【完結】誤解から溺愛になるまで、神様がサポートして二人の恋を後押しします

回帰前、令嬢達のそれぞれの思い

side エイミー・カクタス侯爵令嬢

　まさかあんな結末を迎えるなんて、思いもしなかった。

　ただ、ルクレシア侯爵令嬢とアレクサンデル殿下の婚約破棄をさせたかっただけなのに、ルクレシア令嬢が毒杯を与えられ死んでしまった。

　アレク殿下とルクレシア令嬢は仲がよくみえなかった。
　だから、ルクレシア令嬢さえ、他の男性貴族と仲良くなり、婚約破棄されればと、バイオレット令嬢の話に賛同してしまった。

　どうしてこうなってしまったの。

　私達四人が婚約者候補だった。でもルクレシア令嬢のお母様の侯爵夫人が王妃様と仲が良いと言うだけで決まってしまった。

　アレク殿下とルクレシア令嬢が仲が良ければ、諦めがつくのに、二人の仲は良好にみえなかった。

　だから、残りの３人の、バイオレット公爵令嬢、リーナ侯爵令嬢、そして私で、アレク殿下を嫌な相手との結婚から救いたかった。
　そのあと、私達３人の中から選んで頂けたらと思っていた。

　私は取り返しのつかない事をしてしまった。


sideリーナ・ラッシュ侯爵令嬢


　私は何てことをしてしまったんだろう。

　ルクレシア令嬢が死んでしまった。

　私は幼い頃からアレク殿下が好きだった。

　だから、アレク殿下とルクレシア令嬢が婚約破棄になればそれで良かった。

　でも決して、ルクレシア令嬢の死を願ったことはなかった。

　私から見ても、二人の仲は、あまりよくなさそうだった。

　だから、ルクレシア令嬢も、好きでない相手と結婚しなくてよくなるなら、いいんじゃないかと軽い気持ちだった。

　あんな事になるなんて、バイオレット令嬢の話を聞くんじゃなかった。



sideバイオレット・ビルエット公爵令嬢

　邪魔なルクレシア令嬢が死んだわ。

　公爵令嬢の私をさしおいて、婚約者の座におさまるなんて。

　皇太子殿下や第２殿下は既に、年が近い他の公爵令嬢と婚約している。

　年が近い第３殿下にふさわしいのは私よ。

　既に、第三殿下は、公爵に降下することに決まっているけど、公爵令嬢から公爵夫人になるのもわるくないわ。

　侯爵令嬢のルクレシア令嬢に、アレク殿下はふさわしくない。

　王妃様がいる限り、ルクレシア令嬢はアレク殿下と結婚する。
　だから、ルクレシア令嬢を庇えなくさせればいいのよ。
　王家に嫁ぐものは、不貞は許されない。

　結婚まえだから、修道院に入るぐらいだと思ってたのに、毒杯で死ぬとは思わなかった。

　まあ死んでしまったのだから仕方がないわ。

　私は、何もしていないし、ただ、エイミー令嬢とリーナ令嬢に囁いただけですもの。

　だから、ルクレシア令嬢の死は、私には、関係ない。