Be with you.

七部(ななべ)

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受験よりも難しいもの。

第三話 決定打だった、そんな気がした。

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この期間は青春という青春してたんだと思う。最初で最後の一世一代の青春を。
テスト返却日。
その日の1時間目は数学。毛利は自信があるんだって。僕はそんなに。
(数学担当)福本先生「よし、出席番号順でテスト返すぞー。」
は出席番号順で後ろの方なのでドキドキしながら待つ。君との緊張とは別の。
榎本のテストが返却される。
榎本「うい!81点どうよ、晃汰郎くん?」
「まぁ、いいんじゃない?」
毛利「81点?!高いねー榎本くん。」
榎本「う、うんまぁね。」
榎本くんが照れていたので睨みつけることにした。
「榎本「ごめんって。テスト見せろよー。」
毛利「ねぇ、榎本くんって、賢いの?」
「そんな訳ないよ!全然!」
毛利「そっか、こーたろーの方が頭いいんだってか。でも、数学はうちの方ができていると思うよ?」
「そ、そうなの?も、もうり、、ゆあ数学自信あったのね。でも負けないよー?」
沈黙が続く。テスト返却はまだた行。僕社晃汰郎は好きな子を名前呼びにした。ゆ、勇気が入ったけど、この方がなんか良かった。なんか、ね、なんか。
福本先生「毛利!」
「よ、呼ばれたよ。」
柚愛「う、うん」
柚愛が緊張していた気がする、あまり見ない一面が垣間見た。僕も緊張していたがこれはもうすぐ呼ばれる方の緊張ではなく、名前呼びにした余韻が未だ残ってる方の緊張だ。
僕も呼ばれたので貰いにいく。
柚愛「いっせーので見せるよ?」
「い、いいよ。いっせーの!」
僕は85点で君は94点。
柚愛「やったー!勝った!もうこれは奢りかな?こーたろーくん?」
「べ、別に!未だ音楽があるし?」

全ての教科が返却された。九教科総合で僕は677点で彼女が706点。僕の惨敗で、明日スタバ奢ることが確定した。そして前日の夜は寝れなかった。これは全男子諸君は共感できるよね?
集合場所に着いた。予定時刻より30分早い。初めて君と遊ぶ。ふと周りを見渡すと、君の姿がいた。私服の、ね。
柚愛「よっ、こーたろー!早いねー!」
「まぁね。僕が奢るんだから、ね!?」
少し語彙が失せた文脈。君の方が早く来てたとは。ここでなんとなく察したが脈アリ疑惑が際立ってきたと考えると、頭の情報が消滅するので考えるのを、やめた。
柚愛「スタバ到着!何頼むの?こーたろー?」
「まっちゃくりーむかな?柚愛は?」
硬直する僕の体と精神。
「同じの頼もーかなー。」
nnn!?ペア!?恥ずいなとか思う暇なこの場にはない。
「抹茶クリームフラペチーノ2つ、grandeサイズで、」
柚愛「あとキャラメル追加で!」
店員「はい。1260円です。」
「はい、払ってあげるよ!」
店員「はい、お釣りちょうどですね。可愛いお二人さんですね。ではあちらで…」
僕の顔が赤くなる。横を見ると柚愛も赤くなっている。
席に着く。
柚愛「ねぇさ、こーたろーって好きな子いるの?」
そう言いながらドリンクを飲む。2人っきりの時に!?
「う、うんいるよ。じゃぁ、柚愛の好きな人は?身長とかさ。」
今思えばよく言えたなと思う一世一代の賭けだ。
柚愛「うん!いるよ、身長は…こーたろーくらいかな?」
飲んでたドリンクでむせる。張本人は照れている。照れている!?
「う、うんそっか、ちなみにヒントとかは言わない主義なので。」
華麗な一文。
柚愛「もーやめてよーこーたろー」
からかわれてばかりだったから。からかった柚愛の姿に照れてしかない。照れてしかない。
このことがきっかけでここまでになったと言っても過言ではない。君が好きなのには嘘偽りないよ。
I just wanna be with you.
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