すろらいふ・おんらいん

TaHiRo

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タロス 01

02 PKにKでもNDだった

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「――いいよ。それで矯正ログアウトできないって?」
「はい。オカンと試しているのですが」
 ログインデータを確認する。
「あ~~。ゲームデータならまだしも、相手の個人情報を取ろうとしているね」
「犯罪ですよね」
「知らないんじゃない? まぁ、プロテクトかかっているし。大丈夫――」
「――ん?」
「1層、壊されましたね」
「時間がかかっているけど。――もう少し早く出来ないの? このユーザー」
「そこですか」
「そこじゃないの?」
「犯罪を――」
「だって犯罪が成立しないと犯罪にならないから」
「……難しいこと言いますね」
「そう?」
「防がないのですか?」
「犯罪予定者を守る気になれないもん」
「それは同意しますが――」
「フェイクでも作る? でも、犯罪にならないよね」
「どうしても、犯罪者にしたいんですか?」
「え、ダメ?」
「――ソラタさんなら、できますよね」
「パパ、できるの?」
「……。この程度なら、できるね」
「やらないんですか?」
「クルリやコウたちに来たら。でも、来ないかな」
「まっすぐ、ユーザーやプレイデータ、ダンジョンデータに向かっていますから」
「無視って酷いよね~~」
「恐れられているのかも」
「でも、一部も一部しか、僕やみんなが作ったのは知らないよね」
 みんなは、オカンやクルリ、コウたち。
「そうですね」
「やっぱり無視されているんだよ」
「もし、来たら?」
「10秒持つかな――」
「やっぱり」
「まぁ、静観していようよ。部外者が立ち入ると面倒だからね」
「各、制作チームのプライドですか」
「だよね~~。僕にはないけど。まぁ、最低限しか注文来ないしね」
「……。静かですね」
「とりあえず、タウンでは殺生禁止で」
「判りました」
 眠い僕。寝る。

 二時間経過。
「あ、起きた」
「――誰?」
 誰かがいる。
「――誰?」
 ステータスを確認、できない。
「……何プロテクトかけているんだよ」
「あ、判るんだ。――じゃあね」
 そっちのタイミングで僕を斬りに来た。
「何で死なない!」
 切りつけた奴が叫ぶ。
「え?」
 僕は最初、気付かなかった。
「……死んでない?」
「なに。というか、起きていい?」
「もう一度!」
 僕を斬る。
「何で死なない!」
 切りつけた奴が叫ぶ。
「あのさ、起きていい?」
「もう一度!」
 僕を斬る。
 僕はそのまま体を起こす。
「――さっきから、何?」
「何で? ……何で。あ、ゾンビ!?」
「いや、無理なだけだから」
「そんな……。そんなはずはない! だって」
「だって、なに?」
 このプレイヤーのログを見る。
「――タロス?」
 このプレイヤーの名前、の予定。
「何で疑問形? ログを漁っておいて」
「だって、正式登録してないから。――そこからチートなわけ?」
「いや、そっちこそ!」
「だってここタウンだし。バトル、PKはできないから」
「それは――。いや――」
「出来たら問題だもんね」
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