落ちこぼれの貴族、現地の人達を味方に付けて頑張ります!

ユーリ

文字の大きさ
216 / 326
四章

自業自得

しおりを挟む
「でもでも!前から知ってたのは本当よ!それに!アイツのせいで私がいっぱい酷い目にあったんだから!!」

僕達の無言の視線を受けていた彼女は、何処か焦ったように父様を非難しだしたけれど、何時も優しい父様がそんな事をするとは思えない。たぶん、彼女の誤解だと思うけれど、それを言葉にして言ったら、さっきのバルドみたいに噛みつかれそうだし、そうなったら兄様の機嫌が今以上に悪くなりそうだっから、それには触れない事にした。

「えっと、じゃあ、父様とは何時から知り合いだったの?」

「えっ!?ん、ん~?あれは、何年前くらいだったのかしら?つい最近のような気もするけれど、10?20?くは経ったかしら?」

正確な年数を覚えていないのか、僕の頭上で考え混んでいるような声を上げながら、おおよその年数を口にする。だけど、彼女が口にした年数に驚きを隠せない。

「お前…何歳なんだよ…」

「ん?200歳くらいかしら?いちいち、年齢なんて数えないからよく覚えてないわ」

「ババアじゃん…」

「誰がババアですって!200歳なんてまだ子供のうちでしょう!!」

「い、いえ…人間はそんなに生きられませんので…」

「えっ?そういえば、人間って100年も行きずに死ぬんだっけ?それなら、まぁ、しょうがないのかしら?」

「そ、それで、どういった経緯で出会ったんですか?」

外見からの落差からか、思わず言ってしまったバルドの失言をに、彼女は怒りを顕にしたけれど、コンラットの言葉を聞くと疑問符を浮かべだした。その間に、コンラットはまるで話しをすり変えるように話しを押し進める。彼女の方はそれに気付いた様子もなく、コンラットの話しに乗っていた。

「あぁ!それはね!私が流石に文句言ってやろうと思ってあの屋敷に乗り込んで行った時に、ちょうどシェリア達が実家への顔見せでとかで来てたのよ!そんで、気配に敏感だったアイツが、外まで様子を見に出て来た時に会ったのが始まりね!」

「人間に関わらないんじゃなかったのか?」

「だって!もう根こそぎ取ってて森には何も残ってないのに、まだ森を荒らそうとしてたから頭にきたのよ!だから、アイツに文句言ってたのに何言っても無反応で!つまらない物でも見るみたいに私の事見てたのよ!!しかも、その後シェリアが来たら、その場に放置して屋敷に戻るわで、最後まで完全に無視だったのよ!!」

ネアからの問い掛けに憤った声を上げているけれど、それと一緒に僕の髪を引っ張るのは止めて欲しい。地味に痛いし、兄様の機嫌も悪くなって行くの感じる。だけど、そんな僕の願いは届かないようで、彼女はまだ興奮が収まらないようだった。

「そんな態度が頭来たから腹いせに、こっそりと夕食の中に唐辛子の粉を大量に混ぜてやったのよ!なのに!アイツたら平然とした顔でそれを完食してたのよ!信じられる!?次の日、その事をシェリアに言ったら、試しに同じ量を入れた物を食べてみたら言われて食べたら、物凄く辛くて酷い目にあったわ!」

「それは…自業自得というか……」

「そんなわけないじゃない!だって、その後も水ぶっかけてやろうとしたら、魔法で防がれて私がずぶ濡れになるし!落とし穴作って落としてやろうとしたのに何故か落ちないしー!!もう!空でも飛べなきゃ絶対無理なのに!なんで落ちないのよ!」

八つ当たりするように僕の頭をポカポカと叩くけれど、これは殆ど痛くはない。だけど、森に入ってからの兄様は平静を保てないのか、何を感じているのかが分かりやすいから、後ろから感じる兄様の視線が痛い。でも、1番気付いて欲しい人が気付いてくれない。

「それで!シェリアが試しに上に乗って確かめたらって言うから乗ったんだけど、底が抜けて私が下まで落ちし、飛ぼうにもフタ部分に使ってた土やら小枝が上から落ちて来て潰されて散々な目にあったのよ!!」

「あの…落とし穴は…ある程度の重さがないと下まで落ちないと思うのですが…?」

「何!?私が重いって言いたいの!?言っておくけど私は重くないわよ!!あの時は、シェリアがうかっり魔法で骨組みの部分を壊しっちゃったから下まで落ちただけよ!!」

「いや…それって、魔法でうっかり壊すような物なのか…?」

バルド達の戸惑いや躊躇いなどが色々と混ざったような声で訪ねているけれど、聞かれた方は至って平然と、事実だけを語るようなに口を開く。

「シェリアって、見た目通り普段からのほほんとしててドジなのよ。何時も私の仕返しに協力してくれようとするんだけれど、何回やっても失敗するの。水とか物を運ぶ時は何時も手が滑って私の方に飛ばしちゃうし、罠の仕掛けをしている時だって、私が仕掛けから出るよりも前に作動させちゃうから、私が酷い目にあったりするのよ。もう、本当に何をやってもドジなの」

