【完結】誤解から溺愛になるまで、神様がサポートして二人の恋を後押しします

成実

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回帰後、風邪の流行の結末

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 やはり、回帰前と同じように風邪が大流行した。

 日照の関係で薬草が少なく王都では高値で売買された。

 外国から薬草を事前に、多めに輸入したので、王都の民はお金があれば高くても買えた。

 だが、王都から離れた場所は、薬が買えず大流行したのだ。

 我が領地では、お父様の采配で、適正価格で薬を領民に渡した。

 お金がない領民には、後からお金が出来たら払う約束で薬を渡した。

 流行する前に、治療することで、領民を守ったのだ。

 当然、屋敷の使用人やその家族には安価で薬を渡し、風邪の流行をくいとめた。

 使用人が風邪をひかないからか、お母様が風邪を引くことはなかった。

 家族の分の薬を多目に残し、薬が買えない孤児院などに、余った薬を渡す事をお父様が決めた。

 もともと、薬がいらなくなったら、孤児院や救護院に渡す予定だったので、予定調和だ。

 そのおかげで、多くの孤児達の命が救われて、良かった。

 お父様はとても感謝された。

 お父様は、シアのおかげで、家族と領民が守れたんだよと言ってくれた。

 子供の戯言だと言っていた貴族の領民は、薬が買えずかなりの人が亡くなった。

 回帰前は、お母様をはじめ、もっと沢山の人が亡くなったのだから、それよりマシだと思いたい。

 お母様の命を救えた事が何より嬉しい。

 回帰後、最初のやらなければならないことは、やり遂げたのだ。

 これも、全能の神アウロス様が私の記憶を残してくれたおかげだと思う。

 お父様が、再び会議の場に呼ばれた。

 何故、子供の言う事で、そこまで信じられるのか?

 もしかしたら、神の啓示を受けていたのではないかと。
 それを黙って自分の領民だけ助けたのではないかと糾弾されたらしい。

 祝福前の子供は、神の声が聞きやすいと思い、娘の話に耳を傾けたに過ぎない、人の話を聞いて、どう判断するかは自分自身だ。

 それに、薬草の輸入の件は、会議の議案にも上がっていたので、情報は共有できていたはず、その情報をどう活かすかは当主の力量だと、以前馬鹿にしてきた貴族をたしなめたようだ。
 
 この情報も、アレク様のかわいい日記にはこう書いてあった。

○30日

 シアが言ってた通りの事がおこったね。

 シアの話を聞いて行動した侯爵は、自分の領民を死なせず救った領主として褒められているみたいだよ。

 反対に、薬を輸入しなかった領主は領民に無能って言われてるみたい。

 僕もシアの話を父上に話したことで褒められたんだよ。
 兄上が、シアの話を聞いて気になることがあったら、誰でもいいから話すんだよと言ってたんだ。

 シアが神の啓示を受けていたのではないかと、以前侯爵を馬鹿にした貴族は騒いだみたい。

 でもね、侯爵は、人の話を聞いて判断し活用するかしないかは、当主次第だと言い切ったらしいよ。

 父上も、子供の言う事だからではなく、子供が真剣に話したことは耳をかたむけなくとはいけないと兄上達に話してたよ。

 シアや侯爵の話がなかったら、王都はもっと被害が酷くなってたよね。

 今日のお茶会の時も話せなかったけど、僕の瞳の色にドレスを合わせてくれたのかな?

 そうだったら、嬉しいなあ。

 とってもシアには似合ってるよ。


アレクより
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