。テーブルの上に置かれたそれらの紙には募集要項が記載されていた。全部で二十社分あると小山は言った。
「事前に、いくつかこちらで挙げさせていただきました。今日お話しいただいた内容を踏まえて、また追加でご連絡させていただこうと思っていますが、簡単で良いので一度目を通していただけますか?」
「はい!」
紙に印刷された内容に目を通す。業種は同じでも、ジャンルは様々だ。会社によってジャンルが固定されているものもあれば、クライアント次第でジャンルが決まるといった会社もある。一通り目を通し顔を上げると、小山はすかさず問いかけてきた。
「気になる会社はありましたか?」
「あ、はい、えっと……、このA社とB社に興味が湧きました」
応募したいと思えるほどの会社ではないが、一応、気にはなったのでそのまま伝えてみる。
「ああ、それは私もお勧めしている会社ですよ。ぜひ応募してみてください。書類選考の通過率は三割程度と言われていますので、少しでも気になる会社があったら応募してみることをお勧めしています」
書類選考の通過率は三割程度、さらっと辛辣なことを言われた気がするが、就職エージェントにとっては当たり前となっている事実なのだろう。優は気分が沈んだが、あえて言及はしなかった。
「逆に、対象外かなと思った会社はありますか?」
「C社、D社、E社ですかね……他の会社はまだなんとも……」
「なるほど、マネージャー職はなるべく避けたいということですね」
小山にはすべて見抜かれてしまっていた。隠しても仕方がないので、正直に答える。
「……はい。今はプログラマとしての経験を積み上げたいので」
「先程お話を伺っていて、そうなのかなと思いました。次回からは外しておきますね」
そこからは、どのようにして応募するのか、面接の調整はどうするのか、内定したあとはどうなるのか、等々、入社までの流れの説明を受け、面談はお開きとなった。
二十社分の募集要項に、転職までの流れに関する資料。渡された封筒の重みを感じながら、エレベーターで一階へと降りる。一階に辿り着くまでの間、腕時計を見やると、面談開始時刻から一時間半が経過していた。あっという間だったが、非常に濃い時間を過ごしたのではないかと思う。不安は多いが、小山は信頼できるエージェントだ。きっと大丈夫だと、優は自分を励ました。
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