全く疑っている様子もなく、1人で納得したような声で話しているけれど、僕達の間には何とも微妙な空気が流れる。

「いや…それ…絶対わざとだろ…」

「……私もそう思います」

「……普通に気付けよ」

呆れを通り越して哀れみさえも感じるさせる視線が僕の頭上へと注がれるけれど、その視線を向けられた方は納得が言ってないようだった。

「何言ってるの!?優しいシェリアがそんな事するわけないじゃない!だって!私がそれで泣きべそかいたりすると、ちゃんと誤って慰めてくれるもの!!」

必死になって父様のお姉さんの事を擁護していたけれど、途中で何かに気付いたような焦ったような声へと変わった。

「はっ!ち、違うわよ!私、泣きべそなんてかいてないわ!!さっきだって、ちょっと目にゴミが入って痛かっただけなんだから!!と、とにかく!シェリアは優しいのよ!」

誰も気にもしていなかった事で言い訳を始めた彼女だったけど、僕は彼女の言葉に、ずっと言いたかった言葉を口にする。

「父様も、十分優しいよ?」

「アイツは私の事を、まるでバカでも見るような目線で見てくるから全然優しくないわ!!」

「えっ…あー…うん…」

彼女からは即座に反論が返ってきたけれど、それと同じような視線を向けていた僕以外のみんなは、それとなく視線を逸らしていた。

「どうしたのよ?」

そんな空気に1人だけ気付けない彼女は、そんなみんなの様子に不思議そうな声を上げていた。

「それで…その後どうしたの…?」

唯一、彼女から顔が見えていない僕がみんなの変わりに口を開けば、そこまで興味がなかったのか、さっきの続きを話し始めた。

「その後も、シェリアと一緒に色々とやってみたんだけど、全部失敗に終わっちゃったのよね。まぁ、シェリア達もそこまで長いしていたわけじゃなかったから、それは仕方がないんだけど!シェリアは帰る時にちゃんと挨拶に来たのに、アイツは最後まで私に挨拶にすら来なかったのよ!」

凄く憤っているけれど、さっきまでの彼女の話しを聞く限りだと、父様が挨拶に来ないのはしょうがないような気がする。

「だから、アイツの屋敷まで押し掛けてやったら、その時はすっごい顔してたわ!アイツの顔が変わるの所なんて初めてみたから、思わず笑っちゃったわよ!」

その時の事を思い出したのか、楽しげな様子でケラケラと笑い声を上げていた。だけど、後ろにいる兄様の表情を考えると、その時の父様も笑える顔はしていなかったと思う。

「まさかとは思いますが、王都までのあの距離を移動したわけではないですよね?」

「当たり前じゃない!私がそんな面倒な事するわけないでしょう?」

コンラットがまさかと思いつつも、何処か疑うような問いかけに、彼女は笑いを堪えたような声で答えていた。

「この森はね、魔力が多くある場所に繋がり易くなってるの。だから、アイツくらいの魔力があれば、必ずこの森と繋がってるはずと思って探してみたら、私の思った通りに繋がっていたから、その道を使って会いに行っただけ!」

「えっと…その道?というのは、そんな簡単に何処に繋がっているのか分かるものなんですか?」

「知ってる魔力とかなら、気配とかで何となく分かるわよ」

「なぁ!?それって、俺達も使えるか!?」

「無理よ。私達が通れるくらいの大きさしかないから、アンタ達は無理」

その道を使ってみたかったのか、期待を込めたようなバルドの顔は、彼女のあっさりとした答えで、がっかりしたような顔な顔に変わっていた。

「い、言っておくけど!森を維持する魔力を拝借するための穴だから、私達だって安全な場所に繋がる道しか使わないわよ!」

明らかにがっかりしたような顔をしたから、さすがの彼女もそれに気付いたようで、フォローするような事を言っていた。だけど、それに気付いたバルドはショックを受けたような顔をした後、さらに落ち込んでいた。

「……魔力が流れが複雑だったのはそのせいか」

何処か納得したように、後ろの方で兄様がボソリと呟いていたけど、何で自分の言葉で落ち込まれたのか分かってない彼女は、段々と見えて来た屋敷の屋根を指差しながら、元気な声を上げた。

「さ、さぁ!屋敷に突撃するわよ!」

そうして、僕達が入って来た森の入口まで戻ってくると、何故か母様と一緒に父様がそこにいた。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! 仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。 カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。

