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アカネとサオリ 02
02 デスマの頃の思い出
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隠しエリアの前を確認していくアカネ。
「ここでよくテストをしたな~~。他に仲間も少なかったから」
「そんなに厳しかったの?」
「みんなライバルみたいな感じだったから」
「殺伐だね~~」
「AIに超されることにもビビっていたから」
「でも、サオリさんは手伝ってくれて」
「仕事ぶりはどうだったの?」
「――早かった。私より」
「だから余裕だったのか」
「――そうかもね」
「よく、こういうのって好奇心だよ。って言っていたっけ」
気付くアカネ。
「――もしかして」
パスに『koukishin』を入れる。
「……通った?」
「一応、残してくれていたわけか」
データが噴出する。
「これか……」
データを開くアカネ。
「これ……」
新しいファイルが幾つも出て来た。
「なんだろう」
アカネがデータの一つを開けた。
PCで確認すると十メガ相当のデータが入っていた。
「AIと一緒に作ったとされるデータか。かなり精巧にできている」
「私とサオリさんのデータだ」
アカネが一つずつ確認していく。
「どれもダンジョンを作る際に作っていたデータ」
「テストデータだね。不要だからって……。でも残してくれていたんだ」
「でもサオリさんは形にして残してくれていたんだ」
「アカネのためにだね。アカネとの思いでや、頑張った証に」
データを抱くアカネ。
「サオリさん。何で別の所に――」
「まぁ、プログラマーが別の部署、会社に行くことはよくあるしね」
「――そうだね」
「それだけ、有能と評価されたんだろうね」
「――うん。どう。私のサオリさんは」
「アカネのサオリさんじゃないだろ」
「見直した?」
「別に見下してなかった」
「そうだったね。――帰ろうか」
アカネはエリアを出る。
誰かが到着する。
「あ、開けたんだ」
振り返るとサオリがいた。
「サオリ、さん……」
「あ、サオリさん。――何で?」
「ゲーム実装されたでしょ。だから」
「誰でも入れるしね。基本。サオリさんが普通に来てもダメじゃないか」
「何で――。管理者権限から来れば――」
「そのパスはもう返却済み」
「――そうでしたね」
「アバターとかはゲーム制作時のだから。それより、見つけたんだ。データ」
「サオリさん!」
アカネがサオリさんに抱きつく。
「もう――。急にいなくなって」
「――。ゴメン。急に仕事がね。待ってもらっていたんだけど、それも無理で」
「でも、急に……」
「別れるのもメールだけしかできなかったから」
「私一人だと、怖くて――。だって私は普通のプログラマーでしかなくて」
「ゴメンね。でも、アカネならできるって信じていたから」
「ズルいですよ。そうやって――」
「ゴメンね」
サオリさんが僕を見る。
「で、今のパートナー?」
「まぁ、一応」
「……ふ~~ん」
サオリさんにきな臭さを感じる。
「なんか、ちゃんとアカネが息抜きできているみたいでよかった」
「まぁ、一応――」
「で、このパスもソラタが?」
「パスはアカネが覚えていて――」
「……そうなんだ」
「ここでよくテストをしたな~~。他に仲間も少なかったから」
「そんなに厳しかったの?」
「みんなライバルみたいな感じだったから」
「殺伐だね~~」
「AIに超されることにもビビっていたから」
「でも、サオリさんは手伝ってくれて」
「仕事ぶりはどうだったの?」
「――早かった。私より」
「だから余裕だったのか」
「――そうかもね」
「よく、こういうのって好奇心だよ。って言っていたっけ」
気付くアカネ。
「――もしかして」
パスに『koukishin』を入れる。
「……通った?」
「一応、残してくれていたわけか」
データが噴出する。
「これか……」
データを開くアカネ。
「これ……」
新しいファイルが幾つも出て来た。
「なんだろう」
アカネがデータの一つを開けた。
PCで確認すると十メガ相当のデータが入っていた。
「AIと一緒に作ったとされるデータか。かなり精巧にできている」
「私とサオリさんのデータだ」
アカネが一つずつ確認していく。
「どれもダンジョンを作る際に作っていたデータ」
「テストデータだね。不要だからって……。でも残してくれていたんだ」
「でもサオリさんは形にして残してくれていたんだ」
「アカネのためにだね。アカネとの思いでや、頑張った証に」
データを抱くアカネ。
「サオリさん。何で別の所に――」
「まぁ、プログラマーが別の部署、会社に行くことはよくあるしね」
「――そうだね」
「それだけ、有能と評価されたんだろうね」
「――うん。どう。私のサオリさんは」
「アカネのサオリさんじゃないだろ」
「見直した?」
「別に見下してなかった」
「そうだったね。――帰ろうか」
アカネはエリアを出る。
誰かが到着する。
「あ、開けたんだ」
振り返るとサオリがいた。
「サオリ、さん……」
「あ、サオリさん。――何で?」
「ゲーム実装されたでしょ。だから」
「誰でも入れるしね。基本。サオリさんが普通に来てもダメじゃないか」
「何で――。管理者権限から来れば――」
「そのパスはもう返却済み」
「――そうでしたね」
「アバターとかはゲーム制作時のだから。それより、見つけたんだ。データ」
「サオリさん!」
アカネがサオリさんに抱きつく。
「もう――。急にいなくなって」
「――。ゴメン。急に仕事がね。待ってもらっていたんだけど、それも無理で」
「でも、急に……」
「別れるのもメールだけしかできなかったから」
「私一人だと、怖くて――。だって私は普通のプログラマーでしかなくて」
「ゴメンね。でも、アカネならできるって信じていたから」
「ズルいですよ。そうやって――」
「ゴメンね」
サオリさんが僕を見る。
「で、今のパートナー?」
「まぁ、一応」
「……ふ~~ん」
サオリさんにきな臭さを感じる。
「なんか、ちゃんとアカネが息抜きできているみたいでよかった」
「まぁ、一応――」
「で、このパスもソラタが?」
「パスはアカネが覚えていて――」
「……そうなんだ」
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