詠唱? それ、気合を入れるためのおまじないですよね? ~勘違い貴族の規格外魔法譚~

Gaku
ファンタジー
「次の人生は、自由に走り回れる丈夫な体が欲しい」 病室で短い生涯を終えた僕、ガクの切実な願いは、神様のちょっとした(?)サービスで、とんでもなく盛大な形で叶えられた。 気がつけば、そこは剣と魔法が息づく異世界。貴族の三男として、念願の健康な体と、ついでに規格外の魔力を手に入れていた! これでようやく、平和で自堕落なスローライフが送れる――はずだった。 だが、僕には一つ、致命的な欠点があった。それは、この世界の魔法に関する常識が、綺麗さっぱりゼロだったこと。 皆が必死に唱える「詠唱」を、僕は「気合を入れるためのおまじない」だと勘違い。僕の魔法理論は、いつだって「体内のエネルギーを、ぐわーっと集めて、どーん!」。 その結果、 うっかり放った火の玉で、屋敷の壁に風穴を開けてしまう。 慌てて土魔法で修復すれば、なぜか元の壁より遥かに豪華絢爛な『匠の壁』が爆誕し、屋敷の新たな観光名所に。 「友達が欲しいな」と軽い気持ちで召喚魔法を使えば、天変地異の末に伝説の魔獣フェンリル(ただし、手のひらサイズの超絶可愛い子犬)を呼び出してしまう始末。 僕はただ、健康な体でのんびり暮らしたいだけなのに! 行く先々で無自覚に「やりすぎ」てしまい、気づけば周囲からは「無詠唱の暴君」「歩く災害」など、実に不名誉なあだ名で呼ばれるようになっていた……。 そんな僕が、ついに魔法学園へ入学! 当然のように入学試験では的を“消滅”させて試験官を絶句させ、「関わってはいけないヤバい奴」として輝かしい孤立生活をスタート! しかし、そんな規格外な僕に興味を持つ、二人の変わり者が現れた。 魔法の真理を探求する理論オタクの「レオ」と、強者との戦いを求める猪突猛進な武闘派女子の「アンナ」。 この二人との出会いが、モノクロだった僕の世界を、一気に鮮やかな色に変えていく――! 勘違いと無自覚チートで、知らず知らずのうちに世界を震撼させる! 腹筋崩壊のドタバタコメディを軸に、個性的な仲間たちとの友情、そして、世界の謎に迫る大冒険が、今、始まる!

レベル1のフリはやめた。貸した力を全回収

ソラ
ファンタジー
勇者パーティの荷物持ち、ソラ。 彼はレベル1の無能として蔑まれ、魔王討伐を目前に「お前のようなゴミはいらない」と追放を言い渡される。 だが、傲慢な勇者たちは知らなかった。 自分たちが人間最高峰の力を維持できていたのは、すべてソラの規格外のステータスを『借りていた』からだということを。 「……わかった。貸していた力、すべて返してもらうよ」 契約解除。返還されたレベルは9999。 一瞬にして力を失い、ただの凡人へと転落しパニックに陥る勇者たち。 対するソラは、星を砕くほどの万能感を取り戻しながらも、淡々と宿を去る。 静かな隠居を望むソラだったが、路地裏で「才能なし」と虐げられていた少女ミィナを助けたことで、運命が変わり始める。 「借金の利息として、君を最強にしてあげよう」 これは、世界そのものにステータスを貸し付けていた最強の『貸与者』が、不条理な世界を再定義していく物語。 (本作品はAIを活用して構成・執筆しています)

ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。

タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。 しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。 ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。 激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編

異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します

桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる

解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る

早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」 解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。 そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。 彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。 (1話2500字程度、1章まで完結保証です)

爺さんの異世界建国記 〜荒廃した異世界を農業で立て直していきます。いきなりの土作りはうまくいかない。

秋田ノ介
ファンタジー
  88歳の爺さんが、異世界に転生して農業の知識を駆使して建国をする話。  異世界では、戦乱が絶えず、土地が荒廃し、人心は乱れ、国家が崩壊している。そんな世界を司る女神から、世界を救うように懇願される。爺は、耳が遠いせいで、村長になって村人が飢えないようにしてほしいと頼まれたと勘違いする。  その願いを叶えるために、農業で村人の飢えをなくすことを目標にして、生活していく。それが、次第に輪が広がり世界の人々に希望を与え始める。戦争で成人男性が極端に少ない世界で、13歳のロッシュという若者に転生した爺の周りには、ハーレムが出来上がっていく。徐々にその地に、流浪をしている者たちや様々な種族の者たちが様々な思惑で集まり、国家が出来上がっていく。  飢えを乗り越えた『村』は、王国から狙われることとなる。強大な軍事力を誇る王国に対して、ロッシュは知恵と知識、そして魔法や仲間たちと協力して、その脅威を乗り越えていくオリジナル戦記。  完結済み。全400話、150万字程度程度になります。元は他のサイトで掲載していたものを加筆修正して、掲載します。一日、少なくとも二話は更新します。  

処理中です...